ソードアート・オンライン~LuLuの物語~ 作:ウンニーニョ
ここは?
少年は手をつないで歩いていた。
女性と少女と少年となかよく歩いていた。
ごく普通の一般家庭。
裕福ではないが幸せな家庭。
3人はいつもの公園に向かっていた。
公園の前、最後の信号。
少女は公園で手を振る友人を見て少年の《左手》を振りほどき飛び出してしまう。
信号は赤。
車道にはトラックが突っ込んできている。
運転手は驚き、ブレーキをかけるが車は急には止まれない。
女性は少女を追いかける。
少年は、置いて行かれるような気がして二人へと手を伸ばす。
女性は少女を助けるために少女を突き飛ばした。
少年の伸ばした手は女性には届かず、女性と共にその左手はトラックによって飛ばされる。
そこで少年の意識は途切れた。
その日、少年は《
女性の声が聞こえる
「なんであの時妹の手をしっかり掴んでいなかったの?」
金髪にニット帽の剣士の声がきこえる
「なんであの時宝箱を開けるのを止めてくれなかったんだ!」
茶髪の棍使いの声が聞こえる
「なんで僕達に関わった? なんであの時、僕の手を離してしまったんだ?」
ボブカットの槍使いの少女の声が聞こえる
「なんであの時私達を助けてくれなかったの?」
「私は死なないって約束してくれたのに」
☆★☆★
はっと少年は目を覚ます。
「……痛ぇ」
《ペインアブソーバ》によって痛みがなくなったこの世界で失われた左腕に本物の痛みを感じる。
「はは、この世界でも幻肢痛は起こるんだな」
その時、少年はとなりの部屋に人の気配を感じる。
人の温もりにあたりたくて少年はドアを開けた。
☆★☆★
「ルル…もう大丈夫なの?」
部屋に入ったルルに初めに声をかけたのはアスナだった。
アスナの声に少し目を腫らしたリズが顔を上げる。
「ルル……」
「リズとアスナがここまでつれてきてくれたのか? すまなかったな」
アスナとリズにルルはお礼を言う。
だがやはり、いつものような元気はない。
「私達、最後しか見ていなくて……よかったら話してみない? 話したほうが少し楽になるかもしれないし、ね?」
アスナの言葉にルルは「……そうだな」と返事をしてさっきまでアスナが座っていたリズやアスナの対面の席に座る。
そして語り始める。
一層でシズクを守れなかったこと。
その過去を償う為に黒猫団に入ったこと。
黒猫団にはレベルを隠して入ったこと。
自分がレベルを隠していた、そのせいでトラップにはまったこと。
そこで自分以外が全滅したこと。
それをケイタに告げて「攻略組のお前が、俺達に関わる資格なんてなかったんだ」と言われたこと。
ケイタが飛び降り手を掴んだこと。
助けられなかったこと。
「そっか。一層の時にルルがキバオウさんに切れたのってシズクさんのことがあったからだったんだね」
アスナが話を聞いて話し、リズも話し出す。
「ケイタって人も酷すぎるよ。今まで一緒にやってきた仲間なのに……」
リズは目をこすりながら言う。
「いや、レベルを隠していた俺が悪かったんだ。俺が関わったりしなければ黒猫団は誰も死なずにすんだ。俺に関わったやつはみんな死んでいく。アスナもリズも、もう俺にかかわらないほうがいい……」
パンッと部屋に乾いた音が響いた。
ルルの言葉を聞いたリズが立ち上がりルルの頬を思い切り叩いたのだ。
「勝手に悲劇のヒーロー気取ってんじゃないわよ! 俺に関わらないほうがいい? ふざけないでよ!私は死なないわよ‼︎」
「リズ……」
「いいわ、もう少し広い家に引っ越す! いい? 毎日私のところに無事を報告に来なさい。そのときに武器のメンテナンスもしてあげるから」
「あ、あぁ…」
リズの剣幕にルルは了承してしまう。
「ぇーっと、それって一緒に住むってことよね?」
二人のやり取りにアスナが疑問を口にする。
その疑問にリズは顔を真っ赤にしながら答える。
「そうよ。で、でも部屋は別だし、変な事したら黒鉄宮にぶち込んでやるんだから」
こうなったリズはとまらないとアスナは苦笑いを浮かべ、ルルは少し表情が和らぐ。
こうしてリズとルルは同じ家に住む事になった。
ちなみに、ルルは攻略やクエストなどがあるため毎日家に戻るのではなく、帰れない時はメッセージで報告することにしてもらったのは余談である。
あとがき
ということでルルの義手の理由とリズと同居が決まる話でした。
どうだったでしょうか?わかりにくかったですかね?
今回の話は特に感想がほしい話でもあります。特に初めの部分。
よろしければお願いします。
ちなみに一緒に住むようにはなりましたが付き合ったり結婚した訳ではありません。
見てわかる?かな? リズはルルのことを好きになってますがルルはよくいる鈍感君です。
これからの2人も気になるところではありますよね