ソードアート・オンライン~LuLuの物語~   作:ウンニーニョ

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皆さんおまたせしました。2日ぶりの投稿です。

楽しんでいただければ幸いです。
では、どうぞ。


ユニークスキル

浮遊城?????

 

黒髪に金髪のグラデーションの少年《ルル》は奇妙な場所にいた。

黄昏時、周りは夕日に包まれ、自分はというと【空に立ち、浮遊城見下ろしている】のだ。

 

☆★☆★

 

それは少し前にさかのぼる。

55層の迷宮区を探索していたルルはボス部屋らしき門を見つける。

自分の役目はコレで終わったと道を引き返そうとするが、壁がせり出してきて来た道をふさいでしまう。

しかも結晶が使えない。

転移できないのだ。

「おいおい、どうなってんだよ」ルルがそう呟くと、唯一進むことのできる道であるボス部屋の門が独りでに開いたのだ。

一人でボス戦など、死亡フラグ以外の何物でもない。

ルルはそう思考するが、いつもと様子が違う。

いつもならボス部屋の門が開いてしばらくすれば、部屋に明かりがともり、ボスが姿を現す。

しかし、今回は部屋に明かりすらともらず、ボスも現れない。

それに、入り口に透明な靄のような物がかかっているように見える。

ルルはとりあえず部屋に入り込み、ボスが現れるなどすれば部屋を出て、とりあえず救援を待つことに決める。

ボス部屋でないことを考えたのである。

そしてルルは部屋に足を踏み入れる。

すると、辺りは光に包まれ、ルルは目を開けていられなくなる。

 

ここで、話は冒頭へと戻る。

 

目を開けた時、ルルは迷宮区の外。

しかも、浮遊城の外。

夕暮れの空の上に立っていたのである。

(どうなった? 俺は死んだのか?)などと考えていると、空の向こうから2つの人影が近づいてくる。

ルルは警戒し、刀に手を添える。

 

「そんなに警戒しなくていいよ。攻撃するつもりはないから」

 

2つの人影の内一つが声をかけで来た。

女性の声である。

2つの人影はそのまま近づいてくると、ルルの対面で足を止めた。

一人は身長170センチくらいの金髪をポニーテールに結った巫女服の女性。

一人は身長130センチくらい肩くらいの赤茶けた癖ッ毛にメガネをかけた修道服の少女。

「警戒しなくてもいいのに。」少女がそんなことを呟くと、隣の女性が苦笑いを浮かべ、話し始める。

 

「はじめまして。プレイヤー《ルル》私達はカーディナル」

 

女性の言葉にルルは目を見開く。

それもそのはずだ。

カーディナルと言えばこのゲーム《ソードアート・オンライン》を制御・統制している2つのコアプログラムのことである。

 

「驚くのも無理はないわ。ゲームのコアシステムが人型の形をとってプレイヤーの前に現れるなんて前代未聞だもの」

 

そう言って女性はコロコロと笑う。

あっけにとられているルルをよそに今度は少女が話し出す。

 

「私達はゲーム開始時…これは本当の意味での開始時ですが、想定されていなかったプレイヤーを見つけました。そのプレイヤーは片腕がなく、装備品としてかりそめの腕を与えられていました。

そのプレイヤーが始まりの町にとどまる、もしくは早々にゲームオーバーをするのなら捨て置きましたが……」

 

「そのプレイヤーは最前線で戦い続けたの。腕を失ってまでもね。でも、そうなってくるとそのプレイヤーはエラーをきたしたプレイヤーでしかないの。」

 

2人の言葉にルルの思考が追いつく。

 

「だから俺を排除するってか?」

 

ルルは刀を抜き構える。

 

「ちがいますよ」

 

しかし少女は否定する。

 

「私達は考えました。どうすればこのエラーを止められるかと。あなたが腕を失ってからずっと……

そしてひとつの結論にいたりました。この世界に存在するエクストラスキルの中には選ばれた1人にしかあたえられないスキルがいくつかあります」

 

少女の言葉にルルは《ヒースクリフ》の《神聖剣》を思い浮かべる。ヒースクリフ以外使えず、ユニークスキルと言われているスキルだ。

少女は続ける。

 

「それを一つ増やし、あなた専用のスキルとして与えます。名前は《手甲魔爪》

しかし、タダで与えてしまってはただのチート。それこそエラーになります。そこで入手条件を設定しました。<50層以降、一つ以上のソードスキルをコンプリートし、魔王を倒す実力があると認められた片腕のプレイヤー>あなたはここで《手甲魔爪》を手に入れるためフラグボスと戦っていただきます」

 

「それによって貴方は魔王を倒す勇者と私達に認められて《手甲魔爪》を手に入れるの。これでエラーもなくなって万々歳でしょ?でも魔王を倒す勇者と認めさせるボスだもの。かなりの強敵よ? あなたはそれでもこのクエストを受ける?」

 

コロコロと笑いながら尋ねる女性の言葉にルルは考える。

このクエストをクリアすれば左腕を取り戻し、ボス戦に戻れると言っているのだ。

死んでいく者を少しは減らせるのではないか? なら、答えは決まっている。

 

「受けるさ。こんな特別なクエストを用意されて受けないわけがないだろう?」

 

その言葉に少女は答える

 

「じゃあ、死なないようにがんばりなさいな」

 

そう言って少女は指を刺す。少女が指を向けた先には禍々しい黒い鎧が立っていた。

鎧は左腕が特に禍々しく、爪もとがっている。

右手は丸い普通の指先だが、腰に剣をさしているところを見ると武器を使うのだろう。

サイズはルルと同じくらいである。

 

鎧は剣を抜き構えた。

片手剣である。

ルルがボスを確認していると、ボスの剣に青い光が燈った。

ソードスキルである。

ルルはいきなりのことに目を見開くが、落ち着いて対処する。

鎧が発動した《バーチカル》に刀を滑らせ受け流す。

鎧の体制が崩れたところに逆袈裟切りを打ち込む。

鎧は攻撃を受けダメージを受けながらも体を捻り、剣を振るってくる。

ルルはそれをバックステップで避けようとするがかすってしまう。

ルルはHPを確認するとかすっただけにもかかわらず、1割を持っていかれている。

たいしてボスはもろに食らったにも関わらず、4本あるHPの内1段目のHPバーを5%削るほどにとどめている。

しかし、後手に回っていてもやられる一方である。

ルルは鎧の懐に飛び込むと体を回転させ、遠心力による加速をつけると鎧の剣を弾く。

鎧の体勢が崩れたところに左、右と刀で切り裂きダメージを与えていく。

鎧は体勢を立て直すと弾かれた剣ではなく、左手の爪で攻撃してきた。

ルルはとっさに刀でガードすると、距離をとる。

幸いダメージは受けていない。

 

攻防は続き、ボスの4段あるHPは2段まで減らしていた。

ボスはソードスキルを多用し《バーチカル》《ホリゾンタル》《スラント》《バーチカル・スクエア》や《ヴォーバル・ストライク》までも使用してきてがルルは何とかしのぎ、ここまでダメージを与えてきた。

キリトが使っているのをよく見ていたからなんとかなったのだろう。

ここまで使ったポーションは4つ。残りは6つ。

結晶無効化空間だったのには驚いたが、半分減らして後6つ何とかなる。

ルルが攻撃を仕掛けようとしたその時だった。

鎧の剣が黒色の妖艶な光を纏った。

ソードスキル《双破斬》

切り上げと切り下ろしの2連撃

ルルは見たことのないソードスキルに戸惑うも、何とかかわす事に成功する。

鎧はHPが半分を下回ったことで攻撃パターンを変更し、片手剣ソードスキルではなく《手甲魔爪》ソードスキルを使用しはじめたのだ。

しかしルルは攻撃の回数を減らし、慎重に行動することで対応する。

鎧の攻撃を掻い潜り2、3発ダメージを与えたらバックステップやサイドステップで後退する。

今もまた、鎧のソードスキル《剛魔掌》をかわし懐に入り込んだ。

《剛魔掌》は左の爪でランダムに切り裂く4連撃。

慣れるまで何回か食らったが今は刀を使いうまくかわす事ができるようになっていた。

懐に入り込んだルルは3発ダメージを与えると後退する。

この攻撃により鎧のHPはレッドゾーンに突入する。

鎧はソードスキルを発動しようと黒い妖艶な光を纏った剣を構えるが、ルルのほうが一歩早かった。

ルルはここで初めてソードスキルを使う。

刀ソードスキル《浮舟》

加速された刀は鎧の剣を打ち上げる。

ノックバックの少ないスキルのためルルはそのまま攻撃に移る。

その攻撃で鎧のHPは0になりポリゴンになって霧散した。

 

ルルの目の前には Congratulation Last Attack Bonus の文字が浮かんでいる。

 

刀を鞘に納めると、後ろからぱちぱちと拍手が聞こえてくる。

巫女服の女性と修道服の少女。《カーディナル》である。

 

「これで俺は左手を取り戻したってわけだ」

 

ルルが《カーディナル》に質問する。

 

「そうよ。これで貴方は《カーディナル》に選ばれた勇者になった。スキルを確認してみなさい。《手甲魔爪》が追加されてるはずよ」

 

ルルは右手を振り、スキルを確認する。

 

「ついでにLAボーナスを確認しててみなさい。なにがドロップしてるのかしら?」

 

「…ディストーション・コートだな。」

 

ルルの答えに少女と女性が話し出す。

 

「あなた、リアルラックは低いんですね。あの鎧《歪の黒騎士》は手甲、刀、片手剣、防具からのランダムドロップします。手甲がドロップすればそのまま装備できたのに……」

 

「そうね、そうなるとあるエクストラスキルをもった鍛冶師を探さないといけないわね。鍛冶師が手甲を作るには《魔工士》のエクストラスキルを会得していないといけないのよ。

条件はなかなか厳しいいわよ? 鍛冶スキルを最大にして《マスター・スミス》になっていて、なおかつ手甲に触れたことのあるプレイヤーよ。この条件はあなたが義手を鍛冶屋に見せたことがあるかにもよるけど____」

 

「なら問題ない。もう知っている」

 

女性の言葉にルルが被せる。

 

「そうならよかったわ。あなたならこのゲームを終わらせてくれるって信じているわ。私達だってプレイヤーを殺したいわけじゃないもの」

 

「そう言うことですね。がんばってください」

 

2人の言葉にルルは背中を向けフラフラと手を振る。

しかし心の中では任せておけと、そう言っていたのである。

 

「ではあなたを元の場所へ戻します。」

 

「いきなりボスに挑んで死なないようにしてくださいよ。まずはスキルをあげてください」

 

「わかってるよ」そんな言葉を残しルルは消えていく。

消えたルルに向かって二人は声を揃えて呼びかける

 

「「がんばってください。貴方は魔王ではなく、私達がえらんだ勇者なのだから」」

 

何もない黄昏の空間に2人の言葉が響いた。

 

 

☆★☆★

 

 

目を開けるとルルは55層のボス部屋の前。

門は閉ざされ、後ろの壁は消えていた。

右手を振りスキルを確認し、白昼夢でないことを確かめるとルルは帰路をたどる。

 

自分の専属鍛冶士《リズベット》に左腕を作ってもらうために。

 

 




あとがき

と言うわけで16話どうだったでしょうか?
オリジナルユニークスキルの登場ですね。
キー坊が魔王に選ばれた勇者なのにたいしてルルはカーディナルに選ばれた勇者なわけです。

ではまた次回。
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