ソードアート・オンライン~LuLuの物語~   作:ウンニーニョ

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前書き。

私服のルルが登場します。左手が無いのでルルが行動するたび長袖がヒラヒラ揺れているのを想像しながらお読みください。


迷子の少女

浮遊城48層(最前線75層)

 

「ルル、準備できた?」

 

「準備って、特にないだろう。」

 

本日リズベット武具店は休業。

中には淡いピンクのワンピースを着たリズベットと紫の長袖のTシャツを着たルルがいた。

 

「それもそうね。 じゃ、いきましょうか」

 

そう言って2人は店を出る。今日はキリトとアスナの新居にお呼ばれしているのだ。

 

あれから色々あった。

 

アスナがギルドを休むためにキリトが団長である《ヒースクリフ》と賭けをし、デュエルをした。

賭けの内容はキリトが勝てばアスナは休暇を貰え、ヒースクリフが勝てばキリトが《血盟騎士団》に入るというものだ。

結果、ヒースクリフが勝ち、キリトは《血盟騎士団》に所属することになった。

 

しかし

 

初任務で《クラディール》、キリトとデュエルしたアスナのストーカーに麻痺薬を盛られ、殺されかけた。

怪しんだアスナが駆けつけ事なきをえたが、ギルドが信じられないと言う事で2人は《血盟騎士団》を一時脱退。

絆を深めた2人は結婚し、今は22層に住んでいる。

そこをたずねる為、ルルとリズベットは転移門をくぐった。

 

☆★☆★

 

22層

南西エリア南岸、ここにキリトとアスナは家を買ったそうだ。

この層は森と水で覆われた自然豊かなフロアであり、さらにフィールドにモンスターが出ない平和なフロアである。

そうでなければルルもリズもワンピースやTシャツなどという装備では歩かないだろう。

 

「たしかこのあたりのはずなんだけど……あ、ここよ。ここ」

 

リズはログハウスのドアをノックする。

 

「はーい」アスナの声と足音が聞こえ、ドアが開く。

 

「いらっしゃい。リズ、ルル君」

 

「いらっしゃいました。久しぶりよねぇ、あんたらが結婚するって挨拶に来た時以来だっけ?」

 

「そうだね。1週間くらいかな? あ、中に入って。飲み物入れるから」

 

アスナに招かれリズとルルは中に入る。

 

「「おじゃましまーす」」

 

2人が入るとキリトが椅子に座っており、トットットとその後ろに小さな影が隠れた。

 

「ユイちゃん。お客さんだよ。挨拶して」

 

アスナの言葉でキリトの後ろからこそこそと少女が顔を出す。

 

「は、はじめまして。ユイ。です」

 

少女、《ユイ》はそう言うとキリトの後ろに隠れてしまう。

 

「恥ずかしかったか? よく言えたな」

 

キリトはそう言ってゆいの頭をなでる。

 

「ユイちゃんか、よろしくね。私はリズベット。リズってよんでね。こっちがルル。仲良くしてね」

 

リズがそういうとユイは頭をそっと出し、リズを見上げにっこりと笑う。

しかし、ルルを見るとサッと隠れてしまう。

やはり目つきが悪いからなのだろうか? ルルは苦笑いをしながら頭をかく。

 

「ルルの目つきは悪いけどとってもいい人なんだぞ。2人は俺たちの友達だ」

 

キリトが言うとゆいはまた顔を出す。

 

「パパとママの友達?」

 

ユイの言葉にルルとリズは固まる。

キリトと飲み物を入れていたアスナは慌てて説明しだす。

ユイはキリトとアスナが森に遊びに行った時に倒れているのを見つけたプレイヤーらしい。

何かのバグがおきておりカーソルが表示されないのと、メニュー画面が少しおかしいらしい。

名前を教えているときにうまくいえなかったため、好きに呼んでいいといったらパパ、ママになったそうだ。

たぶん両親と離れて寂しいのだろう。今は2人が親代わりとして接しているみたいだ。

そんな話をしながら5人はお茶をしている。

 

「でもいいなぁ。私たちも子供ほしいよねルル。こっちじゃそういうことしても子供ができるわけじゃないし」

 

リズが爆弾を投下する。このゲームSAOでは行く行くは医療分野での利用も考えられていたためか、メニュー画面の最深部。普通では気づかない場所に倫理コード解除設定というものがあり、それを解除することでできてしまうのだ。

アスナが《血盟騎士団》の同僚(女性)から聞き、それをリズとの女子会で話したことがある。

 

閑話休題

 

「そ、それってリズたちもしてるってことよね」

 

アスナが顔を赤らめながら聞く。

 

「<も>ってことはアスナもしてるのねぇ」

 

リズがニヤニヤしながらアスナを見る。するとアスナはボフッという音が聞こえてきてしまうかのように真っ赤になってしまった。

 

「だけどルル、おまえはどうしてるんだ。まさか2人と……」

 

「なに言ってるんだ。セレスティアは子供だろう? 「お父さんのお嫁さんになる。」って言ってるようなもんだろう。そのうち飽きるさ」

 

ルルの言葉にアスナとリズがため息を付く。 この鈍感が、と。

「まぁそうか」とキリトが言ってるあたりキリトも同類である。

 

「ま、まぁそれはそうとこれから1層にユイちゃんの家族を探しに行くつもりなの。心配しているだろうから」

 

アスナは話題を変えるためこれからのことを話す

 

「じゃぁ、あたしたちも付いていこうかな。人手が多い方がいいでしょ?」

 

こうして、ユイの家族を探すため5人は1層、始まりの町へ向かった。

 

☆★☆★

 

5人は1層に転移してきた。

 

「ここに来るのも久しぶりだな。」

 

キリトが呟く。

始まりの町、ここはこのデスゲームの開始が宣言された場所。

みんな苦い思い出のある場所。

少し空気が重くなる。

アスナはそんな空気を変えるためユイに質問する。

 

「ねえユイちゃん、見覚えのある建物とかある?」

 

キリトに肩車されながらユイは周りを見渡し、うーんと考えるが「わかんない」と首を横に振る。

ルルはキリトの背中にうなだれるユイの頭をなでながら色々見て回る事を提案する。

予断ではあるがここに来るまでにユイはルルになついている。

ユイが笑顔を見せたのを見てリズが完成の言葉を口にする。

 

「じゃぁ中央市場から行かない? あそこが一番人が集まってそうだしゆいちゃんのこと知っている人がいるかもしれないし」

 

そうして5人は中央市場へ向かった。

 

 

5人が中央市場に来るとそこは想像したものと違っていた。

始まりの町には今生き残っているプレイヤー6000人の内3割(《アインクラッド解放軍》含む)の約2000人くらいがいると予想される。

しかし、中央市場はがらんとし、活気が見られない。

その時

 

「子供たちを返して‼︎」

 

叫び声が聞こえてきた。

5人は顔を合わせうなずくと声のほうに走り出す。

 

「子供たちを返してください‼︎」

 

そこには、軍のプレイヤー5人と向かい合っている女性プレイヤーがいた。

 

「人聞きの悪いことを言わないでほしいな。ちょっと子供たちに社会常識ってもんを教えてやってるだけさ。これも軍の大事な任務でね」

 

真ん中の軍のプレイヤーが言うと隣のプレイヤーが「そうそう、市民には納税の義務があるからな」などと言うと軍のプレイヤー達は笑い始める。

 

「ギン、ケイン、ミナ、そこにいるの?」

 

女性は軍の向こうに向けて話しかけるが軍は道をふさぐように立ちはだかる。

 

「サーシャ先生、助けて!」

 

軍の向こうから声が聞こえてくる。

 

「お金なんていいから全部渡してしまいなさい」

 

「それだけじゃ、駄目なんだ」

 

女性、サーシャの言葉を軍の向こうの声が否定する。

 

「あんたらずいぶん税金を滞納してるからなぁ」

 

「装備も置いて行ってもらわないとなぁ」

 

「防具も全部何から何まで、な」

 

軍の言葉にサーシャが「そこをどきなさい」と剣を構える。

そこへ駆けつけた5人、ルル、アスナ、リズ、キリト、ユイ。

4人は軍を飛び越え軍の向こうのプレイヤーの元へと駆けつける。

そこにいた全員が4人を見て絶句している。何者なのかと。

 

「もう大丈夫よ、装備を戻して」

 

アスナの優しい声に軍の向こうにいた子供のプレイヤー達はうなずく。

 

「おい、おいおいおい! なんなんだお前らは?」

 

「我々軍の任務を妨害するのか?」

 

軍は気を取り直すと端の2人がそう叫ぶ。

 

「まぁ待て、お前ら見ない顔だけど解放軍にたてつく意味がわかってんだろうなァ‼︎」

 

そういって軍の真ん中の1人、リーダー格であろう男が剣を抜く。

それを見たアスナが出て行こうとするが、ルルが右手でアスナを制し前へと出る。

ルルは無言でメニューを開き、刀を出すと柄を持ち、刀を振って抜刀すると剣を抜いた男の剣めがけて刀を振るう。

すると男の剣は真っ二つに折れ、ポリゴンへと変わる。

余裕の顔の男は「へ?」と間抜けな顔をし、周りの4人は驚愕に顔を染める。

ルルはアスナに刀を預け、笑顔で何が起こったのかわからないとルルとさっきまで剣を持っていた手を交互に見る男に近寄り、頭を掴み、持ち上げた。

男は必死に逃れようと手足をばたつかせるが意味はなく、右手に込められた力により男の頭に装備されていたアイアンヘルムは耐久値を無くしポリゴンへと変わる。

 

「安心しろクソ虫、ここは圏内ダメージはうけないさ。ただな、圏内戦闘は恐怖を刻み込む」

 

ルルの笑顔は向けられる側からすれば悪魔の様だった。軍は後ずさりリーダー格の男をおいて逃げようとする。

しかし、逃げようと振り返った先には2人の女性プレイヤーがいた。

1人は出来事に驚愕しているサーシャ、もう1人は<レイピア(、、、、)>をもったリズだった。

 

「まだ話は終わってないんだから、こっちにきたら駄目じゃない」

 

そう言って軍にレイピアを向ける。

ルルの力を見た後だ、軍はどちらにも行けずにおろおろと震えている。

 

「クソ虫、俺にも軍の知り合いがいるんだ。コーバッツって言うんだが知ってるか? そいつに伝えろ。片腕のプレイヤーが呼んでたってな」

 

軍の5人が全力でコクコクとうなずく。

それを見てリズがレイピアを鞘に収め、開いた道を軍の5人は一目散に逃げていった。

アスナが鞘を拾い刀を納めるとルルにわたし、2人は武器をストレージに戻すと子供達のほうに向き直る。

 

「もう大丈夫だ」

 

ルルが言うと子供達は「すげーよ兄ちゃん」「あんなのはじめてみた」「かっこよかった」などといいながらよって来る。

サーシャも「ありがとうございました」とお礼を延べる。

お礼なんて言われ慣れていないルルは苦笑いで頭を描くしかなかった。

そこでユイに変化が起きた。

キリトにしがみつき訴える。

 

「わたし、ここには居なかった。ずっと1人で、暗いところにいた」

 

そこで全員にバリバリとノイズが走る。

ユイは悲鳴を上げキリトの背中から落ちそうになりアスナは落ちそうになったユイを抱きとめる。

ユイはアスナの胸の中で泣きながら「怖い、ママ。怖いよ」と怯え気絶した。

ルルとリズも駆け寄り心配する。

しかし、なにもわからなかった。

そのあとサーシャたちにお礼と、それからユイを休ませるために教会へと招かれることになった。

そこでは冒険へ出られない子供達が生活しているそうだ。

ユイのことを知っている子がいるかもしれない。

 

道中、空気を少しでも変えようとアスナが「リズ、武器変えたんだね」質問し、リズが「メイスより、レイピアのがルルと連携とりやすいかなって」とのろけたのは別の話。

 

 




あとがき


と言う事で黒の騎士様VS団長様のバトルは回想に終わりました。

次回も見てくださいね。
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