ソードアート・オンライン~LuLuの物語~ 作:ウンニーニョ
イルファング・ザ・コボルトロード
第一層のボスにしてこの迷宮の主、赤く光る目を揺らしながらゆっくりと玉座から立ち上がるとボス部屋に明かりが燈る。
部屋の真ん中までコボルトロードがジャンプすると部屋の3角に取り巻きであるルイン・コボルト・センチネルがポップする。
ボス戦が始まったのだ、各々作戦どうりの相手にむかって行く。
ルルたち3人の相手は取り巻きのセンチネルだ。
アスナを入れての連携は初めてなので不安は残るが、まずはルルがいつものようにセンチネルの武器に向けて曲刀を右から左へと弾き上げる。
ステータスの差のおかげかセンチネルの武器が弾かれ、体勢を崩す。
そこにすかさず右左右左と間合いを詰めながら切り込んでいく。
しかしさすがはボスの取り巻きといったところか、迷宮区の他のモンスターよりも体勢が戻るのが早い。
センチネルの体勢が戻ろうとしたのを見計らってルルはソードスキルを使う。
ソードスキル《ファラント・フルムーン》
曲刀の4連撃である。
カロールシミターに赤い光が燈りソードスキルが発動する。
体勢を立て直したセンチネルに4連撃が決まるとまたもセンチネルは体勢を崩される。
「スイッチ」
ノックバックしたルルが叫ぶと待ってましたとばかりにキリトはセンチネルを攻撃していく。
間合いを詰めながらの袈裟切り、逆袈裟切り次々と手数を増やしていく、センチネルがまたも体勢を立て直すタイミングで
キリトのアニールブレードに青い光が燈る
片手剣3連撃ソードスキル《ヴォーバル・ストライク》
センチネルにキリトがヴォーバル・ストライクを当てるとキリトは叫ぶ。
「スイッチ」
2人の連携にあっけを取られていたアスナだが、キリトの言葉に自分の番とセンチネルに向かって飛び込む。
アスナも前の二人に習い体制の崩れたセンチネルに2,3,4と突きを浴びせていく。
アスナの速さにキリトとルルはさすがボス攻略に来るだけはある。と思いながら次の自分の番に備えていた。
センチネルが体勢を立て直そうとするがHPは残りあとわずか、アスナは細剣ソードスキル《リニアー》を発動する。
アスナの剣に白い光が燈り剣が消えた。
高速の突きがセンチネルの体を貫く。
しかし残り数ドットHPが残ってしまう。しかも、アスナはパーティ戦初心者なためスイッチの一言を忘れてしまう。
ノックバックをおこしたアスナにセンチネルが刃を向けアスナは自分のミスに絶望する
「ご苦労さん」
後ろからルルがそう言うとともに曲刀を横薙ぎに一閃。センチネルに叩き込んだ。
ルルの一撃を受けたセンチネルはパリィと音を立てポリゴンになって霧散していく。
キリトもアスナに「おつかれ」と声をかけ、ルルは曲刀を方にトントンと担ぎながら周りを見渡す
3人は攻略戦メンバーでもレベルが高かったのだろう、のこり2体のセンチネルはまだ戦闘中である。
「コボルトロードの戦闘に参加しようか? 2人ともいけるか?」
2人にルルがたずねると
「いけるも何も3人ともダメージをくらってないからな」
「ええ、いつでも行けるわ」
キリトはそんな軽口を言い、アスナも2人を仲間と認めたのか少し声がやらかくなっている。
☆★☆★
3人が戦線に加わりコボルトロードのHPものこり1本に突入した。
その時、部屋の4角でまたもやセンチネルがポップする。
それを見て3人は戦線を離脱、センチネルの討伐へ向かう。
今回は初めに一番近かったアスナが駆け抜けざまリニアーでセンチネルの体勢を崩す。
「スイッチ」
「こんどはちゃんと言えたじゃねぇか」
ルルが茶化しながらセンチネルに攻撃を与えていく。
キリトまで回った時センチネルのHPが0になりポリゴンになって霧散する。
センチネルを倒した3人は戦線に復帰するためコバルトロードに向かって走り出した。
その時、コバルトロードのHPがレッドゾーンに突入し、斧とバックラーを投げ捨てた、武器の交換である。
「情報どうりみたいやな」
「下がれ!俺が出る‼︎」
キバオウが情報と同じ行動に安堵し、ディアベルが止めをさそうと前に出る。
しかし、セオリーなら最後は皆で囲むはず、そんなことをルルやキリトが考えているとディアベルはキリトの方を見てニヤリと笑った。
それを見たルルはいやな予感がし、ディアベルの言葉を無視してコボルトロードへと走る。
ディアベルがコボルトロードに止めを刺そうとソードスキルを発動した。しかしコボルトロードはニヤリと笑うと腰の武器を引き抜く。
それは情報とは違う武器、タルワールではなく野太刀。
それに気づいたキリトは「後ろに飛べ‼︎」と叫ぶが、時すでに遅く、ディアベルは刀ソードスキル《浮舟》によって打ち上げられる。
そこにコボルトロードは刀を鞘に収め抜刀のポーズをとる。
刀系ソードスキル《瞬閃》
抜き放たれた野太刀はまっすぐディアベルに向かう。
しかしディアベルに当たる前に何者かが間にあらわれた。
ルルが追いついたのだ。
ルルはすでに曲刀ソードスキル《リーバー》を発動している。
リーバーと瞬閃はぶつかりルルは押し負け、キバオウのあたりまで吹っ飛ぶ。
(チッ!回復してたらディアベルがやられるか。)
ルルはそう思考するとキバオウに「ボケっとするな、ディアベルを回収しに行け。」と声をかけコボルトロードに向けて駆け出す。
こんどはソードスキルではなかったコボルトロードの野太刀をしっかりと受け止め弾く。
しかしコボルトロードの体勢は崩れず、野太刀はもう一度ルルに振り下ろされる。
しかし、野太刀は割り込んできたプレーヤーによって防がれる。
「俺たちタンクが時間を稼ぐ、回復したらあとは頼む」
スキンヘッドのプレイヤーエギルはそう言うと自分のパーティとともにコボルトロードを押さえにいく。
「ルル!」
その時、後ろからキリトの声が聞こえた。
「3人で行きましょうパーティなんだから」
耐久値が尽きたのだろうか?、いつの間にかフードの取れたアスナも声をかけてくる。
ポーションを飲んで回復したルルにアスナとキリトが並び立つ
「行くぞ‼︎」
キリト、ルル、アスナの連携にコボルトロードはなすすべなくHPを削られていく。
そしてキリトの剣が刺さった瞬間、ついにコボルトロードはのHPは0になり、コボルトロードは雄たけびを上げポリゴンとなって霧散していった。
静寂の後、どこからともなく歓声が上がる。
攻略メンバーたちは喜びを分かち合う。
「Congratulation」
エギルが声おかけてきてくれた。
ルルも「さっきはありがとう」と握手をする。
そのときだ。
「なんでやッ‼︎」
キバオウが叫んだ。
「なんでみんなあのことを追求せえへんのや、あいつはボスの武器のことを黙っとったんやぞ! そのせいでディアベルはんやあいつも死にかけたんやないかい!」
キバオウがキリトを指差し叫ぶ。
周りもその雰囲気に飲まれそうになる。
しかし……
「またか、クソ虫?」
ルルの声にキバオウはビクッと震える。
「知らなかったんだろ? ボスのステータスが上方修正されて武器がタルワールから野太刀に変更されていた。それだけのことだ」
「せやかて……」
「それにセオリーを無視したディアベルも悪い! あのシーンは全員で囲むところだ」
そこにディアベルが口を挟む。
「そのとおりだ。LAボーナスに目がくらんだ僕が悪いんだ」
「LAボーナス?」
「最後にボスに攻撃したプレイヤーに与えられるボーナスアイテムのことさ、俺は____」
「その情報を手に入れたあんたはそれがほしくて勝ちを急いで死にかけた…か? このゲームは死んだら終わりなんだ。こんどからは慎重にな」
ディアベルがベータテスターと言おうとしたところにルルは被せるように言った。
今は、ディアベルがベータテスターだとバレるのはよくないと考えたからだ。
「……あぁ」
「さて俺たちは2層に行くけどどうする?」
ルルはディアベルにたずねる
「僕たちはトールバーナに戻って待っている人たちに報告するよ。ありがとう助けてくれて! さぁ皆行こう‼︎」
ディアベルたちは引き上げていく、キバオウも少し納得はしていないようだったがディアベルを慕っているからなのかあれ以上なにもいわなかった。
「じゃぁ俺たちも行くか? キリト、アスナ」
その言葉を聞いてアスナが訝しげにルルを見る。
「なんで私の名前知ってるのよ?」
「…はぁ」
ルルがため息をつきキリトが説明する。
「画面の右上に自分の以外に追加のHPゲージが見えるだろうその下に何か書いてないか?」
「ルル、キリトこれって」
「そうだそこに名前が表示される、改めまして、キリトです」
「ルルだ」
「アスナです」
「「「ハハハハハ(ふふふふふ)」」」
3人は照れくさそうにひとしきり笑い
「さて、じゃあ行こう!」
2層をアクティベートしに階段を上っていくのだった。
あとがき
やっと1層がおわりました、ディアベル生存しちゃいましたね。出番がこれ以降あるかわかりませんけど笑
ちなみに今回でてきた《瞬閃》のようにストーリーの都合上、刀スキルの大幅な設定変更があります
それではまた次回おあいしましょう