ソードアート・オンライン~LuLuの物語~ 作:ウンニーニョ
では前半をどうぞ
アインクラッド11層(最前戦28層)
ルルはとあるクエストの素材集めのために11層の迷宮区に来ていた。
「結構時間かかったな」そんなことを言いながら帰る途中、ピンチに陥っているパーティを見つける。
ルルは自分の出せる最大のスピードを出し、あご位のボブカットの槍使いの少女に剣を振り下ろそうとしている骸骨型のモンスターを後から切り裂き、ポリゴンに変える
突然のことに、少女は目を見開き固まるが、ルルの「ボケッとするな!死にたいのか‼︎」と言う声に頭を切り替え槍を構える。
ルルは周りのプレイヤーにも指示を出しながら1体、また1体とポリゴンに変えていく。
20体くらいだ倒したろうか? モンスターのポップが止み、静寂がおとずれた。
「ありがとう、僕はケイタ。ギルド《月夜の黒猫団》のリーダーをしている。本当に助かった。是非お礼をさせてくれないか?」
ルルは帰り道だった事もあり、快く申し出を受けると黒猫団のメンバーと町へ向けて歩きはじめた。
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ここは9層のとある飯屋。
そこにルルと黒猫団のメンバーはいた。
「ルルさんに感謝して、乾杯!」
「「「「乾杯‼︎」」」」
黒猫団が乾杯する中、ルルも照れくさそうに頬を掻きながらグラスを上に上げる。
「改めて御礼を言わせてくれ、ありがとう。メンバーの紹介がまだだったよね? さっきも言ったけど僕はケイタ。それであっちの三人が右から順にテツオ、ササマル、ダッカー」
「テツオはメイス、ササマルは両手剣、ダッカーは槍を使っている。僕の隣に居るのがこのギルドの紅一点サチ、彼女も槍使いだ。それで…あの、大変失礼なんですけどLvっていくつくらいなんですか?」
「に、21くらいだよ」
ルルはレベル42なのだが、迷宮区を荒らしていたとバッシングされるのがいやで手ごろなレベルを言う。
「へぇ、僕たちとあまり変わんないのにソロだなんて、すごいですね。」
「ケイタ、敬語はやめてくれ。ソロって言っても1体でいるモンスターを狩ってばかりなんだ。効率は良くない」
「じゃぁルル、よかったらこのギルドに入ってくれないか? このギルドで前衛が出来るのがメイス使いのテツオだけなんだ。サチを前衛が出来る曲刀に転向させようと思うんだけど本人が乗り気じゃなくてさ。ルルの刀は曲刀の上位スキルだろ? 近くで見れば曲刀もいいかもって思うかもしれないしさ」
サチの頭をポンポンとたたきながら話すテツオにサチが顔を膨らませながら答える。
「だって、急に前に出て戦えだなんで怖すぎるよ……」
周りからは「その内慣れるって」「お前は昔から怖がりだよな」などと聞こえてくる
「実はこのギルドのメンバーは同じ高校のパソコン部なんだ。あぁでも大丈夫! ルルもすぐ仲良くなれるよ。絶対! なぁみんな?」
周りのメンバーも同意する。その暖かさと、今のレベルならみんなを守ってあげることが出来る。
そう考えたルルは返事を返す。
「じゃぁ、入らせてもらおうかな。よろしくたのむ」
その答えに「よろしく」「一緒にがんばろうな」などメンバーが声をかけてくる。
そしてケイタからの申請をルルが受理し、ルルのHPバーの名前の左側に《月夜の黒猫団》のマークが現れ、ギルドの一員となるのだった。
☆★☆★
あれから数ヶ月、最前線は30層に進んでいた。
ここは29層。
時刻は夜。
人気のレベリングポイントにルルはいた。
黒猫団に入った後もギルドが寝静まった後にレベルを上げるためソロで活動し、迷宮区を探索した。
ボス攻略戦も28層は参加できなかったものの、29層はギルドの休息日ということにして参加していた。
レベリングポイントはパーティごとに交代で使う。
ルルは自分の番が終わり、刀を鞘に納めると帰路に付くため歩き出した。
見知った顔が声をかけてくる。クライン達《風林火山》とキリトである。
キリトは風林火山が追いついて来てからというものギルドには入らないものの、クライン達と行動することが多くなった。多分、誰一人欠けることなく追いついてきてホッとしたのと、俺が一層で言った「ベータテスターについていった方が死んでいたかも」と言う言葉がキリトの心を軽くしたのだろう。
「おぅルル! 相変わらずソロでレベリングか……ってオメェそれギルドアイコンじゃねえか?」
クラインの言葉にキリトもアイコンを確認し表情を柔らかくした。
「ギルドに入ったんだな」
「まーな。俺、急ぐから行くわ」
レベルを偽ってギルドにいるからだろうか? ルルは少し後ろめたくなって話を切り上げ走り出す
「そぅか? じゃぁまたな!」
何の疑いも持たず、別れの挨拶をするクラインにルルは振り向かずに右手を振るのだった。
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「えー、今回の狩りでなんと20万コルたまりました」
ケイタのこの発言に黒猫団の面々は「おぉーー」「夢のギルドホームもいけるんじゃないか?」「それよりサチの装備考えたら?」などと声が上がる。
サチはその中の「サチの装備も考えたら」に反応した。
「ううん、今のままでいいよ……」
「遠慮すんな。今のままルルに前衛を任せてばかりも悪いだろう?」
サチがそれを渋り、ササマルが進める
「ごめんね」
「気にするな、俺は敵に飛び込んで戦うほうがあってる」
「わるいなルル。サチ、転向が大変なのはわかるでもな、もうちょいだ。みんなで、がんばろうぜ!」
ササマル の発言に対してそんなことを言うサチにルルは気にするなと言い、それにたいしてケイタはみんなでがんばろうとサチを励ます。
それに対してサチは「ぅん」と小さくかえすのだった。
その日の夜中、レベリングから帰ってきたルルにケイタからメッセージが届く。
[ケイタです。サチが出て行ったきり帰ってこないんだ、僕らは迷宮区に行ってみる。ルルも何かわかったら知らせてほしい]
そのメッセージをみるとルルは右手を振りメニューを開くと追跡スキルにてサチを探す。
するとすぐにサチは見つかった。
サチは町外れの橋の下で膝を抱えてうずくまっていた。
「サチ?」そうルルが声をかけると驚いたようにルルのほうを向き、ルルが続けた「みんな心配してるぞ?」その言葉に胸の内を話しはじめる。
「ねぇルル、一緒にどっか逃げよう? この町から、モンスターから、黒猫団のみんなから。……《ソードアート・オンライン》から……」
その言葉にルルは苦笑しながら「それは、一緒に自殺しようって事か?」と答える。
それに対してサチの言葉は「それもいいかもね」だった。
その言葉にルルは苦笑いのままだが、口元がヒクヒクと引きつっている。
「ごめん、嘘。……それなら、安全な街の中になんて隠れてないよね。」
苦笑し、下お向きながら続ける。
「なんでここから出られないの? なんでゲームなのに本当に死ななきゃいけないの? こんな事になんの意味があるの?」
答えられずにいるルルにサチは続ける。
「私、死ぬの怖い! 怖くて……この頃あまり眠れないの」
そういうサチにルルは優しく話し掛ける。
「君は死なないよ」
「なんでそんなことが言えるの?」
「黒猫団は十分強い。それに俺やテツオがいるし、サチは無理に前衛に出る必要も無いだろ? 君は死なない。このゲームがクリアされて、現実に帰るその日まで」
ルルのその言葉にサチは目を見開き、涙を一滴ながしながら頷いた。
その後宿に帰り、ルルがアイテムの整理をしているとサチがやっぱり眠れないからと訪ねてくきた。
ルルのベットで寝息を立てるサチを見ながらルルは今日言ったことを黒猫団のみんなと現実に戻るともう一度心に誓うのだった。
☆★☆★
その日、ケイタは貯まったコルを持ち、ギルドホームを購入するために始まりの町に出かけた。
その間にホームに置く家具などを買う金を稼ごうと迷宮区に行くことになる。
短時間で稼ぐため、いつもより上の団ジョンへ。
黒猫団のメンバーはルルの加入からの急なレベリングで調子にのっていた。
しかしルルは今朝《リズ》から届いたメッセージで頼まれた素材がその層で手に入るのと、Lv50の自分がいれば大丈夫だろうと思い、一つ上の迷宮区へ行くことに賛成した。
迷宮区に入ってしばらく、特に危ないと言うことも無く順調にコルが貯まっていった。
そろそろ帰ろうかと言っていたその時、ササマルが宝箱を見つける。ルルが攻略された迷宮区に宝箱があるのはおかしいと思い、呼びかけるが、多数決で3対2とあけることに決まり、宝箱を開ける事になった。
ルルはもっと強く止めておくべきだったと後悔する。
宝箱を開けた途端入り口が閉ざされ、警報が鳴り始める。
トラップだったのだ。
出口の閉ざされた部屋の中にゴブリンやゴーレムなどが次々にポップし始める
「罠だ! 転移結晶を使え‼︎」
ルルの声にそれぞれに青色のクリスタルを取り出し、行き先を唱える。
しかし、黒猫団のメンバーの体が転移光に包まれる事はなく、転移結晶は反応する気配が無い。
無情にもこのトラップは結晶無効化空間だったのである。
逃げる事が出来なくなった黒猫団のメンバーは全員必死に武器を振るうがモンスターは次々とポップしてくる
最初にササマルが剣を弾かれゴブリンたちの剣に貫かれた。
パリィという音とともにササマルの体はポリゴンとなって霧散する。
仲間の死は初めてだろう。
ダッカーは取り乱し、槍をブンブンとふりまわす。
しかしそれがいけなかった。
槍はテツオのメイスとぶつかり、2人の武器は弾け飛んでしまう。
武器をなくした2人はゴーレムの攻撃をただ受けるしかなかった。
2人の体がポリゴンになって霧散する。
その時、ルルは思い出していた。1層で救えなかったプレイヤーのことを
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1層、キリトと別れ、何日か過ぎたある日。
モンスターに苦戦しているプレーヤーを見つける。
ルルは曲刀ソードスキル《リーバー》を発動し、モンスターをポリゴンに変えるとプレイヤーに話しかける。
「危ないところだったな、自分の実力を踏み違えると死んじまうぜ?」
「そうだよね……僕にはまだ早すぎたみたいだ。あつかましいんだけど、前の町まで送ってくれないかな?」
「本当にあつかましいな。でもいいぜ、放っておいて死なれたら寝覚めが悪いしな」
ルルは苦笑しながら了承するとプレイヤーと2人町に向けて歩き始める。
プレイヤーの名前はシズク。
男だが、あの日までは女性プレイヤーとしてプレイしていたらしい。
しかもベータテスターだと言う。
ベータ時代の経験から次に向かおうとしたが、敵が強くなりすぎてやられそうになったそうだ。
そうは言ってもベータテスターである。
ルルのフォローもあり、2人は危なげなく町へと向かう。
目の前に町が見えてきたその時だった。
最後とばかり狼型のモンスターが10体ほどポップした。
普通に戦えば楽勝、すぐに町にたどり着けるはずだった。
どさりとルルの後ろから倒れる音が聞こえる。
ルルが後ろを振り向くと、シズクが倒れていた。
「おい、シズクなにしてんだ⁉︎」ルルが叫ぶが反応はない。
ポリゴンになっていないのだから死んだわけではないだろう。
しかし、目に光はなく、反応もない。
「クソッ‼︎」
ルルはシズクを守りながら戦うことを決め、シズクの周りに立ち、向かってくる狼型のモンスターを倒していく。
のこり4体になったとき、ルルは攻め急いでしまった。
目の前のモンスターを倒すがシズクとの間に少し距離が出来てしまう。
その隙を突いて残りのモンスターが倒れているシズクに群がる。
「やめろぉぉおお‼︎」
そう叫びながら群がるモンスターを排除しようとするが、無情にも中からパリィとガラスの割れるような音が聞こえてくる。
ルルは叫びながらモンスターをすべてポリゴンに変えた。
しかし、そこにシズクの姿はなかった。
「何なんだよ! 何なんだよいったい‼︎」
そう叫びながらルルはシズクのいた場所をなぐる。
その時、ルルの体もプツン。と糸の切れた人形のように体が崩れ落ちる。
もちろんルルの意識はなく、さっきのシズクのように目に光もなくなってしまっいる。
それから、どれくらい経っただろうか?
ルルの目に光が戻り、ムクリと起き上がる。
さっきのバトルでポップが枯渇したのだろうか? モンスターが出なかったのが幸いだった。
ルルは状況がつかめず、やり場の無い怒りを残しながらもとりあえず目の前の町へ入る。
町ではプレイヤー立ちが同じ状況に陥り不安を抱いていた。
後にこれはプレイヤー達を病院に移送させるため、回線が一旦途切れたのだろうと予想が立てられた。
しかしこの出来事はルルと言うプレイヤーの心に大きな傷を作った。
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もうあんなことはこりごりだ……
「守ると誓ったばかりなんだよ‼︎」
ルルは叫び刀を振りゴブリンやゴーレムをポリゴンに変えていく。
しかしその時、ルルの目の前でサチがゴブリンに後ろから切り裂かれる
「サチィィィィィ」
「ルル、○○○○○○○○○」
ルルは攻撃を背中に受けるが気にせず、夢中で左手を伸ばす。
しかし、その手が届く前にパリィという音とともにサチはポリゴンになって消える。
「うわぁぁぁぁあ‼︎」
ルルは叫びながら刀を振るい、モンスターを次々にポリゴンにかえる。
モンスターがいなくなり、出口が現れた時、静寂の中に立っているのはルルだけだった。
ルルは奥歯を噛み締め刀を鞘に納めると、ふらふらとした足取りで町へと向かった。
原作で、プレイヤーを運ぶ時の回線切断の話を聞いてこんなプレイヤーもいただろうな。と思いシズクの話を書きました。どうだったでしょうか?
明日も黒猫団のお話です。
この話と次の話を書きたいがためにキリト君の気持ちを軽くし、出番を奪ってしまったことをキリトファンの皆様にお詫びします。
ちゃんとキリト君の出番も作りますのでその時はルルとキリト君の絡みを楽しんでいただければと。
ではまた明日