前世の記憶を持った〝あきこ〟は〝まさひろ〟が大好き   作:ゴールド@モーさん好き

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第1話

 私は、死んだ。藤原の家に産まれ、一の姫としての役割を果たし、あの日私は天寿をまっとうした。

 不思議と恐れは無かった、けれど後悔はあった。遠い昔に募らせた想い、例え日の目に出せなくとも忘れたくないと秘め続けた情熱。ソレを終ぞ伝えれなかった心残り。

 けど、ソレは思いがけない形で持ち続ける事となった。

 

 

「あきこおはよう」

「〝まさひろ〟! おはよう! 」

 

 少年に朝の挨拶をしながら、私は彼の手を握る。

 〝小学校〟……そう呼ばれる学び舎に私は通っている。

 どういう訳かは分からないが、私は〝前世〟と呼ばれる存在の記憶と名前を持ったまま産まれた。

 

「……」

「どうしたの、まさひろ」

「えっあ、いや……別に何でも」

「うっそだぁ、何考えたのか教えて」

「ばっ!? 近いって! 」

「手を繋いでるのだから当たり前じゃない」

「そっそうじゃなくてぇ……」

「ふふっ」

 

 〝私〟の記憶と同じ顔、同じ名前の男の子。〝私〟を知らず、私しか知らない男の子。

 私は、まさひろを見て〝私〟を思い出した。烈火の情愛、非愛の運命、何時までも何処までも彼を愛していた乙女の全て。だからこそ、私は〝私〟と一緒に在れない。

 

「ねぇ、まさひろ」

「なんだよ……」

 

 私が少しからかった事で少しふてくされ、目線を合わしてくれずとも返事をしてくれる。ソレがとても嬉しく、愛おしく感じる。

 

「私、毎日が幸せなんだ」

「……は? 」

「なに、その素っ頓狂な返事」

「あきこが先に変な事言うからだろ……」

「ひっどーい! 私は真面目な事言ってるのに」

 

 私があからさまにぷんぷんっと言った風な態度を見せると、まさひろは手を握り直しつつ──けど、っと視線をこっちに向ける。

 

「けど」

「けど……なに? 」

「おれも、だよ」

 

 視線を私と交じらせ、避けを繰り返しながらも紡いでくれた想いに私は心が満たされる。

 

「あっありがとう」

「そこで照れないで欲しいなぁ! 」

「無理、〝貴方〟にそんな事言われたら照れちゃうよ」

 

 〝まさひろ〟は私の好きな人だ、〝彼〟じゃない。絶対譲らない、私だけの大切だ。

 

 

「あきこ、居るか?」

「まさひろ!」

 

 帰りのホームルームが終わったら、隣のクラスのまさひろが迎えに来てくれる。

 

「あんたら本当に仲良いわね、付き合ってるの? 」

「うん!」

「違うよ?! 」

 

 まさひろは顔を赤く染めながら、私の手を取ってそのまま教室を後にする。

 

「毎日登下校一緒にして、想い合ってて……ソレで恋人じゃないって言うのもおかしいと思うよ」

「さっきの話掘り下げんのかよ……」

 

 帰路を歩きたながら、私はさっきクラスメイトに言われた話題を広げる。

 

「そもそも俺もお前も、好きなんて言ったこと無いだろ」

「じゃあ今すぐ言おうか? 」

 

 たしかに直接そういう事は言ってなかったなと即で返事をしたら、まさひろはそのまま黙ってしまった。

 

「ごめんなさい」

「なんであやまるの」

「いや、その……今その言葉を貰ったら」

「貰ったら? 」

 

 なんて言ってくれるんだろう、今私すっごい頬緩んじゃってる。でも仕方無いよね、すっごいドキドキしてるんだもん。

 

「がまんできなくなる」

「ッ! ……」

「きっと、キミへの想いが止まらなくなる……だから、ごめん。俺の覚悟が決まるまで、待ってて欲しい」

「………………うん」

 

 顔が、とってもあつい。クラクラしそう。

 

「きょ、今日は引き分けって事でね!」

「鏡見てきなよ」

「そっちこそ」

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