吉良吉影はキヴォトスでも静かに暮らしたい   作:爆死担当抹茶

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 いいね、感想エトセトラエトセトラがあるからこそ小説を書くモチベが出ます、ありがとうございます。コーラル中毒からなんとか抜け出して小説を書けます。


プロローグ 〜先生〜

 

「……あそこか」

 

 例の連邦生徒会の建物に近づいて来た。あそこが現在先生のいる地点だ。わたしの事を知っているのであれば始末する。そうでなかったら適当にバレない内に逃げればよいのだ。バレた時は……その時はその時だ。

 ……丁度先生とやらが出てきたようだ。

 

 ……見たところ普通の20代程の優しそーな青年、わたしに害をなす事など不可能だろう。もちろんわたしは彼を一目見て、外の世界で少なくとも自分から彼に対して何かしらの関係があった人物ではないと分かった。

 そして彼の周りには何人か生徒が……青い髪のいかにも理系で真面目そうな感じの生徒、メガネをかけた風紀と書かれた腕章をつけた生徒、黒で統一された制服に、黒の大きな翼が生えた生徒、対象的に白い翼の生徒。何やら色々話しているようだが……

 

 そんなこんなしていると突然……

 

(ヒュオオオオー!!)

(ドガアアァァァァン!)

 

「な、なに、これ!?」

「ウ゛ッ゛!?」

 

 しまった。爆風で物陰から追い出されそうになった体をかろうじてキラークイーンで抑えたはいいが、風圧を爆発を起こして相殺する事は叶わなかったため、吹き飛ばされた拍子に思わず声が出てしまった。奇跡的にもダメージは無いものの……

 

「まさか!?」

 

「市民の方!?ここは危険です!離れて──」

 

 この通り、こちらの存在を悟られてしまった。まあ善良な市民のフリをすれば何も問題は無いだろう。

 

 (タタタタタタッ!!)

 

「ッ!?市民の方がいるのに発砲するなんて!!」

 

「なんで私たちが不良と戦わなきゃいけないの!!って、いっ、痛っ!!痛いってば!!あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!?」

 

「伏せてください、ユウカ。それに、ホローポイント弾は違法指定されていません」

 

「うちの学校ではこれから違法になるの!傷跡が残るでしょ!」

 

 不良というのに引っかかる。あれは明らかに戦車だのなんだのの砲弾であって決して不良がもてたような兵器では無いはずだが……キヴォトスにはやはりわたしの常識は通用しなさそうだ。だか……いきなりこちらに砲弾を放ってくるとは、やはりここではそう簡単には『平穏な暮らし』をする事は叶わなそうだ。

 

「とにかく、あなたは避難を──」

 

 おっと。この場から離脱する口実が出来たではないか。それならさっさとこんな危険で目立つような場所からは逃げてしまおう……

 

 ……いや、待てよ?ここで逃げるようなマネをしてみよう。そうしたらわたしは武器を持っているとはいえ少女から逃げる(・・・・・・・)ということになる。それは『ナメられる』事になるのでは?

 

 そんな事は許せん、そうなったと考えるだけで『ムカッ腹』がたってくる。

 

 このわたしは確かに目立たない、平穏な生活を目標とはしている。だが『平穏な生活』とは、何も目立たないだけではなく『ナメられる』事も無いのが重要だ。その為に昔は必ず何かしらのコンテストで『3位』という「そこまで目立つ訳ではないが凄い奴ではあるんだな」と思われるように努力してきた。もっとも、本当であればあんな連中の中であれば1位など容易いのだがね。

 

 ──そうなればわたしのすべき事は一つ。

 

 ──『目立たないように』

 

 ──『舐められないように』

 

 戦おうではないか。

 

「いや……いい」

 

「「「"!?"」」」

 

「私の名は『吉良吉影』年齢33歳……このわたしには誰に言われようが曲げられない『信念』がある……それは『平穏な生活を送る』ただそれだけだ……つまり常に『心の平穏』を願って生きてるわたしにとってたった今攻撃を仕掛けて来たあの輩(クソカスども)……あれは睡眠を妨げる『トラブル』の元凶足り得る存在であり『敵』というわけさ」

 

「独特な感性をお持ちになられているようですね……」

 

 "とりあえず吉良さんは協力してくれるみたいだから……。"

 

 "それと、今から私の指示に従って。"

 

「え、ええっ?戦術指揮をされるんですか?まあ……先生ですし……」

 

「分かりました。これより先生の指揮に従います」

 

「生徒が先生の言葉に従うのは自然な事、ですね。よろしくお願いします」

 

「わたしも戦闘に加わるが、何かして欲しい事があれば言ってくれ……といってもわたしの取り柄は『爆破』ぐらいしかないのだが……」

 

 "随分と物騒な取り柄……。"

 

「よし、じゃあ行ってみましょうか!」

 

 

 ─────────────────────

 

 

「連邦生徒会がグラついてる内に暴れろぉー!」

「ブワァーッワァハッハハハッハハッハァーッ」

「バァッハッハーッ!」

 

 コツン

 

「ん?なんだ?」

 

「どうせ爆風で飛んできた何かのカケラだろ。戯言言う暇あるなら撃て!」

 

 「キラークイーンはすでにコンクリート片に触っている…………」

 

「「「「「は?(ひ?(ふ?(へ?(ほ?)」」」」」

 

 カチッ

 

 ドゴオオォォォォォ!!

 

「がぁッ!?」

 

 不良生徒どもがユウカらこちら側の生徒達に集中した途端に、ちょいと数発爆弾にしたコンクリート片をプレゼント(・・・・・)、目論見通り歓喜の悲鳴を上げながら陣形を崩した。

 

 そして。

 

 "9時の方角に敵影!"

 "ユウカ!車の裏!"

 "ハスミ!奥の狙撃手を撃ち抜いて!"

 "スズミ!閃光弾!チナツ!ユウカの回復を!"

 

 ……先生はまるでそれが本職であるかのように、かなり戦術指揮に手慣れているようだ。わたしのイメージの先生といえば、生徒に対して勉強を教えるものだと考えていたが……やはりというか案の定というか、キヴォトスではわたしの常識は通じない……。

 

 そんなこんなで、ここら辺の不良生徒どもは無事鎮圧出来たようだ。

 

 

 ────────────────────────

 

 

 私は『先生』……って呼ばれてる。

 

 どういう訳だかは分からないけれど、ある時いつの間にか『連邦生徒会』っていう組織の建物のデスクトップで目覚めた。その後すぐ、リンちゃん、モモカ、ユウカ、チナツ、ハスミ、スズミ……色んな『生徒』たちと出会い、そしてリンちゃんから『シッテムの箱の回収』『サンクトゥムタワーの権限回復』を依頼された。

 

 ……私なんかに務まるのだろうか?と一瞬考えたが、生徒たちに頼まれたのに先生が何もしないでどうする?彼女ら子供のためであれば私は命を賭ける……

 

 

 『覚悟』を決めよう。

 

 

 そう思い、連邦生徒会の子の指示通りに、市街地に出て来た。そこでは報告通りいかにも不良といった風貌の生徒達が暴れている。ちょっとやんちゃなのが、うーんと思うところがあるけど……

 

 そう考えていた時だった。

 

 その『大人』との出会いは。

 

 名前は『吉良吉影』。その大人は身長175cm前後の、職業は会社員で、年齢30歳程で()()しか高級ブランドのジャケットの、大人の男性。キヴォトスには様々な住人がいるらしいが、それでも普通の大人の男性は珍しいのだとか……ただ戦闘に協力してくれるらしいけど……『生徒』のみんなは、どうやら彼女らの持つ『ヘイロー』のチカラによって銃弾によるダメージが、致命傷どころか『痛い』程度で済み、キズが残るとか残らないとかを気にする程度なのだ。

 

 だからこそ、普通の人間の大人である私や、吉良さんは気を付けなければならない。生徒達とは違い、銃弾一発が致命傷なのだ。それなのに協力してくれると言った。断ろうとは勿論考えた……けれども、彼から出ていたやるといったらやるというオーラ……言葉で表すのであれば『スゴ味』があった。だからこそ断れなかったので、そのまま戦闘に入ってしまった。

 

 

「来ます!」

 "みんな構えて!"

「準備はできているな?わたしは勿論出来ている」

 

 

 そうして、不良生徒達との交戦が始まったが、戦いは一方的なものだった。私の指揮通りに生徒のみんなが動いてくれた、生徒のみんなの活躍のお陰というのもある。だけれども、それ以上に『吉良さんが敵陣を爆破した』から、一方的な勝利になったと言える。他の生徒の子は戦闘中だから吉良さんが『爆弾を投げこんだ』とかと考えているように見えるけど……後ろで戦局を見て、戦場を俯瞰していた私には、投げ込んでいたものがハッキリ見えた。

 

 ()()()()()()()()()()()()()

 

 初めは見間違いかと思った。コンクリート片が爆発するという奇妙な事象が、目の前の現実だとは思えなかったし、よく目を凝らさないと見えない程の小さなカタマリが、半径9メートル程の大爆発を起こし、不良サイトを一網打尽にしていた。

 

 その瞬間、ごく一瞬だけれども、吉影さんの背後に『ヘイローのついた人の形をした何か』が見えた気がするのは気のせいだろうか。

 

 

 ────────────────────────

 

 

「なんだか、戦闘がいつもよりやりやすかった気がします……」

 

「……やっぱりそうよね?」

 

 彼女たちは先生の指揮の手腕を評価した後、こちらに向かって……

 

「それにしても、敵の陣地に相手が確認できないような小型の爆弾を、私たちには爆風が当たらないギリギリの位置へと正確に打ち込んで爆発させる……吉良さんの技術も相当のものですね」

 

「なに、大したことでは無い。先生の指揮が良くて君たちも強かった、それだけだ。それと聞き忘れていたのだが、君たちは何者なんだい?」

 

 ……わたしは目立つのは嫌いなので、謙遜しつつ話題を逸らし、何とかこの場で目立ちそうになるのを避ける。

 

「そういえば吉良さんにはまだ自己紹介をしていませんでしたね……私はミレニアムサイレンススクールのセミナー所属、早瀬ユウカです」

 

「トリニティ総合学園、トリニティ自警団の守月スズミです」

 

「同じくトリニティ、正義実現委員会の羽川ハスミです」

 

「ゲヘナ学園風紀委員会、火宮チナツです」

 

 "シャーレの『先生』だよ。"

 

「改めて、私の名は『吉良吉影』年齢33歳 独身」

 

 本来ならここでさっさと帰るべきなのだろうが、彼女らがどこへと向かうのかが気になり、

 

「それと……君たちは随分急いでいるようだがどこへ行くのかね?」

 

 尋ねた。

 

 "これから向かうのは連邦捜査部『シャーレ』の部室のある建物。"

 

「連邦生徒会長代理の方に任せられたのですが、このとおり混乱に乗じた不良生徒が暴れていて……」

 

 『シャーレ』……実験とかで使うアレが部活の名前なのか?それにその建物には何があるのか?何故だかは分からないが──

 

 無性に惹かれるような感覚がする。

 

「ほぅ……面白そうじゃあないか……わたしもそこへと向かってみるとするか……」

 

「本当ですか!?」

 

「先生に加えて吉良さんがいれば百人力、いや百万人力です!」

 

 "ご協力に感謝します!"

 

「では出発しようか」

 

 その後、シャーレ付近にいた七囚人の一人、狐坂ワカモという狐面を付けた和服の生徒を追い払い、先ほどわたしに砲弾を撃ち込んだとみられる戦車をキラークイーンでスクラップにした。スカッとした。

 

 その後、リン……おそらく先ほど言われていた連邦生徒会長代理と思わしき人物から電話がかかってきて、後程建物の地下で合流する旨を伝えられた。地下で合流ということは、そこに何かあるのかもしれない。普段はあまり見せることのなかった『好奇心』とやらがくすぐられる感覚がする。

 

「わたしも着いて行っても良いかな?少し興味が出てきたんだ……」

 

 "いいよ!"

 

「即答!?」

 

「そういう所ってあまり部外者の方を入れてはいけないのでは……?」

 

 "まぁ、細かい事は後。行くよ!"

 

「了解した」

 

 ─────────────────────

 

 シャーレの中を歩いていると……

 

「うーん……これが一体何なのか、まったく分かりませんね。これでは壊そうにも……」

 

「……あら?」

 

 怪しい生徒……姿は見えないがおそらくさっき追い払ったワカモだろう。先生を危険な目に合わせてしまうと、わたしが疑われる羽目になる。念の為キラークイーンでいつでも先生を守れるようにして──

 

 "こんにちは。"

 

 一瞬思考が硬直する。さっき暴れていた不良生徒の筆頭格で、しかもさっき「これでは壊そうにも」と言っていたような人物に普通丸腰で挨拶しにいくのか?ハッキリ言えばそれは自殺行為であり、よくて人質コース、最悪の場合命の危険がある。

 

「あら、あららら……あ、ああ……」

 

 何だ?様子がおかしいぞ?

 

「し、し……」

 

 し?しから始まる凶悪犯が言い放ちそうな言葉?始末する?死ね?証拠隠滅?刺突?

 

 ──しかし、その生徒が放った言葉はわたしの予想のそれとは遥かに違う言葉であった。

 

 「失礼いたしましたー!!」

 

 ぴゅーん!

 

「"……"?」

 

「お待たせしました」

 

「……?何かありましたか?」

 

 "ううん、大丈夫。"

 

「心配する必要は無い……たぶん」

 

「……そうですか。それと、そちらの方は誰でしょう?」

 

「私の名は『吉良吉影』」

 

「一般の方が入られるのはあまり良いとは言えませんが……。おそらく先生が許可を出したのでしょう」

 

「ここに、連邦生徒会長の残したものが保管されています」

 

 (スッ)

 

「幸い、傷一つなく無事ですね」

 

 それはタブレット端末だった。見た目で言えば普通のタブレットなのだが、そこからは妙な気配がするような気がする……

 

 『スタンド』と似た感覚だ。

 

 リンがそのタブレットを先生に差し出す。

 

「……受け取ってください」

 

 "タブレット端末……?"

 

「はい。これが、連邦生徒会長が先生に残した物」

 

 『シッテムの箱』です。

 

 





 書いてる途中にセイアが来ました。私はなんとか50連で当てる事ができました。
 次回、『シッテムの箱』

 追記
 最新話が迫真の難産を起こしているので過去に投稿した話の再編を行っています。悪しからず

小説の長さはどれぐらいが適切?

  • 1000〜5000
  • 5001〜
  • 読めればよかろうなのだァァァァッ!!
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