それはそれとして……。
対策委員会、便利屋68、ゲヘナ風紀委員会、ヒフミ……様々な学校の生徒達と、シャーレの先生。そして、我らが『吉良吉影』……。彼ら彼女らは、今後どのような青春の物語を紡いでいくのでしょうか。
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対策委員会の奇妙な冒険 その1
「あれか……」
──
きっかけは今日の朝だ。
〔コッチヲ見ロ……コッチヲ見ロト言ッテイル〕
〔"うぅん……!?"〕
〔"……これが昨日言っていた目覚まし時計!?"〕
電話越しで、先生の驚く声とシアーハートアタックの声が聞こえる。
「本当はキラークイーンの能力の一部で、『シアーハートアタック』と言うのだがね……熱に反応して突撃して爆発するのさ」
〔"こっち来ないよね!?"〕
「大丈夫だ……要望の時間である8時に動き出すようにコントロール出来ていたか少々不安ではあったが……この様子だと問題は無さそうだな」
「コッチヲ見ロトイ言ッテイルンダゼ(ドヤガオ)」
「それよりも先生、また2徹していたようだから昨日は寝させたが……体調は大丈夫か?」
〔"大丈夫!これでバッチリ徹夜できるよ!"〕
「……わたしと君の考えはどうやら、相容れぬ所があるようだな……」
いくらシャーレに降りかかってくる仕事が山積みとはいえ、流石に徹夜なんて考えたくも無い。先生が定時出勤定時退社出来るよう、わたしも先生補佐として書類を片付けてはいるが、先生とわたしで仕事量の比率が9:1なのだからおかしい。本人曰く"吉良さんの迷惑になるといけないから……。"とのことだが、流石に背負いすぎである。それに当番制で来る生徒たちにも書類仕事を手伝って貰えば、さらに効率は上がるだろう。
そう考えながら、本日の業務に備えようとしていると、
〔おはようございます、吉良さん、先生!〕
アロナ──先生の『シッテムの箱』のメインOSであり、おそらくは先生がキラークイーンを見えるようになった一因のAI少女が、わたしたちに挨拶をしてきた。
〔"おはよう、アロナ!"〕
「おはよう」
〔ここ数日間、シャーレに関する噂もたくさん広まってるみたいですし、他の生徒達から助けを求める手紙も届いています。良い兆候です!私たちの活躍が始まるということですから!〕
あまりにも自然にした嬉しそうな表情に、あれは本当にAIなのかと考え込んでしまったが……やはり彼女はただのAIではないような、超常的存在である気がする。それこそやはりスタンドなのでは?
そんな考え事をしていると、彼女の表情に陰りが生まれ、
〔ですがその中に……ちょっと不穏な、こんな手紙がありまして。これは先生たちに一度読んでもらった方が良いかなと。〕
とのこと。その手紙を読んでみると、内容はこうだ。
連邦捜査部の先生へ
こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。
今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。
単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。
それも、地域の暴力組織によってです。
こうなってしまった事情は、かなり複雑ですが……。
どうやら、私たちの学校の校舎が狙われているようです。
今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底を突いてしまいます……。
このままでは、暴力組織に学校を占領されてしまいそうな状況です。
それで、今回先生にお願いできればと思いました。先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?
アビドス──前ネットで検索した所、昔はかなりのマンモス校だったらしいが、砂嵐等の災害によってほぼ全域が砂に覆われ、今では殆ど住人が居ない始末。まさか今も存続しているとは思わなかったが……噂によると、『
うーむ。それにしても地域の暴力組織に学校が乗っ取られそうになるとは……余程切羽詰まった状況らしいな……。このキヴォトスでの『学園』は『国』である、そう言えば分かりやすいだろう。要は『一つの国がテロ組織に転覆させられそうな状況』という訳だ。
……連邦生徒会はそうなるまでアビドスを放置していたのだろうか?だとしたら連邦生徒会への不信の念が募る所だが……。
〔うーん……アビドス高等学校ですか……。昔はとても大きい自治区でしたけど、気候の変化で街が厳しい状況になっていると聞きました。どれほど大きいかというと、街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるぐらいだそうです!〕
「随分と広いようだが……流石に誇張表現らしいというか、大袈裟というか、だな。」
〔あはは、まさか、そんなことあるんでしょうか……?いくらなんでも街のど真ん中で遭難だなんて……。さすがにちょっとした誇張だと思いますが……。〕
〔それより学校が暴力組織に攻撃されているなんて……ただ事ではなさそうですが……。何があったんでしょうか?〕
〔"よし、行くよ!"〕
〔すぐに出発ですか!?さすが、大人の行動力!〕
わたしも先生の補佐として向かうのは賛成だが……先程の『機械のバケモノ』が何なのかが気になる。それはアビドスでの問題解決にあたって、おそらくは邪魔になる存在だろう。それならさっさと『始末』するに限る。
「わたしも向かうとしよう……だが少し野暮用で外させてもらおう……後程合流といこうじゃあないか」
〔かしこまりました!では私たちはすぐに出発しましょう!〕
──そして、今に至る。念には念を入れて一週間分の食料や水、弾薬などの補給品を積んだ、砂漠でも問題無く走行可能なタイヤを取り付けた車で来たが……大正解だったようだ。それに、わたしの探していた『機械のバケモノ』も見つけることが出来た。では始末してしまおう。
──────────────────────
我はB.I.N.A.H……『ビナー』と呼ばれている。
そんな中、こちらに向かって来る強力な神秘の力を持った反応があった。その反応は、我が今まで見てきた事の無いようなエネルギーを持っていた。だが、その反応の正体は意外なものであった。
──ただの人間?
であれば先程の神秘の反応は間違いか?いや、我ビナー、
「キラークイーンはすでに銃弾に触っている……」
(ドドゴオオォォォォォォ!!)
!?!?!?理解不能、リカイフノウリカイフノウ我の装甲にここマデノダメージを与えル爆弾ヲ人類がいッノ間に開発しタとイうのか?イヤ、アの猿どもガデキるワけ無イ。我が装甲は世界一*1ナのだ──
〔──一時撤退してください!このままではビナーちゃんのヘイローが壊されてしまいます!〕
見知ッタ声が我に警告すル。悔しイガこノダメ ジでハオトなシク準じノレしか無イ……
──数ヶ月ハ
──────────────────────
わたしは、キラークイーンを扱うにおいて、新たな技を習得した。
というのもこれは偶然の産物なのであるが、先程車に積んでいた補給物資の中には銃は弾薬が積んであったのだが……それをうっかり爆弾にしてしまった。しかしそこで閃いたのだ。
──爆弾にした銃弾を撃ち込めば、爆弾にした物を投げるよりも圧倒的に攻撃性能が優れるのでは無いか?
試しに爆弾化させた銃弾を砂漠の一角に撃ち込んでみたら、予想通り射程、威力ともにこれまでとは比較にならない程の出力を得る事が出来たのだ。
また銃弾を撃つ瞬間に爆弾へと変化させる技術も身に付けたため、事前にわざわざ弾丸を爆弾にする手間が省く事が出来るようになった。
つまり、これは実践編というわけだ。
(ドドゴオオォォォォォォ!!)
巨大な爆発音。
グオオァァァァァァァァァァァア!!
砂漠に響き渡る咆哮。そして、
(バキィン!)
装甲の剥がれる悲鳴。
機械のバケモノは相当なダメージを負ったためか、砂漠へと潜りこみ行方をくらました。
「……仕留め損ねたか」
覚えず零した言葉、だがおそらくあのダメージでは数ヶ月は
「クックック……。これは興味深い。」
!?!?!?
気配なんてなかったハズなのに、人の声だと?ありえない。咄嗟に声の方向に振り返ると、そこには
「おやおや……。何もそこまで警戒なさらなくても。」
黒のスーツに人間の姿形をしているが……頭部がおかしい。全体が吸い込まれそうな、光を殆ど反射しない黒であり、そこにあるひび割れのような目らしき部分からは常に白い炎のようなものが立ち上がっている。
「クックック……。あなたが先生の補佐をされている『吉良吉影』さんですか……。年齢33才独身、自宅はD.U.シラトリ区北東部の住宅街……。」
「君はわたしに何の用があるのかね?」
こちらの警戒に対して、そいつは
「おやおや……自己紹介が遅れてしまいましたね。私は『ゲマトリア』という組織に所属しております。『黒服』、そう呼んで下さい。結構気に入っている呼ばれ方ですのでね。それと私は何もあなたと対立したい訳ではありません。あなたの為に『取引』を持ちかけたいのです。」
「……話だけでも聞こうじゃあないか」
「クックック……。あなたはやはり大人、アビドスの副生徒会長とは違い話とする前に断るような真似はされない……。素晴らしいです。」
「──『取引』の内容は、『アビドスからの撤退』です。」
なるほど。こいつはわたしがアビドスに来ると何かしらの不都合が生じるのかもしれないから、阻止しようとしている訳だ。それだけ私は警戒されるような立場なのだろうか……今更ながら、悪目立ちしてしまうような現在の立場を恨めしくも思う。
「それによる私へのメリットは?『取引』なのであればこちらにも有益になるような何かがなければ不釣り合いになるだろう?」
「『心の平穏』です。」
「我々の支援する企業で、目立たないように働き、敵を作らないように高給を貰い……そんな生活が送れますよ?」
──そうか。こいつはわたしの事を知っている。ある程度はリサーチしている。だが完全に超常の存在と言う訳ではなく、どうやらわたしにとっての『心の平穏』が何なのかはまだ完全には知らないらしい。
「ならば……断ろう」
黒服の炎が微かに震える。
「何故ですか?」
……わたしの考えたそのままを、黒服に告げた。
「黒服……君はどうやらわたしにとっての『心の平穏』を理解したつもりでここに来たらしいな……だが残念ながら、君はまだわたしにとっての『心の平穏』を理解し切れていない。なのであれば私はこの取引に応じる事は出来ないのだよ……。」
「そう、ですか……。クックック、実に興味深い。分かりました、本日はこれで。」
──食い下がったりとかはしないのか?
こちらがそう考えたのを見越したのか、黒服は
「『取引』とは両者の合意の下成り立つ物……相手側が拒否したのであればこちらも引かざるを得ません。それに『私たちを見ている者』がいます、あまりこの場が長引くとあなたの今後の活動にも支障をきたしてしまうでしょうからね。ですが、吉良吉影さん……。」
ゲマトリアは、あなたのことをずって見ていますよ。
!?消えただと?……あいつは一体何だったんだ?
「吉良さん……でいいかな?あいつの話を、まともに聞いちゃいけないよ。」
……また声か。おそらく先程黒服が言っていた、『私たちを見ている者』なのだろう。だがそれは少女の声……ここにいるという事は、アビドスの生徒なのだろう。案の定、振り返るとそこには、ピンク色の髪をした、小柄な少女がいた。
「君は誰かね?」
「私は小鳥遊ホシノ。アビドス高校対策委員会。あなたって『シャーレの先生の補佐』でしょ?こっちにもウワサは来ているからさ。」
「あいつは、ああいった感じで『取引』って言って色々提案してくるけど、あいつは大方あの『ビナー』を一人であそこまで破壊したあなたを何かしらの実験に使うつもりだったんだろうね。断って正解だよ。」
──一部始終を見られていたようだな。まぁ、見られている見られていないは今やどうでもよい。
それよりも、わたしを使って実験?舐められているのか?後で爆発してやろうか……?
「またあいつに接触される前に、おじさんの高校に連れて行くよ、いい?」
……ひとまずはそうするとしようか。ビナーを始末は出来なかったにしろ、あれだけ傷を負わせればしばらくは大丈夫だろう。
「わたしも丁度アビドスに用事があってね……しかしこのアビトス砂漠にはビナーがいると聞いて、ここでの活動の邪魔になるかもしれないと思ったのさ……だから始末しようとしたのだか、逃げられてしまったのだ」
「うへぇ……。ビナーをあそこまでコテンパンにできるだなんて、吉良さんはあまり敵に回したく無いかもねぇ〜。」
こうして、わたしはホシノの案内の下、アビドス高校へと街のど真ん中で遭難せずに到着する事が出来た。
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「……つまり」
「先生は砂漠のど真ん中で遭難していた所をアビドスの生徒に拾われた……という認識でいいか?」
"
「あいも変わらず自分の事そっちのけで生徒第一で突っ走って……食料も水も持っていかないからこうなるんだぞ……いけない子だ」
"はい……"
何故わたしは先生のお母さんみたいな感じで説教しているのかって?それは先生が砂漠のど真ん中で遭難し、飲みかけのエナジードリンクを口に運び間接キッスをし、背負って運ぼうとした生徒の匂いを嗅いで『いい匂い』と言ったと聞いたからだ。
……場合によってはセクハラの案件である。
「ん……大丈夫、気にしていないから。」
良かった……これで先生がヴァルキューレの厄介になる事は無いだろう。
ホシノからの事前情報によると、彼女らはアビドスの『対策委員会』とのこと。狼耳の、何故か砂漠なのにマフラーを付けている生徒が『砂狼シロコ』、メガネの真面目っ子が「奥空アヤネ」、猫耳のツンデレっぽい生徒が『黒見セリカ』、ベージュのロングヘアの生徒が「十六夜ノノミ」とのこと。
「それとこの事を早くホシノ先輩に……ってあれ?ホシノ先輩は?」
「それがいつの間にかどっかに行ってて……。」
「呼んだかな〜?」
「ホシノ先輩!?隣の部屋で寝ていたと思ってたら勝手に抜け出してどこ行ってたのよ!?」
「うへ、後輩の声が聞こえた気がしたから駆けつけたけど、叱られる為に呼ばれちゃってたか〜……。吉良さん助けてぇ〜。」
「彼女はアビドスの位置を把握出来ていないわたしを案内してくれたのだよ……ここら辺の地図は2年前から変化が無いようだったからね」
「だって〜。おじさんにもちゃんと大義名分があるからそんなに怒らないでよ〜?」
(ダダダダダダダダッ!)
「じゅ、銃声!?」
ドガアアァァァァン!!
「ば、爆発音!?」
ワァーキャァー!
「ひ、悲鳴……?」
「と、突然車が爆発したぞ!?」
「へ、ヘルメット団!?」
「うへぇ……?吉良さんあの車に爆弾積んでたんだ……。」
こんな事もあろうかと乗ってきた車を爆弾にしておいたのだが……そんなのに乗っていたと知ったホシノの穏やかじゃない目線に思わず
「すまない……」
と零してしまった。
「で、ですがカタカタヘルメット団の約半数が倒れました!」
「この事を見越して積んでおいたのだ……わたしにも大義名分があるから怒らないでくれ」
「まぁ、そういうことなら……。それに悪いのはカタカタヘルメット団だしー。あいつらのせいでおちおち昼寝もできないじゃないかー、ヘルメット団めー。」
「ん、それじゃあ出撃。」
「私がオペレーターをするので、先生と吉良さんはサポートをお願いします!」
突然の爆発によって統率を失ったヘルメット団の撃退は容易であった。
「クソッ弾薬不足じゃねぇのかよ!」
「ん、邪魔。」ゲシッ!
「前は私に任せて!」カチャンカチャン!
"ノノミ!弾幕を!"
「お掃除の時間ですよ〜⭐︎」ドドドドドドッ!
「アンタ達なんて敵じゃないのよ!」
「キラークイーンはすでに銃弾に触っている……」ドガアアァァァァン!!
先生の指揮があったとはいえ、あっという間に全員の撃退を確認した。それにしてもアビドス高校の生徒達は一人一人が強く、特にシロコとホシノは他の学園のトップクラスの生徒達とも渡り合える程度の実力を有しているように思える。
「いやあ〜まさか勝っちゃうなんてね。ヘルメット団もかなりの覚悟で仕掛けてきたみたいだったけど。」
「まさか勝っちゃうなんて、じゃありませんよ、ホシノ先輩……勝たないと学校が不良のアジトになっちゃうじゃないですか……。」
「先生の指揮が良かったね。私たちだけの時とは全然違った。これが大人の力…… すごい量の資源と装備、それに戦闘の指揮まで。大人ってすごい。」
"頑張ってくれたみんなのお陰で勝てたんだよ!"
「それにどういう原理だかは分からないけれども、吉良さんの放った弾丸が爆発していたよねぇ〜。」
「ちょっとした小細工を仕込んでいてね……爆発を起こすことによってより効果的に打撃を与える事が出来るんだ」
──その後、アビドスの生徒からの自己紹介、対策委員会の説明を受けた後、ホシノの提案で現在打撃を受けているであろうヘルメット団の前哨基地を叩くとのこと。勿論全員賛成だったのだが、ホシノが意見があると言った途端にセリカとアヤネが動揺していた。ホシノは傷ついちゃうとは言っていたが、そんなに気にしていない様子であった……彼女らは強いだけでなく、仲が良い集団でもあるのだろうな。
それはそれとして、ホシノの作戦は無事成功し、カタカタヘルメット団は今回の損害によりしばらくはこちらを攻撃できないだろう、という結論に至った。
「お帰りなさい。皆さん、お疲れ様でした。」
"みんな、お疲れ様!"
「ただいま~」
「アヤネちゃんも、オペレーターお疲れ。」
「火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたね。これで一息つけそうです。」
「そうだね。これでやっと、重要な問題に集中できる。」
「うん!先生のおかげだね、これで心置きなく全力で
「"借金返済って?(とは?)"」
次回、セリカ
小説の長さはどれぐらいが適切?
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1000〜5000
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5001〜
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読めればよかろうなのだァァァァッ!!