吉良吉影はキヴォトスでも静かに暮らしたい   作:爆死担当抹茶

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 先日の日間ランキング二次創作部門26位でした。マジですか。マジでした。いいね数も100件を越えていて、二次小説作家冥利に尽きます。皆様のいいね感想評価に全員『礼』だッ!




対策委員会の奇妙な冒険 その3

 

 〔先生、ちょっといいか?〕

 

 ──吉影さんからの連絡だ。この時間帯に来るのは大体業務連絡か睡眠に関するアドバイスだけど……。

 

 "どうしたの?"

 

 何か『胸騒ぎ』がする。

 

 〔実は今、わたしのキラークイーンのシアーハートアタックにセリカを追わせている、彼女が詐欺か何かに引っかかってしまった時のための監視役のつもりだったんだが……どうやら悪い予感は当たってしまうものらしいな。〕

 "なんのこと?何を言っている!"

 

 〔──セリカがヘルメット団に誘拐された〕

 

 "!?"

 

 ──吉影さんの口から零された言葉に思わず口を塞ぎそうになるが、そんな事している場合ではない。

 

 〔セリカを追いかけていたシアーハートアタックの動きが、柴関ラーメンのあたりを出てしばらくで止まったと思ったら加速したんだ……そしてこの位置は、前の分析で判明したカタカタヘルメット団の主力が集まっている場所、その付近で停止している……〕

 

 送られてきたマップを確認して。

 

 "今すぐに助けに行く。"

 〔わたしも向かおう……今夜はくつろいで熟睡できそうにないな、ヘルメット団め……〕

 "その睡眠への妙な執着は何……。"

 "とにかく、対策委員会のみんなにも伝えておこう。"

 

 セリカ救出のために、私は吉影さんが教えてくれたポイントの付近の地点に、対策委員会のみんなに集合して欲しいと伝えた。

 

 ──連邦生徒会のセントラルネットワークにアクセスしてでもセリカを探そうとしたけど、これならリンちゃんに小言の時間を使わせてしまう必要が無くなりそうで良かった……。

 

 絶対に生徒の時間を自分の勝手で使いたくない先生なのであった。

 

 ─────────────────────

 

 (ガタン、ガタン)

 

 「う、うーん……。……へ?」(ガバッ)

 「!?こ、ここは!?私、さらわれた!?あ、う……頭が……。」

 

 頭が割れる程痛い。Flak41改をマトモに食らったんだっけ。それなら当たり前か。

 

 (ガタン、ガタン)

 

 「ここ……トラックの荷台……?ヘルメット団め……私をどこに連れて行くつもりなの……。」

 「暗い……けど、隙間から少し光が漏れてる。外……見えるかな。」

 

 次の瞬間、見ない方が幸せだったとつい後悔してしまう程、見慣れていたはずなのに改めて私に絶望を与える砂漠(光景)がそこにはあった。

 

 「砂漠……線路!?線路がある場所って……ま、まさかここ、アビドス郊外の砂漠!?……そ、そんな。ここからじゃ、どこにも連絡が取れない!もし脱出できたとしたと、対策委員会のみんなにどうやって知らせれば……。どうしよう、みんな心配してるだろうな……。」

 

 ……私はこれから、どうなっちゃうんだろう。

 

 「……このままどこかに埋められちゃうのかな。誰にも気づかれないように……。」

 「連絡も途絶えて……私も他の子たちみたいに、街を去ったって思われるんだろうな……。裏切ったって思われるかな……。誤解されたままらみんなに会えないまま死ぬなんて……。」

 

 目から熱いものが込み上げてくる。

 

 そんなの……ヤダよ……。

 

 ……。

 

 「う……うぐぅ……。うっ、ううっ……。」

 

 ─────────────────────

 

 見つけた、あれがシアーハートアタックが追跡していたトラックだ。それならセリカはあの荷台の中にいるのだろう。なのであれば話が早い……追跡中のシアーハートアタックを加速させ、トラックにぶつけようという時──

 

 ──無意識に声が漏れていたようだ。

 

 「我がスタンド『キラークイーン』の『シアーハートアタック』は」

 

 「狙った獲物は絶対に仕留める……」

 

 〔コッチヲ見ロト言ッテイルッ!!〕

 

 (ドガーン!!!)

 

 「う、うわあああっ!?」

 

 

 

 案の定、爆破したトラックからはセリカが飛び出してきた。……我ながら救出方法としては荒っぽ過ぎるとは思うが、まぁこの際無事に救いだすのが先だ。

 

 「カハッ、ケホッ……ケホッ……。なっ、何!?爆発!トラックが爆発した!?砲弾にでも当たったのかな……一体どこから?」

 〔セリカちゃん発見!生存確認しました!〕

 「……あっ、アヤネちゃん?!」

 「こちらも確認した、半泣きのセリカ発見!」

 「!?」

 

 同じく半泣きのセリカを発見したホシノがセリカを揶揄い始めた。

 

 「なにぃー!?うちの可愛いセリカちゃんが泣いてただと!そんなに寂しかったの?ママが悪かったわ、ごめんねー!!」

 「う、うわああ!?う!うるさいっ!!な、泣いてなんか!!」

 「嘘!この目でしっかり見た!」

 「泣かないでください、セリカちゃん!私たちが、その涙を拭いて差し上げますから!」

 「あーもう、うるさいってば!!違うったら違うのっ!!黙れーっ!!」

 「先程までトラックの荷台に閉じ込められていたというのに元気そうで何よりだ……わたしみたいな年寄りは元気が無いものだからね」

 「うへぇ〜、吉影さんの話分かるわぁー……。それにさっきの決め台詞『狙った獲物は絶対に仕留める……』だっけ?かっこよかったよぉー。」

 

 声を大にして言っていたのがホシノに聞こえていたらしい。少々恥ずかしい。

 

 「き、吉良さん!?」

 "無事だったようで安心したよ。"

 「な、何で先生まで!?どうやってここまで来たの!?」

 "ダテにストーカーじゃない。"

 

 ──ここだけ切り抜けばヴァルキューレ事案なのでは?まぁ今更とも言えるが……。

 

 「ふ、ふざけないでよ!」

 「うへ、元気そうじゃーん?無事確保完了ー。」

 「よかった……セリカちゃん……私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって……。」

 「アヤネちゃん……。」

 

 泣きそうなアヤネがセリカの無事に改めて安堵していると……

 

 「まだ油断は禁物。戦術サポートシステムと吉影さんの爆弾を使ってトラックは制圧したけど、まだここは敵陣のど真ん中だから。」

 「だねー。人質を乗せた車両が破壊されたって知ったら、敵さん怒り狂って攻撃してくるよー。」

 「前方にカタカタヘルメット団の兵力、多数確認!!さらに巨大な重火器も多数確認しました!徐々に包囲網を構築しています!」

 「敵ながらあっぱれ……それじゃー、せっかくだから包囲網を突破して帰りますかねー。」

 

 そうホシノが言うと、鬼のような……今にも「アイツらぶっ潰してやる」と言いそうなセリカが、

 

 「……気を付けて。奴ら、改造した重戦車を待ってるわよ。」

 

 と言った。戦車と言われると、先生と初めて会ったあの日の砲撃を思いだす。

 

 「知ってる、Flak41改良型。」

 「戦車なのであれば、『始末』しておくに限るな」

 「それじゃ……。」

 

 全員戦闘の準備は完了し、

 

 「行こうか?」

 

 ホシノの掛け声を合図とし、包囲網突破作戦が開始された。

 

 包囲網はあっけなく突破し、Flak41改良型を壊したセリカは非常にせいせいしたといった面立ちであった。ヘルメット団はわたしの爆発によりほぼ全員が再起不能、追手の心配は無くくつろいでアビトスへと向かうのであった。

 ……何年ぶりだろうか。夜11時過ぎまで起きているどころか、徹夜をする事になろうとは……。

 

 その後、最早気合いだけで立っていたであろうセリカが倒れたのでシロコが保健室へ連れて行ったり、先生がただのストーカーではないと見直されていたり(そんな見直され方されるべきでは無いのだが)と、いつも通りの対策委員会の光景に戻りつつあった時に、アヤネからの報告があった。

 

 「皆さん、これを見てください。戦闘中に回収した、散らばった戦車の部品を回収したところ、キヴォトスでは使用が禁止されている違法機種と判明しました。もう少し調べる必要はありそうですが……ヘルメット団は、自分たちでは入手できない武器まて保有しているそうです。」

 「この部品の流通ルートを分析すれば、ヘルメット団の裏にいる存在を探し出せますね!」

 「はい。ただのチンピラが、なぜここまで執拗に私たちの学校を狙っているのかも、明らかになるかもしれません。」

 

 アヤネの中では、カタカタヘルメット団は地域の暴力組織からただのチンピラに型落ちしたらしい。

 

 「うん、わかった。じっくり調べてみよっかー。」

 

 ─────────────────────

 

 「……格下のチンピラごときでは、あの程度が限界か。主力戦車まで送り出したというのに、このザマとは。」

 「ふむ……となると、目には目を、生徒には生徒を……か。専門家に依頼するとしよう。」

 

 ブルルル、ブルルル

 

 (ガチャ)

 

 〔はい、どんなことでも解決します。便利屋68です。〕

 「仕事を頼みたい、便利屋。」

 「……。」

 

 ─────────────────────

 

 「はあ……はあ……。」

 

 私たちカタカタヘルメット団は、アビドスの連中に壊滅的な被害を被り、現在は仲間とも連絡が取れないような状況だった。クソッ……アビドスにあの大人どもさえいなければ、今頃アイツらは弾薬不足になってて、楽にアビドスを乗っ取れた。あとは『あの大人』に学校を引き渡せば私たちは莫大な金を手に入れられたのに……。成績不振で学籍を失って、明日食うものの保証も無いような今の生活……それなのに、それなのにそれなのに

 ……そんな状況なのに、なんでこうも不幸が降り注いでくるんだ?何故今襲撃者が来やがるんだ?おかしいだろ。

 

 「そこのヘルメットちゃんは考え事かなー?」

 

 ──恐怖に掻き立てられて後ろに振り返った刹那、

 

 「うわああっ!!」

 

 (タタタタタタタタンッ!!)

 

 ──私よりも小さいガキのような襲撃者に撃たれた。

 

 「ぐうっ!!」

 

 「あーあー、こっちは終わったよー。」

 「こっちも制圧完了だ、ボス。」

 「う、うう……何者だ、貴様らは……。」

 「……ふふふ。」

 (グリッ)

 「うあああっ!!ま、まさか、アビドスの!?よくも我々を……。」

 「はあ、こんな不潔で変な匂いのする場所がアジトだなんて。あなたたちも冴えないわね。……いいわ。あなたたちを、労働から解放してあげる。」

 「なっ、何だって!?」

 「要するにクビってこと。現自覚をもって、アビドスは私たちが引き受けるわ。」

 

 ──これしか生き延びる術を知らない私たちから、また奪って行くって言うのか?

 

 「ふっ、ふざけた真似を!貴様らは一体……。」

 (ガツッ!!)

 「うわああっ!!(バタッ)」

 

 ……

 

 「私たちは、便利屋68(シックスティーエイト)。金さえもらえれば、何でもする……。」

 

 なんでも屋よ。

 





 今回は短めですね。ていうか見直してみて前回と今回はあまり本編を改変した内容になっていない、つまり吉良吉影があまり引き立っていないような感じになってしまった気がします。二次小説なのだからそこら辺遠慮なく自分の書きたいものを書いた方がいいのですかね。要はちょっとしたスランプです。
 それはそれとしてついに私の推しである愛すべき社長が本小説に登場です。一体どんな白目を見せてくれるのでしょうか。
 次回、便利屋68

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