皆様のいいね感想評価に、全員『礼』だッ!
これはしばらく前の出来事だ。
たまにはわたしも生徒とコミュニケーションを取るべきだという先生からの助言があったので、最近シャーレに来ていないユウカを誘って、お気に入りの美味しいサンドイッチの店がある商店街へと赴いた。
わたし個人としては、口コミで美味しいと評判のに行くよりも、いい雰囲気のする古い食堂なんかは掘り出し物である事が多いので、特にオススメだ。
それと『美食研究会』なるゲヘナの部活動が口コミで高評価している店は必ずと言ってもいい程当たりの店だ。ただし彼女達の舌に合わない食事を出したが最後、その店は爆破されるらしい……普通にテロ行為である。
「この店のサンドイッチはいつもお昼の11時に焼きあがったパンで作るから評判がいいんだ、午後1時すぎには売り切れるんだよ」
「なるほど……私はこちらのサンドイッチにします。」
こうして2人でサンドイッチを食べながら、ふとユウカの顔を覗くと、目元に隈らしきものが見えた。
「そういえばなのだが……君の目元にくまが見えるが、夜眠れないようなトラブルでもあったのかい?」
「トラブル……では無いのですが、最近はセミナーの仕事が増えてきて、夜遅くまで仕事をする事が増えてきたんですよね……。」
……わたしが休日を堪能しているのが申し訳ないような気がしてならない。
「あまり時間が無い中シャーレに来てもらったのに、わたしの趣味に付き合ってもらってすまない……」
「いえいえ、あまりミレニアム外のお店のものは買えていなかったですが、このように吉影さんに誘っていただけたおかげで美味しいサンドイッチのお店を知ることが出来たので。」
「……良ければ、わたしもミレニアムの仕事を手伝ってもいいかい?」
「本当ですか!?ありがとうございます、吉影さん。」
そうして、サンドイッチを胃に収めた後、ユウカや、ユウカの同僚であるノアと共にセミナーに降りそそぐ仕事を片付けた。
ちなみに書類の内容はというと、『爆発したエンジニア部の建物の修繕』だったり、『ゲーム開発部が暴れた時の対応のための出費』だったりと、様々だった。そういった出費に関する書類を見るたびにユウカは苦悶の表情を浮かべていた。
……エンジニア部の部室が何故爆発するのか?現場に赴いて聞いてみたら、エンジニア部の部長、ウタハ曰く「ロマンだよ」との事。勿論わたしは納得も理解もできなかった。そりゃそうだ、何故ロマンで部室が爆発する?
それにゲーム開発部……おそらく文字通りの活動をしているのだろうが、何があってそのような部活が暴れるのか……
ユウカはこういった頭を抱えるような『トラブル』に常に苛まれていると考えると、少し気の毒にさえ思えてくる。
「お疲れ様です、吉影さん。おかげでなんとか重要な書類以外は片付きました……。」
「私からも、ありがとうございます。吉影さん。」
「また何かあったら呼んでくれ……わたしの連絡先を教えておこう」
セミナーでの一日が終わり、家路に着いた時だった。
「この仕事だわ!!」
声を大にしている生徒がいた。その装いからしてゲヘナの生徒だろう。ゲヘナの生徒がここら辺に来るのは珍しい事ではなく無いが、 ゲヘナの校則で、生徒が起業する事は禁止だったはず。その『仕事』とはいったい何なのかが気になる。
「『仕事』とは何かね?」
「ひゃっ!?……って、あなたは?」
「私の名前は『吉良吉影』……それと質問に質問では返さない方がいい……テスト0点になってしまうからな」
「そ、そうかしら?」
「そうだ」
「……今後気をつけるわ……。」
彼女の名前は『陸八魔アル』といい、『便利屋68(シックスティーエイト)』なる何でも屋の社長らしい。どうやら彼女は依頼された仕事をこなした帰りで、しかもかなり大きな案件だったため、つい声を荒げてしまったらしい。
また彼女はハードボイルドなアウトローを目指しているようで、その為に便利屋68を経営しているとのこと。
「申し訳ないのだけれども、私たち便利屋には守秘義務があるから、仕事やクライアントに関する情報は言えないわ……。」
「そうか……ならば無理に話さなくてもいい」
そんな会話をしていると
(ぐぅ〜)
アルのお腹から大きな音がした。
「っ!?」
「もしかして、お昼に何も食べていないのかい?」
「そ、そうね……。そのあたりには仕事があったし、お昼を食べる時間がなかったわ……。でっ、でも!今から食べに行くから、心配しなくても大丈夫よ!」
そう言って、アルは自信満々に、かつすごく大切そうに取り出した財布の中身を確認し……
「なななな、なっ、」
何ですってーーーーーー!!!???
……盛大に驚き白目をむいた。どうやら手元にお金が無いらしい。
「どうしてっ!?確かあの封筒の中のお金はしっかり財布に入れたはず……。」
「……美味しいサンドイッチが売っている店がこの辺りにあるんだが、来るかい?」
「えっ?いいの!?で、でも……お金がなくて通りすがりの人に食べ物を買ってもらうなんて、ハードボイルドじゃな」
(ぐぅ〜!!!)
「!!!???」
「やれやれ……ついてきて欲しい」
正直な彼女のお腹に押されるように、例のサンドイッチ店に向かった。
「美味しかったわ!この恩はいつか返すわね!」
「いや、恩返しなんて考えなくていい……今お金が無い状況で、わたしの為に何かをする必要は無い」
「うっ……。痛い所を突いてくるわね……。」
「それでも、恩返しをしたいというのであれば……。」
そう言って、手持ちのお金をアルに渡す。
「!?さ、流石に受け取れないわよ……?」
「いや……これは今度依頼する時の前金だと思ってくれていい……『何でも屋』なのだろう?それなら将来のクライアントの要望にも答えるのが道理ではないか?だから、今度わたしが依頼をする時は、どんな依頼であろうとも、必ずわたしの方に着いてくれないか?」
そう言うと、アルは黙り込んでしまった。凄く悩んでいるらしい。
しばらくして結論がついたのか、アルは私にお金を返してきた。
「気持ちはありがたいし、確かに私たちは金さえもらえれば何でもするアウトロー……。なの、だけれど……私たちはハードボイルドなだけでなく、『自由な』アウトローを目指したいの。だから、このお金は受け取れないわ……。このお金を受け取ると、あなたと私との間に結びつく楔が生まれてしまう、それだと何にも縛られない自由なアウトローでは無いような気がするの……。」
「そうか……それならわたしは君の意見を尊重するよ」
間違いない、アルはいい子だ。少なくとも悪の道を進むのには絶対に向いていない。だが、それでもわたしはそれを否定するつもりはない。
「と、とにかく!サンドイッチの恩はいつか返すから!その時まで待っていて!」
「それなら、期待させてもらうよ」
こうやって、アルと別れた。
──何日か経って
「いやぁー、悪かったってば、アヤネちゃーん。ラーメン奢ってあげるからさ、怒らないで、ねっ?」
先程、アビドス高校の借金返済に関する定例会議があったのだが、そこで出てきた意見が、スクールバスジャック、アイドル、銀行強盗と、ふざけているとしか思えないような内容ばっかりだったのだ。アビドス高校の定例会議はこう言うものなのかと思っていたら、先生も悪ノリに乗って賛成し出すもんだからたまったもんじゃない。そして怒りに震えていたアヤネが限界に達したのか、
「いいわけないじゃないですかぁ!!」
ガッシャーン!
不意にキラークイーンを出してしまう程恐ろしい剣幕、天井を突き破らんとする勢いで吹き飛ぶちゃぶ台。──アヤネを怒らせてしまい、全員めちゃくちや説教された。もちろんわたしもだ……何故???
そしてアヤネの怒りを収める為に、柴関ラーメンに来た、という訳である。
「怒ってません……。」
いくらか気は収まったらしいが、それでも膨れっ面のアヤネ。常日頃からこうだったのかと考えると少し不憫に感じる。
「はい、お口拭いて。はい、よくできましたねー⭐︎」
「赤ちゃんじゃありませんからっ。」
「赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに……」
「赤ちゃんじゃありませんからっ!!」
「すまない……」
「……なんでもいいんだけどさ、なんでまたウチに来たの?」
「アヤネ、チャーシューもっと食べる?」
「(もごもご)ふぁい。」
怒りつつもちゃっかりチャーシューを食べるアヤネ。日常なのである意味慣れてはいるのだろう。
そうしていると……
ガタッ、ガララッ
「……。あ……あのう……。」
ゲヘナの生徒だろうか?ここら辺に来るというのは珍しいが……。
「いらっしゃいませ!何枚様ですか?」
「……こ、ここで一番安いメニューって、お、おいくらですか?」
「一番安いのは……580円の柴関ラーメンです!看板メニューなんで、美味しいですよ!」
「あ、ありがとうございます!」(ガララッ)
「ん?」
メニューの価格だけ聞いて出ていく……?どういう意図があるのだろうか……
すると、
「えへへっ、やっと見つかった、600円以下のメニュー!」
小柄なゲヘナ生、そして
「ふふふ。ほら、何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ。」
……知っている顔が、そこにはあった。
「そ、そうでしたか、さすがは社長、何でもご存知ですね……。」
「はあ……。」
「たまげたな……もしかして、その声、アルか?」
「この声、もしかして吉影さん!?」
"知ってる子なの?"
「あぁ、そうだよ」
「おー?もしかしてアルちゃんがこの前言っていたサンドイッチを奢ってくれた人?思ったより普通の顔をしてるんだね。」
「ちょ、ムツキ室長失礼でしょ!?それにこれから仕事なのだから社長を付けなさい?」
「いや……普通である事は良い事だ、平穏な生活を送る上で目立たない事程好都合な事は無い……」
「あ……アル様の恩人の方ですか?あ、ありがとうございます……。」
「はあ……。社長が迷惑をかけてたら、ごめん。」
「いや、構わない」
おそらく、アルの周りにいる生徒たちは便利屋68に所属しているのだろう。しかしアルを慕うように『様』付けしていたり、『ちゃん』付けで呼んでいたり、あるいは『社長』呼びと、まちまちである。
その後、セリカがやってきて、案内したが、なんと彼女らは1杯のラーメンを四人で分け合うとのこと。しかしセリカは、
「そんな!お金がないのは罪じゃないよ!胸を張って!」
「へ……はい!?」
「お金は天下の回りもの、ってね。そもそもまだ学生だし!それでと、小銭をかき集めて食べにきてくれたんでしょ?そういうのが大事なんだよ!」
なるほど……借金返済に充てる為にあまり自分のお金を使えないセリカだからこそ、こう言ったことが言えるのだ……。尚更早く彼女らの借金問題を解決し、全員がくつろいで熟睡できるようにしなければならないな。
「はい、お待たせいたしました!お熱いのでお気をつけて!」
(ダンッ!)
セリカが柴関ラーメンを持ってきたのだが、そのサイズを見てたまげた。
「ひぇっ、何これ!?ラーメン超大盛りじゃん!」
「ざっと、10人前はあるね……。」
「こ、これはオーダーミスなのでは?こんなの食べるお金、ありませんよう……。」
「いやいや、これで合ってますって。580円の柴関ラーメン並!ですよね、大将?」
「ああ、ちょっと手元が狂って量が増えちまったんだ。気にしないでくれ。」
「大将もああいってるんだから、遠慮しないで!それじゃ、ごゆっくりどうぞー!」
思えば、大将は大人だが善人に思える。わたしがキヴォトスで会った事のある大人は他には先生と黒服だったが、先生はともかく、黒服は自分自身の為に弱者を利用する『悪』の要素を感じた。それにセリカは元々先生やわたしを信頼していなかったあたり、全員ではないにしろキヴォトスの大人は悪人が多いのかもしれない。
その後、山盛りのラーメンに舌鼓を打つ便利屋68とアビドス高校の生徒との交流が終わり、解散という形になった。
「それじゃあ、気をつけてね!」
「お仕事、上手くいきますように!」
「あははっ!了解!あなたたちも学校の復興、頑張ってね!私も応援してるから!じゃあね!」
─────────────────────
「ふう……いい人たちだったわね。」
あんなに美味しいラーメンを山盛り食べさせてもらえたし、あの子たちはいい人だったし、すごいいい所ね!まあそれはそれとして……これからは仕事なのだから、
「「……。」」
「社長。……あの子たちの制服、気づいた?」
「えっ?制服?何が?」
「アビドスだよ、あいつら。」
え……。え?あんなにいい人たちが……アビドス!?
「なななな、なっ、」
何ですってーーーーーー!!!???
「あはははは、その反応うけるー。」
『うけるー。』じゃないわよーっ!!!
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「校舎より南15km地点で大規模な兵力を確認!」
「まさか、ヘルメット団が?」
「ち、違います!ヘルメット団ではありません!……傭兵です!おそらく日雇いの傭兵!」
傭兵……最近先生から勧められたロボットゲームの主人公も傭兵だったな。確か……独立傭兵、だったか?まあいい。
その傭兵のイメージであれば、『金さえもらえばなんでもする』というイメージだが……?まさか……?
「私たちは金さえもらえれば何でもするアウトロー」
……たまげたな。神がいるとして、運命を操作しているとしたら、これほどよく計算された関係はあるまい。*1
「……便利屋かもしれないな」
「うそっ!?超大盛りラーメン食べさせてあげたっていうのに……!?」
「こういう傭兵は『金さえもらえばなんでもする』ものなのだよ……だから恩義とかそういうのは頭に無いんだろうな……」
そうは言ったものの、アルほどの善性を持つ人物が、恩を仇で返す行為をするのかと一番思っているのはわたし自身である。
"それって私が勧めた『アームドコア』の話?"
「まあ、そうだな……あのゲームは非常に難しいが、その分ボスを倒せた時の喜びはすさまじい……ロボのカスタマイズ性が豊かなのも楽しい所なんだ……この前はステッカー作りに励んだよ」
「ゲームの話題はそれまでっ!これ以上接近されるのは危険です!先生、出動命令を!」
"出動だー!"
出動した後に出くわした傭兵は、やはりというか案の定というべきか……知ってる顔であった。
「前方に傭兵を率いている集団を確認!」
「あれ……ラーメン屋さんの……?」
「ぐ、ぐぐっ……。」
「誰かと思えばあんたたちだったのね!!ラーメンも無料で特盛にしてあげたのに、この恩知らず!!」
ここまで来るとアルの10割が良心で出来たような心はボロボロである。だがそんなのお構いナシといった様子でムツキとカヨコが続く。
「あははは、その件はありがと。それはそれ、これはこれ。こっちと仕事でさ。」
「残念だけど、公私はハッキリ区別しないと。受けた仕事はきっちりこなす。」
「……なるほど。その仕事っていうのが、便利屋だったんだ。」
「もう!学生なら、他にとっても健全なアルバイトがあるでしょう?それなのに便利屋だなんて!」
「ちょっ、アルバイトじゃないわ!れっきとしたビジネスなの!肩書きだってあるんだから!私は社長!あっちが室長で、こっちが課長……。」
「はあ……社長。ここでそう言う風に言っちゃうと、余計薄っぺらさが際立つ……。」
「誰の差し金?……いや、答えるわけないか。」
(カチャッ)
「力尽くで口を割らせるしか。」
「ふふふ、それはもちろん企業秘密よ?」
総員!攻撃!
そんな感じで始まった便利屋と傭兵による襲撃だが、傭兵はともかく、便利屋メンバーがやたら強い。
(ダダダダダダダダッ!)
「くふふ、バイトちゃん、こっちだよー?」
「なっなんのこれしきっ……」
「こっちばかり見てると『足元を掬われる』よ、バイトちゃん?」
「なっ……!トラッシュケース!?」
(ドガアアァァァァン!)
「はあ……面倒。」
(タァンタァンタァン!)
「お仕置きの時間ですよーっ!!」
(ドドドドドドドドッ!)
(カヨコさん……でしたっけ。こちらが狙いを付けようとしたタイミングで意識をそらすような正確な射撃……。)
「つ、強いです……!」
「昔はゲヘナの治安維持機構に属していたからね。」
「それって……風紀委員会ですか!?」
「死んでください死んでください死んでくださいいっ!!」
(ダァンダァンダァン!!)
「そんなにショットガンを撃ちまくるなんてー、リロードの隙も装填が早くて中々狙いづらいじゃないかー、もー。」
「死んでくださいっっ!!」
「あちゃー、聞いてないや……。」
(ドォン!)
(カチャッ)
(ドォン!)
「ん……。」
(スナイパーだから近づけば余裕かと思ったけど……それまでが大変。)
「ふふふ!次のあなたのセリフは『ん……手強い!』よ!」
「ん……手強い!……ハッ!?」
(せ、セリフ読みが決まったわ!やったわ!)
こちらが押されている。アビドスの皆を支援しようにもこちらは傭兵の処理を受け持っている。これだけの数の傭兵、すぐに始末は出来ないので、それまで耐えてくれるか……。
その時だった。
(キーンコーンカーンコーン)
「……あ、定時だ」
……定時?
「今日の日当だとここまでね。あとは自分たちでなんとかして。みんな、帰るわよ。」
「は、はあ!?ちゃ、ちょっと待ってよ!!」
「終わったってさ。」「帰りにそば屋でも寄ってく?」
「こらー!!ちょっ、どういうことよ!?ちょっと!帰っちゃダメ!!」
……わたしが爆破して再起不能となったのを担ぎ、傭兵が全員帰って行った。
「……。」
「こりゃヤバいね。まさかこの時間まで決着がつかないなんて……アルちゃん?どうする?逃げる?」
「あ……うう……。こ、これで終わったと思わないことね!アビドス!!」
「あはは、アルちゃん、完全に三流悪役のセリフじゃんそれ。」
「うるさい!逃げ……じゃなくて、撤退するわよ!」
(ぴゅーん!)
「待って!……あ、行っちゃいましたね。」
「うへ〜逃げ足速いね、あの子たち。」
こうして、アヤネが敵勢力の撤退を確認、便利屋68は今後しばらく警戒という結論に至り、解散となった。
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──キヴォトス 某所──
「『廃墟』と呼ばれるこの空間は、私たちにとっても大変興味深い場所です。ゲマトリアの何人かはこの場所を、強い関心を持って見守っています。
「……何があるのかね?」
「現在は稼働していない、閉鎖された軍需工場。かつてこの工場をコントロールし無限の軍隊を生産していた、ディビジョンという名のAIに、デカグラマトンが接触しました。」
「この軍需工場はこれから、デカグラマトンの新しい預言者として、自らの道を照らすでしょう。」
──
その
その異名は、
「堅固な王国と、忠誠を誓う民を相手に、彼の者の権威を奪うことができるだろうか。これもまた、興味深い問題です。」
「つまり、そいつを『始末』してしまえばよいのだろう?」
「クックック……ケセドの反応を示したデータを送信します。ご健闘をお祈りいたしますよ。」
──ビナーの件以来、わたしはデカグラマトンの預言者についての情報を調べていた。おそらくそれらはキヴォトスの平穏を乱す者、すなわち『わたしの平穏』を乱す者……。あの時以来。そう考えている。
そう言った状況で、先日ミレニアムでユウカの仕事を手伝っていると、その書類の中に預言者についての情報かあった。そしてその後すぐにシャーレにわたし宛の手紙が一通届き、黒服にこの『廃墟』に来るように言われた。『契約』の話であれば容赦なく蹴っていたが、デカグラマトンに関連する話と聞いて、わたしは現地に赴いたのだ。
「この奥か……。」
ケセドの位置を示したポイントへの通路を辿っていると
(タタタタタタタタタッ!!)
やはりいたか。素早く飛んできた弾丸を爆破、消滅させる。
⦅--・-・ ・-・-・ -・-・ ・・- --・-・ ⦆
⦅-・・・ ・- --・-・ ・・ ⦆
暗号だな。おそらくわたしに伝わらないように……という工夫なのだろうが、そもそも聞いていないのでわざわざ暗号で話す意味はない。
「『第一の爆弾ッ』!」
ドガアアァァァァン!
「『シアーハートアタック』ッッ!!」
「コッチヲ見ロト言ッテイル!!」
ドッゴオオォォォ!!
──オートマターたちを始末し、最奥に向かう。
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〔シンニュウシャ〕
〔ハイジョ〕
──オートマターの声か。侵入者のようだな。普通の侵入者であればこの無限とも言えるオートマターの軍勢を見たら、武器を捨てて逃げる。今回もそうだろう。
(ドガアアァァァァン!)
ドッゴオオォォォ!!
何だ?この爆発音は……?まさか……?ありえないと思うが……?
──ビナーを襲った『シリアルキラー』か?
念の為に外骨格装甲の出力を最大にし、バリアーを展開する。
──どうやら、悪い予感は当たるものらしい。
ドバアアァァァァン!!
その一発だけで、外骨格装甲のパルスシールドが消失する。
「次は……シールドの本体だな」
『シリアルキラー』だ。我々を追い、殺害せんとする、キヴォトス外から来た謎の人間。物質を爆弾に変える能力を有していて、ビナーを襲った爆発は、核弾頭を凌駕するほどのエネルギーであった。
しかし、『シールドの本体だな』だと?外骨格装甲の事か?舐められたものだ。この装甲はビナーの装甲の何百倍もの硬さを有する重装甲なのだ。それに現在は出力が最大の状態。防げない攻撃などあんまり……ほとんど……いや、全くない!
(タタタタタタタタタッ!!)
待て!?銃弾を撃ち込んできただと!?ま、まずい!シールドの隙間から銃弾が入ってきて、するとあいつは銃弾を爆弾にして……!?
「『第一の爆弾』点火!!」
ドガアアァァァァン!
マ……マズイ……脱出シーケンス起動……テッ退……スル。シカ……シ廃墟ハ閉所……爆発ノエネルギーは外ヘハ逃げなイ……
「ふむ……逃げるのかね?また仕留め損ねたか……この吉良吉影、狙った獲物は逃がさないようにしているのだが、まさかキヴォトスに来て2度も逃すことになろうとは……なんだこの敗北感は……?」
生キテいル……?
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逃したか……まあいいだろう。
これで今夜も……くつろいで熟睡できるな
社長会なので気合い入りました。入れすぎました。ついでにケセドをぶちのめしました。
次回、銀行強盗
小説の長さはどれぐらいが適切?
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1000〜5000
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5001〜
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読めればよかろうなのだァァァァッ!!