輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話   作:科学大好き人間

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弟のカナト君視点です。柱が増えました。誤字脱字の報告ありがとうございます。中々減らせないですが、せめて内容だけでも面白くなるよう頑張ります。


13話 草柱

「いや~。とりあえずみんな無事でよかったねえ。」

 

「1mmも無事じゃねえだろ。カナトてめー。お前とカナエさんは普通に後遺症あるだろうが・・・!」

 

 

現在、僕たちは緊急柱合会議で産屋敷邸に集められている。

 

いつも通り、輝哉さんが来るまで、枯山水の庭で柱みんなで待機しているところだ。

 

 

「そうですよ。稲葉君。あなたが意識を失ってどれだけみんなが心配したか・・・

 特に間君は、ずっと毎日あなたの身を案じてお見舞いに来ていたんですから。」

 

「え? そうなの? あはは~、ありがとね~。」

 

「こいつ・・・」

 

 

いやいや。みんな心配しすぎでしょ。雁哉もしのぶさんも。

 

カナエさんならともかく、僕なんて頭打っただけで、大したケガもなかったんだし。

 

まあ、花の呼吸終の型を少し我流で使った結果、視力が1.5から1.0まで落ちたけど、まあ眼鏡かけるほどのことでもないし。

 

それなのにカナエさんにそのことを話したら半日お説教されることになったよ。

 

まあ、説教された理由は主に、一人で上弦の弐と戦ったことなんだけど・・・

 

 

「しっかし、派手に元気に復活したなぁ、稲葉。上弦相手に対した深手もなかったんだろ?

 柱三人はいないと勝てないって言われてんのに、よく生き残れたもんだな。」

 

 

感心したように長身から僕らをのぞき込む宇随さん。

 

 

「上弦と会敵し、生き残れたのは奇跡に近い。稲葉はとても幸運な子供なのだろう。」

 

 

数珠をじゃりじゃりしながら安心した様子の悲鳴嶼さん。

 

 

「しかし悲鳴嶼さんよォ。稲葉は見た目と性格に反して相当やるやつですよ。

 出来のいい後輩を少しは褒めてやりましょうやァ」

 

 

誇らしげにニヤついてる不死川さん。

 

 

「うむ!! 上弦相手に生き残れるその実力!! 誇るべきだ稲葉少年!! 今すぐにでも君は柱に任命されるべきだ!!」

 

 

腕を組んで僕を柱に推薦しようとする桃寿郎君のそっくりさん、じゃなかった。煉獄さん。

 

 

「・・・お前は俺とは違う(素晴らしい才能を持った剣士だ。俺の代わりに柱になるべきだ)」

 

 

そっぽを向きながらつぶやく冨岡さん。そして・・・

 

 

「なんだ、冨岡。稲葉に嫉妬しているのか。悔しければ貴様も上弦を討伐してみたらどうだ?」

 

 

白蛇を首に巻いた、縞々の羽織を着た伊黒さんが冨岡さんに物申す。

 

伊黒さんは、しのぶさんとほぼ同じタイミングで下弦の参を討伐し、柱になったそうだ。

 

カナエさんが柱を引退したことは残念だけど、そのあと二人も新しい柱が誕生したのは喜ばしいことだ。

 

しかし・・・一つだけ伊黒さんの言葉を訂正しなければならない。

 

 

「伊黒さん。上弦の弐はまだ生きてるかもしれないんです。なので、この後、皆さんの前で報告をすることになっています。」

 

 

そう。正直僕が覚えているのは、童磨の頸を矛で叩き落したところまでだ。

 

あの時、鉄扇でガードされたから、日輪刀の刃は直接やつの頸に触れてなかったはずだ。

 

もしかしたら、まだ生きてるかもしれないのだ。

 

 

「だとしてもだ。貴様は一度上弦の弐に勝っている。次はこちらもやつの情報から対策が打てるのだから勝てない相手ではないはずだ。」

 

 

伊黒さんは問題ないという判断だが、僕はそうは思わない。

 

 

「う~ん。正直、途中まで手加減されていたんで、次いきなり本気で来られたら瞬殺されると思うんですよ。

 やつの動き、日輪刀が切り刻まれるまでわからないくらい速いので、花の呼吸終の型がなかったら多分目で追えないですね。

 それに、あの時は周囲を爆薬で燃やしまくってたので、熱でやつの氷の血鬼術使えなかったみたいなんですよ。

 もし血鬼術で呼吸を封じられたら正直手も足も出ないと思います。」

 

「そ・・・そうか・・・しかし、やつの戦い方がわかれば、いくらでもやりようはあるはずだ。」

 

「伊黒の言う通りだ。ようは派手に爆薬で氷を吹っ飛ばしながら戦えば互角にやり合えるってことだろ? 楽勝じゃねぇか!」

 

「う~ん。上弦の弐が氷を吸わせるだけの血鬼術しか使わないとは思えないんですよね・・・」

 

 

途中宇随さんが僕が取った戦法なら楽勝と豪語してたけど、あの童磨とかいう鬼、絶対ほかにも手札隠してると思うんだよね。

 

正直、戦わないで済むならもう戦いたくない。

 

 

「お館様のお成りです。」

 

 

屋敷の方から輝利哉君とかなたちゃんの声が聞こえた。

 

やがて、奥の部屋から輝哉さんが顔を出した。

 

 

「たびたびの緊急招集の柱合会議に集まってくれたこと嬉しく思うよ。

 今回は、私が公務の方であまり時間が取れないから、さっそくカナトに報告をお願いしたい。」

 

 

「はい! それでは改めてみなさんに報告します!」

 

 

それから僕は、上弦の弐との戦闘についてなるべく詳細に思い出しながら説明を行った。

 

一通り、話を終えた後、輝哉さんから一声があった。

 

 

「カナト。今回の一件、カナエを守ってくれてありがとう。

 君の必死の献身がなければ、彼女はもうこの世にはいなかっただろう。

 この場を借りて、礼を言わせてほしい。」

 

「いえいえ! 頭をお上げください、お館様!! カナエさんは僕の師匠です。弟子が師匠のために命を懸けるのは当然のことですよ。」

 

 

慌てて輝哉さんのお辞儀をやめさせて、僕はすかさず正直な気持ちだけを伝える。

 

 

「ありがとうカナト。君はすごい子だ。

 本当はもっと時間をかけて労ってあげたいが、もう間もなくこの屋敷を離れなければならない。

 すまないが、この場でカナトを新しい柱に任命し、私は席を立たせてもらう。

 上弦の弐についての議論は、この後、柱のみんなにお願いしたい。すまないね。」

 

 

そういうや否や、輝哉さんが使用人に矛のような日輪刀を持ってこさせる。

 

 

「カナト。こちらへ。」

 

「ええ!? 僕じゃ柱なんて無理です! 荷が重いです!!」

 

「馬鹿野郎がァ! お館様がお前の力を認めたってことだ!! 断ってんじゃねェ!!」

 

「稲葉君。お館様に恥をかかしてはいけませんよ。ちゃんと引き受けてください。」

 

「カナト。ガキみたいなこと言うな。腹くくれ。

 それにこれで産屋敷のポケットマネーでいくらでも科学実験と生産量産が可能になるんだ。

 受けない手はないだろ。兄貴命令だ。」

 

「ええ~!?」

 

 

こうして、僕は鬼殺隊の新しい柱、草柱の任命を受けた。

 

 

 

 

続く

 

 

 

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