輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話 作:科学大好き人間
それと原作と比べしのぶさんの性格はかなり別物になっています。まあカナエ姉さんが生きてるのと、カナト君がいるからっていうのはありますね。
それでも良いという方はどうぞ。
「姉さん。これは一体何の集まり?」
私は、蝶屋敷の客間に呼び出されていた。部屋には姉さんとアオイ、なほ、すみ、きよの計5名。
いつもなら、午後の休憩時間は、客間には稲葉君が来てるはずなんだけど・・・
「うふふ~。今から作戦会議よ~。」
「作戦会議?」
姉さんが上機嫌に笑っている。理由はわからないが、私は姉さんの隣に腰を下ろす。
すると、アオイたちはみんなうなずいて私の周りを取り囲む。
「え? なになに? どうしたの?」
「しのぶ様、ご安心を。稲葉さんは道場にいます。カナヲが時間稼ぎをしています。今なら大丈夫です。」
「いや、だから何を?」
「うふふ~。そんなの決まってるじゃない。今からするのは、しのぶが稲葉君の心を射止めるための作戦会議よ~。」
「はあ!? ちょっ!! えええええええ!!??」
私は思わず絶叫する。
「いやいやいや!!! 急に何言ってるの姉さん!!??」
「最近になってようやく稲葉君、前向きになってきたでしょ? 今ならいけるんじゃないかと思って~。」
「いけるとかいけないとかじゃなくて!!!!」
自分から予想以上に大きな声が出ていることに気づき、とっさに口を覆う。
「もう~。しのぶったら動揺しすぎよ。道場まで聞こえるんじゃないかしら。」
「・・・言っておくけど、私、稲葉君のことそんな風に思ってないから・・・!」
声を押し殺して姉さんに釘をさす。しかしここで予想していなかったアオイからの反論が飛んでくる。
「よく言いますね。稲葉さんと二人っきりでお話しているときあんなに嬉しそうにしてるくせに。あれで気がないなんてよく言えたものですね・・・」
「ア、アオイ!?」
「あんなもじもじそわそわしてるしのぶ様、他で見たことありません。今更隠しても遅いです。」
「アオイの言う通りよ。しのぶったら、稲葉君のこと話す時、いつも嬉しそうにしてるわよね~。」
「そ、そんなことありません!!」
「しのぶ様、別に私たちにごまかす必要はないのではありませんか?」
ついにはなほ達にも言われる始末。顔から火が出るような思いだった。
「うう・・・やっぱりみんなには気づかれていたんですね・・・」
「しのぶ~。おそらく柱のみんなも気づいてると思うわよ~。」
「えええ!!?? そうなの姉さん!!???」
他の柱の人達にもなんて・・・私ってそんなにわかりやすいのかしら・・・
次の柱合会議にどんな顔して出席すればいいっていうのよ・・・
「まあ、それは置いといて・・・」
「置いとかないで!!」
「しのぶ様、さっきからうるさいです。一向に話が進みません。もしかして稲葉さんが初恋の相手だったのですか?」
「だって・・・今まで男の人を好きになることなんてなかったから・・・」
「うふふ~。しのぶは昔っから私にべったりだものね~。でもそろそろ姉離れしてほしいわぁ~。」
「私はもうとっくに自立してるわよ!!」
こんなにいじり倒されるのはいつぶりだろう・・・
私はいてもたってもいられず両の掌で顔を覆ってしまった。
「さて、しのぶをからかうのもこの辺にして、そろそろ作戦会議を進めるわよ~。」
「しのぶ様、私もしのぶ様が稲葉さんと結ばれるよう協力するのでもっとシャキッとしてください。」
「・・・アオイはそれでいいの? アオイだって・・・」
私は顔を覆うのをやめそうつぶやくと、アオイは穏やかな顔をして答えた。
「未練がないと言えば嘘になります。でも、私は稲葉さんに笑っていてほしい。幸せになってほしい。そのためなら、あの人の隣が私でなくてもかまわないんです。残り少ない時間を悔いなく過ごしてもらえるなら、私はなんだってします。」
「アオイ・・・」
「それに、稲葉さんはどこか大人っぽい女性の方がいいそうです。私よりも、しのぶ様の方が年も上なので可能性はあると思いますよ?
しかし、そうなると・・・なぜカナエ様は稲葉さんのお眼鏡にかなわないのでしょうか・・・?
この中では一番大人の女性らしさがあるのに・・・」
「うふふ~。私はもうお付き合いしてる人がいるって稲葉君には伝えてるから、それでじゃないかしら~。」
「えええええええ!!?? カナエ様恋人がいらっしゃったのですか!!!???」
「姉さん!!!! 私初耳なんだけど!!?? 一体誰よ!!!!」
「うふふ~。秘密よ~。」
「ちょっ! ずるいわよ姉さんばかり!! せめて私には教えてよ!!!!」
「そうね~。しのぶが稲葉君に告白出来たら考えてあげてもいいかしら~。
あ、アオイはちゃんと勇気出して稲葉君に告白したものね~。あとでこっそり教えてもいいわぁ。」
「楽しみにしてます!」
「ずるい!! アオイあとで教えなさい!!」
「ダメです。どうしても知りたいなら、ちゃんと稲葉さんに想いを伝えてください。」
「くう!! それができたら苦労しないわよ・・・!」
姉さんに恋人がいるなんて寝耳に水だわ。
そんな素振り、私の前で一度も見せなかったのに・・・
しかもアオイは教えてもらえるのに私はダメなんて・・・!
思わず涙目になる。そんな様子を見て、なほたちが私を慰めてくれる。
「いや、待って! 姉さんに恋人ができるとしたら、それは柱の人達の誰かでしょ!?
冨岡さん!? 不死川さん!? それともまさか悲鳴嶼さん!?
宇随さんは三人の奥さんがいるからまずないとして、伊黒さんは甘露寺さんのことしか目に入ってないし・・・他に考えられるのは・・・!!」
「し~の~ぶ~? 余計な詮索するなら、私が稲葉君にしのぶの想い勝手に伝えちゃうから。」
「!!!!???? ダメダメ!!!! それだけは絶対ダメ!!!!!」
「もう、しのぶ様、本当にうるさいです。絶対屋敷中に聞こえてますよ?」
「あうう・・・そんなこと言ったってぇ・・・」
「まったく、しのぶはいくつになっても恥ずかしがりやさんね~。まあ、そこがしのぶの可愛いところなんだけどね~。」
「はうう・・・」
ついに私はその場でうずくまってしまった。穴があったら入りたい・・・
「あ、稲葉君そろそろこっち来るんじゃないかしら?」
「ええ!? ちょっと待って!! 心の準備が!!」
私がわたわたしているうちに、ふすまが開き、稲葉君とカナヲが姿を現した。
「しのぶさんの大声が聞こえたんだけど、何かあったの?」
「いっいえ!! なんでもありませんよ!!」
私は必死に取り繕う。その様子を周囲のみんなはニコニコしながら眺めている。
「・・・?」
稲葉君に加え、カナヲもよくわかってない様子。
この二人が鈍感でよかった・・・
「う~ん。まあいいや。それよりもみんなに伝えなきゃいけないことがあるんだ。」
稲葉君がそういうや否や、カナヲが前に出る。
バツが悪そうにしてたが、みんなの目線が集中するのを感じたのか、やがて口を開いた。
「私・・・カナト兄さんに呼吸を教わってて・・・鬼殺隊の剣士になりたいの・・・許可してほしい・・・です。」
本日は驚きの連続だったが、それをひっくり返すような言葉がカナヲから発せられ、私は目を見開いた。
続く
短いので、今日中にもう一話投稿します。カナヲも原作と違い、自己主張できる子になってきています。理由はカナト君がいるからですね。