輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話   作:科学大好き人間

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弟のカナト君視点です。ついに本小説にも評価バーが付いたのですが、緑でした。
「プロローグ」に星1を付けた人は560件以上の他作品でも同様のことをしてたので気にはしていません。事故に遭ったと思っています。
ただ、「24話 バニラアイスクリーム」に星1を付けた方は他作品だと比較的良識的な評価をしている方だったので、文章内に不適切な内容があったのかもしれません。
本当は訂正したいのですが、該当箇所が不明なので、投稿話を削除しました。読み返したら話に支障を与える内容でもなかったので一旦このように対応します。
ちなみに先週分のUA数を確認したところ、3900名近い方に本小説を閲覧いただいてるようで驚きました。はじめは鬼滅の素晴らしい読後感から自分用に書き始めた本小説ですが、多くの方の目に触れてるのがわかった以上、不適切な内容は書けないなと改めて思いました。筆者の拙い書き物ではありますが、少しでも楽しんでいただける方のために今一度面白い話が書けるよう頑張って続けていこうと思います。
前置きが長くなりましたが本編をどうぞ。



26話 暖かな喧騒

「アオイちゃん。この生姜の佃煮美味しいね。」

 

「ほんとですか? ありがとうございます! ちなみにそれって、しのぶ様の好物なんですよ?」

 

「うふふ~。今日くらいは一杯しのぶのこと労ってあげないとね~。」

 

「もう・・・姉さんったら・・・」

 

 

現在、僕は蝶屋敷で一緒に朝食を頂いている。

 

昨日蝶屋敷からの帰宅途中、しのぶさんが追いかけてきた時は一体何事かと思ったが、まさか思いのたけを打ち明けられるとは思わなかった。

 

青天の霹靂って言うのだろうか。

 

痣の寿命の話を聞いた時とはまた別の意味で衝撃的だった。

 

正直、今もまだしのぶさんと恋仲になったことに実感はわかない。

 

昨日帰宅後は僕にとっての都合のいい妄想だったんじゃないかと自分を疑ったが、今隣で頬を赤らめて嬉しそうに笑っている人を見て現実なんだと実感する。

 

 

「うふふ~。しのぶも女の子の顔するようになったわねぇ。」

 

「ちょっとやめてよ姉さん。いい加減にして。アオイのご飯冷めちゃうでしょ?」

 

 

ツンケンな口調なしのぶさんだが、口元は笑っているので、嬉しくてたまらないといった様子だろうか。

 

逆に僕が一周回って冷静過ぎることについて少し申し訳なさを抱くが、まあしのぶさんは僕の状態を気にする余裕もないほど喜んでいるのだろう。

 

 

「稲葉君。これからもしのぶのことをよろしくね。あなたならきっとしのぶのことを一杯幸せにできると思うわあ。しのぶもほら、ちゃんと稲葉君のこと後悔させないようしっかり幸せにしてあげるのよ?」

 

「もう・・・わかってるってば・・・姉さん。いつまでその調子なのよ・・・」

 

 

しのぶさんが言うには、昨日しのぶさんが蝶屋敷に戻り、事の顛末をカナエさんに報告してからずっとこの調子らしい。

 

まあ、無理もないかも。たった二人だけの血縁の家族なんだ。嬉しくてしょうがないはずだ。

 

僕も雁哉に報告したら喜んでもらえるかな? まあ、僕たちの場合、血がつながってるわけではないけどね。

 

 

「うふふ~。稲葉君ももう数ヶ月で十七になるし、しのぶが結婚する日もそう先のことじゃないかも~。」

 

「姉さん姉さん!! 流石に気が早すぎ!! 結婚は家のこととかもあるから!! 仮にも稲葉君、お館様とは遠縁にあたる人だから!!!」

 

「あら~。からかうつもりで言ったのに、しのぶったらもうそんな先のことまで考えているのね~。姉さん嬉しくなっちゃうわ~。」

 

「ああっ! もうっ!!」

 

 

うん。確かにちょっといい加減落ち着いてほしいな、このお姉さんは。

 

昨日からこの調子なのに、しのぶさんよくキレたりしないな・・・僕だったら多分無視し始める気がする・・・

 

 

「でもそうねえ。この感じだと、やっぱり私の方が早く祝言上げることになると思うのよね~。」

 

「でしょうね。カナエさんは今の方とお付き合いして、彼是2年以上経ちますからね。」

 

「そうそう! 月日が経つのは早いわね~。」

 

 

話の流れが変わった。しのぶさんが固まる。

 

まあ、僕もいい加減カナエさんの『あらあら~』のテンションに飽きてきてたから、わざと乗ったんだけど。

 

 

「そうよ! 姉さん!! 姉さんのお付き合いしてる人って結局誰なの!?

 私が稲葉君に告白したら教えるって約束でしょ!! ねえ! 教えてってば!!」

 

 

そんな約束してたんだ・・・しのぶさんも苦労してるなあ・・・

 

 

「うふふ~。稲葉君と一緒によく会いに行く人よ~。わかるかしら~?」

 

「ちょっと!! ちゃんと名前で教えてよ!! ずるいわよ姉さん!!」

 

「カナエさん。もったいぶらずに言ってあげてくださいよ。しのぶさんが可哀そうです。」

 

「うふふ~。稲葉君教えてあげたら~?」

 

「いいんですね? 言質取りましたから。」

 

 

しのぶさんが僕の襟元につかみかかってくる。いや・・・必死過ぎでしょ・・・

 

 

「稲葉君! 早く教えてください! 誰なんですか!?」

 

「いや、普通に不死川さんだよ。別にこの期に及んで隠したりしないし・・・」

 

「ええ!!?? 不死川さん!!?? 一体いつから知ってたんですか!!??」

 

「いや・・・継子になって二か月くらいだよ。だいぶ前だね。いい加減手放して・・・」

 

 

僕が苦しそうに答えると、しのぶさんがようやく解放してくれた。ふう・・・これで息が吸える。

 

 

「そうですか・・・しかし稲葉君もおくびにも出さないものだから、まったく気づきませんでしたよ・・・」

 

「そりゃあ口止めされてたからね・・・あの時はカナエさんの奴隷みたいなものだったし・・・」

 

「い~な~ば~く~ん? それってどういう意味かしら~?」

 

「はい!! なんでもありません!! カナエさんは素晴らしい師匠です!!」

 

 

命の危険を感じ、僕は速攻で言葉を訂正する。ふう・・・危なかった。

 

 

「しかし不死川さんですか・・・意外ですね。」

 

「しのぶ様もそう思いますか? 鬼は絶対殺す主義の不死川様と、いい鬼がいたら仲良くしたい主義のカナエ様ですからね。

 

 一体何が二人を結び付けているのでしょうか・・・」

 

「姉さん。馴れ初め教えて!」

 

「うふふ~。秘密~。」

 

「もう!! またそれ!?」

 

「しのぶがもっと稲葉君と恋人らしいことできるようになったら考えてあげてもいいわよ~?」

 

「ま、またそれ?? 一体いつになることか!!」

 

「え? しのぶさん。僕と恋人らしいことしたくないの?」

 

 

ふいに僕が気になり口を出す。すると一転、しのぶさんはみるみる真っ赤になる。

 

 

「だ・・・だって・・・告白するだけでこんなに時間かかったのに・・・恋人らしいことなんていつになるか・・・」

 

「しのぶさんが望むならいつだって僕はしてあげるよ? 今だってかまわないし・・・」

 

「は・・・はあああああ!!?? ちょっちょっと!! みんなの前で何言ってるんですか!!??」

 

「別にみんなには僕らの関係知られてるんだし、今更では?」

 

「でっ・・・でっ・・・できるわけないでしょーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

しのぶさんは大声をあげてその場から立ち去ってしまった。なぜだ・・・

 

 

「稲葉様・・・しのぶさんはとっても恥ずかしがりやなんです・・・もう少し手心を加えてあげてください・・・」

 

「そうよ、稲葉君。しのぶを幸せにしてねって言ったけど、そんなに焦らなくて大丈夫よ?」

 

「いや・・・別に大層なことするつもりなかったんだけど・・・」

 

 

唖然とする僕の傍らで、みんなは朝食の片づけをする。

 

やがて、洗い物を始めたアオイちゃんにカナエさんが声をかける。

 

 

「しのぶはもう心配いらないわね。次はあなたとカナヲよ。いい人見つかるといいんだけど・・・」

 

「私はともかく、カナヲは別の意味で難しいんじゃないでしょうか。カナヲは基本初対面の人に心を開きませんから・・・」

 

「まあ、すぐには難しくてもいずれはね・・・好きな男の子ができたら、カナヲだってきっと変わるわよ。」

 

 

そう言って、無表情で座ってるカナヲの頭を撫でた。カナヲはカナエさんの言葉がよくわかっていない様子だった。

 

 

「アオイはその・・・次の恋に進められそう?」

 

「まあ、自分の中ではけじめをつけているので、引きずることはないですが、すぐには難しいでしょうね。そもそも稲葉さんみたいな素敵な男性、そうそう出会えるはずもありませんし・・・」

 

 

そう言ってアオイちゃんは僕の方をチラ見する。これ、僕から何か言った方がいいのか・・・?

 

 

「ええっと、アオイちゃん。僕から言われても嬉しくないと思うけど、君はほんとに素敵な女の子だよ? いい人見つけたら、素直に接するだけですぐ好きになってもらえると思う。もし、うまくいかなさそうだったら、アオイちゃんの手料理食べさせてあげればいいんだよ。そうすれば相手は胃袋をがっつり掴まれて、いずれは心も鷲掴みできると思うからさ?」

 

 

「ちょっ・・・まったくあなたという人は・・・未練がぶり返すようなこと言わないでください。でもご助言ありがとうございます。もしそんな人が見つかったら、言われた通り、ご飯食べさせて気を引いて見せますよ。」

 

「うふふ~。そうよ~。アオイのご飯は絶品だもん。ね~、カナヲ~?」

 

 

頭を撫でられていたカナヲはコクッと頷く。その様子を見て、アオイちゃんも嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

 

こんな暖かな喧騒がいつまでも続けばいいなと、この時は思った。

 

 

 

 

続く

 

 

 

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