輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話 作:科学大好き人間
炭治郎君の育成計画もいよいよ仕上げとなりました。次回はついに最終選別です。
それと、本小説のお気に入り登録者数が50人を超えました。UA数も先週分が3700以上で2週間で累計6700近いところに来ました。だからどうしたという話なんですが、筆者の拙い書き物でもこれだけ多くの人に読んでもらえてとても感激しているというご報告です。また、有難いことに楽しみにして下さっている方もいらっしゃるそうで、それが本当にとても励みになっています。私自身も楽しんで書かせていただいているので、よろしければ今後もご愛読いただければ幸いです。長くなりましたが、それでは本編どうぞ。
「よし。常中は粗方身についたな。」
「すごいよ炭治郎! もう大きな瓢箪割れるようになったんだね!」
俺は目の前の砕け散った瓢箪の残骸を見ながらつぶやく。
隣でも真菰が嬉しそうに小躍りしてる。
炭治郎は肩で息をしているが、達成感に満ち満ちている表情だ。
「ふっ、ついに並ばれたな、真菰。」
「えへへ~。私だって負けないからね~。最近義勇の継子にしてもらったし、そう簡単には追い抜かせないよ~。」
「はい! 俺も真菰さんに置いて行かれることがないよう頑張ります!!」
「最終選別まで残り一か月。予想より早かったな。それじゃあこれからは炭治郎だけの特別な呼吸を磨き上げる。」
「特別な呼吸? 水の呼吸ではなくてですか?」
俺の言葉が予想外だったのか、炭治郎は首を傾げている。真菰も同様だ。
「ああ、お前だけの特別な呼吸・・・ヒノカミ神楽を磨く。」
「え!! ヒノカミ神楽ですか!?」
「え!? ヒノカミ神楽って呼吸なの!?」
こいつらやっぱり姉弟弟子だな。素直なリアクションだ。冨岡さんも昔はこんな感じだったのだろうか。
「ああ。俺が産屋敷家の文献を読み漁った限りだと、ヒノカミ神楽は十中八九、日の呼吸だ。始まりの呼吸の剣士が使ってたやつな。所謂最強の御業ってやつさ。」
「俺の家にそんなものが伝わってたなんて・・・うちは代々ただの炭焼きの家系なのに・・・」
「恐らく神楽に扮して継承を周囲に秘匿していたんだろう。公に日の呼吸使ってるのがばれれば、無惨が殺しに来るだろうからな。」
「もしかして炭治郎の家族が殺されたのって・・・」
「無惨に日の呼吸の継承がばれたんだろう。少なくとも300年以上引きこもりの奴が直々に殺しに来るくらいだ。相当警戒されてたんだろうな。逆にこれは戦力としてかなり期待できる。お前が柱よりもぶっちぎりで強くなってしまえば、禰豆子が鬼でも多少の融通が利くようになるはずだ。そうしたら遠慮なく、強者の特権を振りかざしてしまえ。」
「雁哉はなんでそんなにみんなが知らない情報知ってるの? 私ずっと気になってるんだけど・・・」
「確かに・・・間さんって何者なんですか??」
二人の視線が俺に突き刺さる。これはもう言ってしまってもいいか。
「そうだな。真菰はもう冨岡さんの継子だし、いずれ知ることになるだろうから言うか。まあ、冨岡さんは自分から教えてくれることまずないだろうけど・・・」
「あ~・・・確かに義勇の性格だと知ってても教えてくれなさそ~。あはは~。」
「炭治郎。お前にも特別に教えておいてやる。絶対に他言無用だ。特に鬼には絶対気取れられるなよ・・・!」
「!!」
そこまで言うと、流石に二人の表情も真剣なものになる。
俺は周囲に人の気配がないことを確認し、口を開く。
「俺の本当の名前は産屋敷雁哉。お館様の遠縁にあたる人間だ(本当は子孫にあたるけど未来から来たとか言えん)。
輝哉さんには今も懇意にさせてもらっていて、住まいも産屋敷家の屋敷に構えてる。だから、歴代鬼殺隊当主にしか閲覧できないような極秘書類とかにも目を通せるから、あれこれ知ってることが多い。」
「嘘!? 雁哉が・・・!?」
「産屋敷・・・お館様の遠縁!? しかも同じ屋敷に住んでるんですか!?」
「ああ・・・だからくれぐれも他言無用だ。これがばれると、上弦の鬼が俺を拉致してお館様の居場所吐かせようとするだろうからな・・・
まあもしそうなったら、速攻自刃する覚悟はあるが・・・」
「ダメだよ雁哉!! 私絶対言わない!! 雁哉を自刃させるようなこと、絶対にさせないから!!!」
「俺もです!! 間さん・・・いえ、産屋敷さんがお館様の遠縁であることは絶対に言いません!!!」
「うん・・・炭治郎・・・さっそく口から情報漏洩してるぞ・・・やっぱりお前に話したの失策だったかもしれない・・・」
「あ!! すみません!! 本当の名前で呼んだ方がいいかと思いまして!!」
「炭治郎!! 何してるの!! 雁哉の命かかってるんだからもっとしっかりしなさい!!!」
「す、すみません!!!!!」
はあ・・・大丈夫かこれ・・・しかし口から出た言葉はもうもとに戻せない。
ここは逆に、こいつのまじめな性格を逆手に取るしかないな。
「炭治郎。本当の名前で呼びたいなら、いっそ下の名前で呼べ。それなら支障はない。」
「は! 確かに! これからは雁哉さんって呼びます!!」
「炭治郎・・・またうっかり雁哉の本当の苗字しゃべったら私絶対に許さないからね・・・」
「は、はい!! 気を付けます!!!」
真菰のやつ・・・随分と炭治郎に念を押すな。
まあ、俺としてはありがたいが・・・さっきから俺との距離感近くないか?
今も俺の羽織の袖、握ってるし・・・心配し過ぎじゃないか?
「話をもとに戻すぞ。これから一ヶ月間はヒノカミ神楽・・・日の呼吸の稽古だ。炭治郎に大急ぎで常中まで覚えさせたのはこれが理由と言っても過言ではない。恐らく日の呼吸は常人の肉体には耐えられないような凄まじい負荷がかかるはずだ。下手すると、常中を身に着けてもなお、体が悲鳴をあげるかもしれない。お前の父親、炭十郎は一晩神楽を舞えたようだが、それは恐らく透き通る世界が見える領域の人間だからだ。いきなりその父親に追いつけとは言わない。そもそも俺だって透き通る世界は見えない。少しずつでいいから、実戦でも日の呼吸を使えるようにするんだ。常中をこれから先ずっと続けていれば体はどんどん強靭になる。めげずにやれるところまでやるぞ。いいか?」
「はい!! がんばります!!! ・・・じゃなかった・・・必ず成果を上げます!!!」
「いや・・・まあ・・・うん・・・わかった。」
まずい・・・俺のせいで炭治郎が社畜みたいになってる・・・
しかし、とは言え、やはり成果は必要だ。少なくとも、禰豆子の存在を他の柱が認めざるを得ないくらいには。
それから数か月後、一人の少年による日輪のごとき剣閃を見て、鬼の首領は戦慄することになる。
続く
若干フラグ立てました。さてどうなることか・・・
ちなみに雁哉君には瞳ちゃんっていう彼女がいる設定です(架空キャラの架空設定の彼女という意味ではないです)。一応20話(痣後編)でカナト君が漏らしてた内容です。回想や現代に無事戻った時しか出ない予定ですが、雁哉君は瞳ちゃんにべた惚れしてます。筆者はハーレムものよりも一途純情ものの方が好きなので(聞いてねぇわ)、雁哉君には気持ちを貫き通してほしいものです。以上、ほとんど覚えてる人いないと思ったので念のため補足しました。