輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話 作:科学大好き人間
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加えて誤字を修正してくださった方もありがとうございます! いつも有難いです!
今後も皆様に楽しんでもらえるような話を書いていけたらと思います。
ここは、鱗滝さんの住居だ。
現在、雁哉さんと鱗滝さんと俺の三名で囲炉裏を囲むように座っている。
奥の部屋では布団の中で禰豆子がこちらの様子を見ている。俺が最終選別から帰ってきたら目を覚ましていた。
あの時は、思わず嬉しすぎて、その場で禰豆子と抱き合って号泣してしまった。
長男として不甲斐なし・・・
俺がそんなことを考えていると、真菰さんが別の任務に行っているのを見計らって、雁哉さんが話を切り出した。
「浅草ですか?」
「ああ、初任務にしては、かなり危険になると思うが、今回は俺もついて行く。道案内も考慮して、カナトも同伴する。」
「は・・・柱二人も必要な任務なんですか??」
「いや・・・正直わからん・・・ただ念には念を入れようとのことで、カナトとしのぶから提案された。」
「しのぶさんって確か・・・カナヲのもう一人の師匠の方ですか? カナヲが師範って呼んでた気がするので・・・」
「ああ、しのぶは蝶屋敷の仕事があって離れられない。それに・・・」
そこで雁哉さんは禰豆子の方を見る。
「しのぶは人一倍、鬼に対する憎しみの感情が強い・・・禰豆子を見せるわけにはいかない・・・」
「そ・・・そうなんですね・・・」
やっぱり、大半の隊士の人は鬼を見てすぐ殺そうとするのだろうか。
でも無理もない。俺も鬼に家族を殺された。例え、同一個体でなかったとしても、鬼であれば親の仇だと思って切りかかるのは当然だと思う。
「まず・・・浅草で噂になっている医者を探す。」
「医者ですか?」
「ああ、その医者は何でも、輸血と称して血を買い集めてるそうなんだ。この時代の輸血技術は粗悪なことが多いうえに、そもそも医学的な信憑性が低いと思われがちだ。そんな怪しい医者でも、治療をされた者はどんな病気も治るらしく噂になっている。なぜ噂にしかならないかというと、その医者の診療所がどこにあるかわからないそうなんだ。」
「そんな医者を、どうやって探すんですか?」
「ん? お前を連れて行くんだから、もちろん鼻を頼りに探すに決まっているだろう?」
「・・・俺は犬か何かですか・・・」
「ふっ・・・麻薬探知犬並みの有能さを期待しているぞ・・・」
「まやく?」
「すまん。それは気にしないでくれ・・・」
「?」
「とにかく・・・今回の任務はまず噂の医者を探す。加えて、その医者を探してたであろう鬼の疑惑がある男を探す。それが今回の目的だ。」
「その男はなんで鬼だと疑われているんですか?」
「・・・カナトが言うには、休暇中浅草で、とある迷子を保護したらしい。その子が言うには、『お父さんが皮膚の病気でずっとお日様に当たれない』とのことだ。超絶怪しいだろう?」
「た・・・たしかに・・・!」
「その男は噂の医者を執拗に探していたと、迷子の母親が言ってたそうだ。もしかしたら、噂の医者は元鬼で・・・なんかしらの方法で、禰豆子のように人を襲わなくても生きられるようになったんじゃないか? そうだとすれば、鬼舞辻無惨からすれば裏切者同然だろう。加えて、無惨の支配から逃れて、行方をくらませたのかもな。迷子の父親が鬼なら、口封じに躍起になってても不思議じゃない。もしもそうだとしたら、噂の医者なら禰豆子が人の世界に溶け込みやすくする方法を知ってるだろうし、あわよくば、鬼を人間に戻す方法まで知ってるかもしれない。まあ、これはあまりにも希望的観測だがな。」
「っ!!!」
「というわけで、今回は禰豆子の素性を知っているものだけで任務に出発する。いいな?」
「はい!! わかりました!!! ・・・ところで気になったのですが・・・」
「なんだ?」
「真菰さんや冨岡さんには声を掛けなかったんですか?」
「ああ、あの二人にはかけてない。」
「どうしてですか?」
「・・・最近真菰の様子がおかしい・・・」
「え?」
「なんか最近俺との距離感がおかしい・・・気が付くとそばにいるし、やたら気にかけてくるしで、明らかに異常だ。俺が産屋敷の人間だと知ってからあの調子なんだ・・・」
そこで、静観していた鱗滝さんが口を開く。
「なんだ間、気づいていないのか? 存外気の回らないところもあるのだな。」
「はい?」
「いいか、間。真菰は・・・」
「なるほど!! 真菰さんから心配している匂いが出ていたのはそういうことだったんですね!?」
「ああ?」
「真菰さんは、雁哉さんが産屋敷家の人間だと知って、上弦の鬼が来ても大丈夫なよう護衛についているんです!!
なんて献身的な人なんだ! 俺も真菰さんほどじゃありませんが、お傍で守らせていただきます!!!」
「炭治郎・・・お前は儂と同様鼻が利くのではなかったのか? なぜ気づかないんだ・・・」
「え? 鱗滝さん? 俺何か間違っているんでしょうか?」
「もういい・・・ひとまず今回の任務では真菰のことは忘れろ・・・」
「わかりました。鱗滝さん。ちなみに冨岡さんは?」
「真菰は冨岡さんの継子だぞ? だからだよ・・・」
「なるほど・・・わかりました雁哉さん! 出発しましょう!!」
「誰のせいで出発が遅くなったと・・・」
雁哉さんと鱗滝さんが最後呆れていた。なぜだろう。俺はそんなことを疑問に思いながら浅草へ出発した。
この匂い!! どうして突然こんな所で!!
夜になる頃、俺たちはようやく浅草についた。
腹ごしらえでもしようと、瓢箪池から比較的近くにうどん屋の屋台があったのでそこに腰を下ろした矢先だった。
家に残っていた匂いだ・・・こいつが・・・鬼舞辻無惨!!
俺は全力で、浅草六区の人混みをかき分けて、その男の肩を掴んだ。
その男は振り返る。目は紅梅食で、肉食獣のように瞳孔が縦長だ。
白い西洋風の上品な帽子とズボンに、モダンな黒い紳士服。
俺は腰の日輪刀を引き抜こうとするが、衝撃の光景を見た。
「おとうさん・・・だぁれ?」
この子が、カナトさんが言っていた迷子の女の子か?
目の前の男はその女の子を横抱きに抱えている・・・
こいつ・・・こいつ!! こいつ!!
本当に人間のふりをして暮らしているのか!? 何人も何人も人を不幸の底に叩き落としておきながら!!!
「私に何か用ですか? 随分慌てていらっしゃるようですが・・・」
「あら・・・どうしたの?」
「おかあさん」
・・・人間だ・・・女の子と女の人は人間の匂いだ・・・!
知らないのか? わからないのか? こいつが鬼だって! 人を喰うって・・・!
「・・・人違いではないでしょうか。」
目の前の男が爪を振るう。俺しか気づけていない。首の後ろを引っかかれた往来の男性は急に苦しみだし、隣の奥さんらしき人に鬼の形相で襲い掛かる。
俺はすかさず頭を覆っていた布を鬼にされた人の口に突っ込み、力ずくで抑え続ける。
その間に、奴はどんどんそばを離れていく。いかにもか弱い市井の人を装って・・・
「鬼舞辻無惨!! 俺はお前を逃がさない!!
どこへ行こうと・・・地獄の果てまで追いかけて、必ずお前の頸に刃を振るう!!!
絶対にお前を!!! 許さない!!!!!」
俺の怒声を聞いて、近くの交番の警官が近づいてくる。
「少年を引き剝がせ!!」
「やめてくれ!! この人に誰も殺させたくないんだ!!邪魔をしないでくれ!! お願いだから!!」
俺は必死に鬼にされた男性に覆いかぶさる。どうする!?
そう八方ふさがりだった状況が一転する。
周囲に嗅いだことのない香りが充満する。
するとあたり一帯を花の紋様が多い、術を仕掛けた人物が寄ってくる。
「あなたは、鬼になった者にも、人という言葉を使ってくださるのですね。そして助けようとしている。ならば私もあなたを手助けしましょう。」
「なぜですか? あなたは・・・あなたの匂いは・・・」
「そう、私は・・・鬼ですが、医者でもあり、あの男鬼舞辻を抹殺したいと思っている。」
それが、俺と、禰豆子を人に戻してくれる噂の医者・・・珠世さんとの邂逅だった・・・
続く
誰か珠世さんをヒロインにした二次小説書いてくれないかな・・・