輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話   作:科学大好き人間

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兄の雁哉君視点です。若干前話と重複する部分があります。


33話 追手

「おい!! 待て炭治郎!!! せめて何を見つけたか言え!!!」

 

 

瞬く間に炭治郎が浅草六区に疾走していく。

 

あいつは今では俺よりも足が速い。我ながらよく鍛えてやったものだと感心するが、今はそれどころではない。

 

 

「炭治郎を追いかける!! お前は禰豆子を見てろ!!!」

 

「は~い。気をつけてね~。僕はうどん食べて待ってるよ~。」

 

 

こいつなんでこんな平静なんだ!? 少しは焦れ!!!

 

しかし、そんなことを考えてる場合ではないと判断し、俺は闇に乗じて建物の上を飛び渡り、炭治郎を追跡する。

 

姿を消し、音を消し、匂いを消す。宇随さんから教わった心得だ。これなら炭治郎にも鬼にも気づかれないだろう。

 

そう思いながら、炭治郎を視認できるギリギリの距離を保つ。

 

やがて、炭治郎がある男につかみかかった。

 

あいつか・・・よし、鬼と分かり次第頸を刎ねて・・・

 

しかし俺は思いとどまった。未来の産屋敷当主としての直感か・・・それとも柱としての経験によるものか・・・

 

どちらにしろすさまじいおぞけが走った。炭治郎がつかみかかったあの男・・・まさか・・・!?

 

 

「鬼舞辻無惨!! 俺はお前を逃がさない!!

 どこへ行こうと・・・地獄の果てまで追いかけて、必ずお前の頸に刃を振るう!!!

 絶対にお前を!!! 許さない!!!!!」

 

 

おいおいまじか・・・いきなりラスボスかよ・・・冗談じゃない・・・

 

ドラクエⅤの序盤にゲマとエンカウントするよりよっぽどたちが悪いだろ・・・

 

これ俺が出て行ってもパパスみたいに『ぬわー!!!』って断末魔を上げてしまいだ。全く面白くない・・・

 

しかし炭治郎の奴、よくあんな化け物に啖呵切れるな・・・俺なら縮み上がって何もできねぇわ・・・

 

そうこうしてるうちに警官が集まってきた。まずい。カナトからもらったスタングレネードを使って、炭治郎をかっぱらうか?

 

俺が野蛮なことを考えていると、その場にもう一人の鬼が現れる。

 

花の紋様が辺りを覆い、炭治郎が見えない。あれは血鬼術か? 精神操作系だったらまずいぞ・・・俺の正体とか諸々ばれる・・・!

 

俺はすかさずカナトとの合流を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雁哉お疲れ様~。炭治郎はどうしたの~?」

 

 

俺がうどん屋のところまで戻ると、カナトはのんきに禰豆子と遊んでいた。俺はこいつに灸をすえるつもりで爆弾発言を落とした。

 

 

「鬼舞辻無惨と炭治郎が接触した。その後、炭治郎は他の鬼の血鬼術を喰らった。精神操作を受けた可能性がある。」

 

「ちょっ!! えええ!!!!! やばいやばいやばい!!! どうすんのさ!!??」

 

「知るか・・・俺はもう疲れた・・・お前が何とかしろ・・・」

 

「無理無理無理!!! そもそも対策以前に方針決めしないと!! 逃げるの!? 戦うの!?」

 

「お前は後輩をおいて逃げるつもりか? 仮にも柱だろうが・・・!」

 

「うぐう!! でも相手無惨でしょ!? しかももう一人鬼居るってことはそいつ上弦の鬼に決まってるし!!僕ら二人でどうすんのさ!!??」

 

「知るか・・・俺はもう疲れた・・・お前が何とかしろ・・・」

 

「まさかのリピート!!??」

 

 

はあ・・・まじで疲れた・・・ほんとにこれどうするんだよ・・・

 

とりあえず俺の鎹烏だけでも輝哉さんのところに飛んで行ってもらうか?

 

いや・・・現時点で情報不足過ぎるか・・・まずは炭治郎と接触して・・・

 

 

「すみません!! 今戻りました!! 雁哉さん! カナトさん! 禰豆子もいい子にしてたか?」

 

「っておい!! しれっと帰ってきやがった!! お前血鬼術喰らってただろ!? 大丈夫なのか!?」

 

「はい。あれは珠世さんが俺を助けてくれるために目くらましに使ってくれたんです。あれ? なんで知ってるんですか?」

 

「お前が血相変えて走り出すから追いかけたんだわ!! そしたらお前無惨と接触するし度肝を抜かれたっつうの!!!!」

 

「は、はい!! すみません!! つい冷静さを失ってしまって・・・!」

 

「ふう・・・まあいい。それよりも本当に精神操作の類受けてないんだよな? 禰豆子、兄貴が正気かチェックしろ。」

 

「ムー!ムー!」

 

「よし・・・禰豆子センサーに異常はないな・・・とりあえず平気か・・・」

 

「ちぇっく? せんさー? 何のことですか?」

 

「雁哉。相当まいってるね・・・これは僕がなんとかしないと・・・」

 

「もういい。そんなことより、その珠世って鬼はどこにいる? そもそも鬼なのになぜ助けてくれたんだ?」

 

「それは・・・あっ! さっきの人だ!!」

 

 

気が付けば少し離れたところに、襟付きシャツに和服を羽織った少年がいた・・・近づかれても気配を微塵も感じなかった・・・上弦クラスか・・・?

 

 

「迎えに来てくれたんですか? 俺は匂いを辿れるのに・・・」

 

「目くらましの術をかけている場所にいるんだ。辿れるものか。それよりも・・・」

 

 

その少年は俺たちを指さす。

 

 

「その二人はともかく、女は鬼じゃないか。しかも醜女(しこめ)だ。」

 

 

すると炭治郎が烈火のごとくお怒りになる。

 

 

「醜女のはずないだろう!! よく見てみろこの顔立ちを!!!町でも評判の美人だったぞ禰豆子は!!!!!」

 

 

「まあいい。予定より増えたが行くぞ。」

 

 

そう言ってその少年は案内をしてくれるらしい。その間炭治郎がずっと醜女と言われたことについて食い下がっていた。しかし大正時代の言葉って難しんだな・・・しこめなんて聞いたことねえわ・・・

 

やがて、俺たちは小さな診療所らしきところに着いた。なるほど・・・血鬼術で隠してるから見つからないのか。

 

診療所の中には、一人の女性が。この人が珠世か?

 

炭治郎が次々と質問してくれるので、いろんな話が聞けるな。終始珠世さんが俺たちのことをチラチラ見てはいるが・・・

 

 

「日輪刀が気になるなら預かって頂いて結構ですよ? あなたは浅草で都市伝説になってる医者ですよね? 輸血の話が出たんで確信しました。」

 

「俺たちが鬼だと知ってるくせに随分と余裕があるな?」

 

「いや、俺たちに敵意があるなら速攻殺してるだろ? まあいざって時は炭治郎と禰豆子に守ってもらう。」

 

「ふん。随分と人任せだな。まあいい。そこの壁にでも立てかけておけ。」

 

 

俺の言動で、俺が炭治郎より弱いと思わせることができたか? まあ、壁に立てかけておくだけでいいなら、いざって時問題ない。

 

そもそも炭治郎の鼻は敵意を見抜く。こいつが問題なくしてる時点で安全は保障されているようなものだ。

 

そこからさらに興味深い話を聞いた。

 

愈史郎というこの少年は、珠世が鬼にしたこと。ただし方法の確立に200年かかったそうだ。

 

そして、鬼は人間に戻せること。こちらは現時点では難しく、鬼の血を集める必要があるようだ。

 

その一環として禰豆子の血と、十二鬼月の血を集めてほしいようだ。

 

むう。禰豆子はともかく、十二鬼月はなかなかエンカウントしないからな・・・

 

 

「っ!!! 結界を突破された!!!」

 

 

突如愈史郎が叫んだ。その瞬間、屋敷の外にすさまじい轟音が響く。

 

俺とカナトは日輪刀を持ち、すぐさま診療所の外へ出た。

 

 

 

 

 

目の前には片目に上弦、もう片目に参と書かれた鬼がしゃがんで座しており、土煙はやがて消えた。

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




今話は少し短いのですが、次話も連投すると一万文字近くなるかもなので、今日はこれだけです。すみません。それとここまでお読みの方はお気づきかもしれませんが、本小説は原作と比べてかなりインフレ傾向にあります。原作改変って奴です。柱vs上弦の展開を沢山書きたいからです。原作にはないけど対戦の組み合わせ的に面白そうだと思うものは一通りやる予定です。そのせいで話数が膨れ上がるかもしれません。何卒ご容赦くださいませ。
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