輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話   作:科学大好き人間

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弟のカナト君視点です。余談ですが先日通算UA数が10000を超えました。投稿を始めて3週間ちょいですが、はじめはこんなに多くの方に読んでもらえるとは思っていませんでした。感激してます。評価の方はイマイチですが初投稿ならこんなものかなと自身に言い聞かせてます。好きに書いた内容で一握りの方々に面白いと思ってもらえるなら充分かなと。もう少し読みやすい文章を書きたいのですがなかなか難しいです。そんな書き物でも構わないという方がいれば今後ともよろしくお願いいたします。


40話 鬼を庇う柱

うん。弱いな。ほんとにこいつ上弦の鬼だったのか?

 

僕は冨岡さんに頸を一閃され、崩れて消えていく上弦の伍らしき少年鬼を遠くより眺めていた。

 

僕と、冨岡さん、しのぶさんとカナヲちゃんで、ここ那田蜘蛛山へと増援で駆け付けたのだが、どうやらここには下弦の鬼たちが徒党を組んで潜伏していたそうだ。

 

まず、入山後、頭部だけ人間で全身が大蜘蛛の外見の下弦の肆と遭遇。黄色い髪の毛の子がずっと一人で食い止めてくれていたようだが、僕らが駆け付ける直前に毒を喰らい瀕死の重傷だった。

 

すぐさま僕と冨岡さんで対応し、瞬殺。その後、周囲の毒で蜘蛛にされたり、動けなくなっていた隊士達をしのぶさんが解毒薬を調合して救助することになった。

 

僕と冨岡さんで先に向かい、しのぶさんとカナヲで救助をするという別行動を取ったところ、やがて炭治郎と鬼が戦ってる現場に遭遇。

 

彼が鬼の頸を一閃したことを確認し、安心したのもつかの間。その鬼は死んでおらず、炭治郎へと迫る。

 

寸でのところで炭治郎を糸の攻撃から救出し、僕と冨岡さんで庇うように鬼と正対した。

 

う~ん。上弦の伍かぁ。なんで僕ばかり上弦と遭遇するんだろう。稀血でもないし、鬼を引き付けてる要因なんてないはずなんだけどね・・・

 

 

 

ー血鬼術 刻糸輪転ー

 

 

 

赤い糸が上弦の鬼の手前で渦を巻いている。すると凄まじい衝撃を放ちながら僕たちに迫る。

 

 

 

ー水の呼吸 拾壱の型 凪ー

 

 

ー草の呼吸 肆の型 穀種争乱ー

 

 

 

僕も冨岡さんも防御の型で対応する。冨岡さんは赫刀じゃないから受けられるか心配だったけど、むしろ僕よりも無傷というか服にすらかすりもしていなかった。流石だ。

 

あれ・・・? 上弦の鬼の攻撃がこの程度で防げるの? 童磨や猗窩座の攻撃を受けたことがある身としては拍子抜けだった。

 

目の前の鬼は明らかに動揺していた。すぐさま同じ技を出そうと手を構えるが、僕はすかさず接近し、横なぎに一閃する。

 

あ、これは流石に躱せるのか。下弦の鬼よりは強いみたいだね。

 

後ろに下がり、僕を警戒する上弦の伍だったが、僕に意識を割き過ぎたのか、冨岡さんの接近に気付かなかったようだ。

 

 

 

ー水の呼吸 壱の型 水面斬りー

 

 

 

そうして驚くほどあっさり上弦の伍は死んだ。僕はあっけに取られていた。

 

 

 

「稲葉。上弦の鬼はこの程度の強さなのか?」

 

「いや、少なくとも、上弦の弐と参はこの数百倍は強かったです。もしかして、数字が一つ上がるごとに強さが指数関数的に強くなるのかも・・・」

 

「・・・それはあまり考えたくないな・・・上弦の壱と無惨がこいつの数千、数万倍強いことになってしまう・・・」

 

「ですよね・・・そうだとしたら人間が勝てるわけありませんもんね・・・」

 

 

談笑も一区切りし、僕は炭治郎を保護する。炭治郎は冨岡さんとも面識があるためか、禰豆子に近づいてもあまり警戒しなかった。

 

 

「炭治郎。実はこの山にもう一人柱が来ているんだ。その人は鬼を見たら笑いながらめった刺しにして、いたぶり殺すくらい鬼を憎んでる人だから、早々に禰豆子ちゃんを隠した方がいいよ。」

 

「えっ、そんなに恐ろしい人が来ているんですか!? 何とかなりませんか!?」

 

「だから早々に禰豆子ちゃんをどこかに隠してほしいんだけど・・・ってもう来た!!!」

 

 

遠くから高速で急接近するしのぶさんを確認する。僕らに事情があって、鬼を殺せないと判断しているのか、しのぶさんは迷いなく禰豆子に攻撃を仕掛ける。

 

しかし、それを冨岡さんが剣ではじく。「あら?」っと声が聞こえ、少し離れたところで着地する。

 

 

「鬼とは仲良くできないって言ってたくせに何なんでしょうか? そんなだからみんなに嫌われるんですよ?」

 

 

うん・・・むっちゃくちゃいい笑顔。超絶さわやかなほほえみ。しかし僕にはわかる。しのぶさんが激怒していることが・・・

 

 

「カナト君。どうして鬼の頸を刎ねないのですか? 何か事情がおありですか?」

 

 

僕に対しては貼り付けた笑顔が消える。よし、僕にはそんなに怒っていないらしい。分は悪いが、説得を試みるしかないか・・・

 

 

「妹なんです!! 俺の妹で・・・」

 

 

炭治郎がすかさず弁明する。禰豆子を抱きしめ、震えている。これはあれか。僕のさっきの説明で恐怖心を植え付けてしまった感じか・・・

 

 

「まあ、そうなのですか。可哀そうに。では・・・苦しまないよう優しい毒で殺してあげますね?」

 

 

しのぶさんは怖がらせないよう優しい声でそう答える。しかし、言葉の意味を考えれば、炭治郎が安心できるはずもない。

 

 

「カナト君も離れてください。できれば、冨岡さんが変なことをしないよう取り押さえてほしいのですが・・・」

 

「ごめん、しのぶさん。僕は炭治郎の味方をさせてもらうね。雁哉に頼まれているんだ。」

 

「・・・・・・は?」

 

 

しのぶさんから苛立ちの空気が漏れだす。これはなるべく早急に説得しないとまずいな・・・

 

 

「しのぶさん。僕はもう2年以上前から、炭治郎と禰豆子のことは雁哉から聞いているんだ。鬼になった妹は誰も襲わず眠るだけで生きられるらしい。

 加えて、鬼舞辻無惨の呪いもすでに自力で外しているみたいだから、この子を通してこちらの情報が筒抜けになることもないんだ。

 安心安全で、無害で、それでいて人懐っこい良い子なんだ。ここはひとつ穏便に目を瞑ってくれないかな?」

 

 

「・・・稲葉君。あなたは一体何を言っているんですか? 流石に看過できませんよ・・・!」

 

 

しのぶさんの眉間にしわが寄る。ああ、せっかく綺麗な顔が台無しだなんてこの状況でも考えてしまう僕は、かなり行くところまで行っているらしい。

 

 

「しのぶさん。落ち着いて聞いてね。炭治郎は実は・・・」

 

「そんな世迷い言を信じろというのですか!!?? 見損ないましたよ稲葉君!!!!」

 

 

うう・・・すごく胸が痛む・・・好きな人に恫喝されることがこんなに苦しいなんて・・・

 

 

「しのぶさん・・・落ち着いて聞いてね・・・実は・・・・」

 

「私は!!! 私たちは鬼殺隊の柱ですよ!!?? 柱であるあなたが・・・鬼を庇い立てするというんですか!!??」

 

 

後ろの炭治郎が震えあがっている。無理もないか。僕だって怖い。

 

 

「あなたに隊律違反をさせるわけにはいきません・・・! その鬼を渡してください・・・!!」

 

「しのぶさん。禰豆子ちゃんは炭治郎にとってたった一人しかいない大切な妹なんだよ?

 カナエさんにとってのしのぶさん・・・・雁哉にとっての僕みたいなものなんだ・・・

 それを殺すなんて・・・あまりにも可哀そうじゃないか・・・」

 

「だから鬼を庇うと!? 稲葉君が底抜けに優しい人なのは重々承知していますが、流石にこれは度が過ぎています!!!

 このままではあなたまで罰せられる!! 私はそれを見過ごすことはできません!!!」

 

「しのぶさん・・・僕は・・・」

 

 

僕が言い淀んでいると、冨岡さんが僕の前に立つ。

 

 

「胡蝶。お前には関係ない。」

 

 

ちょっ・・・冨岡さん何を言ってくれているんですか!? 状況わかってます!? 今はしのぶさんを説得しているところなんですけど!?

 

 

「冨岡さん。なぜあなたまで・・・」

 

 

しのぶさんがそう言いかけたタイミングで、僕らの後方よりカナヲちゃんが現れる。

 

 

「カ、カナヲ!?」

 

「え? 炭治郎? どうしてここに・・・?」

 

「カナヲ。よく追いついてくれました。今そこにいる鬼を殺すところなのですが、どういうわけか稲葉君も冨岡さんも庇い立てするんです。

 私とカナヲで前後から挟み撃ちにして隙を見て鬼だけ殺しましょう。私とあなたなら彼らが相手でもできるはずです。」

 

 

そうしのぶさんは提案するが、カナヲちゃんは混乱しているようだ。しのぶさんと炭治郎を交互に見て、動揺しながら口を開く。

 

 

「あの・・・師範・・・私、最終選別で炭治郎と会ってるの・・・炭次郎はすごく優しくて、禰豆子ちゃんを人間に戻すために必死に頑張っているの・・・だから・・・」

 

「カ、カナヲ!? あなたまで・・・その妹は鬼なんですよ!?」

 

「師範・・・ごめんなさい・・・私、炭治郎と約束したから・・・禰豆子ちゃんを元に戻すために力になるって・・・」

 

「カナヲ・・・まさかあなたまでその子に懐柔されているとは思いませんでしたよ・・・残念です・・・」

 

「っ! 師範・・・!?」

 

 

そういうと、しのぶさんは懐から注射器を数本取り出す。あれってまさか・・・!

 

 

「以前、稲葉君から護身用にって渡された筋弛緩剤の薬です。

 鬼には効かないので、あくまで乱暴を働く力の強い男性に対して使えと、私の身を案じてくれたものをまさかここで使うことになるとは・・・」

 

「しのぶさん。流石にそれを問答無用で使うのはひどいんじゃないかな。」

 

「稲葉君がわからず屋だからです!!! こうでもしないとおとなしくしてくれないでしょう!?」

 

「しのぶさん。炭治郎と禰豆子ちゃんのことはお館様が容認しているんだよ? お館様の許可なしに二人に手を出すのはよくないんじゃないかな?」

 

「っ!? お館様がなぜ・・・!?」

 

「それは・・・」

 

「伝令!! 伝令!! カアアアアア!!」

 

 

僕が言いかけると、鎹烏が頭上を旋回し叫んでいる。

 

 

「炭治郎及ビ鬼ノ禰豆子!! 拘束シ本部へ連レ帰レ!!」

 

 

ふう。どうやら間に合ったみたいだ。入山前に僕の鎹烏を輝哉さんに飛ばしておいてよかった。

 

 

「炭治郎。そういうことだから、おとなしく縄についてね。」

 

「カナトさん・・・俺は・・・」

 

「大丈夫。僕が命に代えても君たち二人は守るよ。約束する。」

 

 

そうして、炭治郎はおとなしく縛られてくれた。禰豆子は気が付けば冨岡さんが運んできた箱の中に入っていた。

 

しのぶさんは日輪刀を鞘に戻し、僕のそばに寄る。

 

 

「私にはそんなこと言ってくれないのに・・・なんで炭治郎君だけ・・・」

 

「え? どういうこと?」

 

「なんでもありません!! ちゃんと今まで秘密にしていたこと全部説明してもらいますからね!!」

 

「うん。もちろんだよ。心配かけてごめんね。」

 

「もうっ! わかってるなら黙ってないで私に教えてくれればいいじゃないですか!? 今回ばかりは本当に怒りましたからね!!」

 

 

そうして怒りんぼのしのぶさんにつつきまわされながら、僕らは那田蜘蛛山を下山した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 




上弦は今、原作と番号がかなり変わっています。まず童磨と猗窩座は二人とも上弦の陸に落とされています。童磨は一般人に後れを取って柱を逃がしたから。猗窩座はせっかく命じた炭治郎の殺害を遂行できなかったからです。ただ、無惨は猗窩座にかなり期待はしています。実は浅草の話以降、青い彼岸花捜索を中断して、無惨は黒死牟に猗窩座の稽古をつけさせています。鬼なので延々と休みなしです。食事も強制でめっちゃ摂らせてます。流石に童磨が女性の死体の山を持ってきた時は拒否ってましたが。次彼が出るときは透き通る世界ぐらいじゃ殺せないくらいには強くなっているでしょう。なので今後原作とかけ離れた展開になっても怒らないでくださいね・・・
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