輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話   作:科学大好き人間

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炭治郎視点です。8000字近いので長いです。書きたい会話全部書いてたら長くなり過ぎて、逆に原作の会話減ってる、というより変更してます。もはや別物です。まあ原作改変タグついてるので大丈夫ですよね・・・浅草で猗窩座出現させるオリジナル展開書いたときは星6だった人が星2に変更してたからトラウマになってはいます・・・当時の感想欄も好意的か悪意的か未だにわからないのでガクガクブルブルです・・・どうかお手柔らかにお願いします・・・


41話 柱合会議 竈門兄妹の行く末

「炭治郎。久しぶりだな。上弦と戦ったんだって?」

 

「雁哉さん!! お久しぶりです!! ご心配をおかけしました!!」

 

「よく死ななかったな。カナト達が駆け付けるまでよく持ちこたえた。」

 

「はい!! 禰豆子のおかげで赫刀が使えたんです!! 父さんと雁哉さんの言葉にも助けられました! 本当にありがとうございました!!!」

 

「? まあ、いい。とりあえず他の柱が来るまで待て。くれぐれも心証が悪くなるような言動はするなよ?」

 

「は・・・はい・・・気を付けます・・・」

 

 

俺は後ろ手に縛られており、隣に禰豆子が入った箱が置いてある。

 

ここは産屋敷邸の庭だ。足元は枯山水で敷き詰められており、とても綺麗で厳かだ。

 

現在、屋敷の縁側から雁哉さんが顔を出し、俺たちのそばに寄ってきているところだ。

 

少し離れたところで、カナトさんがしのぶさんと呼ばれていた人にお説教を受けている。彼是、日の出から今の今までずっとあんな感じだ。

 

甘んじて叱られているのは、カナトさんにとってしのぶさんが特別な人だからだろうか。

 

以前浅草で、猗窩座に鬼の勧誘を受けて断っていた時も、しのぶさんの名前を引き合いに出してたぐらいだし、もしかして恋人同士なんだろうか。

 

二人から漂う匂いも、どこか同じような薬品の匂いがする。もしかしたら、一緒に仕事をしていることが多いのかもしれない。

 

ちなみに冨岡さんはさらに離れたところで明後日の方向を向いている。冨岡さんは一体日ごろ何を考えているのだろうか。

 

俺のことを庇ってくれたし、気遣ってくれてる優しい匂いもするから信頼はしているんだけど、雁哉さんが稽古つけてくれていた期間も顔を出さなかったし、考えが読めない。

 

俺がそんな風に思っていると、庭に新たな柱の人が到着した。

 

その人は、全身傷跡があり、鬼よりも恐ろしいような鬼の形相で、俺たちに向かって歩いてくる。

 

 

「鬼を連れていた馬鹿隊員はそいつかいィ? 一体全体どういうつもりだァ?」

 

 

凄まじい怒りの匂いがする・・・! しのぶさんも怒ってる匂いがしてたけど、それ以上だ・・・!

 

その人は俺から禰豆子が入った箱に視線を移すと、目にも止まらぬ速さで抜刀し振りかぶる!!!

 

 

「不死川さん。落ち着いてください。お館様が来るまで一旦刃を収めて下さい。」

 

 

気が付けば雁哉さんが不死川さんの正面に立って手をかざし、禰豆子が入った箱を庇っていた。俺は全く反応できなかった・・・

 

 

「雁哉ァ・・・! どかねぇとたたっ斬るぞ!? アア!?」

 

 

不死川さんと呼ばれた人は刀を持たない片腕で雁哉さんの胸倉をつかむ。そんな不死川さんの腕をカナトさんがつかむ。

 

 

「不死川さん。いつもお世話になっています。僕に免じて刀を収めていただけないでしょうか?」

 

「カナトテメェ・・・お前には公私ともに世話になってっからあんまり言いたかねぇがなァ、なんで鬼を庇い立てしやがる!? 頭イカれてんのか、アア!?」

 

「僕たちの口から言ってもご納得されないと思うので、理由はお館様から皆さんに伝えていただく予定です。しばしお待ちを。」

 

「・・・手ェ放せ。」

 

「刀を収めていただければすぐに離します。ちなみに、力ずくで振りほどくのは無理だと思いますよ。こう見えて、痣が出ている間は、悲鳴嶼さんの次に力強いんで。」

 

 

不死川さんは刀を鞘に納める。カナトさんは手を離すと、雁哉さんの胸倉をつかんでいた手も離れる。

 

 

「・・・お館様が来るまではおとなしくしといてやる・・・だが、納得できる理由がなけりゃァすぐにたたっ斬ってやるからなァ!」

 

 

不死川さんは俺と禰豆子を見てそう恫喝する。そうして、その人は俺たちから離れていった。俺が不安そうにしていると、カナトさんは優しい微笑みを見せてくれる。

 

 

「約束したよね。命に代えても守るって。だから安心してて。大丈夫だから。」

 

 

この人に頭を撫でられると、本当に安心できる。まるでどっしりとした大樹が支えてくれているような信頼感が湧く。

 

 

「稲葉君・・・なんで私にはそういうこと言ってくれないんですか・・・炭治郎君ばかりずるいです・・・」

 

 

少し離れたところでしのぶさんのつぶやくような声がした。やきもち妬いているのかこれは・・・?

 

 

「ん? 何か言った?」

 

「なんでもありません!!! それにお説教はまだ終わっていませんから!!!」

 

 

そうして再びカナトさんは連れ去られてしまった。あれが所謂尻に敷かれるという奴なのだろうか・・・

 

 

「君が竈門少年か!! 鬼を連れ歩くなど明らかな隊律違反!! 君は知らなかったのか!?」

 

 

気が付くと、派手で炎のような髪色の目力の強い人がそばで立っていた。加えて、そのすぐ後ろに桜餅のような髪色をした人が心配そうにこちらを見ていた。

 

 

「煉獄、甘露寺。久々だな。」

 

「うむ!! 間も息災で何よりだ!! しかし、鬼を庇い立てしていると聞いたが本当か!?」

 

「ああ。鬼はそこの炭治郎の妹で、人は一切食べたことがない稀有な鬼なんだ。なぜ生かしているかはお館様より説明があるのでしばらく待っててくれ。」

 

「お館様もご存じなのか!? なるほど!! しかし理解できないお考えだ!!」

 

「ええ~。こんなかわいい子たちを殺してしまうなんて・・・胸が痛むわ、苦しいわ。」

 

「甘露寺・・・まだ殺すと決まったわけじゃないから・・・判断はお館様に一任してるから・・・」

 

「いや、兄妹もろとも俺が派手に斬首する。間もそれでいいだろう?」

 

「全然よくありませんよ、宇随さん。頼むからおとなしくしててください。あと音もたてず俺の背後に立たないでください。」

 

 

音も匂いも気配もなく、気が付けば長身の宝石類で装飾した人がそばにいた。

 

刀を手にかけているのに、殺気一つ感じなかった・・・!

 

この人たちも柱なのか・・・!

 

 

「あとは悲鳴嶼さんと伊黒と無一郎だけですかね? もう少しかかりそうですね。」

 

「あの~。伊黒さんならあの松の木の枝のところでくつろいでいるんですけど~・・・」

 

 

俺と雁哉さんはその方向を確認する。よく見ると。首に白蛇を巻いた白黒縞々の羽織を着た左右目の色が違う人がいた。

 

 

「間・・・俺はお前に失望した・・・上弦の参を追い払った貴様を高く評価していたのだが、それは俺の見込み違いだったようだ・・・

 どう詫びる。どう責任を取る。どんな埋め合わせをさせてやろうか。」

 

 

何だかネチネチ愚痴っている。まるで蛇のような人だ。俺はその人が禰豆子の箱を見ていたので警戒した。

 

 

「皆さん。遅くなってすみません。僕たちで最後ですか?」

 

 

遠くの庭の方から声が聞こえる。そこには腰にまで髪を伸ばした俺よりも年下らしい少年と、その後ろにこの場でもっとも屈強そうな人が数珠を鳴らしながら歩いていた。

 

 

「無一郎。久しぶりだな。柱になってからはどうだ?」

 

「お久しぶりです。間さん。今は自分の屋敷ももらって、兄さんと二人で暮らしています。今では兄さんが俺の継子です!」

 

「そうか。元気そうでなによりだ。」

 

「はい! ・・・ところで、鬼を庇っているって話は本当なのですか? 最初は何かの間違いだと思ったのですが・・・」

 

「すまない。本当のことだ。だが、理由はある。お館様もご存じだし、来られたら話す。」

 

「・・・わかりました。信じていますね・・・」

 

「間・・・どうして鬼を連れた少年を庇ったのか・・・その子は鬼にとりつかれているのだ・・・早く殺して解き放ってあげよう・・・」

 

「悲鳴嶼さん。斧掲げるのやめてもらっていいですか? あなたが暴れたら屋敷が崩壊します。」

 

 

無一郎と呼ばれた子は雁哉さんになついているらしかった。

 

対して悲鳴嶼さんと呼ばれた盲目の人は俺を殺す気満々だ。不死川さんとはまた違った染みわたるような怒りと憎しみの匂いがする・・・

 

 

やがて、俺の周囲に柱の人達が集まってくる。

 

お説教をひと段落させたしのぶさんが、俺に優しい笑顔を作って声を掛ける。

 

 

「稲葉君からある程度は事情を聞きました。あなたにもこれから尋問します。正直に答えるのですよ?」

 

 

それから、俺は、家族が無惨に殺されたこと、妹だけ鬼にされたこと、妹は人を喰っていないこと、俺と共に戦えることを訴えた。

 

しかし、他の柱の人達は聞き入れてくれなかった。家族が殺されたことは少なからず同情の声もあったが、それでも妹を殺すべきという人がほとんどだ。

 

特に、目の前のしのぶさんは、顔は笑っているけど、とても怒っているような匂いがする。やっぱりカナトさんを巻き込んだことを怒っているのだろうか。

 

 

「あの・・・しのぶさんはカナトさんの恋人なのですか?」

 

「へっ///!? なんですか急に! ・・・そうですけど・・・どうしてわかったんですか?」

 

 

しのぶさんは明らかに動揺しているが、他の人達は「見れば丸わかりだろ」と言いたげな目をしている。ただ、俺が確信を持ったのは別の理由だ。

 

 

「いえ。しのぶさんからはカナトさんと同じ匂いがするので、それで・・・」

 

 

そこまで言うと、しのぶさんは顔を真っ赤にして大声で反対した。

 

 

「おっ同じ匂い!? どういうことですか!? 私たちはあくまでも清い良識的なお付き合いをさせていただいてるんです!!

 そっそんな・・・ふしだらなことなんてしていませんからぁあああああ!!!!!」

 

 

顔を覆い隠してその場にうずくまるしのぶさん。

 

俺はただ、同じ薬品や食べ物の匂いがするから、仕事でも私生活でも一緒に過ごす時間が長い間柄だと思っただけなのに・・・

 

そんな俺としのぶさんのやり取りを見て、周囲の人達は爆笑する。

 

 

「ぷっ・・・あっはっはっは!!! こいつは派手に面白い野郎だな!? 気に入った!! 鬼は殺すにしても兄貴の方は俺の継子にしてやってもいい!!

 仮にも上弦の伍と一対一で戦って生き残ってるくらいだしな!! 派手に気に入ったぜ!!!」

 

「いや!! 彼は日の呼吸を使うと聞く!! 処罰は受けてもらうが死罪にはならんだろう!! 炎の呼吸を使う俺の継子になるといい!! 柱になるまでは面倒を見てやろう!!!」

 

「きゃー!!! しのぶちゃん、とっても純情な乙女ね!! この後一緒にお茶しながらお話ししましょう! 恋する女の子って感じで素敵だわ!」

 

「甘露寺少し黙ってろやァ! 確かにしのぶはカナエから聞く限りじゃ下の名前で呼び合ったり手ェ握るだけで真っ赤になるようなヘタレ女だがよォ・・・

 今は先にこの兄妹を何とかしねぇとどうにもならねぇだろうがァ!!!」

 

「おい、不死川・・・甘露寺になんて口の利き方をするんだ・・・甘露寺が許してもこの俺が許さんぞ・・・!」

 

「不死川さんの言ってることは間違ってないですよ伊黒さん・・・甘露寺さんのこと言われても少し落ち着いてください。」

 

「南無・・・」

 

「やめろ! もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!! 胡蝶もいい加減顔を上げろ!」

 

「うう・・・だってぇ・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「お館様のお成りです・・・みな様よろしいですか?」

 

 

やがて、屋敷より、上等な着物を着た若い成人らしき男性がほほえみを浮かべて姿を現す。

 

額と目周辺にただれたようなあざがあるその男性は、左右の子どもたち支えられながら、落ち着いた声色で話し始めた。

 

 

「お早う、皆。今日はいい天気だね。それにしても少々楽しそうな声が聞こえてきたのだけれど、何かあったのかな?」

 

「はっ!! なんでもございません!! お館様に置かれましてもご壮健で何よりです!! 益々のご多幸を切にお祈り申し上げます!!!」

 

「ありがとう。杏寿郎。」

 

「おい・・・しのぶ・・・いい加減にしろ・・・お館様の前で失礼だぞ・・・」

 

「うう・・・」

 

「ほら、しのぶさん。元気出して。炭治郎もほら、ちゃんとみんなの真似してひざまずいてね。」

 

「はっはい!」

 

「・・・炭治郎君・・・後で覚えていなさいよ・・・」

 

「っ!」

 

 

しのぶさんの両脇で姿勢を正させる雁哉さんとカナトさん。しかし、しのぶさんからの俺に対する恨み言を聞き、俺は背筋が凍り付く。

 

 

「お館様!! 畏れながら柱合会議の前に、竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士について聞きたいことがあるのですがよろしいですか!?」

 

 

煉獄さんがはきはきと尋ねると、お館様と呼ばれた人は微笑みを浮かべながら答える。

 

 

「そうだね。驚かせてしまいすまなかった。炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。そしてみんなにも認めてほしいと思っている。」

 

 

そこからは柱たちの抗議の声が続いた。お館様の意見に賛成する者もいないわけではないが、大多数が禰豆子を殺すべきだと認めてくれない。

 

するとお館様は手紙をそばの子どもに朗読させる。その手紙は鱗滝さんからのお館様に対する嘆願書だった。

 

内容は禰豆子が人を襲っていないことの説明だった。

 

「もし、禰豆子が人に襲いかかった場合は、竈門炭治郎及び・・・鱗滝一門、産屋敷の遠縁である雁哉とカナトの兄弟が腹を切ってお詫びいたします。」

 

 

周囲に静寂が包まれる。俺は、冨岡さん、雁哉さん、カナトさんを見る。誰もまるで普通のことだと言わんばかりの無表情を貫いている。

 

俺たち二人のために、鱗滝さんも真菰さんも・・・ここにいる三人もみんな・・・命を賭して庇ってくれているのだと思うと、たまらず涙が溢れて零れ落ちてしまった。

 

 

「死にたいなら勝手に死に腐れよ・・・なんの保証にもなりはしません・・・!」

 

 

静寂を破ったのは不死川さんだった。青筋を浮かべ異を唱えている。

 

 

「そうだね。でも私は炭治郎を死なせるわけにはいかない。彼は浅草で鬼舞辻無惨を自力で発見し、遭遇しているのだから。」

 

「そんなまさか!? 柱ですら誰も接触したことがないのに!? こいつが!?」

 

「鬼舞辻はね。炭治郎に向けて追手を放っているんだよ? しかもわざわざ上弦の参を差し向けると言った念の入れよう・・・

 奴がそこまで執着する彼を私は失うわけにいかない。恐らく禰豆子が呪いを自力で外しているのも同様に重大な理由なのだろう。わかってくれたかな?」

 

「・・・わかりません。お館様・・・人間なら生かしててもいいですが、鬼はだめです!! 承知できない・・・!!!」 

 

「じゃあ不死川さん。協力してくれますか? あなたの稀血で。」

 

 

ふいに雁哉さんがそうつぶやく。周囲の人も息を飲む。今稀血って言ったのか? 不死川さんが・・・!?

 

 

「あなたの血の匂いでかぶりつかなければ、普通の市井の人に襲いかかることもないでしょう。献血していただけますか?」

 

「不死川さん。ちょっとちくっとしますからね~。息吐いてくださ~い。」

 

 

気が付くと、カナトさんが満面の笑みで不死川さんに注射器を刺そうとしている。

 

 

「おいおい、ガキ扱いするな! 献血なんてまどろっこしい! 刀で切ればいいだろうが!!」

 

「お館様の庭が汚れます。ダメです。それじゃあ刺しますね~。」

 

「おい! ・・・ったく、そういうところがカナエに似てるっつてんだろうがァ」

 

「僕がカナエさんに? 怖気が走るんで二度と言わないでくださいね?」

 

 

有無を言わさぬカナトさんの笑顔で、不死川さんは黙りこんでしまった。カナエさんって不死川さんが言うこと聞くくらいに怖い人なのか・・・

 

 

「よし。炭治郎。禰豆子ちゃん借りるね。」

 

「え・・・ちょっ・・・!」

 

 

俺の制止も聞かず、カナトさんは屋敷に上がり、日の陰になっているところで禰豆子を引っ張り出す。

 

禰豆子は注射器に目が釘付けだった。カナトさんは手持ちの布のその血をしみこませて、左手に乗せる。それを禰豆子の前にかざす。

 

 

「禰豆子!!」

 

 

俺が駆け寄りそうになると、雁哉さんに腕を掴まれる。

 

 

「耐えろ。」

 

「でも・・・!!!」

 

「お前は兄貴だろ。妹が必死に今戦っているんだ。鬼の本能と。妹のことをお前が信じないで誰が信じる?」

 

「っ!!!」

 

 

俺ははっとする。そうだ・・・一番苦しいのは禰豆子なんだ・・・俺が不安になってどうする!!!

 

 

「頑張れ禰豆子!!! 鬼になったばかりの時と同じように耐えるんだ!!! お前は俺の血が滴る腕にも手を出さなかったじゃないか!!! 禰豆子頑張れ!!!!!」

 

「なっ・・・鬼になった直後に、肉親を襲わなかったのか! あの鬼は・・・!」

 

 

周囲で驚く声が聞こえるが俺の耳には入らなかった。

 

やがて、禰豆子は目を瞑り、明後日の方向を向いて拒否した。俺はふいに脱力する。

 

 

「これで、禰豆子が人を襲わないという証明ができたね。」

 

 

他の柱たちは何も言わなかった。

 

 

「禰豆子! えらいぞ! よく頑張ったな!!」

 

「それでもまだ禰豆子のことを快く思わない者もいるだろう。証明しなければならない。これから先も。

 十二鬼月を倒しておいで。そうしたら皆に認められる。炭治郎の言葉の重みが変わってくる。」

 

 

俺は反射的にお辞儀をして、顔を上げる。

 

 

「俺は・・・俺と禰豆子は・・・必ず鬼舞辻無惨を倒します!! 俺と禰豆子が必ず・・・悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!!」

 

「うん。期待しているよ。君ならすぐにでも柱になれる。待ってるよ、炭治郎。」

 

 

周囲の柱たちも動揺している。お館様の言葉に驚いたようだ。

 

 

「ただ、今のままだと難しいから、柱の誰かの継子になった方がよさそうだね。力になってくれる子はいるかな?」

 

 

お館様がにこやかに言うと、突如大騒動になった。

 

 

「お館様!!! 彼を煉獄家の継子にさせていただきたい!!! 必ずや一人前の柱に育て上げます!!!」

 

「ずりーぞ煉獄!! 俺が先に言い出したことだ!! 派手な大見得を切る竈門は俺の継子になるべきだね! それはもう派手派手な柱に仕上げてやるぜ!!!」

 

「杏寿郎、天元、喧嘩はよくないよ。そもそも彼は雁哉が見つけて保護してくれた子だ。彼の意見を聞きたい。どうかな?」

 

 

みんなの視線が雁哉さんに集中する。雁哉さんは顎に手を当てて、やがて結論を出した。

 

 

「煉獄に任せるべきかと・・・」

 

「おいこら間! お前俺が鍛えてやった恩を忘れたのか!? 煉獄の肩持ってんじゃねえ!!」

 

「宇随さんには我妻善逸という隊士を継子にしていただきたい。彼は常中の訓練なしで、下弦の肆を足止めし続けた男と聞きます。雷の呼吸を使うので適任かと・・・」

 

「なんだそりゃあ!! 随分と派手な野郎だな!! よっしゃ気に入ったぜ!! 竈門はお前に免じて煉獄に譲ってやる!!」

 

「間すまんな!! 恩に着る!!!」

 

「ただし、時々、俺と炭治郎で稽古をつけさせていただきたい。彼には月の呼吸との戦い方を把握していただきたい。」

 

「どうしてかな。雁哉。」

 

 

お館様が不思議そうに聞く。雁哉さんの目が一瞬濁った気がした。

 

 

「上弦の壱、黒死牟は日の呼吸の使い手を片っ端から殺していると考えられます。直感ですが・・・」

 

「そうか。なら気を付けないとね。雁哉の勘もよくあたるから・・・」

 

 

俺は身震いした。あれだけ強かった猗窩座をさらに圧倒した黒死牟・・・そんな男が俺の命を狙っているかもしれないのだから・・・

 

 

「杏寿郎。炭治郎を任務に連れていく際は充分気を付けるんだよ? すぐに増援が駆け付けられるよう、私も柱の任務先については都合をつけておこう。」

 

「はっ!!! 肝に銘じておきます!!!」

 

「それでは、柱合会議を始めようか。炭治郎は蝶屋敷へと移動して治療を受けなさい。完治したら、晴れて杏寿郎の継子だ。

 杏寿郎の稽古は蜜璃以外耐えられなかったと聞く。辛くてもめげずに頑張るんだよ?」

 

「っ! はい!!!」

 

 

 

 

 

 

そうして俺は、隠の人に運ばれ、蝶屋敷へと移動した。

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 




原作とはまた違った会話内容で少しくらいは楽しんでいただけたでしょうか?
そして本小説では炭治郎を煉獄さんの継子にしました。今後煉獄家に厄介になる時の話とかも投稿すると思います。次回はカナヲちゃんと炭治郎の絡みをめっちゃ出します。炭カナのタグ追加しようか検討中です(既に小説の視点キャラである胡蝶しのぶ、竈門炭治郎、栗花落カナヲのタグは追加済みです)。筆者は一途純愛ものが大好きなので(聞いてないって)、二人の恋模様も一杯書いていきたいですね。それでは次回もよろしくです。
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