輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話   作:科学大好き人間

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弟のカナト君視点です。早いものでもう50話ですね。ここまで読んでくださった方に感謝です。遊郭については、子供の頃「仁」ってドラマを見た時に知ったレベルの知識しかないので話半分で読んでいただけると有難いです。それとせっかくなので、本文の終わりにカナト君の生産拠点や発明品の補足情報を載せました。殆どDr.STONEで描写された発明品ばかりなので、原作知らない人はイメージしにくいかもしれません。気になる人だけお読みいただければ幸いです。


50話 吉原遊郭

「あら~。カナデちゃん。いつも悪いわね~。最近須磨花魁への贈り物が本当に多くって~。」

 

「いえ。私は須磨花魁の禿ですから。これくらいの仕事は当然ですよ?」

 

 

現在僕は、吉原遊郭のときと屋に女装して潜入していた。当然化粧もしている。この化粧技術は、宇随さんの奥さんたちから習ったものだ。

 

宇随さんたちは元忍びなので、潜入任務で変装するぐらいお手のもので、化粧の仕方にも長けている。

 

実は僕の吉原潜入任務の案が持ち出された原因は、僕が以前開発したファンデーションやら口紅、マスカラ、マニキュアなどの様々な化粧アイテムを奥さんたちにプレゼントしたのがきっかけである。

 

はあ・・・あの時化粧品なんて渡さなければ・・・僕が魔改造されて遊女の振りをしなくても良かったはずなんだけどなぁ・・・

 

でも、そうなれば素の顔が整っていて戦えるしのぶさんが任務に連れ出されるに決まってたから、結果的には仕方ない気もする。

 

僕はそんなことを考えながら、大量の荷物を須磨さんの元に運んだ。

 

 

「須磨花魁。とっても素敵な沢山の贈り物が届いていますよ?」

 

「あ! カナデちゃん? 丁度良かった~。あなたとお喋りしたいと思っていたの!」

 

 

僕が須磨さんの部屋に入った途端、須磨さんはふすまを閉める。

 

 

「ふ~。須磨さん。それで話というのは?」

 

「今はカナデちゃんなんですから、言葉遣いもっと女の子みたいにしないとダメですよ?」

 

「はあ・・・わかりました・・・っんん! ところでどうされたんですか? 須磨花魁?」

 

「わあ、すごい! 一瞬で女の子の鈴の鳴るような声に!!」

 

「・・・話というのは?」

 

僕はつっこんだら負けだと思い、有無を言わさぬ笑顔で話を強引に進めた。僕の女装した笑顔はカナエさんの圧のある笑顔とそっくりらしく、それは須磨さんにも効果的だ。

 

 

「あっ・・・そ、そうなの! 実はねカナデちゃん!」

 

 

いつもこんな感じでお互いの情報収集の報告をしている。傍から見れば禿が花魁になついているように見えるのだが、主導権は僕が握っている。

 

女装をさせられたストレスが言葉尻に出てるようで、須磨さんは震える声で僕に従順に報告をしてくれる。カナエさんと今の僕ってそっくりなのかな・・・

 

 

「足抜け・・・」

 

「そうなのカナデちゃん。だからカナデちゃんも気を付けてね?」

 

 

お互いの報告が終わると、僕は部屋を出て、店の準備の手伝いをする。僕の調理技術もここでは重宝するので、意外と手伝いに呼ばれる頻度は多い。

 

そうして手伝いを済ませると、店の開く時間帯となり、僕は須磨花魁の禿として身の回りの仕事をやることになる。そうして夜は更けていく・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど足抜けねぇ。それは派手に怪しいな。」

 

「はい。十中八九鬼の仕業ですよ。」

 

「つっても全員が全員鬼のせいってわけでもないんだ。どうやってそれを見分けるかだが・・・」

 

「日ごろの遊女の様子を見ていれば勘づくと思います。恋愛にのぼせ上がってるか否かは見ればだいたいわかりますから・・・」

 

「うし。じゃあ派手にそうしろ。俺も外から街の様子は監視する。引き続き頼んだぞ?」

 

 

昼間の時間帯は誰にも見られないところで宇随さんと作戦会議、夜になれば仕事しながら情報収集、その繰り返しだ。

 

彼是この任務に参加してもう一か月になる。そろそろ鬼の痕跡ぐらい見つけたい。僕のストレスは割と限界に近付いているからだ。

 

そんなある日の夜、急遽僕に指名が入った。今まで須磨さんが花魁の権限で僕に客が付かないよう取り計らってくれていたのだが、何かの手違いがあったらしい。

 

もうこれ潜入任務続けられないでしょ・・・男なのに客取れるわけないじゃん・・・はい、終わった!

 

僕はこのお客さんをこっそり薬で眠らせた後、任務を放棄することに決めた。ふ~。これでこんな女装生活ともおさらばだ。むしろ手違いがあってよかった。

 

そんなことを考えながら、僕はお客さんの部屋へ向かう。袖に筋弛緩剤と睡眠薬の注射針を仕込んだ状態で。

 

ふすまを開けるとそこには白髪の長身男性が座っていた。歳は二十くらいか? 僕より二つ年上くらいかな?

 

そんなことを考えながら、僕はその男の人の隣に座り、お酒を注ぐ。こっそり睡眠薬も入れるのを忘れずに。

 

 

「本日はようこそおいでくださいました。如何ですか? このお店は?」

 

「そうだな・・・いろいろ言いたいことはあるが・・・まずは・・・」

 

 

その男の人は僕に向き直る。僕の様子を頭のてっぺんからつま先まで眺める。やばい・・・鳥肌が・・・

 

 

「あの・・・如何されましたか・・・?」

 

 

僕は必死に笑顔を作る。少し声がかすれてしまった。ぼろが出そうだ。

 

僕が取り繕っていると、その男は窓際まで下がり、背を壁にもたれかけさせた。

 

 

「化粧や香水をして、声色まで変えているが、お前男だろ? どうして遊女の振りなんてしてるんだ?」

 

 

まさか一発でばれてしまうとは・・・なぜだ・・・僕の変装はそんな見破られやすいレベルなのか・・・?

 

いや、でもこの一か月以上の間、僕の性別は他の遊女は勿論、楼主の奥さんですら気づかなかったほどだ。

 

この店のもう一人の花魁、鯉夏花魁でさえ、僕と会って『可愛らしい女の子ね』なんて言ってたくらいだし、一般の人にばれるはずは・・・

 

僕がそう考えを巡らせていると、その男は怪しく笑う。

 

 

「なんだ? この店を探る仕事でもしてるのか? 面白そうだな。」

 

 

その男は怒るでもなく、不快そうにするでもなく、そんなことを言ってにやついている。

 

そういえば気になったことがある。この男の人の気配・・・妙だ・・・まるで植物と相対しているような・・・

 

 

「・・・どうしてわかったんですか? 僕の変装はかなりのもののはずなのですが・・・」

 

「まあ俺は意識的に見ればわかるんだよ。昔からいろんなものがスケスケの丸見えで隠してても大体わかるんだ。」

 

「っ! それって・・・透き通る世界のことですか!?」

 

「ん? なんでそれを知ってるんだ?」

 

 

この人が言っていた内容は、かつて雁哉が猗窩座と戦うときに使った透き通る世界の特徴と一致する。

 

僕はそのことが気になりつい質問をしてしまう。本人はどこまで知っているんだ・・・?

 

 

「あの~。失礼ですがお名前をお伺いしても・・・?」

 

「ならまず自分から名乗りな。お前は何者だ?」

 

 

透き通る世界が見えるくらいだし、きっとこの人は一般人じゃない。正直に話しても混乱させることはないだろう。

 

 

「・・・僕は稲葉カナトと申します。今は偽名でカナデと名乗ってはいますが・・・実は鬼を斬る仕事をしています。

 この吉原に鬼が潜んでいる可能性があって、今はその調査をしているんです。女装するのは嫌だったけど・・・

 それで、あなたのお名前は?」

 

 

僕が包み隠さずそういうと、その男は笑った。

 

 

「ふっ・・・どうやら嘘はついていないらしいな。鬼の話は死んだ爺さんからしか聞いたことがないが、まさかお前があの鬼狩りだったとは・・・

 いいだろう。俺も名乗ろう。俺の名は・・・」

 

 

そうして彼は名前を教えてくれる。それを聞いて、僕はあまりにも驚いて目を見開く。

 

 

「白峰凍士郎だ。もともと北海道に居たんだが、親父に勘当されて今は行く当てがない。よかったら働き口紹介してくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

その人はずっと雁哉が探してた白峰先輩の祖先だった。

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

=======

 

 

本文に入れられなかった設定②

 

〇花屋敷及び生産拠点

 

カナト君が確立した、主に近代で扱われる化学製品及び火器兵器の製造を行う施設。

 

1.火器兵器製造

 

ハーバーボッシュプラント(Dr.STONEアメリカ編参照)による大量のアンモニア製造により、硝酸の量産が可能となる。

 

硝酸から火薬もしくはニトログリセリンを生成し、様々な爆発物や兵器の原料に使用する。

 

水車を利用した発電設備による鉛蓄電池の充電施設、マンガン電池の量産(Dr.STONE STONE WORLD編参照)により、自爆用ミニ四駆及びドローンのバッテリーを大量に製造可能に。

 

製鉄炉のふいごを水車の動力により自動化(Dr.STONE STONE WORLD編参照)し、刀鍛冶の里の製鉄に貢献。

 

無線機(Dr.STONE STONE WARS編参照)も柱救援用に開発。これにより十二鬼月が出現してもすぐに柱が応援に向かい討伐が可能となる。

 

結果、那田蜘蛛山編開始時点で下弦の鬼は魘夢と累以外は悉く討伐される。

 

これにより、無惨は下弦を増やしても無駄だと悟り、魘夢と累に血を追加する。その後、順応が顕著だった累が一時的に上弦の伍となる。

 

2.医療用品

 

蝶屋敷への備品として、医療用手袋、抗生物質サルファ剤(Dr.STONE STONE WORLD編参照)、薬剤(エタノール、アセトン、エーテル等)を納品している。

 

カナト君は医療分野については専門ではないので、治療薬についてはしのぶさんの指示に従い用立てている。

 

3. 日用品

 

アオイちゃんの家事の負担軽減の為に電動式洗濯機とスターリング冷凍機(Dr.STONE STONE WARS編参照)を納品。

 

しのぶさんはじめ蝶屋敷の子たちに喜んでもらうため、アイスクリーム用のバニラ香料、クラフトジュース、紅茶用ガムシロップ(Dr.STONE全般参照)を開発。

 

加えて、しのぶさんと恋仲になってからは、シャンプー、コンディショナー、口紅、ファンデーション、香水(Dr.STONE宝島編参照)を開発。

 

これらを宇随さんの奥さんたちにもプレゼントしたところ、遊郭に女装して潜入する羽目になった。

 

また、宇随さんの奥さんたちが遊女として潜入する際の仕事内容を懸念して、ラテックス性の避妊具(最低なDr.STONE参照※非公式)も開発したが、客を取る際に怪しまれて使いにくい&忍び秘伝の避妊薬があるとのことで不要となった。

 

結果、余った避妊具はカナエさんに全部あげた。その後どうなったかは神のみぞ知る・・・

 

 

 

 




カナト君はしれっとカナエさんに大量のブツを渡したそうです。不死川さん大丈夫でしょうか。気になって夜しか眠れません(平気やん)。
さて、原作とは違った遊郭編になると思いますが、それでもよろしければお付き合いください。今後ともよろしくお願いいたします。
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