輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話   作:科学大好き人間

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弟のカナト君視点です。作者はゴールデンカムイも好きです。時代的に鬼滅とそんなに離れていないので、若干関連ある話を入れました。まあ、小ネタなので軽く流しておいてください。


51話 協力者

「協力者だと・・・?」

 

「はい。宇随さん。白峰さんって言うんですけど・・・」

 

「白峰? ・・・ああ、100年後のお前らの知り合いか? そいつも派手に時代遡ってきたのか?」

 

「あ、いえ。正確にはその祖先に当たる人です。滅茶苦茶強いんですよ? 以前僕が上弦の弐、童磨の前で気絶した時、夜明けまで代わりに戦ってくれた人なんです。竹刀一本で。」

 

「何言ってんだお前・・・そんな奴いるわけねぇだろ・・・」

 

 

今はお昼の時間帯で、宇随さんと作戦会議中だ。僕が至急報告したいことがあると手紙で伝えると、すぐにこの場を設けてくれた。

 

 

「はあ・・・でそいつは今どこにいる?」

 

「昨夜、藤の花の家紋の家を教えたので、今日からそっちに滞在してるんじゃないでしょうか? お金もうないって言ってたので。」

 

「お前・・・ていよく宿のあてにされただけだろ・・・信用できるのか?」

 

「お金さえ支払われればなんでもするって言ってました。逆に信用できます。」

 

「おい・・・金蔓だと思われてんぞそれ・・・大丈夫なのか?」

 

「でも彼のおかげで鬼を倒せたら文句ないですよね? 彼は透き通る世界が見える人間です。刀も振ったことがあるそうです。即戦力として申し分ないです。」

 

「・・・わかった。まず俺が奴を確認する。話はそれからだ。」

 

 

そうして宇随さんは藤の花の家紋の家に向かった。

 

後日、その白峰さんは最終選別に参加してもらうことになった。育手は経由しておらず、日輪刀だけ持たせて参加させるそうだ。

 

白峰さんは『鬼の頸刎ねるだけで金もらえんのか。これならしばらく遊ぶ金に困らなさそうだな。』と言ってたらしい。中々に肝が据わってらっしゃる。

 

それからさらに日は流れ、白峰さんは鬼殺隊に入隊した。まさかたった一か月で隊士になって吉原に戻ってくるとは思わなかった。

 

作戦会議の集まりの際に、宇随さんが白峰さんを連れてきた。

 

 

「稲葉。こいつだめだわ。金遣いが荒すぎる。特に女遊びに目がねぇようだぞ。とんでもねぇ奴だ。」

 

「カナト。上弦の鬼見つかったか? 早く斬って店に遊びにいく金をもらいたいんだが・・・」

 

「白峰さん。中々見つからないので今僕らが調査しているんです。それに上弦の鬼はとんでもなく強いので倒すのは苦労すると思いますよ?」

 

「そうか・・・借金どうすっかな・・・」

 

「稲葉。こいつ捨ててきていいか?」

 

「待ってください宇随さん。腕は本物ですから。」

 

 

白峰さんはとんでもないダメ男だった。父親に勘当されるのもわかる気がする。しかし実力は間違いないのだ。

 

最終選別の前日、僕はこっそり吉原を離れて白峰さんと手合わせをした。やはり透き通る世界が見えるみたいで、僕の攻撃は全く当たらなかった。

 

最後には痣まで出して挑んだのだが、結局僕は一本もこの人から取れなかった。

 

どうして透き通る世界が見えるのか聞いてみたら、なんでも父親が陸軍士官で日露戦争では旅順攻囲戦に参加していたそうだ。

 

その時の死と隣り合わせの環境が、父親が透き通る世界を見ることができるようになったきっかけらしく、その方法を教えてもらったら見えるようになったとのことだ。

 

 

『たくさんのことを覚え、吸収した後は、必要でないものを削ぎ落す。その動きに必要なものだけ残して閉じる』

 

『頭の中が透明になると、透き通る世界が見え始める。』

 

 

父親が教えてくれた言葉らしい。この言葉は僕と雁哉が入部していた部活の白峰先輩も言ってたのを覚えている。その教えは、100年後の未来でも脈々と受け継がれているようだ。

 

 

 

「はあ・・・おい、白峰。お前いいとこの出のボンボンなんだろ? なんでそんなにだらしねぇんだ?」

 

「まあだらしないから親から勘当されるわけで・・・それより宇随さん、柱って給料無限なんだよな? 金くれねぇか?」

 

「うっせえわ! 自分で柱になってから散財しやがれ!!」

 

「なるほど・・・じゃあわざわざ十二鬼月斬るよりも雑魚鬼50体斬った方が柱になるの早いわけだし、俺帰って他の鬼探すわ。」

 

「ざけんな!! 脳ミソ爆発してんのか!! 俺が意地でも帰さねぇぞ!!!」

 

「はあ? じゃあ力づくで帰るわ。見たところあんたカナトより弱いだろ? 痣もないみたいだし。」

 

「クソ野郎が!!!」

 

「宇随さん落ち着いてください。白峰さんもお金貸しますから鬼を倒すまでは残ってください。」

 

「お? 金くれんのか? じゃあ残るわ。よかった~。借金チャラにできそうで。」

 

「・・・ちゃんと返してくださいね?」

 

「お~。気が向いたらな。」

 

「・・・」

 

 

うん・・・きっとお金は返ってこないな・・・まあ必要経費だと思って割り切るしかないか・・・

 

 

「白峰の馬鹿はほうっておいて話を進めるぞ。以前話していた足抜けの件だが、やはりときと屋、荻本屋、京極屋どれも他の店に比べて異常に多いみたいだ。

 お前と俺の嫁三人に調べてもらった通り、色恋にのぼせ上がってる様子もないまま失踪しているのが目立つ。

 この三つの店に関連した奴が鬼だと見て間違いないだろう。」

 

「そうですね。あとこれは僕の主観なのですが、容姿が整った遊女が特に失踪してる印象を受けます。」

 

「美人を好んで食う鬼か・・・胸糞悪いな・・・」

 

「まあ、童磨の件もありますし、偏食する鬼は時々いるみたいですね。」

 

「そうなると鬼は男か?」

 

「いえ。だとすると鬼は客として遊女をさらっているってことになります。そんなことしたら有名になりますよ。」

 

「たしかに・・・じゃあ、男で働いてる奴だとすると楼主か?」

 

「う~ん。わざわざ自分の店の遊女食いますかね? お店の売り上げ下がりますよ?」

 

「商売敵の他店の楼主ならどうだ? 鬼だとしたら一石二鳥じゃないか?」

 

「それだと、ときと屋、荻本屋、京極屋ばかり足抜けが出てる理由が説明できません。他の店では宇随さんの調査結果を判断する限りあまり出ていないので。」

 

「こいつは厄介だな。さて、どうしたもんか・・・」

 

 

僕と宇随さんで案を出すものの、どれも決定打に欠ける。なんだろう。何か見落としてる気がする・・・

 

 

「同物同治じゃねぇのか?」

 

 

突如、白峰さんがそんな案を出す。

 

 

「同物同治・・・不調を感じた部位と同じ物を食べると治るっていう考えのことですか?」

 

「ああ。それで美人な遊女ばっか食われてるんだろ。」

 

「おい、白峰。鬼はそもそも病気にならねぇ。的外れもいいところだ。」

 

「いや、病気の話じゃなくて、容姿の話だよ。美人を食えば自分も美人になるとか思ってんじゃねぇのか? その鬼はよ。」

 

「つまり・・・鬼は同じ遊女・・・そういうことですか?」

 

「知らんけど。」

 

「知らねぇのかよ!! お前まじふざけんなよ!!??」

 

「いや、待ってください、宇随さん。可能性としてはありえますよ!

 童磨も、女性はお腹の中で子供を作れるくらい栄養があるから効率を考えて食ってるって、以前、猗窩座と戦った時そんな話をしていた覚えがあります!」

 

「な・・・なんだその虫唾が走る話は・・・!」

 

「ほんとそうです。吐き気がするような考え方ですよね。」

 

「つまり今回の鬼は遊女の可能性が高いわけだ。そうなると、どの店だ?」

 

 

僕と宇随さんで思考してると、再び白峰さんが口を開く。

 

 

「ときと屋の鯉夏花魁・・・京極屋の蕨姫花魁とかはどうだ? 花魁なら店で比較的好き勝手できんだろ? 

 俺は店で花魁に会える程金持ってなかったからどんな奴かわかんねぇ。カナトは鯉夏花魁には良く会うんだろ? 印象はどうだ?」

 

「え!? 鯉夏花魁!? あの人はとても鬼には見えないよ!! うまく擬態してたとしても、あんな禿の子たちに優しくする理由がないし・・・」

 

「となるともう一方か・・・雛鶴のいる店が怪しいのか・・・」

 

 

宇随さんは腕を組み、悩んでいる。今後のことを考えているのだろう。

 

 

「稲葉。胡蝶を呼ぶか? 京極屋に潜入させるのはどうだ?」

 

「宇随さん・・・僕がそれに肯定的意見を言うとでも・・・?」

 

 

僕は反射的に怒気を周囲に発した。抑えられない感情のせいで、腹が熱くなる。

 

 

「いや、遊女としてじゃなくて、薬売りとしてだよ。そんなに殺気出すなって。もちろん、他に何人か隊士を付ける。蕨姫花魁が上弦の鬼だった場合、胡蝶一人じゃ対応できないだろう。」

 

「・・・わかりました。そういうことでしたら。・・・で、他に誰を同伴させますか?」

 

 

宇随さんは腰に手を当てて得意そうに笑う。

 

 

「俺の継子の我妻と嘴平を同伴させる。あいつらなら下弦程度にはもう後れをとらねぇからな。それと栗花落もだな。胡蝶の継子なら連携も取りやすい。

 あとは竈門か。あいつは上弦との戦闘経験もあるから、いざって時、胡蝶の盾くらいにはなれる。どうだ? 派手なメンツだろ?」

 

「・・・たしかに・・・」

 

 

僕は顎に手を当てる。それだけついてくれればしのぶさんが上弦と会敵してもすぐには殺されないだろう。

 

善逸と伊之助も宇随さんの継子になってから相当強くなったって聞くし、いざって時、宇随さんとの高度な連携がとれる。

 

カナヲちゃんもしのぶさんと組ませれば、柱並みに戦えるし、炭治郎に至ってはいつ柱の任命を受けるかといった状態だ。

 

特に炭治郎は以前黒死牟が殺しに来た理由からも察せられるように、一般任務で単独行動させるのは危険極まりない。

 

そのため、ここ数ヶ月はずっと任務に出れず蝶屋敷で保護してるようなものだから、むしろこういう団体任務にしか連れていけない。

 

禰豆子ちゃんの立場を考えれば、なるべく早く成果を出させてあげたいものだ。今回の任務はおあつらえ向きかもしれない。

 

 

「わかりました。至急招集をかけてください。当面は他の可能性も考えながら、蕨姫花魁を集中的に洗い出しましょう。」

 

 

僕の答えに宇随さんは嬉しそうに笑う。

 

 

「よっしゃあ!! メンツも一気に増えるし、こっからはさらにド派手に行くぜ!!!」

 

 

 

 

 

僕はこの時、上機嫌に笑い飛ばす宇随さんがとても頼もしく思えた。

 

 

 

 

続く

 

 

 




この小説では、善逸と伊之助は宇随さんの継子になってもらいました。善逸は呼吸の系統が似ているため、伊之助は二刀流の扱いが宇随さんしか柱で教えられる人がいないからです。筆者が面白くなりそうだなと思ってこうしました。深い理由はないです。
そして白峰は腕はいいけど人間性はアウトな奴として描写します。不快に感じることもあるかもしれませんが、意図的にそういうキャラとして書きます。ご了承お願いいたします。
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