輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話   作:科学大好き人間

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弟のカナト君視点です。例のブツの作り方は「最低なDr.STONE※非公式」を参考にネットで調べて書いてるだけなので話半分で読んでください。ちなみに検索して出てくるネタ動画と違い、原作のDr.STONEは超ド健全な作品です。寧ろ理系の人は全員読むべきと言っても過言ではない神漫画なので、作品を貶めるつもりは一切ないのでご了承ください。


61話 再現性のある方法

「カナエさんが妊娠・・・?」

 

「そうなんです!! 私本当に驚いてしまって・・・!!」

 

 

先ほど、病棟の大部屋でしのぶさんの大声が上がったから何事かと思い暫く待っていたら、しのぶさんがそんな報告を僕にしてくる。

 

 

「本当に? 白峰さんの見間違えじゃなくて?」

 

「それは・・・なんとも言えませんけど、十数ミリの胎児が見えたって具体的に言ってたので嘘はついてないと思いますが・・・」

 

「・・・」

 

「稲葉君は誤診だと思いますか?」

 

 

僕は顎に手を当てて考える素振りをする。正直言って疑問には思っている。

 

なぜなら僕は遊郭に潜入する前に、カナエさんにラテックス性の避妊具を手持ちのもの全て渡していたからだ。

 

もともとは宇随さんの奥さんたちが遊女として潜入する際の仕事内容を懸念して僕が作ったものだ。

 

正直、ゴムの原料とポリアクリル酸ナトリウムさえあれば型取り後に包装するだけで作れる簡単な代物で、試作品の段階で量作るのにも支障はなかった。

 

五種類のサイズを各50個ずつ用意して宇随さんの奥さんたちに渡そうとしたが、客を取る際にそんなものを使えば不信に思われると言われ、結局は不要になった。

 

無駄にするのももったいないと考えてたところ、カナエさんが『不死川君ともっと仲を深めたいのだけど何かいい方法はないかしら~』と半ば強制的に僕に解決案を無理強いしてくるもんだから、丁度いいと思ってその時に全部押し付けた、もとい渡した。

 

それから二か月は経ってはいるが・・・そう簡単に使いきれるか? 数的には問題ないとはずなんだけど・・・

 

 

「わからない。けど、そう遠くない日に妊娠初期の症状が出たら間違いないと思う。とりあえずは経過観察だろうね。」

 

 

てか不死川さんとの婚約のタイミングから考えて、僕が潜入任務に行ってるうちにやることはもうやっているのだろう。

 

はあ・・・とりあえずしのぶさんにこの話をするのはやめておこう・・・いろいろと話がめんどくなりそうだから・・・

 

 

「不死川め・・・祝言も挙げずに先に子どもをこさえてしまうとは・・・男の風上にも置けん奴だ・・・」

 

 

僕としのぶさんが話をしていると、機能回復訓練から戻ってきた伊黒さんが隣のベッドで腰を掛けた状態でそうつぶやく。

 

 

「伊黒さん・・・十中八九カナエさんから襲い掛かったと思うから、不死川さんのことは悪く言わないであげてくれませんか?」

 

 

僕は心底不死川さんに同情する。伊黒さんにこんな風に陰で言われるなんてあまりにも可哀そうだ・・・

 

 

「ふん、だとしてもだ。男として分別をもって断るべきであろう。俺ならそうする。」

 

「甘露寺さんから迫られても同じこと言えるんですか?」

 

 

しのぶさんが真顔でそう聞くと、伊黒さんは真っ赤になって反論する。

 

 

「なっ!? なぜそこで甘露寺が出てくるんだ!? 胡蝶!! 貴様ふざけているのか!!??」

 

「いえ、お二人はどう見ても両想いですし、いずれはそんな日が来るかもしれないと思いまして・・・」

 

「ばっ馬鹿を言うな!! 俺と甘露寺はそういう間柄ではない!! 甚だ酷い見当違いだ!!」

 

「まあ、伊黒さんは自分から手を出しそうにないですよね・・・僕の予想では甘露寺さんから猛烈アタックしそうな気がしますけど・・・」

 

「はぁあああ!!?? そんな訳ないだろうがぁあああ!!!! 稲葉貴様っ!! 甘露寺を侮辱しているのか!!??」

 

「あ、そういう訳では・・・う~ん。これは先が思いやられる・・・」

 

「伊黒さん。あんまり甘露寺さんを待たせてはいけませんよ? 女性というのは本当は男性から想いを打ち明けてもらいたいものなのですから。」

 

「あれ? 僕らの時はしのぶさんからだったよね?」

 

「あれは・・・稲葉君が女の人に興味なさそうだったから私がしびれを切らしたんですよ。それに、あの時はつい私も気恥ずかしくて嘘をついてしまって、もう稲葉君に振り向いてもらえないかもと焦ったのもありますが・・・」

 

「そっか・・・何だかごめんね。そうだよね。女の子なら告白されたいよね。本当に申し訳なかったね・・・」

 

「もういいんです・・・だって、今は稲葉君に振り向いてもらえていますから///」

 

「しのぶさん・・・」

 

「稲葉君・・・///」

 

「おい・・・俺の前で何をしようとしている貴様ら・・・」

 

 

僕らが二人の世界に入りそうになると、伊黒さんから苦言を呈される。

 

 

「あ、すみません。しのぶさんの言葉で、一瞬二人きりだと錯覚してしまいまして・・・」

 

「もういい。俺は邪魔だろう・・・庭先で鍛錬をしてくる。」

 

「はっ!! いけないいけない・・・ダメですよ伊黒さん、無理はよくありません。」

 

「五月蠅い・・・俺はもっと強くならねばならんのだ・・・でなくば上弦から甘露寺を守れない・・・今のままでは・・・」

 

「ふ~ん。ならいい話があるぜ?」

 

 

伊黒さんがその場を立ち上がろうとした瞬間、部屋の外から白峰さんの声がした。

 

 

「白峰・・・貴様・・・」

 

「そう睨むなよ。もうあの胸のでかい女には興味ねぇから。」

 

「貴様っ!! 甘露寺のことをそんな風に言うな!! 許さんぞ!!!」

 

「そう熱くなるなって。俺がお前を強くしてやる。透き通る世界の入り方を教えることでな。」

 

 

僕もしのぶさんも伊黒さんも全員が息を飲む。今白峰さんはなんて言った!?

 

 

「透き通る世界だと・・・それは俺にも見えるものなのか・・・!?」

 

「まあ才能次第だが・・・お前は見込みあると思うぜ? カナトはちょっと無理そうだけどな。」

 

「ひどくないですか? 白峰さん。」

 

「まあ聞けよ。透き通る世界ってのは感覚を閉じたり開いたりってのが重要なんだ。腕っぷしの問題じゃねぇのさ。カナトはあんまりそういうのが得意そうじゃないからな。悪く思うなよ。」

 

「白峰・・・俺なら可能性があるというのか?」

 

「ああ。お前は生まれつき片目の視力がほとんどないんだろう? ということは、生まれつき劣る感覚を閉じて残された感覚で戦うことに慣れてるはずなんだ。だから見込みがあるって言ったわけさ。納得いかねぇか?」

 

「・・・貴様のような男に教わるなど屈辱以外のなにものでもない・・・」

 

「あっそ。なら片腕のまま上弦と戦って殺されるしかないな。今のお前じゃ精々あの胸のでかい女の肉壁になるくらいが関の山だろうぜ? 残念だったな。」

 

「・・・」

 

 

伊黒さんは立ち上がったまま無言で白峰さんを見ている。しばらく沈黙が続くが、やがてため息を漏らす。

 

 

「わかった・・・それで甘露寺を守れるようになるのなら構わない・・・早速教えろ・・・!」

 

「まあ待てよ。先に産屋敷当主に話をしないとな。」

 

「お館様にだと!? 貴様何を話しに行くつもりだ!!」

 

 

白峰さんは一度目線を切り、少し考える素振りをする。

 

 

「俺はもうまともに戦えねぇ。肺胞が半分も壊死してるからな。こうやって普通そうにしてるのだって、透き通る世界を見る要領で無事な肺胞の感覚を開いて壊死した肺胞の感覚を閉じたりして何とかしているだけだ。

 だから先に産屋敷当主に約束させる。俺が柱を強くする代わりに、俺の爺さんにした仕打ちの埋め合わせをするようにな。」

 

「なんだと・・・! 貴様一体何をさせるつもりだ!!!」

 

「別に大したもんじゃねぇ。金だよ。俺の成果に見合うだけの金を支払わせるんだよ。それくらいいいだろ?」

 

「俺たちの為にお館様にそんな身を切るようなことさせるわけないだろう・・・!!」

 

「うるせぇよ。これでも15分だけなら以前と同じくらい動けるんだ。片腕のお前くらい簡単に捻り潰せるぜ?」

 

 

暫くの間、伊黒さんと白峰さんはにらみ合っていた。僕はそれを見ていられなくて口を開いた。

 

 

「白峰さん。お金なら僕が用意しますから、伊黒さんに透き通る世界のコツを教えてあげてくれませんか?」

 

「っ!? 稲葉!! お前何を言っている!?」

 

「そうですよ稲葉君!! あなたがそんな身を切る必要なんてありません!!」

 

「僕はこれまでに決して少なくない数の科学技術をこの時代に確立させた。それを基に産屋敷家で複数の事業を始めれば相当な規模の利益が出せるはずなんだ。

 そのお金の何割かを白峰さんの成果に合わせて支払う。それなら何の問題もないはずだ。」

 

「へえ・・・悪くねぇな。じゃあ柱一人にコツを教えて習得させる度にその利益の一割をもらうって産屋敷当主に伝えてくれよ。カナトが頼めばすんなりことが運びそうだ。」

 

「うん。それでいいなら・・・」

 

「稲葉君!! どうしてそんな!! あなたの努力の結晶を切り売りするようなことを・・・!!」

 

「しのぶさん。僕は白峰さんに相応の接し方をすべきだと思っている。この人は鬼殺隊で雁哉しか到達できなかった透き通る世界の領域にいて、尚且つ再現性のある方法を確立している人なんだ。

 それを柱に共有すれば、上弦に後れを取ることもなくなる・・・僕のように痣を出して寿命の前借りをする必要もなくなるんだ・・・

 僕は柱のみんなに生き残ってほしい・・・長生きしてほしい・・・そして幸せになってほしい・・・その為にこの人の力は必要だ。

 だから僕は白峰さんに力を貸してもらえるならなんだってするよ。それで無惨を倒して、みんなが穏やかに生きていくことができるならね。」

 

「稲葉君・・・」

 

「稲葉・・・」

 

 

僕の言葉にしのぶさんも伊黒さんも閉口する。笑っているのは白峰さんだけだ。

 

 

「よし。決まりだな。じゃあ早速その旨の手紙を書いて産屋敷当主に・・・」

 

「待て・・・白峰・・・だったらお前に頼みたいことがある・・・」

 

 

僕はか細い声にすぐさま振り向く。部屋の一番奥のベッドでずっと目を覚まさなかった人が声を発したのだ。

 

 

「雁哉・・・!!」

 

「カナト・・・よく白峰を見つけたな・・・お手柄だぞ・・・」

 

 

そこには首だけこちらに向けて横たわる、僕にとって最も信頼を寄せる兄、雁哉の笑う顔があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




前半のおふざけに対し、後半は割と柱の戦力強化に関わる真面目要素です。もともと白峰というキャラを生み出したのは、柱達に透き通る世界の入り方を教えるためです。これで痣が無くても戦力アップに繋がるかなと考えました。ちなみに透き通る世界の独自解釈で、肺胞が多少壊死してても戦えることにしました。原作でも炭治郎君のお父さんが、「必要な動きの感覚のみを残して閉じる」という趣旨の発言をしているので、肺胞の感覚を取捨選択できると判断しました。加えて、原作でも炭治郎君(嗅覚)、悲鳴嶼さん(盲目)、伊黒さん(片目失明)が透き通る世界に入っているので、生まれつき感覚に長けていたり欠損がある人の方が、透き通る世界が見えやすいと解釈しました。そうなると時透君は例外だと思います。多分才能です。黒死牟も長年の研鑽があるとはいえ才能だと思います。以上のような独自解釈で、柱達の透き通る世界の習得は進んでいくものとします。
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