輝利哉君のひ孫が大正時代にタイムスリップするお話 作:科学大好き人間
ー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ー
ー破壊殺・砕式 万葉閃柳ー
煉獄さんが一瞬で猗窩座へと迫り刀を一閃するも、猗窩座はそれ以上の威力を持つ拳打をぶつける。その瞬間、赤い日輪刀が砕け散ると共に、切り返しの猗窩座の拳が煉獄さんの脇腹へと入る。
「がはっ!!!」
ー破壊殺・乱式ー
吐血し殴り飛ばされてしまった煉獄さんに猗窩座の追撃の乱打が迫る。
ー水の呼吸 拾弐ノ型 水麗の羽衣ー
二人の間を縫うように真菰さんが乱入し、流麗で柔らかな太刀筋でその衝撃をうまく逸らす。煉獄さんへの直撃は避けることができたものの、猗窩座は一瞬で真菰さんに距離を詰める。
「くっ!!」
真菰さんは反射的に猗窩座へ斬撃を打ち下ろすが、猗窩座は難なく裏拳で刀を側面より打ち払って半ばから叩き折ってしまう。
「っ!!!」
猗窩座が真菰さんに掌底突きを放つが、義勇さんが側面より乱入する。
ー水の呼吸 弐ノ型 水車ー
猗窩座は突如として攻撃を中断し腕が切断されるのを防ぐ。お返しとばかりに義勇さんに蹴り技を放つ。
ー破壊殺・脚式 流閃群光ー
ー水の呼吸 拾壱ノ型 凪ー
激しい攻防の末、両者の打ち合いは拮抗する。その一瞬の隙を見て真菰さんは折れた刀で斬りかかるが、それに猗窩座が反応する。
「真菰っ!!!」
「っ!!!」
刹那、返し技として猗窩座の回し蹴りが真菰さんへと迫ったが、庇うように義勇さんが真菰さんへと飛びつき代わりに攻撃を受ける。その瞬間、青い日輪刀は砕け、義勇さんの胴へと猗窩座の蹴りが入る。
「がはっ!!!」
「義勇っ!!!」
義勇さんは血を吐きながら真菰さんごと吹き飛ばされてしまう。
ーヒノカミ神楽 烈日紅鏡ー
俺は猗窩座の追撃を妨害するように斬りかかるも、猗窩座はこれを難なく捌く。俺と猗窩座で一進一退の攻防が続く。お互いに距離を取った瞬間、目の端で義勇さんに縋り付く真菰さんの姿が見えた。
「義勇っ!! どうして私を・・・!! 足手まといの私をどうして庇ったの!?」
「済まない・・・体が勝手に動いてしまったんだ・・・気が付いたらお前を庇っていた・・・ごふっ!!」
「っ!! 義勇!!!」
猗窩座が二人に視線を移し、一瞬動きが止まった。俺は奴が二人に向かわないようすぐさま斬りかかる。
ーヒノカミ神楽 円舞ー
猗窩座は明らかに動きを止めて固まっていたはずなのに、俺の唐竹割の一撃を白羽取りで受け止めてしまう。やはり猗窩座は思考を挟まずに最適な防御ができるみたいだ。
俺は猗窩座に刀を折られる前に頭突きをお見舞いする。ぐしゃりと嫌な音がしたが、猗窩座は潰れた顔面を即座に再生させる。
「・・・いい頭突きだ。だが・・・」
俺は今度こそ猗窩座の手を放させるために蹴りを顔面に打ち込むが、猗窩座はよろめくだけで刀を放さない。俺は焦るばかりでどうすることもできない。ついに俺の日輪刀が軋む音をあげた時だった。
ー花の呼吸 陸ノ型 渦桃ー
「っ!?」
空中で一回転しながら鋭い斬撃をカナヲが放つ。猗窩座の両腕は切断され、俺はすかさず距離を取る。
猗窩座はカナヲを見て目を見開いた。
「驚いた。闘気を感じない。まさか戦いの中で至高の領域へと至るとは・・・!!」
俺はカナヲと並び、構える。確かにいつものカナヲの気配と違う。今のカナヲは、俺と同様に透き通る世界が見えているのだろう。
「炭治郎、遅くなってごめんなさい。でもこれで漸く炭治郎と肩を並べて戦えるから!!」
「わかったカナヲ!! 二人で猗窩座を倒すぞ!!!」
俺とカナヲは同時に猗窩座へと肉薄する。俺たちは挟み込むようにして斬りかかっていくが、猗窩座は冷静に対処し捌き続ける。
「少々驚いたがなんてことはない。炭治郎と杏寿郎の二人掛かりでも俺には届かなかったのだ。まずお前から潰すぞ、小娘。」
ー破壊殺・脚式 冠先割ー
「うっ!!」
カナヲは刀で受けるも、空中へと打ち上げられてしまう。畳みかけるように猗窩座はカナヲへと蹴り技を放つ。
ー破壊殺・脚式 飛遊星千輪ー
「ううっ!!!」
カナヲは天井に激しく叩き付けられるも、威力を殺したのかそのまま床へと転がるように落下する。猗窩座は間髪入れず踵落としをカナヲに振り落とす。
ーヒノカミ神楽 輝輝恩光ー
寸でのところでカナヲを抱きかかえ、猗窩座の膝下を切り払って攻撃を防ぎ、俺はそのまま距離を取る。
「カナヲっ!! 大丈夫か!?」
「う、うんっ!! ありがとう、炭治郎・・・!!」
不思議なことに、俺がカナヲを立ち上がらせるまでの間、猗窩座は棒立ちで俺たちを見つめていた。
「・・・? 猗窩座・・・?」
「・・・炭治郎・・・お前にとってその女は・・・命に代えても守りたい存在か・・・?」
「!? ・・・??? なぜ、そんなことを今聞くんだ? 猗窩座。」
「・・・いや・・・なんでもない・・・そろそろ決着を着けようか。」
「っ!!!」
猗窩座は足を自身で殴り砕き再生させると、足元に再び水鏡を彷彿とさせるような青い模様を展開させる。
猗窩座の集中が再び研ぎ澄まされていることを察し、俺はカナヲを下がらせ身構える。しかし、カナヲは俺の袖を握る。
「炭治郎・・・!! 一人で戦おうとしないで・・・!! 私も力になるからっ!!」
「カナヲ・・・ああ、勿論だ!! 今度は挟み込まずに二人で攻守を切り替えながら戦おう!! 俺ももう少しで何か掴めそうなんだ。力を貸してくれるか?」
「っ!! うんっ!! 炭治郎!!」
それからどれほどの時間、猗窩座と打ち合ったか。何度も何度もカナヲと攻守を切り替えながらお互いを庇うようにして俺たちは戦った。
長時間の戦闘で、俺もカナヲも疲労で腕が徐々に重くなる。透き通る世界が見えなくならないよう必死に呼吸を維持し続ける。
そうしてるうちに、俺は徐々に、父さんが言っていた言葉の意味を理解し始めた。
そうだ。父さんは正しい呼吸が出来ればずっと舞えると言っていた。そしてそれは最小限の動作で最大限の力を出すことと同じなのだ。
同時に白峰さんの言っていた言葉の意味も理解した。
できることと、使いこなすこと、極めることの意味を。
使いこなしている技を、他の誰よりも速く強く、常に最大限の力で練り上げることが極めるということなのだ。
それを剣技で実現したのが始まりの呼吸の剣士である縁壱さんだった。
でも俺は縁壱さんのように剣技の才に恵まれている訳じゃない。縁壱さんのように最強の御業を舞い続けることなんてできない。
なら、縁壱さんとは違う形で、俺の、俺だけの技能を極め抜けばいい。そしてそれは技に限った話じゃないんだ。
俺は今まで以上に、戦いのさなか、呼吸で嗅覚を研ぎ澄ませていく。俺の嗅覚は隙の糸が見えたり、動作の予知までもができる。
こうして猗窩座の攻撃を捌けるのもこの超感覚のおかげだ。ならそれを更に研ぎ澄ませ続けるとどうなるのか。
俺はその感覚を極め抜くことだけに全神経を集中した。
「・・・っ!! 炭治郎っ!? うっ!!」
俺がカナヲの後ろで身動きしなくなったことで彼女は猗窩座の攻撃を受けて俺の背後まで押し下げられてしまう。
そしてすぐに猗窩座は俺へと殴りかかる。
その拳打を放つ猗窩座の動きが徐々にゆっくりに感じられ、
やがてその動きも止まって見えるようになり、
更には少し先の猗窩座の動きの輪郭が、実際の動きよりも一瞬だけ早く先に、俺には見えるようになった。
ーヒノカミ神楽 飛輪陽炎ー
猗窩座の拳の振り抜きを紙一重で躱しながらも、俺はその動きとほぼ同時に、猗窩座の首へと斬撃を入れた。
俺と猗窩座は互いに背を向けた状態で微動だにしなくなった。しかしやがて、猗窩座の頸が音もなく滑り落ち床へと転がった。
「馬鹿・・・な・・・」
猗窩座は静かにそう呟くだけだった。俺は刀を納刀し、猗窩座を見下ろす。すると猗窩座と目線が合った。
「一体どんな手を・・・いや・・・それは無粋か・・・お前は俺の数百年間の武術の粋を真正面から打ち砕いた。
素晴らしい一撃だった。完璧に俺の動きを見切り、俺の攻撃に重ねるように剣を放ったのだから。俺の完敗だ・・・」
猗窩座の頸がぼろぼろと塵へと還っていく。今の猗窩座からはなぜか感謝の匂いしかしなかった。まるで、初めから頸を斬り落としてもらうことが望みだったかのように。
「猗窩座・・・お前は・・・」
「・・・狛治・・・だ・・・」
「え・・・?」
「俺の本当の名・・・人間だった頃の・・・だ・・・
親父・・・師範・・・恋雪さん・・・漸く思い出せた・・・
ありがとう炭治郎・・・最期にあの人たちの顔を、声を、眼差しを思い出させてくれて・・・
どうかお前たちに・・・幸せな未来が訪れることを・・・」
そう言い残し、猗窩座・・・いや、狛治と名乗った男はこの世から消え去った。
「狛治・・・どうか安らかに・・・」
俺はそう呟き、暫く放心していたが、突如として凄まじい頭痛がして、その場にうずくまった。
「炭治郎っ!!!」
カナヲの悲痛そうな声が聞こえた気がしたが、そのまま俺は意識を手放した。
続く
嗅覚による動作予知って要は見聞色の覇気と同じですよね。つまりそれを極めれば、ルフィVSカタクリ戦の時みたいに、未来も見えるはずなんですよね。ということで、炭治郎君には見聞色の覇気を極めてもらいました(違う)。まあ本小説の猗窩座だって明鏡止水≒身勝手の極意を使ってますからお相子ですね(違う)。
因みに未来視できれば無惨の例の技も回避できると筆者は判断してます。独自解釈のオンパレードで恐縮ですが、完結まで読んで頂ければ幸いです。
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