百合園セイアと学ぶ「パラドックス」   作:天野ミラ

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実装記念なので初投稿です。


題目:シュレディンガーの猫

セイアからモモトークのメッセージが届く。

なんでも、「直接会って話したい事がある。」との事で。

シャーレの仕事にも区切りがついたし、何より生徒が呼んでいるのなら…出来るだけ向かってあげたいのが先生としての心情だろう。

 

 

そんな訳でトリニティ総合各園の生徒会であるティーパーティが所有する部屋の一室に呼び出された私。

既に綺麗な金髪の部屋の主は、席に座って私の事を待っていたようで。

 

 

「やあ、先生。急に呼び出してしまってすまないね。」

 

”それは良いんだけど…セイア?用事って何かな?”

 

「少しばかり話したいことがあってね。」

 

 

妙に勿体ぶった様子の彼女、まるで何かを迷っているようだが…

 

 

「…ところで話は変わるが、先生。」

「君は「パラドックス」というものについて、どれくらい知っているかい?」

 

 

”七つの古則…みたいなものかな?”

 

 

「ううむ……七つの古則がパラドックスであることはあるのだが…まあ、まずはその認識でいてもらって構わない。」

「逆説・背理・逆理……数学以外ではジレンマや矛盾なんて言われ方をする()()。」

 

 

「先生に興味があれば、それについて少し話したいのだが…構わないだろうか?」

 

”うん、良ければ聞かせてもらっても良いかな?”

 

「ああ。とは言えその成り立ちや理論を話し始めてしまうと時間がかかるし、理解する前に先生が折れてしまいかねないからまたの機会にしよう。」

 

「何より…今回伝えたい事と乖離しすぎるからね。」

 

”自慢じゃないけど、自信ないよ!”

 

 

「…という訳で一つ例をあげて話す事にしよう。」

 

 

「今日のお題は…「シュレーディンガーの猫のパラドックス」だ。」

 

 

 

 

 

 

「密閉された箱の中に一匹の猫を入れる…なんていう所から名前の付いたエルヴィン・シュレーディンガーの発表した量子力学に関係する思考実験な訳だが…()()()()でも似たような状況が起きていたのは記憶に新しいね。」

 

”セ、セイア…?”

 

正直、そう言われても…難しすぎて分からない。

 

「そう焦らないでくれ、先生。何事にも前置きと言う奴は重要なんだ。」

 

 

「先生に出来るだけ身近な例で例えてみようか。」

 

 

そう言ってセイアが持ち出してきたのは、一風変わった形のプリンターだ。

まるで箱のような形をしていて、取り出し部分が見当たらない。

 

 

「ここにプリンターを用意したんだが…少しだけ特殊でね。」

 

 

・このプリンターが紫色の封筒を印刷する可能性と、水色の封筒を印刷する可能性は同様に50%とする。

・このプリンターがどちらを印刷したかは、蓋を開けて中身を見るまで確認できない

 

 

「こういった二つの特性を兼ね備えているんだ。」

 

 

”排出率50%って事…!?これは世紀の大革命だよセイア…!”

 

 

「うん、まあそうなんだが…今回の主題はそうじゃない。」

 

 

是非アロナにも見習ってほしい所だ…頼むよ?

 

 

「さて、先生。印刷ボタンを押してみてくれたまえ。」

 

”うん、それじゃあ…ポチっと。”

 

 

プリンターが駆動する音が、部屋に響き渡ること暫く。

しばらくして、音がしなくなったプリンターを見つめてみるが…確かに中身は分からない。

 

 

「さて、このプリンターの中にある封筒は青色なのか、紫色なのか…」

「この中身が観測されない限りは、どちらの可能性もあり得る。」

 

「つまるところ、箱の中身は確定されていない。決定されていないという事。」

 

「観測者が箱の中身を確認する時に初めて事象が収縮して、結果が定まる。」

「箱を開けるまでは青色の封筒紫色の封筒の状態が重なり合って存在している。」

 

 

「これがシュレディンガーの猫の思考実験だよ。」

「元々と言えばこれによって量子力学を批判するためのパラドックスだった訳だが…なかなか面白いだろう?」

 

”ロマンのある話…だね?”

 

「おや、先生はそう言う解釈をするのか…中々に先生らしいな。」

 

 

 

「ところで先生は…この箱の中身はどんな色の封筒だと思う?」

 

”それは…”

 

「それは…?」

 

 

2人の間に静寂が広がる、箱の中には何色の封筒が入っているのだろうか。

少し考えて、私は答えた。

 

 

”紫だと思うよ。”

 

「ほう、それは一体どうしてなんだい?」

 

 

確率は50%で、箱の中身を確認していない今。

二つの色の封筒が存在しているというのなら…

 

 

”紫の方が……嬉しいから?”

 

「はぁ…全く。先生はそういう所があるな。」

「だがある意味それでいいとも言える。」

 

「なぜなら、この質問に()()はあっても()()は無いのだからね。」

 

 

”ところでこれ…開けてみてもいい?”

 

「ああ、構わないよ。開けてみるといい。」

 

プリンターの箱を開けると、中に入っていたのは…

 

”やった、紫だ!でも封筒の中にまだ何か…?”

 

 

封筒の中に入っていたのは、()()()()()のシャーレへの当番配属表だった。

 

 

「…色々と手続きに難航したが、明日より私こと百合園セイアがシャーレの当番を務める事になった。」

「つまりだな……まあ、明日からよろしく。そう言いたかったわけだ。」

 

 

 

”もしかして、わざわざこれを渡すためだけにこんな事を?”

 

「先生…分かっていてもあまり野暮なことは言うものじゃないぞ。」

 




ここまで読んでくれた君。
当然…石の貯蔵は十分だろう?
なに、100連までは無料で引けるんだ。そう難しい事じゃない。
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