それってクリーチャー?ああ!変態女装おじさんさ!   作:くざし

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今回はチャイカさん出てきません。かわりにチャイカさんのいないところで初デュエマします。私も入れてよ。
感想・評価お待ちしております!初評価ありがとうございました( ; ; )


カジュアルっつってんだろうが

カードショップいちから。駅から最寄り3分、家から10分ほどの場所にあるカードショップだ。僕が昔から通っているカードショップだが、この世界ではどんな場所になっているのだろうか。

 

「…これはすごいね」

 

僕の知っているカードショップいちからがあった場所には隣に本屋さんがあったはずだが、その本屋さんのあった場所を丸々飲み込んでカードショップ≪えにから≫というお店があった。

 

「面積が倍になって、お店の名前もちょっと変わってる。でも、これだけ広いお店なら欲しいカードは見つかりそうだな」

 

そうして店内に入った僕の目を引くのは、カードショーケースの多さだ。前の世界では遊戯王やワンピース、ポケモンカードなど幅広いTCG(トレーディングカードゲーム)があったはずなのだが店内には全てデュエル・マスターズのカードしか並べられていない。

 

「うわ!ボルメテウスホワイトドラゴンが120万!?」

 

思わず声に出して驚いてしまった。120万なんて僕の4ヶ月分くらいの給料だぞ!?

 

「とりあえず他のカードも見て回るか...」

 

しかし、どのショーケースのカードも高い...デュエル・マスターズのカードには基本的に5種類のレアリティがあり、C・UC・R・VR・SRの順にパックから当たりにくいカードになっている。例外としてレジェンドレアなどがあるがそこは割愛。

 

ショーケースに並ぶカードは基本的にVR(ベリーレア)以上のカードであり、そのVRのカードも一枚最低一万円台からだ。

 

課長が焦った理由もこれで合点がいった。デュエマ甲子園に出場する人間が使うデッキの総額を考えたら、それこそ何百万という大金なのだ。それを落としたとなれば流石の課長も大焦りするわけだ。

だが、相変わらず闇文明のカードが見当たらない。もしかして僕がしらないだけで、この世界では闇文明のカードは禁止しているルールとかがあったりするのか?

 

そう思いカードを探し回っていると、店内の奥にデュエルスペースがあるのを見つける。

 

「これは…」

 

そこでは中学生ぐらいの赤毛坊主姿の男の子が≪凶戦士ブレイズ・クロー≫で相手の緑髪をサイドテールに結んだ女の子にトドメを刺している姿があった。

 

「へへ、また俺の勝ちだぜ!」

「うー!何で勝てないのよ!」

 

軽口を交わし合う彼らを見て、僕にもこんな時間があったなと懐かしい気持ちになる。ただ、何度見てもクリーチャーが実体化したような映像には慣れないな。ブレイズ・クローの肌の質感再現とかすごいなこれ。

 

そう思いジロジロとブレイズ・クローを眺めていると、先ほどの男の子と女の子がこちらをじっと見つめてきた。やばい、なんかこっちに近づいてきたぞ。

 

「おっさん、こんな昼間っから何してんだよ。さっきからこっちジロジロ見てきてよ、なんか俺たちに文句でもあんのか?」

「あたしたち普通にデュエマしてただけなんですど〜」

 

近づいてきた二人はいかにも警戒心MAX!といった感じだ。流石に失礼だっただろうか?不躾に見てしまったこちらが悪いのだし、ちゃんと二人に謝ろう。

 

「申し訳ない、君たちの勝負している姿がとても素敵で見入ってしまったんだ。不快に感じたらなら謝るよ。申し訳なかった」

 

「いや、それなら別にいいんだけどよ、おっさんこの店で見かけない人だし、こんな時間に何してるのか気になってこっちもピリピリしちまって、その、ごめんなさい…」「あたしもごめんなさい!!」

 

「別に気にしてないよ。僕はちょっと訳あってデッキを無くしてしまってね、このカードショップにいいカードがないか探しにきたんだ」

 

「「え!?!?!?」」

 

やはり驚かれるか。二人はもうそれは可哀想な人を見るかのような、目に見えて気を遣ってくれているような雰囲気に変わる。

 

「おっさんぐらいの年齢になった人が持ってたデッキの総額考えたら、軽く100万は超えるよな…?」「え、もしかしてデッキ無くして仕事クビになっちゃった…?」

 

どうやら予想以上に二人はとんでもなく心配してくれているようだ。それだけこの世界ではデッキが重要視されるのだろう。さすが第二の命というところか。

 

「なくなってしまったものはしょうがないから、とりあえず40枚カードを集めたいんだ」

 

「そういうことなら俺たちも手伝うぜ!俺はアツシ!」

「あたしはヨウコ!おじさんよろしくね!」

 

「はは、おじさんか…まぁでもおじさんだしね、こちらこそよろしくお願いします」

 

そういって握手をする僕たち。この世界はデュエマをする人にとってはピースフルな世界なのかもしれないと思えた。

 

「ところでおっさんは何のデッキ作るんだ?俺は速攻で相手を倒しに行く男らしい火文明デッキ!!」

「さっきは負けちゃったけど、あたしが使うのはみんなかわいいスノーフェアリーたちで勝つ、自然デッキ!」

 

「僕は闇文明のデッキにしようと思ってるんだ。でもショーケースに取り扱いが無くてね…」

 

僕が闇文明の話をした途端、突然二人の顔が歪む。

 

「おっさん、悪いことは言わないからやめときな」

「うーん、あたしもおすすめはしないかな」

 

「えっと、よければ理由を聞いてもいいかい?」

 

僕が理由を聞くと、二人は気を遣って説明してくれる。

 

「基本的にデュエマの主役はクリーチャーだろ?当然、召喚されたクリーチャーたちは立体映像に映るんだけどよ、」

「いっちゃ悪いけど気持ち悪いクリーチャーもいるじゃん?あたしもグロはちょっと苦手かな、そういうクリーチャー達が多い闇文明のカードは周りの見ている人のウケがよくないんだよね〜」

 

僕も喋るグロいおじさんのカード持ってるよ〜(泣)

なるほど。しかし納得がいった。つまりだ

 

「闇文明のカードは売り物にならないんだね」

 

そゆこと、と彼らは答える。やけにショーケースに闇文明のカードが見当たらないのはそういうことだったのか。まぁ、この世界の人にとってはパックを剥いたら実質使えないゴミが出るようなものなので使えないから捨てるということになるのか。理解していても悲しいな、

 

「でも、僕はせっかくだし闇文明のカードでデッキを作ってみるよ。今聞いた話が確かなら、集める分にはお金が掛からなそうだからね」

 

「ほんとにいいのか?おっさん…もっとかっこいいカードもあるぜ、火文明とか」

「もっと可愛いカードあるよ?自然文明とか…」

 

二人は本気で心配してくれているみたいだ。見ず知らずのおじさんをこんなに気遣ってくれるなんて、二人の根は本当に優しいのだろう。

 

「心配してくれてありがとう。でも、そんな頻繁にデュエルする訳じゃないしとりあえず闇文明のデッキを作ることにするよ」

 

二人ともありがとうね、と声をかけると呆れたような、それでいて新しい門出を祝福するかのように僕に笑いかけてくれる。

 

「おっさんがそこまでいうならしかたねーな!でも、闇文明には危ないカードがあるって噂もあるし、気をつけろよな!」

「そうそう!」

 

奇遇だね、僕の出会った闇文明のおじさんも、話が通じなくて危ない衣装をデフォルトで着てるから気をつけることにするよ。

 

「ところでおっさん、よかったら俺の家にある闇文明のカードいるか?どうせ俺が持ってても使わねーしよぉ」

「あたしもあげる!使ってくれる人がいたら、その人の手元にあった方がきっとカードも幸せだろうしね!」

 

「二人とも、いいのかい?」

 

「おうよ!流石にデッキを無くした人なんて初めて見たけど、ここで見なかったフリをするのは一流のデュエリストにふさわしくないからな!」

「一流どころかランキングにものってないくせに〜」

 

なんだと〜!と二人は笑いながら手伝いを申し出てくれた。この世界に来てからなんだか人の温かさに触れる機会が多くて、おじさん涙が出そうだよ。

 

「とはいえ、流石に何もしないのは気が引けるから何かお礼させてくれないかい?」

 

本心だ。一回り年下の子ども達にカードを恵んで貰うのは流石に気が引ける、何か僕にできることがあればいいのだが…

 

「うーん、それならおっさんのデッキが完成したら、俺のデッキ調整に付き合ってくれよ!闇文明のデッキとは公式戦で勝負したことないし、練習してみてーんだ」

 

「私は勝負パスかな、その代わり、美味しいランチ奢ってよ!」

 

「そんなことでお礼になるなら、ぜひ相手をさせていただくよ。これでも昔は強かったんだよ、おじさん」

 

アツシくんとのデュエマ勝負、そしてヨウコちゃんへのランチ奢りで手を打ってもらった。正直こんなことでは恩を返しきれないので、また今度彼らには何かお礼を用意しておこう。

 

そうして僕らは一度家に帰り、僕の家の前にある公園集合ということで解散した。

 

 

 

 

 

14時頃、少しづつ小学生が公園にやってくる中、彼らも来たようだ。

 

「わりぃおっさん!!カードまとめてたら遅くなっちまったわ!」

「ごめんね〜アツシの家で一緒にカード探してたら私まで遅くなっちゃったよ、ほんとコイツは!」

 

二人はどうやら家が近所で、昔からの付き合いがあるようだ。カードゲームを長年付き合ってくれる友達なんてそうはいないのだから、ぜひ二人にはこれからも仲良くしてほしいところだ。

 

「わざわざ僕の家の近くで申し訳ないね、そしてカードを探してきてくれてありがとう。とてもじゃないけど頭が上がらないよ、」

 

「いいってことよ。じゃあこれ、約束のカードな。ちょっと見た目がアレなクリーチャーが多いけど」

「はいこれ、あたしの持ってたやつ!闇文明ってだけで効果も読んだことないから、これからできるおじさんのデッキにはちょっとだけ楽しみ!かな?」

 

大切なカードを彼らから受け取り、僕は公園のベンチにカードを広げてデッキ作りをすることにした。

 

「なるほど、やっぱり良いカードたちばかりだ。これなら面白いデッキを作れるかもしれないね」

 

「おっさんはどんなデッキにするんだ?」

 

アツシくんが声をかけてくる。やはりデュエリストは未知のデッキが気になるものだよな。わかるよ。

 

「内緒だよ。よかったらこれあげるよ。二人でコンビニのご飯でも買っていいからさ」

 

そういって僕はコンビニの商品券をアツシ君に渡し、デッキ作りを見られないように彼らを遠ざける。彼らの度肝を抜くようなデッキを見せるのが僕のお礼でもあるのだ。せっかくだから勝負するまでのお楽しみにしなければ。

 

「マジで!?おっさんいいのかよ…?でも、ありがたく使わせてもらうぜ!」

「おじさんありがとう〜!じゃあちょっと行ってきま〜す」

 

そう言うとヨウコちゃん達は近くのコンビニへ買い物へ行った。これで二人にデッキを見られる心配は無くなったというものだ。しかし…周りの小学生達の目が痛い。おじさんカードゲーマーだから、昼間っからデッキ作ってるんだ。ごめんな。

 

「よし、とりあえずコンセプトをまとめるか」

 

僕の手元にあるカードでカードパワーが高いカードからデッキに加えていく。カードパワーとは、カードゲーム用語であり、カード一枚の強さのことを表す。今回のデッキ構築では一枚でも十分な仕事をできるカードを先にデッキに入れ、最後に使わないカードを抜いていくデッキ構築にしていく。

 

「このカードを活かすには、公園で拾ったこのカードの出番だな」

 

僕はデッキに≪卵胞虫ゼリー・ワーム≫のカードを4枚入れる。コイツはあのとき公園に捨てられていたカードだ。デュエル・マスターズのゲームルールでは同じカードを4枚まで入れることができるので、このカードを拾えたのは本当に良かった。

 

「あとはこれとこれと…」

 

デッキの核となるカードやエースが決まれば、あとはそのサポートをするカードを入れていくだけだ。そして最後に余ったカードを抜いていき…

 

「完成だね。見栄えはとっても悪いけど、これなら戦えるはずだ」

 

頼むぞ、この世界での僕のデッキ…と呟いてカードをまとめる。そうしているとアツシ君とヨウコちゃんがコンビニから戻ってきた。

 

「おっさん、デッキ完成したか〜?」

「アイスうまうま」

 

「二人ともおかえり、たった今できたところだよ。早速デュエマするかい?アツシくん」

 

「望むところだ!」

「あたし見てるね〜」

 

ヨウコちゃんが公園のベンチに移動し、僕らは公園に置いてあるデュエルスペースに移動する。この世界での初めてのデュエマだ、不甲斐ない姿は見せられないな。

 

「おっさん!手加減なしだぜ!」

「もちろん、こっちも全力で行かせてもらうよ」

 

「「デュエマ・スタート!!!!」」

 

ここで簡単なデュエマのルールのおさらいだ。まずはお互いに山札の上からシールドを5枚、手札を5枚用意する。デュエマには自分がカードを使うまでにいくつか工程があり、最初にカードを一枚引く。その後自分の手札からカードを一枚選んでマナゾーンと呼ばれる場所にカードを置く。このマナゾーンの合計枚数以下の数字が書いてあるカードを使えるというものだ。

 

そうしてクリーチャーと呼ばれるカードを場に出し、相手のシールド5枚を全て破壊して先にシールドがないプレイヤーへの攻撃が成功した方の勝ちとなる。基本的なルールはこんなところだ。

 

前の世界では先行後攻がじゃんけんで決まったが、この世界ではデュエルスペースの台が勝手に先行後攻を決めてくれるそうだ。正直助かる。

 

「先行は僕からみたいだね。先行はドローがないから、≪暴食虫グレゴリア・ワーム≫をマナゾーンにチャージして、ターンエンド」

 

1ターン目の先行プレイヤーはカードを引くことができないので、基本的にはマナを増やしてターンエンドが定石だ。

 

「改めてみるととんでもないデザインだな…俺のターンドロー!解体屋ピーカプをマナゾーンにチャージして、1マナを使い、俺の相棒、≪狂戦士ブレイズ・クロー≫を召喚だ!!」

 

「アギャオ!!」

 

アツシ君は1枚カードをマナゾーンにおき、そのまま1コストであるブレイズクローを召喚してくる。デュエル・マスターズにおいて彼ほど現役の古参兵はいないだろう。1コストでパワーはたったの1000だが、すぐに召喚できて攻撃に参加できるブレイズ・クローは優秀なクリーチャーだ。なかなかに侮れない。

 

「このままシールドへ攻撃!…と言いたいところだが、召喚したばっかのクリーチャーは攻撃できねぇ、このままターンエンドだ」

 

デュエル・マスターズの共通ルールで、召喚したばかりのクリーチャーは次の自分のターンになるまで攻撃することができない。例外としてスピードアタッカー能力を持つクリーチャーや、進化クリーチャーは出したばかりのターンでも攻撃に参加することができる。

 

「では僕のターンだね。ドロー!、≪腐食虫スワンプワーム≫をマナゾーンにチャージ、2マナ使って≪腐敗妖蟲ジャネール≫を召喚!ターンエンドだよ」

 

僕のマナゾーンにあるマナを2枚使い、髑髏の顔をした芋虫がバトルゾーンに出現する。側面には血管がドウドクと浮き出ており、イラストの5倍は気持ち悪いかもしれない。

 

「「「うわぁ〜!!!!」」」

 

周りにいた小学生達はジャネールを見るなり、叫びながら公園を飛び出して行った。おじさんが迷惑かけてごめんなぁ(2回目)

 

「ターンエンド」

 

「うっ、やるじゃねぇか…だがそんな見かけ倒しに怯む俺じゃねーぜ!俺のターン、ドロー!よしきた!ピーカプのドライバーをマナゾーンにチャージして2マナ!≪クック・ポロン≫を召喚だ!」

 

「ポロン!」

 

アツシ君の2体目に繰り出したクリーチャーはクック・ポロン。老若男女に愛される、騎士の兜を纏った燃えるヒヨコである。なかなかに厄介な効果を持っているので、警戒が必要だな。

 

そして、さっきのターンに召喚していた≪狂戦士ブレイズ・クロー≫は相手に攻撃することができる!≪狂戦士ブレイズ・クロー≫でおっさんに攻撃!

 

アツシ君がブレイズ・クローに命令をすると、ブレイズ・クローは直接僕を攻撃しようとするが、割り込んできたシールドに攻撃は阻まれる。

 

「シールドチェック…トリガーはないよ」

 

相手に破壊されたシールドは手札に加わり、その際ST(シールドトリガー能力)を持つカードだった場合、そのSTをマナを支払わずに使うことができる。今回はSTでなかったためそのまま手札に加わる。

 

「へっ!このままガンガン押し切ってやるぜ!」

 

「そろそろ僕も反撃させてもらうよ、僕のターンドロー!」

 

来た!今回の主役だ。派手に暴れてもらおう。

 

「僕は腐敗怪蟲ドグマグをチャージして、3マナ!現れろ!僕の切り札、≪卵胞虫ゼリーワーム≫!!」

 

「おいおっさん…このクリーチャーの形…」

 

「ん?」

 

何か問題があるのだろうか?可愛いだろ?クック・ポロンみたいでさ。

 

「完全にち⚫️ちんじゃねーか!!」

 

「いや?ゼリーワームだが?」

 

ゼリーワーム「ボロンッ」

 

ほら、ゼリーワームもクック・ポロンと似たような声で可愛いじゃないですか。




思ったより文字数長くなっちゃったので、デュエルは次回に続きます。
気になる人は卵胞虫ゼリーワームで調べてください。僕は何があろうとこれはゼリーワームだと思います。

お待たせしましたデュエル回!(決着がつくとは言っていない)主人公のデッキはハンデスを軸に置いたパラサイト・ワームデッキにしてみました。デュエプレ環境一弾いいですよね…

読了ありがとうございました。お気軽に感想・評価等お待ちしております。

1月23日追加・初期の主人公の口調を4話基準に合わせました。
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