それってクリーチャー?ああ!変態女装おじさんさ!   作:くざし

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チャイちゃん出ます。日常回書きたくてしょうがなかったです。

ちなみに作者の好きなクリーチャーは魔素縫合アモデゴラスです。ああいうスペックは強いのに効果はゲロカスみたいなカード大好きです。


トルネード一回でいい? チャイカと同じ? 違う、こんなの俺じゃない!

「かぁー、負けた!!つぇ〜な!!ゼリーワームのおっさん!!」

 

同人誌のルフィでもそんなこと絶対に言わないからね。その呼び方はやめてくれアツシ君。

 

「ありがとうアツシ君。アツシ君こそ攻めの手がすごかったね。先行と後攻が逆だったらもっと追い詰められてたよ」

 

「ほんとか!?おっさんに言われるとなんだか嬉しいぜ、へへ」

 

ハンデスされて負けた辛い思い出よりも、次の勝負に向かっていける心をこの子は持っている。アツシ君はこれから強くなるだろうな。

 

「ハンデス相手の反省点としては、アツシ君も途中で気づいただろうけどマナを敢えてチャージしないターンも大事だね。手札をキープして、相手への攻め手を温存しておこう」

 

真面目なアツシ君はスマホにメモを打ち込んでいるようだ。おじさん感心しちゃうねぇ。

 

「あとは構築の話になってしまうけど、水文明を混ぜるのも手だね。アクア・ハルカスやクゥリャンと言ったカード達は召喚時にドロー効果がついてるから、攻めの手が途切れにくいんだ」

 

「なるほどな、それに水のS・T(シールド・トリガー)はアクア・サーファーとか強力な除去効果に加えて反撃用のクリーチャーとしても使えるのは確かに強いかもしんねーな」

 

素直なだけあって飲み込みが早いなこの子。また強くなったアツシ君と戦ってみたいものだ。

 

「最後は…」

 

「さいごは?」

 

「手札捨てられる時、表情に出過ぎ。かな?」

 

「引っ張っておいてそんなことかよ?」

「いやいや、これが結構大事なんだよ。手札を捨てられた時にしまったって顔をすると、相手のデッキのキーパーツが何か相手も理解しちゃう可能性があるんだ。できるだけハンデスを受ける時はポーカーフェイスで、平常心を装うことが大事だよ」

 

「う、やべ…俺ババ抜きとか弱いんだけど、デュエマにも影響出てくんのかよ、くそっ…」

 

しかし逆にいうならそれだけなのだ。彼のデッキ構築のセンスとデュエルタクティクスは普通よりもかなり上だったことが窺えた。

 

「アツシ君、今度はお互いに情報を知っているフェアな状態でぜひ勝負してくれ」

 

「いいのかよおっさん? なら、今日からおっさんは俺の師匠だな」

 

師匠、とてもいい響きだ。おじさんゆえにこう、師匠呼びはグッとくるものがある。

 

「よろしくお願いします。ゼリーワーム師匠」

「もっとなんかいい呼び方はなかったのかい?」

 

こうして僕のこの世界での初のデュエマ勝負は決着した。気絶したヨウコちゃんをアツシ君が起こし、少し早いがお昼解散となり二人は家に帰って行ったのであった。

 

僕も一旦家に帰るか。さっきからものすごい表情で窓から公園を見てるチャイカさんもいることだしね。

 

 

 

 

 

「ただいま戻りました」

 

「へぇ〜、もっとやってきてもよかったんだぜ?私抜きのデュエマ…」

 

スイッチが入る前に言い訳しとこう

 

「成り行きで彼らとデュエマすることになりまして、この世界でのデッキを作るついでに調整相手になってもらいました」

 

訝しげな目でこちらを見てくるチャイカさ、ちょっ、眼力強い強い!

 

「うーーーん、嘘は言ってねぇみたいだな。ヨシッ!」

 

嘘は言ってない。嘘は。

 

「で、お前のデッキに私を入れて完成ってわけだ」

「いや、入れませんよ?」

 

え?と固まるチャイカさん。いや、あなたのカードパワー高すぎて今の世界じゃ使えないでしょうが。

 

「いや、だって、え? お前ここはさぁ、"異世界から来た俺の最強カードで無双してみた"展開じゃねーの??」

 

「いやいや、そんなチートみたいなことしませんよ。既にこの世界の他の人に比べてデュエマの知識があるのに、この時代にないカードを使って無双するとか卑怯すぎるじゃないですか」

 

「真面目ちゃんがよぉ〜ケッ! だが、嫌いじゃないね」

 

なんだ?今日はやけに物分かりがいいなこの人。

 

「私はもともと卑怯千万、スラム街に毒を撒いたこともあったが」

 

想像以上に卑怯すぎるエピソードでてきたが?

 

「一本筋を通すのは嫌いじゃないじゃない」

 

どっちだよ。

 

「とにかく、チャイカさんに納得してもらえてよかったです。ただ、念の為チャイカパーツを持っている相手と勝負する用のデッキは作っておきませんか?」

 

「ああ!伝説って?」

 

頼むから話を聞いてくれ。レスポンスを正しい言葉のボールで返してくれ。

 

こうしてこの日の残りはチャイカさんと「よくないですか!?」「よくないです」と互いに相談しながらデッキを組むのであった。

 

 

 

 

 

次の日、

 

「じゃあ、僕は仕事行ってきますんで。変な人が来ても出ないでくださいね」

 

「ああ!伝説って?」

 

チャイカさんはボケた時に反応がもらえないと同じボケを連発してしまう悪癖がある。昨日から僕がこのボケを無視したせいでずっと同じことを言っているのだ。ともあれ無視だ無視。

 

こうして、朝からチャイカさんを無視した僕は職場に向かった。

 

 

 

 

「おはようございます」

おはようございます、おはよ〜と職場の同僚達が返事を返してくれる中、課長が心配そうな顔で話しかけて来た。

 

「昨日は大丈夫だったのかい?」

 

「ご心配おかけしました課長…結局デッキは見つからなかったのですが、代わりのデッキはなんとか用意することができました」

 

「そうか、新しいデッキができたことはよかったが、見つからなかったのは残念だったね…」

 

自分のことのように同情している課長に嘘をついてしまったことが少し心苦しい。しかも代わりにR-18みたいな闇デッキができましたなんてもっと言えない。

 

「うーん、そうだ!」

 

「はい?」

 

「君、今年分の休暇を一回も使ってなかっただろう?フルで40日余っていて、四月になったら20日分増えるのもあって有給消費しなければいけないよね?今が2月だからえーと、1ヶ月ほどお休みとって来なさい。気分転換にもいいでしょうしね」

 

「え!?」

 

「遠慮することはないよ。去年入って来た子達もだいぶ仕事ができるようになって来たし、これを機に君がいない状態でどこまで回せるかも気になっていたんだ。なーに、心配はいらないよ。あ、でも引き継ぎと週に1回の出勤はお願いね、ハハ」

 

なんでもないかのように課長は言うが、市役所職員はそんなに連休を取ることはできないはずだ。

 

「忙しい時に中途採用で入ってくれた君に、僕たちは何も教えられず自力で頑張ってもらっちゃたからねぇ。そんな君がデッキを無くしていつものように職場にきて笑ってるのをみて、やっぱり無理せず休んでほしいと僕は思ってしまったんだ。勝手だけど、罪滅ぼしみたいなものだと思ってさ」

 

思わず目頭が熱くなってしまう。元の世界でデュエマのことを忘れるように仕事に没頭していた僕のことを、ちゃんと覚えていてくれていたのだ。

 

「ありがとうございます課長、課長のお言葉に甘えさせていただいてもよろしいでしょうか…?」

 

いいよ!と課長の快活な返事をもらい、僕は気を引き締めて今月最後の仕事に取り組むのであった。

 

 

 

 

 

「課長、長期休暇の件ありがとうございました。お先に失礼します」

 

ゆっくり休んでね〜と課長からのありがたい言葉をいただいて帰路につく。家に着くまでの間に僕は少し考え事をしていた。

 

うーん、昨日はデッキ作り云々でチャイカさんに聞きたいことをうやむやにされてしまった感じがあるし、改めてこの世界での僕のカードの扱いや、チャイカパーツが世界のどこへ散らばってしまったのかを聞かなければいけない。

 

そう思っているといつの間にか家の前に着いていたようだ。

家の前にはチャイカさんが玄関から首だけを出して、帰りを待っていてくれている。

 

「おう、おかえリーガルマンモス」

 

しょうもないギャグをしながら返事を返すチャイカさんはいつも通りの感じだ。よかった。問題はなさそうだ。

 

「お前も家主にちゃんと返事しろよリゼ」

「あ、こんばんわ。突然の訪問になってしまいすみません」

 

ん?

 

「ああ、これ?……リゼだよ。私の妹」

 

「初めまして。私の名前は静岡セリと申します。」

 

見知らぬ白髪の美少女が僕へ丁寧に挨拶をしてくる。年齢からして16〜18歳ぐらいだろうか?チャイカさんの言葉は聞こえていないはずだが、妙に言葉がシンクロしていて恐怖を感じる。

 

「ご丁寧にどうも、ここの家のものですが、何か御用でしょうか?」

 

「御用というわけではないのですが…そにょ」

 

「はぁ…」

 

何か言い辛いことでもあるかのように、口をモニョモニョさせて躊躇っているセリさん。こちらに話しかけているにも関わらず目線は合わない。

 

「よしっ、決めた…言うぞぉ〜言うぞぉ〜」

 

目の色を変えた彼女はブツブツと呟きながら僕に背を向けている。変な子なのか?コミュニケーションが苦手な子なのか?どっちにしろこっちからも話しかけてあげよう。

 

「あの、どうかされまし」

 

「あなたは!!!!!」

 

「うおっ、声デカ」

 

この人、0か100か見たいな声量だな。

 

「神を信じていますか…?」

 

「あっ、そういうの間に合ってますんで大丈夫です」

 

なんだただの宗教勧誘か。よし、寝るか。




お仕事の都合で更新遅れてすみませんでした、、、感想評価お待ちしております。
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