遊戯王GX 黒竜の担い手   作:竜羽

1 / 1
息抜きに書いちゃいました。一応、前作の遊戯王のリメイクのつもりです。

ほとんど別の作品ですけどね!


入学試験 真紅眼の黒竜

――デュエルモンスターズ。

 

天才ゲームデザイナー、ペガサス・J・クロフォードによって生み出されたそのTCG(トレーディングカードゲーム)は米国で爆発的な人気を得て、この日本にも広まった。

さらに海馬コーポレーション(K・C)総帥である海馬瀬人が開発したカードを立体化するソリッドビジョンシステムを搭載したデュエルディスクを用いた大規模デュエル大会「バトルシティ」によって、デュエルモンスターズは世界中に広がっていった。

 

 

バトルシティの後、プロリーグに養成学校「デュエルアカデミア」が設立され、多くの少年少女がプロをめざし、デュエルモンスターズを学びにアカデミアに入学することを目指すようになった。

 

そして今、一人の少年がアカデミアの門を叩こうとしていた――。

 

 

 

 

 

海馬ランド。

今や世界のトップと言ってもいい大企業が建設したそのテーマパークのドームではデュエルアカデミアの実技入試試験が行われていた。

 

「モンスターで攻撃!」

 

「甘いぞ。罠カード発動!」

 

アカデミアの試験官が受験生のデュエルモンスターズを操る者――決闘者(デュエリスト)としての資質を試すためにデュエルを行う。

モンスター、魔法、罠を組み合わせた攻防がドームのデュエルフィールドで繰り広げられる様子を観客席から眺める一人の少年がいた。

 

標準的な日本人と同じ黒髪黒目。

少し癖毛なのか左側の髪がはねている。

顔立ちはイケメンというわけではないがある程度整っているその少年は、ほかの受験生たちの試験を眺めながら、手に持った自分のデュエルモンスターズを行うカードの束であるデッキを確認していた。

そのデッキは少年の大好きなカードたちが最大限に生かせるように考えられており、今この時もこの入試試験に向けて更なる改良を行おうとしていた。

 

『次は受験番号2番。受験番号2番の学生です』

 

受験番号2番。それは少年の受験番号だ。

 

「よし、行くか」

 

デッキをしまい、その手に付けられたデュエルディスクにセットするとその場を立ち上がってデュエルフィールドに足を向ける。

デュエルフィールドにつくとそこには試験官の教師が待っていた。

 

「君が受験番号2番かい?」

 

「はい、受験番号2番。黒木流牙です」

 

デュエルアカデミアで使われている丸みの帯びた一般的なものとはデザインの異なるデュエルディスクを構えながら、少年――流牙に確認を取る。

 

「よろしい。では試験を始めよう。この試験は勝敗によって決まるわけではない。デュエルにおける戦術、駆け引きなどを評価する。落ち着いて普段通りのデュエルをしなさい」

 

「はい」

 

互いにディスクを構え、デュエルの始まりを告げる一言を叫ぶ。

 

「「デュエル!」」

 

流牙:LP4000

試験官:LP4000

 

互いにデッキからカードを五枚引き、それを手札としてディスクが付けられた左手で持つ。

 

「先行は受験生からだ。思う存分デュエルをしなさい」

 

「では遠慮なくいかせてもらいます。ドロー!」

 

ターンの初め、ドローフェイズにより流牙はデッキから新たにカードを一枚ドローする。

手札とさっきドローしたカードを眺め、流牙は戦略を瞬時に組み上げる。

頭をひねり、何度も何度も見た自分のデッキ。

ここには流牙の全てが詰まっているのだ。

故に取るべき戦略は瞬時に決まった。

 

「モンスターをセット。カードを二枚伏せてターンエンドです」

 

流牙:LP4000

手札3

・モンスター

セット1

・魔法罠

伏せ2

 

静かな立ち上がり。だがそれは試験官には消極的な戦法に見えたのか、

 

「怯えていては何もできないぞ。私のターン!」

 

勢いよくカードをドローする試験官。そのまま手札から一枚のカードを選び取ってディスクの魔法罠ゾーンにセットする。

 

「私は魔法カード《天使の施し》を発動!このカードの効果によりデッキからカードを三枚ドローし、二枚手札を捨てる。私が捨てるのはこの二枚だ」

 

試験官が掲げて見せたのは二枚のモンスターカード、《幻獣クロスウィング》と《幻獣サンダーペガサス》。

その二枚のカードを見た流牙は試験官のデッキを瞬時に把握した。

 

「さらに《幻獣ワイルドホーン》を召喚!」

 

幻獣ワイルドホーン ATK1700/DEF0

 

試験官のフィールドに現れる変わった形の剣をもったトナカイの獣戦士モンスター。

先ほど捨てた二枚のカードとワイルドホーンから、試験官のデッキは《幻獣》と名の付いたモンスターのデッキのようだ。

 

「墓地のクロスウィングのモンスター効果により、私の場の「幻獣」と名の付くモンスターの攻撃力を300ポイントアップさせる」

 

幻獣ワイルドホーン ATK1700→2000

 

試験官の墓地の金色の大鳥の力を受けワイルドホーンは力を増大させる。

 

「ワイルドホーンでセットモンスターへ攻撃!」

 

ワイルドホーンがその手に持つ剣で流牙の場の守備表示モンスターを攻撃する。

守備表示モンスターを攻撃した場合はプレイヤーへの戦闘ダメージはないのだが、何事にも例外がある。

 

「ワイルドホーンには守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を超えていればその数値分の戦闘ダメージを与える貫通能力を持っている!」

 

流牙の裏側守備表示だったモンスターが表側になってワイルドホーンに破壊される。

 

仮面竜(マスクド・ドラゴン) ATK1400/1100

 

流牙:LP4000→3100

 

ワイルドホーンの貫通能力によるダメージが流牙を襲い、LPを900ポイント減らせる。

だが、それは流牙の戦略のうち。

 

「破壊された仮面竜(マスクド・ドラゴン)のモンスター効果。戦闘でこのカードが破壊され墓地へ送られたとき、デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスターを特殊召喚します」

 

俗にいうリクルーター能力を持つモンスター。デッキから後続となるモンスターを呼び出す役割を持っている。

流牙はディスクからデッキを外し、そこから目的のモンスターを選び出す。

 

「《黒竜の雛》を守備表示で特殊召喚!」

 

黒竜の雛 ATK800/DEF500

 

フィールドに姿を現すのはまだ卵から生まれたばかりなのか、その小さな体を紅い殻の中に隠している小さなドラゴンの赤ん坊だった。

 

「フィールドにモンスターを残したか。私はこれでターンエンドだ」

 

 

試験官:LP4000

手札5

・モンスター

幻獣ワイルドホーン

・魔法罠

無し

 

 

あくまで試験であるためなのか場にリバースカードを伏せない試験官。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

引いたカードを確認して素早く戦術を組み立て直す。

そして、手札から一枚のカードを手に取る。

 

「《黒竜の雛》のモンスター効果を発動!このカードを墓地に送ることで手札からモンスターを特殊召喚することができる!現れろ――」

 

ディスクにカードを置く。

 

「《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》!」

 

漆黒の体に、鋭く輝く真紅の眼。

線の細いシャープな体つきの攻撃的な姿のドラゴンはフィールドに降り立つと、ドーム中にその雄叫びを響かせる。

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》 ATK2400/DEF2000

 

「なっ!?レ、《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》だと!?」

 

その姿に試験官が激しく動揺する。

それは会場にこの試験デュエルを見に来ていた学生たちも同じだった。

 

――《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》。

 

デュエルモンスターズの黎明期より存在するドラゴンの一体にして、今なお決闘者(デュエリスト)たちに語り継がれている伝説なのだ。

元々時価数十万もするレアカードだったことに加え、伝説の決闘者(デュエリスト)の一人である城之内 克也が相棒としていたことでさらにその価値が上がり、今では滅多に目にすることができない。

そんな伝説がここに現れたのだった。

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)でワイルドホーンに攻撃!《黒炎弾》――!」

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)が大きく開けた口に漆黒と紅蓮の炎が集まり、業火球となり放たれる。

墓地のクロスウィングの効果で強化されたワイルドホーンといえども耐えられない。

 

「ぐっ、だが墓地の《幻獣サンダーペガサス》の効果発動!このカードを除外することでこのターン中私の幻獣モンスター1体を戦闘破壊されないようにする」

 

サンダーペガサスのおかげで戦闘破壊は免れたワイルドホーンだが、その戦闘ダメージは防げない。

 

試験官:LP4000→3600

 

「まだ終わらないですよ。リバースカードオープン!罠発動!」

 

流牙の場に伏せられていたカードの一枚が表になる。そのカードは――

 

「《竜の転生》。場のドラゴン族モンスターをゲームから除外し、手札と墓地からドラゴン族モンスターを1体選択して特殊召喚する。場の真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)を除外!」

 

「レッドアイズを除外するだと!?」

 

フィールドから消える真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)の姿に試験官だけでなく、観客たちも驚く。中には流牙の行為を「馬鹿なことを」「あんな奴にレッドアイズは勿体ない」と嘲笑う者たちもいた。

もっともそんなことは関係ないと流牙はデュエルを進める。

 

「手札から《メテオ・ドラゴン》を召喚」

 

メテオ・ドラゴン ATK1800/DEF2000

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)の代わりに現れたのは隕石のような体に短い手足を持つドラゴン。

その攻撃力はワイルドホーンに及ばない。

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)を除外してまでそのようなモンスターを召還するなど、正気の沙汰とは思えないぞ!」

 

「ご心配なく。まだ終わっていませんよ!もう一枚のリバースカードオープン!永続罠《闇次元の解放》!」

 

さらにもう一枚のカードを発動させる流牙。

するとそのカードから暗黒の穴が開くと、そこから何かが飛び出してくる。

それは黒い翼を持った黒竜――真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)

 

「何だと!?なぜ除外された真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)が……」

 

「このカードはゲームから除外されている自分の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚する。ただし、このカードがフィールド上から離れた時、モンスターを破壊してゲームから除外し、モンスターが破壊された時、このカードを破壊します」

 

流牙の場に再び降り立つ真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)

その姿に誰もが黙り込む。

プレイミスかと思われた流牙の行動は綿密に計算された戦略だったのだ。

 

「レッドアイズはすでに攻撃宣言をしましたが、一度場から離れたことで再び攻撃宣言ができます。もう一度レッドアイズの攻撃!《黒炎弾》」

 

再び放たれるレッドアイズの攻撃。

ワイルドホーンは破壊されないがダメージは与えられる。

 

試験官:LP3600→3200

 

「ぐわあっ!み、見事なプレイングだ」

 

流牙のカード戦術(タクティクス)に試験官は舌を巻き、称賛の言葉を贈る。

 

「ありがとうございます。カードを二枚伏せてターンエンドです」

 

 

流牙:LP3100

手札0

・モンスター

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)(闇次元の解放対象)

メテオ・ドラゴン

・魔法罠

伏せ2

闇次元の解放

 

 

「私のターンだ。ドロー!」

 

再び試験官にターンが回る。

現状、試験官の場にはレッドアイズを上回る攻撃力を持つモンスターは存在しないが、手札は6枚と潤沢だ。

 

「私は手札から《融合》を発動!手札の《幻獣王ガゼル》と《バフォメット》を融合。《有翼幻獣キマイラ》を融合召喚!」

 

有翼幻獣キマイラ ATK2100→2600/DEF1800

 

二体の手札のモンスターが現れた渦に飛び込むことで一つになり、二つの頭に翼をもつ神話の幻獣が召還される。

さらに幻獣モンスターであるため墓地のクロスウィングの効果で攻撃力が上がる。

ちなみに、このキマイラも伝説の決闘者(デュエリスト)が使ったことでかなり有名なモンスターだ。

 

「さらにワイルドホーンを生贄に、最強の幻獣を召喚しよう。《幻獣ロックリザード》を召喚!」

 

幻獣ロックリザード ATK2200→2700/DEF2000

 

岩の体を持つワニのような四本足の下半身と竜人のような上半身を持つ幻獣が現れる。

 

「このモンスターは君のレッドアイズと同じ七つ星モンスターであり、通常は場のモンスターを二体生贄に捧げなければいけないが、同じ幻獣モンスターを生贄に捧げた場合一体の生贄で召喚できる」

 

それだけではない。

墓地に存在するクロスウィングの効果により、試験官の場の二体の幻獣は流牙のメテオ・ドラゴンはもとよりレッドアイズの攻撃力をも超えている。

 

「さあいくぞ!ロックリザードでレッドアイズを攻撃だ!《ロックブレス》!」

 

ロックリザードがその口から光線を放つ。

 

「リバースカードオープン!速攻魔法――」

 

が、光線はレッドアイズにぶつかる前に、レッドアイズの姿が消え失せる。

レッドアイズは光線を躱し、メテオ・ドラゴンの上に移動する。

そして、二体のドラゴンの後ろの空間に先ほどキマイラが召喚されたときのような渦が発生する。

 

「《瞬間融合》発動!場の二体のモンスターを融合します。《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》と《メテオ・ドラゴン》を融合!融合召喚《メテオ・ブラック・ドラゴン》!」

 

メテオ・ブラック・ドラゴン ATK3500/DEF2000

 

灼熱のマグマが滾る隕石の体を持つ黒竜。

連なるレッドアイズの系譜のモンスターの中でもっとも攻撃力の高い、最強のドラゴンの出現に二体の幻獣は恐れおののく。

 

「ま、まさかメテオ・ブラック・ドラゴンを、しかも私のターンに召喚するとは……。攻撃は中断!カードを二枚伏せ、ターンエンドだ。(伏せたカードは相手の攻撃モンスターを全て破壊する《聖なるバリア―ミラーフォース》。そして、例え伏せカードを除去されようともカウンター罠《アヌビスの裁き》がある。さあ、どうする?)」

 

試験官は攻撃をやめ、ターンを終える。

 

「瞬間融合で召喚された融合モンスターはターン終了時に破壊される」

 

メテオ・ブラック・ドラゴンが光に包まれ、フィールドから消える。

最強のドラゴンに数えられるメテオ・ブラック・ドラゴンが召喚されたことに誰もが感心していたが、場から消えたことで再び落胆、嘲りの声がする。

 

 

試験官:LP3200

手札2

・モンスター

有翼幻獣キマイラ

幻獣ロックビースト

・魔法罠

伏せ2枚

 

 

「ドロー」

 

流牙は引いたカード、そして場に残ったカードを確認する。

 

「《マジック・プランター》を発動。自分の場の永続罠一枚を墓地に送って二枚ドロー!」

 

新たに増えた二枚の手札。それはこのデュエルに幕を下ろすのにふさわしいカードだった。

 

「魔法カード《死者蘇生》発動!墓地からモンスターを蘇生する。蘇れ、《メテオ・ブラック・ドラゴン》!」

 

再び現れるメテオ・ブラック・ドラゴン。

その姿に、雄叫びに会場が再び震える。

 

「メテオ・ブラック・ドラゴンの攻撃。ロックリザードを粉砕しろ!《メテオ・ダークネス・ダイブ》!」

 

メテオ・ブラック・ドラゴンが飛び上がると、体に紅蓮の業火を纏いロックリザードに向かって突っ込む。

その様はまさに隕石のごとし――!

 

「迂闊だぞ!罠発動《聖なるバリア―ミラーフォース》!」

 

ロックリザードを聖なる輝きの障壁が覆い、メテオ・ブラック・ドラゴンの攻撃が遮られる。

そのまま攻撃の勢いを跳ね返されて、メテオ・ブラック・ドラゴンが破壊されてしまう。そう思われたとき――

 

「リバースカードオープン!速攻魔法《我が身を盾に》。ライフ1500ポイントを代償に自分のモンスターの破壊を無効にする」

 

流牙:LP3100→1600

 

「そして最後の手札。速攻魔法《決闘融合―バトルフュージョン》を発動。自分の融合モンスターが相手モンスターと戦闘を行うとき、そのモンスターの攻撃力分、融合モンスターの攻撃力をアップさせる」

 

メテオ・ブラック・ドラゴン ATK3500→6200

 

ロックリザードの攻撃力が加算されたメテオ・ブラック・ドラゴンはミラーフォースをぶち破り、ロックリザードを蹴散らす。

そして、二体の攻撃力の差の分だけ試験官のライフポイントが減少する。

 

「……見事だ」

 

試験官:LP3200→0

 

 

 

 

 

「悪目立ちしすぎた!」

 

海馬ドームの裏口。そこで流牙は息切れを整えながら、絶賛大後悔中だった。

理由はさっきの実技試験。

流牙は《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》に、さらにはその強力融合形態《メテオ・ブラック・ドラゴン》まで衆目にさらしてしまい、試験が終わった後も観客たちの注目を集めまくってしまった。

 

『悩んでもしょうがないでしょ?やっちゃったことはなかったことにはならないんだし』

 

「それとこれとは別だ。もうあの客席に戻れないじゃねえか。全員獲物を狙う肉食獣みたいな目で見てたしよお。はあ……」

 

受験生、在校生を問わず流牙のことを待ち構えていた人垣を思い出しながら、流牙は深くため息を吐き出す。

おもむろに腕に着けたディスクにセットされているデッキからカードを一枚引く。

シャープな体をした紅い鋭い目を持つ黒竜――真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)

流牙が注目を集めてしまったカードであり、流牙が絶対の信頼を寄せるデッキの双璧のエースカード。

そして――

 

『ん?なによ?あ!もしかして私に見惚れていたの?』

 

目の前で浮いている半透明の美少女の姿をした精霊が宿るカードである。

常闇のような漆黒の髪を足に届くまで伸ばし、それと同色の飾りの多い衣装に身を包んだ真紅の瞳の少女。

見た目の特徴としては一応真紅眼の黒竜と一致しているのだが、

 

「長い付き合いだが、相変わらずお前がレッドアイズには見えない」

 

『なにおう!私はちゃんとしたレッドアイズよ!さっきのデュエルだってちゃんとドラゴンの姿で登場したじゃない』

 

「ギャップがありすぎるわ」

 

『ギャップ萌えよ』

 

そんな萌え要素求めてねえ、と流牙は胸を張る自分の相棒、兼、デュエルの師匠である《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》の精霊の『クレナ』に向かってもう一度溜息を吐きだした。

 

「まあ、これで試験には受かっただろ。あとは合格通知が来るまで待つだけだ」

 

『あ、もういっちゃうの!もうちょっと試験見ましょうよ!』

 

「またあそこに行くのは嫌だ」

 

文句を言ってくるクレナを適当にあしらいながら、流牙は人目に付かないように海馬ドームを離れるために足を進めた。

 




息抜きであるため更新は不定期になるでしょうが、よろしくお願いします。

あとオリカはあんまり出さないようにしたいです。前作で痛い目を見たので。

出すとしても切り札に数枚程度・・・になればいいなあ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:10文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。