スキル『ゴッドハンド』の転生拷問官。気がつけば、捕虜でハーレムを作っていた。   作:沙悟寺 綾太郎

11 / 31
第十一話  百合勃発? ヤンデレ暗殺者VSドM騎士

 

 ダンジョンからの帰り道。

 森の中。ルーク用のテントと、ミリーダとアテナ用のテントを張り終わり、例の如く野宿の準備が済んだ頃、ミリーダが声を掛けてきた。

 

「んー?」

 

 ルークは先程、捕獲した鹿の肉をぶつ切りにしながら振り返る。

 

「あの雌豚。一度、私が分からせてあげる」

 

「え、なんですか急に」

 

 変な敬語が出た。

 

「だって、あれはジンパチのペットなんでしょ?」

 

 あまりにも真っ直ぐな目で言ってきた。

 どうにも、ルークは否定しきれず……。

 

「ま、まあ、そんなとこだな?」

 

「だよね。ジンパチの恋人は私だもんね。うん、うんうんうんうん……」

 

 一人、濁ったような目で頷き続けるミリーダ。

 いや、怖いんだが。

 

「そ、それで何が気に入らないんだ?」

 

「言葉遣いも、態度も全然ダメ。あんなにふざけた態度許せない」

 

「え、えぇ。そ、そう……か?」

 

「そもそも、ジンパチを助けていいのも、助けるのも、全部恋人である私の役目だもの」

 

 嘘だろ。この人、勝手に恋人を自称するだけじゃ飽き足らず、謎のルールまで作り出しているのだが……。

 

 これには流石のルークも恐怖を感じていた。

 

「……分からせるってどうするつもりだ?」

 

「決まってる。教えてあげるだけ。ジンパチの隣にいるには何が必要なのかを」

 

 え? 逆に何が必要なのか教えて欲しいくらいだ。

 

「詳しく言うと?」

 

「──〇〇○(ばきゅん)××(ばきゅん)する」

 

「む、酷いな」

 

「だって、自分の立場を理解していないもの。本当なら○○○○(ばきゅん)して、△△△(ばきゅん)してもしたりないのよ」

 

 もう、そこまで行くと人に対する行為ではない。拷問官という職業を仰せつかったルークですらもそう思った。

 

「何か問題ある?」

 

「え、えーと」

 

 ここで何か言い返せば、とんでもない事をされそうだ。

 

「そ、そうだな。とりあえず、任せる」

 

 触らぬ神に祟りなし。悪いが、今日一晩はアテナに割りを食ってもらうしかないようだ。

 自己保身に走ったルークは、大人しく夕飯を食べ終えた後、テントに篭ることにした。

 

***

 

「ねぇ、雌豚」

 

 時は、日付を跨いだ頃。

 ついに、ミリーダが行動に移したようだった。

 

「な、なんだ? どうかしたのか?」

 

 テント越しに聞こえるアテナの声は少し動揺していた。理由は分からない。もしかすると、ミリーダから何かを察したのかもしれない。

 

「雌豚は、ジンパチのこと。どう思ってるの?」

 

「ひっ! な、なぜ、太ももを撫でるっ!?」

 

 ふむ。正直、とても興味深い状況のようだ。

 ルークは隣のテントで聞き耳を立てながら思っていた。

 

「敏感。ほんとに王国の騎士だったの?」

 

「と、当然だっ! 愚弄するつもり……ひゃうっ!?」

 

「濡れてる。淫乱ね」

 

 おぉ。凄い。本当どんな状況なんだ。

 

「触……るなっ」

 

「嘘、本当はもっと触って欲しいんでしょ? 質問に答えて? 雌豚とジンパチはどんな関係?」

 

「そ、それは決まっている! 奴は私の敵だっ!」

 

「ほんとに?」

 

「ああ! 誓っても……んっ!? やめっ!?」

 

 くちゅり。そんな水音が反芻されて、聞こえてくる。

 

「嘘。だって、ここはこんなになってるもの」

 

「……あっ! んんっ!!」

 

 アテナの声は次第に、艶やかに染まっていく。まるで、体は快楽を受け入れながらも、心の何処かでは耐えようともしているような。

 

「で、ジンパチをどうするつもり? 不意をついて殺す?」

 

「それっ、は……っっっ!! その指っ! 止めてぇぇ」

 

「ジンパチほど上手くはなくても、私は女。どこが良いのかくらい分かってる」

 

「しゅ、しゅごすぎりゅぅぅ!」

 

 ……うん。寝れない。というか、寝れる気がしない。まじで何が起こっているんだ?

 ルークは鼻から息を吸っては吐いて、平静を保とうと固く瞼を閉じる。

 

「なに? もう限界? いいよ。とりあえず、一回」

 

「くぅぅぅ!! っっっっ!!!」

 

 テントが小さく揺れる音がした。まるで、震える手で掴んだような。

 

「ほら。続けるよ。それとも、こっちの方がいいの?」

 

「ま、待って。そっちは本当にぃぃぃ!!」

 

「胸。無駄に大きい、私なんかこんなに平たいのに」

 

「だめっ! ほんとにぃ! これ以上はぁ!」

 

「いや。貴女がジンパチのペットになるって言うまで、続けるから」

 

「いやぁ、もう無理ぃ」

 

 もしも、ここが宿屋ならば、追い出されてるだろうな。それくらいに、アテナの嬌声は大きく高い。

 

「ほら、こっちの穴も」

 

「いやぁぁぁぁ!!! お゛っ!!」

 

「ほら、雌豚……ん? どうかしたの?」

 

 急に、声が聞こえなくなった。

 

「……失神しちゃったんだ。弱いね」

 

 え? すごくね?

 ゴッドハンドの肩書きも返上かもしれない。

 ルークは少し戦々恐々になりながら、寝返りを打つ。

 

 とはいえ、これでやっと落ち着いた。何があったのか気にはなったが、睡眠の方が大切なはずだ。

 ルークがそう思った矢先だった。

 

「ねえ、ジンパチ」

 

 テントの入り口に人影が映る。

 

「な、なんでしょうか?」

 

「……その、私。もう限界かも」

 

「え?」

 

 とろんと蕩けた瞳で、ミリーダは息を切らせ、テントの中に入ってきた。

 息は上がり、頬は紅潮。その匂いはどこか、胸をざわめかせるフェロモンのような風味を帯びていた。

 

「ちょ、おま」

 

「雌豚を、いじめてたら……ほら」

 

 ミリーダの太ももは、液体が伝っていた。

 うん。そういうことね。

 

「──次は、ジンパチが私を……いじめて?」

 

 夜は深く、闇に染まっていく。

 静寂を保つ森の一角には、日が登るまでの間。少女の官能的な声が響き渡ったのだった。

 

 

 

 




────

あとがき

お読みいただいてありがとうございます。
これからも頑張って続きを書いていきますので、作品フォローや星レビューを付けて応援していただけると、とても嬉しい限りです。
どうぞ、よろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。