【完結】転生したらアバンギャルド君だったのでリオ会長を救います   作:天神茶々

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転生したらアバンギャルド君だったのでリオ会長を救います

 

 

「大事なことだからもう一度聞くぜ。

 先生、あんたはどんな女が好み(タイプ)だ?」

 

 

 

「……これ、本当に最終回?」

 

「うん。この回が投稿される頃には、タイトルに【完結】って付いてるぞ」

 

「待て待て待て待て。いきなりメタい話を始めるな」

 

 

 柴大将のツッコミに、物珍しさを感じる昼下がり。

 

 貞操逆転世界並みの男女比を誇るキヴォトスでは珍しい、男子のみが集まる空間と化した柴関ラーメンの屋台の中で。

 

 シャーレの先生、柴大将、そして俺ことアバンギャルド君の3人による、男子会が行われようとしていた。

 

 

「話を戻すと、キヴォトスの生徒って美少女しかいないじゃん。先生もそう思うだろ?」

 

「まぁ、外の世界ならアイドルとかモデルとかやれそうだなって思う時はあるけど」

 

「そして、シャーレの先生と言えば、生徒全員から慕われるモテ男。

 言ってしまえば、その気になれば本物のハーレムを築くことの出来る立場というわけで」

 

「風評被害!! 私、そんなこと思ったことないよ!?」

 

「まぁまぁ。その聖人さが、生徒に慕われる理由だってのは分かってる。

 でも、先生だって1人の男。今まで何度か、その魅力にヤラれたことはあるんじゃないか?」

 

 どれだけの先生が、ブルアカに登場する生徒たちと添い遂げたいと願ったことか。

 

 ユウカとの結婚を望んでいた*1人。

 シロコとあっち向いてホイをしたい*2人。

 ミヤコとラブイットワンしたい*3人。

 

 登場人物の誰もが魅力的であり、だからこそブルアカは、前世であれだけ人気のゲームになったのだろう。

 

 そんな魅力的な生徒たちと、この先生は数えきれない程の交流を重ねているのだ。

 

「生徒と教師の関係だし、恋に落ちるということはないのかもしれない。

 けど、ドキッとした瞬間くらいあるだろ? あんなに積極的にアプローチされてるんだから」

 

「いや、そんなことは……」

 

「良いんじぇねえか、先生。今日はロボットの兄ちゃんと俺しかいないんだ。

 たまには、1人の男としてぶちまけたいことぶちまけちまいな」

 

「柴大将……!」

 

 大将のナイスアシストに感謝しながら、俺は先生の心の壁を崩していく。

 男子会と偽った、とある目的を達成するために。

 

「まずは軽めの質問から……先生って、褐色生徒の脚が好きなの?

 主に、銀鏡イオリと角楯カリン」

 

「ケホッ! ゴホッ……!! ねぇ、今のどこが軽い質問なの!?」

 

 おう。前世の先生たちの業を踏まえれば、こんなの挨拶にもならないだろ。

 

「というか、どこでその情報を……!!」

 

「我がミレニアムの科学技術は世界一ィィィィ――――!!」

 

「だとしても、それはプライバシーの侵害じゃないかな!?」

 

 いや、個人的には、同じミレニアムのカリンはともかく、どうやってゲヘナのことを知ったのかと気にするべきだと思うのだが。

 

 コタマやノドカ、セリナといったストーカー連合がいるから、感覚がマヒしてしまっているのだろうか。

 

 ワカモやアキラ(七囚人)よりストーカー気質が高いのは、さすがにどうかと思うが。

 

 

「で、ぶっちゃけどうなの? 褐色っ子が性癖どストライク?」

 

「……否定はしないけど、別にどんな子でも私は好きだよ」

 

「否定しないんだ……まぁ、深追いはしないでおこう。

 じゃあ、先生の中で理想の女性像とかはある?」

 

「まともな質問になって良かったよ……」

 

 先生、ドア・イン・ザ・フェイスって言葉知ってる?*4

 このままだと、いつか悪いゴリラ*5に騙されちゃうよ……?

 

「そうだね。出来れば年上の人が良いかな」

 

「……七神リン、尾刃カンナ、羽川ハスミ、春原シュン」

 

「いや、年上のって言ったじゃん!?」

 

 だが残念だったな。年齢が極秘な春原シュンは、ワンチャン年上の可能性がある。

 

 え? リオはどうしたのかって……?

 何言ってんだ、リオは幼女だろ。

 

「柴大将も言ってやってくださいよ。生徒に冷たくするための嘘じゃなくって、先生自身の好みを口にするべきだって」

 

「……何が嫌いかより、何が好きかで自分を語りな」

 

「それ、本当にルフィのセリフになってた時期があったんだよな……」

 

 とあるゲームのボイスに収録されたけど、3カ月くらいで削除されたんだよね。

 

 ともかく、キヴォトス屈指の聖人である柴大将の言葉に、再び先生の心は揺れる。

 そして、ようやく口にした言葉は、余りにも哀愁の漂う、悲しき社畜としての嘆きだった。

 

「……正直、キヴォトスに来てから大忙しで、結婚とか考える余裕ないんだよね」

 

「そう来たか……」

 

「砂漠で干からびかけたり、銃弾に撃たれて意識を失ったり。

 この仕事は、いつも死と隣り合わせだからね。

 結婚しても、奥さんと子供を残して死ぬわけにはいかないから」

 

 その表情は、これも生徒を牽制するための方便なのかと、ツッコミを入れられないほど凄惨で。

 

 見かねた柴大将がそっと、中華スープを提供してくれた。

 先生はそれを、涙を堪えながら飲み干した。

 

「確かに、先生は銃弾1つで死にかねないもんな……」

 

 先生に一生消えない傷をつけた錠前サオリだ、よろしく頼む。

 

「それに、今は仕事が恋人みたいなところもあるからね。

 毎日夜遅くまで仕事をするお父さんって、給料は良いかもしれないどさ。

 奥さんや子供と過ごす時間を取れなくて、円満な家庭を築けないだろうから」

 

「そもそも、シャーレの先生って給料高いの?」

 

「……そこはツッコまないで」

 

 趣味のプラモデルのために、食費を切り詰める生活をするのがシャーレの先生だ。

 

 残念ながら、そこまで給料が高いという訳ではないらしい。

 もしかすると、同じ命がけという意味では、カニ漁師の方が稼ぎが良いのではないかという説がある。

 

 そこまで考えたところで、俺はようやく()()()()()()()()()()()

 そして、先生に意図を悟られないよう慎重に、なおかつ迅速に勝負を決めるべく大胆に言葉を選んで話していく。

 

「だったら、よく一緒に仕事をする生徒と結婚したらいいのに」

 

「いやいや。だから、私たちは教師と生徒だよ?」

 

「でも、別に法律とか条例に違反してるわけじゃないんだろ?*6

 危険からは守ってもらえるし、職場で一緒に過ごす時間を作れるし、良いことだらけに思えてこないか?」

 

「うーん。倫理の問題かなぁ」

 

 残念ながら、どうも一筋縄ではいかない様子。

 

 ならば、別の手段を使うまで。

 

「とりあえず、一旦想像してみようぜ」

 

「……何を?」

 

「先生のことを慕ってくれてる青髪美少女が、仕事だからですって言いながらも、何だかんだで手伝ってくれるんだ」

 

「なんか、妙なところが具体的だね……?」

 

「そして、私が居ないとダメなんですからって言い訳しながら、一緒に居る時間を作って、2人きりの時に甘えてくる……素敵な生活じゃないか?」

 

 これで、先生の頭の中には、ある生徒と2人で生活する光景が思い浮かんでいるはず。

 ゆえに、これでチェックメイトだ。

 

「今、最初に頭の中に思い浮かべた人物こそ、先生と最も相性がいい生徒。

 将来、先生のお嫁さんになるその人の名前は、早瀬ユ――」

 

「アバンギャルド君って、いつの間にアオイと知り合ってたの……?」

 

「――え?」

 

 扇喜アオイ、総決算ポケモン。

 

 総決算と称しながら、半年に5回行ってショップ画面に現れることから、押しかけ女房疑惑がかけられている。

 

 また、ミレニアムオオフトモモとの類似性が近年よく指摘される。

 

「……違う、でしょ」

 

「……あれ? アバンギャルド君……?」

 

 確かに、すっかり彼女のことを忘れていた俺も悪いのだが。

 もしも、本当にこの会話をユウカが聞いていたら、きっと強いショックを受けたであろう展開を、俺は半分勢いで非難した。

 

「違うじゃん!? ユウカ泣くよ? 泣いちゃうよ!?

 あれだけ頑張って先生にアピールしてるのに、ぽっと出の似た属性の女の子に先生を取られたら、ユウカが機能停止になって、その余波でミレニアムも機能停止になるよ!?」

 

「それは、ミレニアムの運営をユウカに依存しすぎじゃないかな!?」

 

「そうならないように、リピートアフターミー!

 『私は、結婚するならユウカが良い!』サン、ハイ!」

 

「え? これ何? どういうこと!?」

 

「リピート! アフター! ミー!!」

 

「え、えぇ……? 私は、結婚するならユウカが良い……?」

 

「もっとハッキリ! ちゃんと断言して!!

 分かったらもう一度!! サン、ハイ!!」

 

「私は、結婚するならユウカが良い」

 

「――よし、録音完了」

 

 かなり大雑把なアドリブで引き出したセリフを、アバンギャルド君の機能を使って最高音質で保存。

 

 そのまま、件名を「(以下、清澄アキラが助走を付けてぶん殴るレベルのぼったくり額)希望」として。

 一度再生したら、データが破棄されるプログラムを追加した音声ファイルが添付されたモモトーク*7を、ユウカの端末へと送信した。

 

「先生からの、ユウカ個人に当てた告白ボイスなんて、どれだけお金がかかろうとも、喉から手が出る程欲しいはず。

 これで、リオがミレニアムに作った借金はなかったことに――!」

 

「それが目的だったの!? 駄目に決まってるでしょそんなの!!」

 

「止めないでくれ先生! これは世界平和のために必要なことなんだ――!

 後、そろそろ返済しないと、俺がリオの財産扱いされて差し押さえられる!! あの顔は冗談を言う時の表情じゃなかった!!」

 

「やれやれ……いつから俺の店は怪しい取引の現場になったんだ……」

 

 柴大将は、以前小鳥遊ホシノが違法な勧誘を行ったことを思い出しながら。

 

 最終的に、アロナの力によって音声データの削除に成功し、先生の勝利に終わった戦いを見守っていた。

 

「はぁ、はぁ……アロナのおかげで助かった……」

 

「クソッ……まさか、くしゃみ1つでバックアップデータごと消されるなんて……!」

 

 前世でもいくつもの青封筒を叩きつけ、俺の青輝石を奪っていったアロナと、まさかこうした形で再び敵対することになるとは思わなかった。

 

 天井は嫌だ……! 天井は嫌だ……!

 

「というか、さっきからずっと私ばっかりじゃん!

 柴大将やアバンギャルド君は何かないの!?

 というかアバンギャルド君は、リオやトキと絶対何かあるでしょ!?」

 

 さて、そうこうしている間に、反撃をくらった俺たち2人は。

 互いの顔を見合わすと、そんな馬鹿なことがあるのかと、盛大に笑い合った。

 

「おいおい、ロボの兄ちゃんはともかく、俺はまずねえだろ」

 

「いやいや、柴大将はモテそうだけど、俺がそんなわけないじゃん」

 

「「…………ん?」」

 

 両者ともに意見が一致したから笑い合った――はずなのに、蓋を開けてみれば、綺麗に正反対な言葉が寄せられて。

 

 今度はなぜか、俺対柴大将の徹底議論が始まった。

 

「柴大将、ビジュアルめっちゃ良いし、性格も先生並みに良いから、ぶっちゃけ引く手あまたでしょ?」

 

「知らねえのか? 女ってのは、あんたみたいな背の高い男を求めてるんだ。

 それに、あんたも良いやつだってことは、勇者部の活動を見てる人は誰でも知ってるさ」

 

「いや、俺は高身長とかそういう次元じゃなくない……?

 この前、小さい子が手放しちゃった風船取ってあげたら、その子にギャン泣きされたよ?」

 

 さすがに、あれは俺も相当こたえた。

 

 小さい子の、悪気のない正直な言葉以上に、アバンギャルド君を傷つけるものはない。

 

「それに、柴大将はこんな立派なお店の大将だぜ?

 俺は柴関ラーメンの店主だぜって言えば、キャー素敵ってなるでしょ」

 

「言っちゃ悪いが、アビドスのお店ってのがちょっとな……。

 それと、屋台ってのも女の子からすると不安定って印象を持たれるんだよ」

 

 うわぁ……青春の物語とは思えない程、事情がリアルすぎて見てられない。

 

 青春が終わって、大人になるとこんな悲しい現実が待っているのか。

 

「俺だって、このデザインのおかげでモテとは無縁だしな……」

 

「でも、リオとトキは、誰がどう見てもアバンギャルド君のことが好きじゃない?」

 

「いやいや、人間とロボットだぜ?

 確かに、リオやトキのことは人として好きだけどさ。

 そもそも生物じゃないのに、恋愛関係になんて発展しないって」

 

「……アバンギャルド君、本当の気持ちを誤魔化すのは良くないよ。

 君たちの互いを想う気持ちは、そんな些細な壁に阻まれるほど小さいものだったのかい?」

 

「いや、名言みたいなこと言って、強引に突破しようとしないでくださいよ。

 それに、だったら教師と生徒の壁も似たようなもんじゃないですか」

 

「…………」

 

「…………」

 

 ここまで言い合って、俺と先生は互いに気づく。

 

 あっ、これ以上の発言は墓穴を掘りかないと。

 

「……止めよっか、この話」

 

「……そうだな」

 

 最初のワイワイしていた時が嘘のように、屋台:柴関ラーメンは沈黙に包まれる。

 

 男3人。いつか恋人ができる未来を夢見ながら、今日も非情な現実を乗り越えるために。

 

 美味しいラーメンで腹を満たしながら*8、明日を生きていくための活力を蓄え――ピロン。

 

(こんな時にモモトーク……? しかもリオから?)

 

 リオは今日、トキと以前約束させられた2人きりでのデートをしていている。

 だからこそ、1人きりという珍しい時間に男子会を企画したのだが。

 

 しかし、リオからの場合、厄災なんて物と戦ってる都合、緊急性の高い連絡が多く、無視をするわけにはいかない。

 

(…………見なかったことにしたら、ダメかな?)

 

 ここに、送られてきた文章を、そのまま載せさせていただく。

 

『リオ様かと思いましたか? 残念、最強無敵のトキちゃんです。

 そして、不意を突かれたアバン様には、私とリオ様とダブルデートをしてもらいます。

 当然拒否権はありませんので、楽しみにしていてくださいね』

 

 俺は、このメッセージが届いたことを先生と柴大将に知られぬように、死ぬ気で、死んだような顔をした人の振りをした。

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 そんな地獄の男子会を乗り越えた、ダブルデート当日。

 

 そもそもダブルデートとは、異なる2組の男女が一緒にデートすることである。

 なので、ダブルデートの彼氏側が同一人物の場合、それは果たしてダブルデートと言えるのだろうか。

 

 しかし、別に付き合っているわけではないで、やっぱり問題はないのかも。

 

 そんなとりとめのない考えは、俺だけデート場所である遊園地に現地集合という、トキの謎命令の意味を理解した瞬間に吹き飛んだ。

 

 

「…………………………………………………………………………………………………………」

 

「その……そんなに見つめられると、恥ずかしいのだけれど……」

 

 リオが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 白のカッターシャツを青色のネクタイで絞めた、いつもより丈の長い白のスカート姿。

 薄い紺色のセーターと白衣を身に纏い、いつもの黒の印象が強い彼女とはまた違う、新鮮な印象をもたらす。

 

 後、ゲームでよく見たモブちゃんたちと比べて、何がとは言わないが、それはもう凄い。

 こんな容姿をもった高校生を、幼女にカウントしたロボットがいるって本当?

 

 ……(ちな)みに俺は、身長(タッパ)(ケツ)がデカい女が好みです。

 

 ハッ、俺は一体何を……!?

 

「凄く可愛いでしょう? 安心と安全のトキちゃんプロデュースです」

 

「一体いくら払えと言うつもりなんだ、君は……!!」

 

「いつものお礼です。お代は本日のデート代だけで構いません」

 

「遊園地価格の食べ物も、遠慮せず思う存分お食べ……!!」

 

「アバンギャルド君!? 入場料だけでも3万円はかかるのよ!?」

 

 大丈夫だ、前世でトキをお迎えするために消えた諭吉の額よりは安い*9!!

 

「さすがに冗談です。それとアバン様。

 まず最初に言うべきことがありませんか?」

 

「……? あぁ! その服、似合ってるよリオ。

 正直、可愛くて意識を失ったレベル」

 

「……!! そう、なら良いの……。

あなたが、いつか普通の女の子として遊ぶ私を見るのが夢って言ってたから。

 まだ全てが解決した訳じゃないけれど、一区切りついた今なら、別にいいかなって、思って……」

 

 少し恥ずかしそうに顔を赤らめながら、遠慮がちに嬉しいことを言ってくれるリオ。

 その姿に、どこか心が浄化されるような錯覚を覚える。

 

 今なら何があろうとも、下江コハル裁判長から無罪をもぎとれる自信がある。

 

「でも、やっぱりどこか違和感を覚えてしまう。

 私は、セミナーの服がしっかりくるみたい」

 

「……リオ?」

 

「ねぇ、アバンギャルド君。ちょっと悪いことを言ってしまっても良いかしら?」

 

「お、おう? 何でも聞くぞ、リオの言葉なら」

 

 明らかに、デートの甘い雰囲気ではなくなったのを理解して、俺はリオの言葉に耳を傾ける。

 

「私ね、今すっごく楽しいの。

 あなたと、世界を脅かす災い相手に立ち向かうこの日々が。

 何か1つ間違えれば、何もかも滅んでしまう最悪な状況なのに」

 

「リオ様、私は?」

 

「えぇ。もちろんトキに対しても同じ気持ちよ」

 

 リオは、可愛くピースを決めたトキの頭を優しく撫でる。

 

 そして、トキを撫で終えると、今度はそっと俺の手に触れた。

 リオの温かな瞳が、俺の目を優しく見つめる。

 

「時々、もしものことを考えるの。

 あの時、あなたが私の望んだ、意思のない戦闘兵器として生まれていたらって」

 

「……それは」

 

 その世界こそ、本来の正しい歴史。

 

 ブルーアーカイブ、メインストーリーVol.2

 機械じかけの花のパヴァーヌ編。

 第2章:友情と勇気と光のロマン。

 

 その世界でリオは――。

 

「きっと私は、誰の手も取らないまま、アリスを殺そうとする。

 そして失敗するの。アリスを大切に思うみんなのおかげで」

 

 原作で計画が失敗したリオは、姿をくらませてどこかでひっそりと暮らしているらしい。

 

 その後、色彩が訪れた時や、デカクラマトンの新たな預言者が現れた時に手を貸してくれたが、それ以降のことはわからない。

 

 

 俺は、その先の物語が語られる前に、命を落としてしまったから。

 

 

「そんな私が、今こうやって世界を守る活動が出来るのは、あなたのおかげ。

 あなたが、意思を持って私のところに来てくれたおかげなの」

 

 もしかしたら、俺が死んだ後に更新されたストーリーで。

 

 リオは、自分の過ちを乗り越えて、幸せになるのかもしれない。

 その幸せは、この世界のリオよりも遥かに大きいのかもしれない。

 

 ただ、本当にそうだったとしても。

 

「普通の女の子になって欲しい、あなたの願いとは違うかもしれないけれど。

 私は、これからもあなたと共に世界を救っていきたい」

 

 

「私を救ってくれた、アバンギャルド君と一緒に」

 

 

 幾つもの困難な先に、この笑顔が見れるのなら。

 

 

 何度だって、クソダサロボットに転生してやる。

 何度でも、調月リオを救ってみせる。

 

 誰よりも大切な、あなたのことを。

 

「……いきなりごめんなさい。こんな辛気臭い話をしてしまって」

 

「いいや。おかげで元気100倍だよ。

 今なら、色彩の1つや2つ余裕で乗り越えられ、る……」

 

 そう言い切ろうとした、その時に。

 空が、見たことのない赤色に染まった。

 

「「「え…………?」」」

 

 いやいや、本来のあなた(色彩)、出現まで予兆がありましたよね?

 

 そんなツッコミは届くことなく、遠く離れたいくつかの場所に、虚妄のサンクトゥムタワーが出現して……。

 

「せっかくの、デートだったのに……」

 

「あのー、リオさん?」

 

「……30分で終わらせてデートの続きをしましょう。

 王女も神名十文字(デカグラマトン)も色彩も全て問題ないわ。

 やはりアバンギャルド君。アバンギャルド君は全てを解決してくれる――!!

 

「あらすじのセリフ、ここで聞きたくなかった!

 後、30分は絶対に無理だから!!」

 

 世界を救うための戦い。

 そう呼ぶには、あまりにもふざけた英雄譚。

 

 

 

 

 

 

 

転生したらアバンギャルド君だったので

リオ会長を救います

 

 

fin

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
ユウカ、俺たち結婚しよう

*2
ん、私ともあっち向いてホイをやるべき

*3
分からない人は、どうかそのままで

*4
初めに大きな要求をして相手に断られた後に、本命の小さな要求をすることで、本命の要求を受け入れてもらいやすくするテクニックのこと

*5
せめてそこは魔女じゃんね(怒)

*6
先生と生徒が恋愛をするというのは!キヴォトスでは犯罪ではありません!

*7
キヴォトスで主流な連絡ツール。ほぼLINE。

*8
ただし、食事が出来ないアバンギャルド君は除く

*9
天井分約5万円





 ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!!

 実は本作、元々3月頃に執筆を終え、順次投稿する予定の作品でした。
 しかし、まさかのリオ実装という大事件を経て、事態は急変。

 結果、一切書き貯めはなく、お休みしていた2週間を除き、毎日一話ずつ死ぬ気で書き上げるハードスケジュールで投稿する羽目に。

 正直、執筆途中でどうしても詰まってしまった時など、もう止めにしようかと思ったタイミングは、何度あったか覚えていません。

 ですが、それでも毎日投稿を続けて、無事に完結を迎えることができました。

 これは本当に全て、たくさんの方が本作を読んでくれて、反応や感想などもたくさん残してくださったおかげです。

 改めて、本当にありがとうございました!!

 最後に、本作への評価や感想など残していただけるとめっちゃ喜びます!

評価(できれば高評価を……!)

感想(面白かったの一言だけでも構いません!)

 これからも執筆活動は続けるつもりなので、またどこかでお会いした時はよろしくお願いします!

 改めて、本当にありがとうございました!!
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