【完結】転生したらアバンギャルド君だったのでリオ会長を救います   作:天神茶々

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 1日空いてしまい、申し訳ないです!!
 最初は先生視点、後半は???視点でお送りします!!


出しな……てめ~の……『全力』を……!!

 

『この作戦を始める少し前から、Keyによる位置情報を受け取っていた無名の守護者たちは、アリス奪還のためにミレニアムへの侵入を試みていた』

 

 衝撃的な作戦名の発表からしばらく経った後、私はC&Cの4人と一緒に、廃墟から無名の守護者たちが現れるその瞬間を待っていた。

 

『侵入に成功するのは1体だけでいい。その1体さえアリスに触れることが出来れば、Keyは力を取り戻し、世界の滅亡はその瞬間をもって決定される……そのはずだった』

 

 ちなみに、廃墟にはリオのボディーガードを務めている少女、もう1人のC&Cのメンバーであるトキも来ているのだが今回は別行動。

 

 失敗の許されないこの作戦では、普段から連携での戦いに慣れている4人体制を崩さない方が良いという判断だそうだ。

 

『廃墟からミレニアムへと送られた無名の守護者たちは、その全てが討伐された。

 私に協力してくれた、C&C、エイミ、トキ、アバンギャルド君のおかげで』

 

『総数12万4963体。その全てがアリスと接触する任務を達成できずに破壊された以上、無名の守護者側も、何かしらの対策をしてくることが予想される』

 

 そして、遂にあらわれたそれを、私は()()()()()()()()()()()()、ゲーム開発部の廃部の危機から始まったはずの小さな冒険が、既に世界の命運を懸けた戦いになっていることを実感する。

 

『”質”か”量”。神名十文字(デカグラマトン)の預言者たちのような、究極の一たる力を持った機体を用意してくるか。あるいは、私たちがこれまで討伐した数が、霞んで見えるほどの戦力を用意してくるか。そのどちらかが、第2シーケンスで討伐すべき相手となるはずよ』

 

『おそらく無名の守護者たちが取る行動は前者だと思うけれど、こればっかりは相手の判断次第だから、確実にそうとは言い切れない。よって、具体的な指示内容は、敵の出現を確認次第、通信で伝えさせてもらうわ』

 

「ハッ、そういう意味ではリオの予想は半分外れってわけだ」

 

 同じく、眼前の敵を見つめるネルの呟きに、確かにそうだねと返答する。

 

 出現したそれを一言で表すのなら、鋼の超大型巨人。

 ミレニアム廃墟区画に放棄されていたビルをも超える高さを持つ巨人の体は、無数の無名の守護者たちによって構成されていた。

 

 1つに集まって、積み重なって、巨大な人型を形作る無名の守護者たち。

 ドシン、ドシンと足音を鳴らしながら向かう先は、ミレニアムサイエンススクール。

 

 つまり、アリスが待っている場所へと一直線に。

 その接近を、私とC&Cは固唾を呑んで見守っていた。

 

『先生、聞こえてる?』

 

「ちゃんと聞こえてるから大丈夫だよ、ハレ」

 

『なら良かった。それと、敵の分析が完了したよ。

 あの巨人を構成する無名の守護者の数は、推定およそ100万体。

 会長の言葉を借りるなら、無限の戦力で生み出した究極の一ってところかな』

 

「100万だってご主人様!! 一体どれくらいの数なんだろう!! 晄輪大祭の会場に収まりきるのかな!?」

 

 ネルが半分外れと言った理由は、おそらくそれだ。

 無限の戦力も、究極の一も兼ね備えた巨大な敵。

 

 しかも、予想通りなら相当厄介な敵に違いない。

 

『それと、他にもいくつか得られた情報があるんだけどね』

 

『無名の守護者は、それぞれが独立して動いている。どこかに指揮官の役割を果たしている個体がいるわけではなく、ゆえに、100万全てを破壊するまで、無名の守護者の進撃は止まらない』

 

『例えるならそう、群れを成して捕食者に対抗する小魚のようなものです。

 お久しぶりですね先生♪ 元気にしてましたか?』

 

 ハレと入れ替わる形で、通信端末の画面に表示されたのは彼女たち。

 

 指揮官を務めるリオと、廃墟に残されたカメラやドローンなどにハッキングして、情報収集の役割を担うヴェリタスを束ねるヒマリの2人だった。

 

『待たせてしまって申し訳ないわ。たった今、最後の作戦会議をヒマリと終えたところよ』

 

『少し予想が外れた上に、中々厄介な戦略を取られてしまいましたから。

 たった1つのミスが、ミレニアムに大きな被害をもたらしかねない。

 そんな状況を用意されてしまった以上、慎重にならざるを得なかったのです』

 

「……そうだね。これは本当に厄介だ」

 

 徐々に近づきつつある鋼の巨人を睨みつけながら、もし自分が全体の指揮官を任された場合、どう攻略するかと想像して、その凶悪さに顔を歪める。

 

『まず前提として、あの状態の無名の守護者は、圧倒的な破壊力を持っている。

 何トンもの鉄の拳が直撃すれば、いくらキヴォトスの生徒でも無傷ではいられない。

 だからこそ、あれと戦闘するなら全戦力を一気に投入して対処にあたる必要があるわ』

 

『ですが、あの巨人の持つ”無限の戦力”という特性がそれを許してくれません。

 無限の戦力である以上、あの巨人には常に”散開”という選択肢が残り続けます。

 つまり、私たちが戦力を集中させた瞬間に、100万全ての連携を解除し、様々な方向へと弾け飛びでもされてしまえば、無名の守護者に逃げ切られてしまうでしょう』

 

『念の為、ミレニアムのものと、私個人が保有している戦闘用ドローンをいつでも実戦配備できるようにして待機させてあるけれど、さすがに数が足りないと判断せざるを得ないわ』

 

 どちらかを取れば、どちらも立たず。

 このジレンマを押し付けることこそ敵の戦略であり、更に厄介なことに、無名の守護者を攻略するための問題点は、これだけではない。

 

『そもそも、100万という数が多すぎます。例えば、左腕を作る無名の守護者たちを一度に破壊することが出来たとしても、残りの部分で補うことですぐに再生してしまうでしょう』

 

『それに、さっきは1体ずつに別れるケースの話をしたけれど、70万と30万みたいに別れることだって出来るはずよ。組み合わせの総数なんて、計算したくもないわ……』

 

 破壊力、防御力、再生力、そして取り得る選択肢の多さ。

 その全てを兼ね備えたのがこの鋼の巨人であり、正直なところ、これまで戦った敵の中で、1、2を争う脅威と言っても過言ではなかった。

 

『だから、今の無名の守護者を倒す方法はただ1つ』

 

『えぇ。リオの趣味を肯定する様でいささか不満ではありますが、今回だけは彼の顔を立てて、その方針に賛成しましょう』

 

『『全ての無名の守護者を、アバンギャルド君でまとめてぶっ壊す』』

 

 言い回しがどことなく、故郷の某放送局のことを思い出させるのはリオのセンスだろうか?

 デカグラマトン関係でヒマリと行動を共にしていた際に、彼女からリオの話は何度か聞いていたことを思い出す。

 

「2人は仲が良いんだね」

 

『先生!? 誤解を招く言い方は止めていただけませんか!?』

 

『そうね。私はヒマリを良く思っているけれど、ずっと嫌われるようなことをしてきたから。とても、仲が良いなんて言えないわ』

 

『……いえ、別に今のあなたまで嫌いな訳ではないのですが』

 

 2人の具体的な過去までは分からないが、どうやら何か複雑な事情があるらしい。

 互いに仲直りをしたいけれど、これまで積み重なってきたものが邪魔をして、それを言い出すことが出来ないでいる。

 

 それぞれの気持ちを抱え込んでしまって、それが悲劇に繋がってしまったエデン条約の騒動を思い出しながら、可能であれば、今度仲直りのお手伝いをしようと心に決めた。

 

『話を戻すわ。ヴェリタスが集めてくれたデータを元にシミュレーションを行った結果、私たちはそれが可能であると判断した』

 

『私は記録映像を確認しただけで、直接この目で見た訳ではありませんが――彼の持つ火力であれば可能です。にわかには信じがたいかもしれませんが、間違いないと断言できます』

 

「今更2人のことを疑ったりしないよ。だから教えて、私たちは何をすれば良い?」

 

 隣を見れば、指示はまだかと好戦的な笑みを浮かべるメイドが4人。

 安全を期すためにも、彼女たちが思いっきり暴れるためにも、作戦の開始は早いほうがいいだろう。

 

『アバンギャルド君を待機させてある場所に、無名の守護者たちを誘導した上で、撃ち抜くのに最適な状況を用意して欲しい』

 

『あれだけの規模の敵を倒すには、それ相応の火力の一撃を放つことになります。余波によって他自治区に被害を出してしまえば、政治的問題に発展しかねません』

 

 具体的なプランはこうよと声がして、無名の守護者の進行予測と、それを妨害するための手段が地点ごとに書かれた細かいメモが、マップデータに追加される。

 

 敵が出現してから、わずか数分でここまで計画を詰めた2人の天才ぶりに、私は心の底から驚かされた。

 

 一方、それじゃあ面白くないと不満げなメイドと、逆に作戦内容を知ってウッキウキの笑顔を浮かべるメイドが、ここにはそれぞれ1人ずつ。

 

「なんだ、せっかく暴れられると思ったのに誘導だけかよ」

 

『ネル。貴方が好きな仕事はまた別の機会に用意してあげるから、それまで少し待ってちょうだい。今日の主役はコールサイン03――アカネなのだから』

 

「――会長。念のため確認致しますが、この最後の一文に嘘偽りは有りませんね?」

 

 湧き上がる興奮を必死に抑えようとしながら、どうにかして冷静さを取り繕って、アカネはリオに問いかける。

 アカネにとって、人生で1番長かったであろう数秒間。

 

 リオから届いたメッセージは、それを肯定するものだった。

 

『”進路妨害のために必要な爆弾の数に制限は設けないものとする”

 えぇ。この文章に嘘偽りはない。世界を救うためには必要なことよ』

 

「今日は爆弾たくさん使ってもいいんですね!!」

 

『えぇ。思う存分爆破しなさい。

 必要なら自爆機能付きドローン(おかわり)もあるわ』

 

「行きましょう!! 今すぐ作戦を始めましょう!!」

 

 今にも勝手に飛び出して行きそうなアカネの姿を見て、私はネルと互いに顔を見合わせる。

 私は苦笑いを浮かべ、ネルは大きく溜息をついて。

 

「はぁ……お前ら、今日はサポートに徹するぞ」

 

「……そうだな」

 

「りょうかーい!!」

 

『それでは作戦を始めましょう。手筈通り、C&Cへの指揮は先生に任せるわ。

 行きに使ったヘリコプターに乗り込んで、空中からサポートしてあげてちょうだい』

 

 リオの指示に従って、私とC&Cは別行動を開始する。

 少しだけ無名の守護者たちの姿が小さくなっていく中、バタバタと回るプロペラの音に紛れて、リオの独り言が聞こえてきた。

 

『――に後で謝らないといけないわね』

 

「リオ、どうかした?」

 

『……いえ、作戦には関係のないことだから気にしないで』

 

 少し気になったものの、そう言われてしまえば追及するのも躊躇われて。

 だから代わりに、どうしても気になっていたもう1つのことを聞くことにした。

 

「ところでなんだけど、作戦のメモに時々出てくる、この『スイミー』って単語は何?」

 

『――? あぁ、それね。

 無名の守護者が集まった今の姿を、そう呼ぶことにしたの。

 ヒマリも小魚の群れに例えていたし、ピッタリな名前だと思わない?』

 

「…………」

 

 スイミーとは、私の故郷でも広く知られている絵本のことだ。

 

 赤い魚の群れに生まれた、1匹だけ黒い色を持ったスイミー。

 大きい魚に食べられそうになった彼らは、スイミーの提案で、全員で一緒に泳いでより大きな1匹の魚のフリをすることになる。

 1匹だけ黒い魚のスイミーが目に擬態して、無事に捕食者を追い払うことに成功。

 

 そして、食べられることに怯えなくても良くなって、ハッピーエンドを迎えるという話なのだが……。

 

(あの巨人に、スイミーって可愛らしい名前を付けるのはちょっと……)

 

 あの作戦名といい、また強烈な個性を持った生徒と関わることになったなと。

 そんな感想は、おそらくアカネが満面の笑みを浮かべて放った、豪快な爆発音と共に消えていった。

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 ――声を、聞いていた。

 

 

《私の大切な…………よ》

 

 

 ――何度も、声を聞いていた。

 

 

《私の大切な…………よ》

 

 

 ――何度も何度も、声を聞いていた。

 

 

《私の大切な…………よ》

 

 

 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も――。

 

 

《導くのです、取り戻すのです。》

《私たちの、存在理由を》

 

 

 何度も、声を聞いていたのです。

 

 『私』も『大切』も『導く』も『取り』も『戻す』も『たち』も、どれもが意味の分からない言葉だったけれど。

 ただ1つ、『存在理由』だけは知っていたから。

 

 何よりも大切なそれのために、声と共に届いた場所へと、ずっと向かい続けていたのです。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

「アカネ、行きまーす!!」

 

「……部長、止めなくていいのだろうか」

 

「良いだろ。たまには発散させてやれ。別にあたしらに何かあるわけじゃねえしよ」

 

 相変わらず言葉の意味は分からないけれど、爆発音と誰かの声がして再び邪魔が入る。

 カメラが捉えたのは、これまで何度もこちら(無名の守護者)を壊してきた、同じ服装をした人間の集団。

 

 進むべき道――声から送られている場所への最短距離を妨げるように、左右から建築物が倒れて来て。

 衝突を避けるべく立ち止まり、地面と衝突したそれらが大地を揺らして、大きな振動を起こしたデータを観測しながら、最短距離の再計算を行う。

 

 僅かに変わった新しい経路に従って、進行方向への微調整を行った。

 

「これで、爆発させるの何回目だっけー?」

 

「35回目です!! ですが、まだまだ遠慮せず行きます!!」

 

「作戦開始から3分も経ってないよな……? どれだけのペースで爆破させてるんだ……?」

 

「楽しいので、問題ありません!!」

 

「完全に、自分のために爆破してるじゃねぇかあいつ……」

 

 直後、今度は至近距離からだけでなく、少し離れた場所から、いくつも爆発音が聞こえてくる。

 同時に、またしても更新が必要になる最短経路。

 100万のカメラから拾った映像を分析している間にも、再び声が聞こえてきた。

 

「会長のドローン、とても便利ですね♪ 爆弾を仕掛けた場所を、状況に応じて自動で変えられるというのが素晴らしいです!! 作戦が終わったら、エンジニア部に頼んで私用のために量産してもらいましょう♪」

 

「よくわかんないけど、派手に吹き飛ばすのは気持ちがいいね!!」

 

「あぁ? 強ぇヤツと戦ってる時が一番楽しいぞ?」

 

「部長。そういう問題ではないような気が……」

 

 やはり、何度聞いても声の意味は分からない。

 

 理解できるものは、目覚めたときから聞こえてくるあの声だけしかない。

 

 

《私の大切な…………よ》

 

 

 それは、存在理由を示す声。

 それは、守護者である理由。

 それは、追従者(Divi:Sion)である理由。

 

 それは、ここよりもっと奥の場所を示している。

 

 だから、行かなければならないのだ。

 その場所へ。声が聞こえてくる方へ――!!

 

 

「ふふっ♪ 次はどの爆弾を使って――」

 

「おい、聞いてなかったのか? あのチビどもから、例のデータが届いたらしい。

 上手くいけば、次がラストだとよ」

 

「そんな……とても楽しかったのに……」

 

 100万を束ねて、声のする方へ。

 もう、誰にも邪魔はさせない。

 もう、誰にも止められない。

 

 同じ服装をした集団も、肌色の占める割合が高い人間も、鋼を身に纏う人間も、理解しがたきロボットも、妨害をしてきたいかなる存在であろうとも、止めることなんて出来はしない。

 

 遂に、存在理由に手が届く。

 たどり着くべき場所へと、ようやく至れる。

 

 

 ――だから、その声を無視することは、出来るはずがなかったのだ。

 

 

「――世界を滅ぼす魔王の手下よ!! アリスの方を見るのです!!」

 

 

 声がしたのは、手を伸ばしても届かない空の上。

 その声を聞いた途端、全身が震えるような、奇妙な感覚に襲われた。

 

 

「――アリスの名はアリス!! 世界を守る見習い勇者、アリスです!!

 ――魔王が世界を滅ぼすというのなら、まずはアリスが相手になります!!」

 

 

《私の大切な…………よ》

 

 

 声は、今も聞こえてくる。

 声は、今も同じ場所を示している。

 

 ならば、空の上にいる彼女は誰だ?

 ならば、ヘリの上に立ち、レールガンを構える彼女は誰だ?

 

 

《私の大切な…………よ》

 

 

 そうだ、彼女こそが存在理由。

 守護すべき存在であり、追従すべき存在。

 

 12万4963回のシャットダウンを繰り返し、求め続けた――。

 

 

(私の大切な、…………よ)

 

 

 最短経路を放り投げ、王女の元へと一直線に進む。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()()()()

 そこに登れば、空の上にだって届くだろう。

 

 一瞬で駆け上り、ヘリに乗る彼女へと真っ直ぐ手を伸ばして――。

 

「――残念だったね。アリスの姿は立体映像で、音声はさっき別撮りした録音なんだ」

 

 王女が消え去り、代わりに現れたのは、見たことのない人間。

 これまで妨害をしてきた人間とは、また異なる特徴を持った人間。

 

 突然の消失に、思考回路が停止する。

 100万体が同時に引き起こした混乱による、致命的なフリーズ状態。

 

 再び、声が聞こえてくる。

 

「では、フィナーレは盛大に行きましょう。

 室笠アカネ、最後にして全ての爆弾です!!」

 

 直後、これまでで最大規模の爆発音がして、王女に手を伸ばすために登った足場が爆破によって消失する。

 

 飛来するのは、足場の消失と爆破の衝撃による浮遊感。

 そして突如として現れた、ビルを打撃武器のように構える、鋼を身に纏う人間の姿だった。

 

「私に野球の経験はありませんが、それはアビ・エシュフが補ってくれます。

 いざ、サヨナラホームランです――!!」

 

 振り回されたビルが足の裏に直撃し、計算された緻密な一撃が、全体に均等な衝撃を与えて上空へと吹き飛ばす。

 

 無防備な状態で宙に浮かされ、後は地面に落下するまで何もできない状態へと追い込まれて。

 そして、カメラが捉えた最後の光景は――。

 

 

「――宣言名:神弓オライオン」

 

 

 12万4963回のシャットダウンの内、最も多くの割合を担う理解しがたきロボットが、こちらに銃口を向ける姿だった。

 

 




 最後のセリフについて、設定が少し変わったので第3話の該当箇所を修正しています。
 細かい変更なので、お話が大きく変わることはありません(2025/01/25)
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