ファンタシースターオンライン2ニュージェネシス if 激動のハルファ 作:FY
第1話 2人の星渡り
「…ここはどこなんだ?狭い…?」
僕は目を覚ますと、狭い何かの中にいた。体を動かそうとするが上手く動かせない。怪我でもしているのかと思ったが特に痛みは感じない。何回か体を動かそうとすると突然警報音が鳴り始めた。
「なんだ?!」
警報が鳴り、機械音声が衝撃に備えろと言っている。正直、狭いし体動かせないのにどう衝撃に備えろと言うのか。その衝撃が来たら僕はどうなるのか、訳分からないまま僕は死ぬのか、と頭の中がいっぱいになった。そして次の瞬間、ズドンッ!と衝撃が来たが思った程では無かった。
「し、死ぬかと思っ…た…ぁ。」
死なずに一安心していると前からドンドンと叩く音が聞こえる。
「おーい!大丈夫? 」
誰かの声が聞こえた。助けて貰えるかもしれないがあいにくここからどうやって出れるのか分からない。どう開ければいいのか考えていると目の前が眩しくなった。これの扉が空いたらしい。それと同時に僕の体が動かせるようになった。
「あっ!開いた!そこそこ背の高い女の人!ねぇ、君、大丈夫?怪我は無い?」
「は、はい…。」
僕はヨロヨロと立ち上がる。足に力が上手く入らない。地面は砂だった。当たりを見渡すと海が見え、とても綺麗だ。景色に見とれていると砂に足を取られずっこけた。
「うおっとと、危ないよ?いきなり歩き始めたら。」
そういうと声をかけてきた女の子は僕の手を取って立ち上がるのを手伝ってくれた。
「ありがとう。…いきなりで悪いけどここはどこなの?」
「ここはね…エアリオタウンだよ!海沿いの小さな町!まぁここはエアリオタウンの離れ小島だけど!」
「そう…なのか…。」
エアリオタウン…聞いた事のない名前だ。そもそも僕はどこから来たんだ…?思い出せない…。なんでだ?
「ああ、名前言ってなかったね!私はミヌっていうの!君の名前は?」
僕の名前…。普通ならすぐに答えられるであろう質問に答えられない。思いつきの名前でいいかな…。ちょっと嘘をついたっていう罪悪感はあるけど。
「僕は…僕は、ゼノア…です。」
その場で思いついた名前を言ったがまぁ大丈夫だろう。でもなぜだかしっくり来た。
「ゼノアかぁ!なんか響きいいね!これからよろしくね!もうすぐ日も暮れるからエアリオタウンに行こうか!」
僕はとりあえずミヌについて行くことにした。町の人に僕のことを知っている人がいるかもしれない。動かなきゃ何も始まらないし。
「ここから少し飛んで海を渡るけど大丈夫?飛べる?」
飛ぶ?今そういったのか?そんな事出来ないと思うのだけど…。
「よっ!」
ミヌが崖から飛び降り、浮遊し始めた。飛べるんだ。これが普通なのか。僕が普通に空中を浮遊するミヌに呆然としているとミヌが大丈夫だよと言ってきたが僕は全く大丈夫では無い。
「僕はそんなこと出来ないよ!?」
「足に力を入れて浮こうとすればできるよ!」
「もう…やってみるしかない!!」
やけくそで崖から飛び降り言われた通りにすると本当に浮くことが出来た。物は試しというのはこういうことなのか。
「このままあの目の前のエアリオタウンに行くよ!」
空を浮くこと数分、やっと地上に足が着いた。別に飛んでいるあいだ疲れるということはあまり感じなかったが、緊張のせいからか、精神的に少し疲れた。エアリオタウンに着いてしばらくの間、そこの人達と話をした。どこから来たとか、ここに来る前の記憶はあるのかとかを聞かれた。手がかりも見つからなかったが、タウンのみんなはとても優しく、見ず知らずの人でましてや空から降ってきた僕を怪しむことなく接してくれた。住民の人によると脱出用ポッドのようなものに乗ってで落ちてくる人達のことをこのハルファの大陸の人達は「星渡り」と呼んでいるらしい。しかもこのエアリオタウンに星渡りが落ちてきたのは今日で2回目らしい。そして少し前にマノンという人が落ちてきたんだとか。今日自分より先に落ちてきた人はどこにいるのかと尋ねると、このエアリオタウンのリーダー的な立場の人の家にいるという。その話を聞いた僕はすぐにその人の家に向かった。他の家より少し大きいので分かりやすかった。家の外に4人の人影が見える。僕はそこに向かって行き、そのリーダー的な人と対面した。
「お前さんが今日で2人目の星渡りだな」
リーダー的な立場の人であるだけあって威厳がとてもある人だった。僕は少しその存在感というか威圧感というかそれに気を押された。
「そ、そうなんですか?(星渡り?)」
「怪我はしてないようだし無事で何よりだ。おっと、自己紹介を忘れてたな、俺はガロア、一応エアリオタウンのまとめ役的な感じだ。よろしく!ゼノア!名前はもうミヌから聞いている。…見たところ武器は既に持っているようだな。その形状的に…ナックルか。」
「落ちてくる前までの記憶は無いんですけどなんか初めから持ってたっぽくて。」
僕の発言にガロアは頷きながら次のように言った。
「星渡りは皆ハルファに来るまでの記憶が無いようだな。ここまで何人も星渡りが来たが記憶が少なからず残っていたのはマノンだけか…。まぁ、考えるのは後でいいな。」
どうやら記憶が無くなってしまったのは自分だけではないらしい。マノンは奇跡的に覚えているだけなのだろう。正直、ここまで手掛かりもないならここから第2の人生ってことでここに来る前の事を気にしないようにしようと思った。
「あ!お父さん!その人達誰?」
「おお、アイナ!歓迎会の手伝い終わったのか?」
「うん!いつでも出来るって!」
「よし、じゃあ今日来た星渡りのお二人さん!今夜はあんたらの歓迎会だ!浜辺にいくぞ!」
「は、はい!」
僕はガロアについて行くと浜辺にエアリオタウンのみんなが集まっていた。
「ガロアさん!準備万端ですよ!」
エアリオタウンの先に準備していた人が笑いながら言った。
「よし、今日は星渡りが2人も来た!その2人に…乾杯!」
その乾杯の掛け声とともに歓迎会は幕を上げた。
「いきなり来たのになんだがすみません、ガロアさん。」
「なぁに、この町に落ちてきたのも何かの縁さ!歓迎するぞ、2人とも!あ、あと自己紹介をみんなにしてくれないか?」
「わかりました!ガロアさん!」
「そう堅苦しくならなくていいぞ?ガロアでいい。」
「わかった!ガロア!」
ガロアに背中を押され、ステージ台に立って自己紹介をした。まぁ、自己紹介って言っても名前だけだけど。というかこの名前もとっさで言ったやつだし。とにかくここからが僕の第2の人生だな。そういえば僕より先に落ちてきた人も自己紹介するのか。しっかりと聞いておこう。しばらくしてその人がステージ台にたった。
「アタシはネルア!よく分からないままここに着いたっぽいけど、これからよろしく!」
ネルア…か。なんだか姉貴気質な人だな、頼りになりそう。僕もこの歓迎会を楽しもうっと!…そうして2時間くらいだっただろうか?歓迎会がもうすぐで終わりを迎えようとしている。ネルアとも仲良くなれたし良かったがなんだか胸騒ぎがする。そう思った次の瞬間だった。海の方から赤黒い閃光が輝き始めたのだった。
第2話に続く
個人的によく出来たとおもう。