ファンタシースターオンライン2ニュージェネシス if 激動のハルファ   作:FY

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寒すぎる


第10話 もう一人のヒスイ

「アカネェェェ!!」

 

アカネが怪我をしているのを見つけてわたしは周囲に誰かいるか確認した。しかしドールズの気配もその他エネミーの姿の気配もない、むしろ静か過ぎる。何だこの静けさは…それにアカネがやられるなんて余程強いやつじゃないと…。

 

「とにかく出血止めないと…!」

 

私は必死で体のあちこちの止血を試みる。

 

「クソぉ!止まらない、止められない!アウルア、救難信号を司令部に!」

 

『了解、救難信号を司令部に送ります』

 

「…頼む…早く来てくれよ…!」

 

「おっ、やっぱり来たかぁ、ヒスイぃ!」

 

「誰だ!」

 

声がした方に目を向けると、その方の崖の上に私と同じ姿をした人が立っていた。服の色とかが違うようだが…

 

「わ、私…?噂のドッペルゲンガーってやつ…なのか?」

 

「んなわけねぇだろがぁ!タコがよォ!くははははははっ!」

 

「何をぉ!それにやっぱり来たか、ってどういう事?…まさか私を誘い出すためにアカネを?」

 

「ご名答!察しが良くて助かるよぉ!そんでまぁ、単刀直入に言おう、ウチと勝負しなぁ!」

 

「ふざけるな!アカネがこんななのに戦える訳…」

 

「おっと、断ったらアカネにトドメをさして殺しちゃうぞぉ?ふははははっ!」

 

「くっ、やるしか…ないか…。アウルア、援軍の到着まで後どのくらい?!」

 

『推定10分です』

 

「10分…耐え切れるのか…?アカネを倒せるやつに対して…?」

 

「おっとぉ、援軍呼んでも無駄だよ無駄無駄ァ!ドールズを呼んで足止めしてやるからなぁ…!」

 

「ドールズを呼ぶだと?!一体何者なんだ!答えろ!貴様ッ!」

 

「そう言われて敵にはい、なになにです。なぁーんて答えるマヌケは居ないぜぇ!はははははははっ!」

 

「チッ、こいつ…!」

 

私はどうにか隙を見つけて逃げ出そうとしたが、直ぐに回り込まれて退路を塞がれてしまった。

 

「今手持ちにあるレスタサインとリバースサイン全て使ってもアカネの怪我の完治は無理だ…、今は抑えれてるとしてもこのままじゃ死んじまう…。やるしか…ない!」

 

アカネを近くの木の根っこのところに寝かせて安静にさせ私は、もう一人の私の方へ向かった。

 

「お?やる気になったようだなぁ!予言してやるよ、お前は1発も俺に攻撃を当てることが出来ない!」

 

「へっ、やってみないと分からないよなぁ?いざ!」

 

「勝負ゥゥ!」

 

私はツインセイバーを装備し斬りかかったがもう一人の私が同じツインセイバーで相殺し、私の攻撃を弾き、その衝撃で、武器を落としてしまった。

 

「しまった、武器が!」

 

「フフフ…フハハハハハハハッ!弱いな!」

 

「まだまだぁ!」

 

体勢を立て直し、武器をツインダガーに切りかえたものの目にも止まらぬ速度でヤツが私の横を過ぎていった。そして気が付いた時には私の右手からダガーが無くなっていた。速すぎて気付くことが出来なかった…!

「あれ…?片方は?どこ?!まさか…まさかァ!」

 

私は急いで過ぎ去った方向を見るとヤツが不気味な笑みを浮かべてこちらに突っ込んできた。

 

「そぉーらよ!」

 

そのままヤツは右横腹を私から盗ったダガーで斬り裂いた。有り得ないくらいの激痛が体に走った。

 

「ぐぅぅ!や、やられた!腹を…!ゲホッ…ゲホッ!まずい、3日前のが完治してないから…、このままだとぉ…!でも引く訳にはぁぁぁ!」

 

私は何とか痛みを我慢し、ナックルを装備する。最後の力を振り絞ってヤツに殴り掛かるも、その攻撃完全に受け止められた。それどころか反撃でみぞおちと腹を殴られ、姿勢を崩した瞬間顔を殴られて、あまりの威力に耐え切れず、仰け反った瞬間に蹴られ、空中に打ち上げられたと思えばそのままかかと落としを私の胸部に打ち込んだ。そして私は地面に叩き落とされた。

 

「…つまらんなァ。本当にウチのオリジナルなのかぁ?」

 

「な、なんだ…と?私がオリジナル?なんのだ?」

 

「そう、オリジナル。一応お前は1000年前のアークスの中でもだーいぶ強い人だったらしいけど所詮1000年前の話だし、例え体が強くても中身がダメダメなら意味無いかぁ!」

 

「はぁ…?お前は何を…ゲホゲホッ!…な、何を言ってるんだ…よ…?」

 

「だから、器が良くても中身がゴミなら意味を成さないって話さ。」

 

「私が聞いているのは…そっちじゃない!その、1000年前のどーたらこーたらの方だよ!ゲホゲホッ、ゴホッ!」

 

「あぁーそっちかぁ!勘違いしちゃったよごめんごめーん!あっはははははははは!まぁー、それは秘密だよ!」

 

「ちっ、チクショぉぉぉぉ!貴様ァ…!ァ…あ、あれ…?身体が…動かな―――」

 

 

――――――目の前が少しずつ

 

――――――真っ暗になっていく

 

 

――――――もう、ダメだ…

 

 

「ヒスイ!来たぞ!」

 

――――――この声は…

 

 

「クロフォー…ド?き、来てくれた…!」

 

 

「ヒスイ君、彼女は一体…君と瓜二つだが…」

 

「知らな…いわ…よ!はぁ…はぁ…はぁ…!」

 

「あ、悪い、回復させてなかったね。当然完治とは行かないが多少は動けるだろ?」

 

クロフォードはリバースサインを使用し、ヒスイの怪我を多少マシにした。私は頑丈だからこのくらいならリバースサインを使えば動けはする。

 

「ありがとう、どうする?逃げる?」

 

「このまま追われて街に被害が出たら困る、多少足止めをしておこうか。」

 

「あいよ!仕返しだっ!てぇぇぇやぁ!」

 

ヒスイがヤツの懐に一瞬で潜り込み、ヤツの顎にアッパーを入れた。

 

「おらァ!」

 

「ちぃ…!なんだ突然よぉ!」

 

「さっきボコボコに出来たからって油断したな!私は初撃は速いんだ、これでお前の気は引けた。クロフォードぉ!」

 

「ああ、悪いが少々止まってもらうぞ!」

 

「何ぃ!」

 

パキパキパキパキパキ…!

 

ヤツの足元に氷の塊が出来て広がっていき、ヤツの体を徐々に包んでいく。

 

「こ、こいつはァ!余計な事をぉぉぉ!アガっ…。」

 

やがてその氷はヤツを完全に包んだ。

 

「これはあくまで一時的なものだ!アカネを連れてセントラルシティに戻ろう!」

 

「ああ、アカネ…手当してやるから耐えろよ!」

 

「ヒスイ、急げ!あの氷は長くは持たないぞ!」

 

私はアカネを背負い、

 

「わかってるよクロフォード!」

 

「にしても彼女は一体…?」

 

「最後にヤツに一言言っておこう。」

 

私はヤツの方向に向かって叫ぶ。

 

「おーい、次会うときはぁ!完膚無きまでぶっ飛ばし潰してやるからなぁ!クソ野郎ぉぉぉ!」

 

「…はは、ヒスイ、キレてるね…。」

 

ヒスイのキレ具合に少々引き気味のクロフォードであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

第11話に続く




いつまでこの寒さは続くのか
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