ファンタシースターオンライン2ニュージェネシス if 激動のハルファ   作:FY

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第14話 無断出撃 後編

ロストセントラルへ向かって色々調べて欲しいと依頼を受けたヒスイは自身のクリエイティブスペースで出発の準備をしていた。

 

「無断で行く事になるけどバレなきゃいいよな。私が2日間も大人しくしているなんてそうそうない事だぞ。流石にわざわざ探すなんて…いや、しそうだな。一応ゼノア達にもバレないようにしようかな。嘘つかせてもどっかでボロが出るだろうし。」

 

ヒスイは独り言を言いながら誰かが来る前にと、そそくさと準備を終わし、クリエイティブスペースを後にした。その後誰にもバレないようセントラルシティのリューカーデバイスを使用してクヴァリスリージョンのロストセントラルへとテレポートした。

 

「よし、到着っと。かなり久しぶりにロストセントラルに来たかな?」

 

一瞬にしてロストセントラルに到着し、それからヒスイは懐かしさを感じながら周囲を散策する事にした。

 

「さてさて、何かあるかな?相変わらず瓦礫だらけだけど役に立つものなんて見つかるのか。」

 

「それは探索してからのお楽しみ〜!だぞ?」

 

突然なんの前触れもなく依頼者が通信してきたが何やらテンションが高い。高すぎるテンションに引きつつ、何かいいことがあったのかとヒスイは考えながらも返事はせずに探索を続ける。

 

「おい、無視するなよ。」

 

しばらく返事せずにいるとつまらなそうに依頼者に彼女は地味に怒り口調でそう言われた。

 

「人に頼んでおいてそんなにハイテンションで話してくるなよ。第一に私はお前の名前すら知らないんだぞ?」

 

「あれ、名前言ってなかったっけ?」

 

「言ってないだろ。あんた大丈夫か?初めて話したのはつい数十分前の事だぞ。」

 

「いやぁ、悪かったよ。名前を言うのを忘れてたよ完全に。そんじゃあ自己紹介させて貰うよ。」

 

「うい。」

 

彼女は適当に返事しつつ、不安定な足場に気を配りながらロストセントラルの中心部に進んでいく。

 

「ちょっと、人が自己紹介するってのに興味無さすぎでしょ。」

 

ヒスイのあまりに適当過ぎる返事に依頼者はネチネチと文句をつけるが彼女は全く反応しない。そんな文句が数分続き、やっとこヒスイは反応した。

 

「そりゃお前…こんな所に長居したくないから急いでるんでしょうが。さっきから嫌な予感がするし。昔来た時よりも空気が重いというか雰囲気が暗いというか…。」

 

「それなら気分転換にわたしの名前を聞きなさーい!」

 

「へいへいさっさと名乗ってください。」

 

ヒスイがまた適当に返事をしたので少々怒りながら依頼者は自己紹介を始めた。

 

「私の名前はだな、ロナと言うんだ。どうだ?いい名前だろう?」

 

「うんいいなまえだねー」

 

「キサマぁ!さっきから適当に返しやがって!ムキー!」

 

ロナが通信機越しに大声で叫んだ為、ヒスイが耳に付けている通信機器から大きな音がヒスイの鼓膜に直撃した。

 

「うっ…!ちょっと叫ばないでよ耳壊れるでしょうが!耳悪くなったらどうしてくれんのよ!」

 

ヒスイもマイク部分を口に近付けて大きな声でそう言うと、スピーカーの部分から叫び声と何か物が複数落下する音が聞こえた。

 

「ちょっと!脅かすんじゃないわよ!椅子から落っこちたじゃない!」

 

「はぁ?!元はと言えばお前が叫ぶからだろうが!」

 

「なんならそれこそあんたが私の事を軽くあしらうのが悪いんでしょうが!」

 

「はぁ〜?!」

 

「キサマぁ〜!」

 

2人とも喧嘩に夢中になっていてロストセントラルの中心部に到達していたことに気付いておらず数分間そこで通信機越しに怒鳴り合っていた。ヒスイの大きな声に反応したのか数体のドールズがヒスイへ迫っていく。するとロナがレーダーの反応に気付きヒスイに「避けて!」と叫んだ。それを聞いたヒスイは咄嗟に地面を強く蹴り、その場から離れた。

 

「…デザス・ガンか。わざわざ腕に銃がくっついてるのにわざわざ殴りに来るとはね。ドールズって頭良いのか悪いのか分からないな。まぁいい、殴り倒すだけだ!ロナ、ここで付近にいるドールズを全て返り討ちにする!近いやつから方角を言ってくれ!飛び付いてきた瞬間に叩き落とす!」

 

「言われなくてもわかってるわよ!とにかく今は目の前のやってからよ。」

 

2人はさっきの緊張感の欠片も無い状態から直ぐに戦闘態勢を整えた。まず、ヒスイは正面のデザス・ガンを叩きのめすと、裏からドールズが1体飛び掛ってきた。

 

「ヒスイ、1メートル後ろ!」

 

ロナがレーダーを見てドールズの位置とヒスイまでの距離を確認し、指示を送る。

 

「あいよ!くらいなぁ!自慢の裏拳を!」

 

そう言うとヒスイは姿勢を低くし、身体をねじる様に右足を軸に1周右回転をして、ドールズの攻撃を掻い潜り奴の背中に重い一撃を食らわせた。ドールズは背後から強い衝撃を受けたことにより、姿勢を崩して倒れる。その隙を逃さず的確にドールズの黄色に光っているコアのある胸部をナックルで貫いた。ボロボロになったドールズは徐々に形を失い、小さな青く輝く粒子になって消えていった。

 

「さて、3体目!ロナ!」

 

「ヒスイの2メートル右斜め後ろ!」

 

「割と距離あるな…ならば…!」

 

ヒスイはドールズのいる方を向いて、再び姿勢を低くした。そして地面を強く蹴り、大きく前に踏み出しそのまま二歩目でもう一度地面を蹴り、ナックルを思いっきり前方へ突き出しながら前へ突進した。

 

「うォォォォォッ!」

 

そのままヒスイはドールズの胸部をぶち抜き、先程と同様に消滅していった。

 

「ヴァァァッ!」

 

突如ヒスイの近くから低い威嚇するような声がした。

 

「まさか…」

 

「ヒスイ!気を付けろ、原生種だ!しかも鳴き声的にロックベアだ!」

 

「よりによってこんな時にそんな面倒なのが…!」

 

ロックベアは惑星ハルファに生息する原生種であり、ドールズとは別物だが人を見掛けるなり攻撃してくるのでアークスからはエネミーと判断されている。投石やその巨体を活かした突進、殴打が得意でありドールズではないと言えど油断すれば危機的状況に繋がりかねないので場合によっては直ぐに撃破した方がよいエネミーである。

 

 

「死角からの投石に気を付けろよ、ドールズもいるからね!」

 

「わかってる、にしても突然大量に出てくるじゃないか。エネミー共。」

 

「それを調べる為にも今はこいつらをどうにかしないと。投石はレーダーじゃ分からない、石は目視で避けろ。それとドールズと原生種の位置ははっきりしているから先に攻撃精度の高いドールズから叩こう。石は最悪叩き割れるだろ?」

 

「もちろん、私なら出来るぞ。」

 

「なら決まりね。さっさと片付けて調査再開よ!」

 

「一応言っておくけど戦ってるのは私だからなぁ!?」

 

愚痴をこぼしつつもヒスイは残りのドールズの殲滅に当たった。さほど時間は掛からずに終わり、ロックベアも1体しか居なかったため楽に倒せた。

 

「さて…何か役に立つ物が見つかるといいが…。」

 

ヒスイはそう呟いてロストセントラルの探索を再開し、日が暮れかけた頃にやっとこ何か手掛かりになりそうなものを発見した。

 

「これって…なんかの部品?部品っていっても見かけた事ない部品ね。まっ、調べるのは後でいいや。とりあえず日が暮れてきたしそれ持ってセントラルシティに帰ってきてね。」

 

ロナが満足気な表情をしながらそう言った。

 

「にしても、人使い荒いなぁ?随分と。」

 

「まぁまぁ帰ってきたらちゃんとお礼渡すからさ、怒らんといてよ!」

 

「ほーぅ?期待してるよ。クソ要らないもんだったらナックルでぶっ飛ばしてやるからな?」

 

「きゃーコワイコワイ。」

 

「さて、と。テレポートしてセントラルシティに戻るとするかな。」

 

ロストセントラルに来た時と同じようにリューカーデバイスを使いセントラルシティへテレポートした。そしてその先で…

 

「…ちょっといいかなぁ?ヒスイぃ…。」

 

セントラルシティに着いたヒスイの目の前にはちょっといつもより怖い顔をしているクロフォードが立っていて、声を震わせヒスイへ近付いていく。

 

「あばばば…ちょ、ちょっと?クロフォードなんで怒ってるのかな?…へ、へへ。」

 

「3日間…アークスとして活動するなって言ったのになんでこうも君は毎回毎回話を聞かないかなぁ!」

 

「いや、それはな色々事情が…ぅげぇっ!」

 

ヒスイがロナの事を言おうとするとクロフォードは素早くヒスイの裏に回り込み、有り得ないくらいの力で服の襟を掴んで引きずってセントラルタワーの方へ向かっていった。こうしてヒスイは数時間に及ぶ説教を司令部で受けることになったのだった。

 

 

 

 

第15話へ続く

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