ファンタシースターオンライン2ニュージェネシス if 激動のハルファ 作:FY
ヒスイがクロフォードによって司令部に連れて行かれてから3時間後…彼女はゲッソリした顔をしながら彼女自身のクリエイティブスペースに戻った。
「3時間…説教って長過ぎる…。もう日が暮れたよ、夜だよ、長すぎんだろうが!ちぇーっ。」
ベッドに飛び込み、枕に顔を押し当てながらそう愚痴を叫んだ。すると2階から階段で誰かが降りてくる音がした。
「ヒスイー、僕今風呂出たから風呂入っちゃいなよ。」
「ん?あぁ、ゼノアか。わかった、すぐ入るよ。…あー、なぁゼノア、私が家でゴロゴロしてた2日間と私が出かけてた1日の時何してたんだ?」
「えーっと、まずヒスイが待機してた初日と2日目はルシエルっていうハルファの上空の浮かんでる建造物の中を探索してたんだ。他の何人か集められたアークスとね。ただ、守備してるドールズとかルイノ系とかのエネミーがかなりの数いるせいで最深部まで到達してないけど。あ、でも最深部には1回アイナとマノンと最近落ちてきた星渡りの人がたどり着いててその人たちがそのルシエルのとこの偉い人?だかから色々情報をもらったらしいよ。」
ゼノアはほぼ息継ぎせずに長々と事細かにヒスイに説明した。が、それを聞いたヒスイはほぼ何も理解する事が出来なかった。当然である。
「うん、ちょっとストップ。とりあえずいろいろあったんだな?(最後ら辺に言ってたのはロナが言ってたやつの事だろうな…。)」
「2日間とは思えない2日間だったよ。」
「私が待機令出されてそんでロストセントラルでフラフラしてる間にそんな事が…。えー、私も行きたかったなぁールシエル。」
そう言ってヒスイはベッドの上に寝転がりながら大きなため息をついた。
「突然だけど、ちょっといいー?」
ふにゃふにゃした声が玄関の方から聞こえてくる。そこにはアカネともう1人、マリがいた。
「あ、アカネ、と…誰だっけ。名前が出ない。へ、へへへ…ごめん。名前忘れちった。」
マリの名前を思い出せないヒスイが苦笑いしながらマリから目を逸らしつつ気まずそうに言った。
「ヒスイ〜。いい加減人の名前覚えようねぇー。毎回あまり話さない人の名前忘れるし。」
「ごもっともです…。いやストップ私は知らなくて当然では?」
「まぁとにかくこの子はマリだよ〜。前のやつ謝りたいんだってさ。」
「そうそう、マリ。うん、名前忘れててごめんね。うん、えっと…うん。その…、あー。なんて言うか…。」
「あ…前に燃やしちゃってごめん…なさい。」
「無傷だから大丈夫です…よ…。えっと、私一応、丈夫なんでぇ…。」
と言ってヒスイは珍しく気まずそうにしていた。突然敵対していたマリがやってきて気まずい雰囲気の中、2階から降りてきたネルアはどこかイラついていた様子だった。そしてそれを見たミヌがマリをネルアから離そうと、話しかけた。
「よ、よろしくね!マリ、ちょっと外で話さない?天気もいいしさ!夜空が綺麗だよ!ほら、ね!」
「あ、ちょ…ちょっと待ってくださ…私はあなたに…」
「いいっていいって!気にしてないし、ほら天気曇っちゃうとあれだからさ!ほら!」
「ちょ、ちょっと?…あぁー!」
ヒューン、パシュン、という扉の閉まる音とともに2人は建物から出ていった。ミヌはネルアがマリに対してなにかしでかす可能性を鑑みて、やや強引ではあるがマリを外へ連れ出したのだ。その後ネルアはマリを連れてきたアカネになぜ連れてきたのかを問い詰め始めた。
「…なぁ、なんでマリを連れてきたんだ?そもそもアカネは殺されかけたんだよな?なんならミヌに至ってはカタナで肩から腰まで大きく切られたんだぞ、もしかしたら死んでたかもしれないってのに…!そんなやつをここに連れてくるなんてどうかしてるんじゃないのか?!」
ネルアがアカネに詰め寄っていき、距離が縮まるのと同時に声量も大きくなっていく。
「ネルア、落ち着いて。熱くなりすぎだ。まぁ…気持ちも分かるけどさ…。」
ヒートアップするネルアの肩に対して引き止めるようにやや強めにゼノアが後ろから手を置いた。そんな中ヒスイは何も言わずたださっきと変わらず気まずそうな顔をしたまま何も話さない。
「…ヒスイはどうなの?」
ゼノアは何も言わないヒスイに不満そうにマリをどうするか聞く。
「どうって…別に私は構わないが?」
「おぃ…それマジで言ってんのかよ!ヒスイっ!ふざけてるのか!?」
声を荒らげると同時にネルアの鋭い視線がヒスイの方へ向いた。
「ふざけてはいないさ、アカネだってマリと話して和解していまこうなっているんだ、別にミヌ自身が気にしてないかもしれないぞ?…あー、多分。」
「最後のたぶんのせいで説得力無いなぁ…。」
あまりに説得力の無いヒスイの説得にゼノアは思わずつい突っ込んでしまった。
「チッ、なんなんだよ!」
そう怒鳴って、ネルアは部屋にある机に対して一瞬悩む様な顔をして少し躊躇うように拳を叩きつけた。ネルアが単に敵対して殺しにかかってきた人が来た事に怒っているのではなくミヌという、このハルファに来てから共にすごしているもはや家族同然の仲とも言える人を危険に晒した人物を何故そう易々と受け入れられるのか理解出来ない気持ちだというのは机に当たったのを見れば分かることではあった。その様子を見たヒスイは例えミヌ本人が気にしていなくとも当然ながら暫くはネルアはマリに対して警戒し続けるのを避けられないし、ヒスイ自身を含めたミヌを除く全員に対して不信感を抱き続けるだろうと感じていた。そうなればこのチームでの戦闘でも支障をきたす事になるし、それで全員が危険な状況に置かれる事はあってはならないと危惧し、ヒスイはこの状況をどうするか悩み始めるのだった。そしてハルファには新たな危険が迫っていた。
第16話に続く
更新遅れてすみませんでした。