ファンタシースターオンライン2ニュージェネシス if 激動のハルファ   作:FY

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投稿が遅くて申し訳ない。
この話からクリエイティブスペースをクリスペと呼称します。


第16話 強襲 前編

マリがヒスイのクリスペに来てから2日が経った。未だにマリとネルアの仲は悪いままだが、ゼノアはマリとは少し話が出来るくらいには気を許しているようだ。ヒスイはというと特に嫌っている訳ではないが、何かあるのでは?と警戒はしている。アカネとミヌはマリとはすっかり仲良くなっていたが、当然ネルアはそれに不快感を覚えていた。

 

「…クソ、よくあんなに殺しにかかってきた奴に対して気を許せるよな。アタシには分からないね。」

 

「まぁそんなにカッカするなよ、ストレスで死んじゃうぞ?」

 

部屋にあるソファーに座っていたネルアの横にヒスイが飛び込むように座り、ネルアの頭をポンと叩きながらそう言った。

 

「逆によくヒスイは平気だよな、なんならヒスイなんてミヌの次にかなりの攻撃食らってたじゃないか。」

 

「あのくらいなら私はそんなにキツくは無いぞ?」

 

確かにあの時、ヒスイの身体には燃えた痕こそあったが、ちょっとした火傷すらなかった。強いて言うなら服が少し燃えたくらいである。

 

「ヒスイがおかしいだけだろ、普通は割と大きい火傷くらいするって!」

 

ネルアは燃やされた事に関して気にも留めていない事に少し引きつつそう言った。ヒスイはそれを見てネルアの頬をツンツンしながらがら「体鍛えろ〜」と言って笑っていた。それに対してネルアは「体鍛えてもどうしたら燃えにくくなるのか」と心底思いながらツンツンされていた。そうして部屋のソファーでくつろいでいたヒスイに一通の出撃要請が届く。場所はロストセントラル。ヒスイにとっては何かと訪れる事の多い場所だ。

 

「…ロストセントラルに何かと関わること多いな、正直気味が悪い…あそこは。」

 

そう独り言を呟くとヒスイはソファーから立ち上がり、テレポーターの上に立って、クリスペを後にした。その様子をマリはじっと見ていた。ネルアがツンツンされてかなり恥ずかしがっていたので気付いた頃には既にヒスイはクリスペから去っていた。

 

「あ?あれ、どこいった?」

 

ネルアが辺りを見回しているとマリと遊んでいたミヌが建物の中に戻ってきた。するとネルアに文句を言い始めた。

 

「ちょっとぉ!何してんの!昨日サボった家事やるって言ってたよね?!」

 

「うげぇ!そうだった…面倒くさ!ゼノアの方が皿洗うのとか得意なんだから洗えてないとかってあとから文句言うくらいなら最初からゼノアにやらせればいいだろ。」

 

「だめです!それだとずっとゼノアに任せっぱなしになるでしょ!」

 

「ちぇー、なんだよもう〜。ミヌは頑固だよなぁー。」

 

「頑固はそっちでしょネルア!ほら、口より手を動かせ!」

 

「へいへい、やればいいんでしょ?やれば。」

 

ネルアが家事の手伝いにグチグチ文句を言いながら皿洗いをする一方でロストセントラルに到着したヒスイは探索しながらその場の妙な静けさに不安を募らせていた。

 

「ロストセントラルにほんの数体しかエネミーの反応がない…?ここまで少ないのは逆に何かあるんじゃ───」

 

普段ロストセントラルはエネミーが頻繁に出現する場所であるため、かえってほんの数体しか居ない状況は極めて稀なことである。そのため、ヒスイは何か起こる前兆なのではないかと不安になっていたのだ。そして、ヒスイの予兆は的中する。突然の猛吹雪がヒスイを襲い始めた。

 

「なっ…、今日はここには強い風は吹かないはずじゃ───」

 

吹雪の中、ヒスイは何とか立っているとドスン!と言う音を耳にした。かなりの大きさの物が落下したような音である。

 

「?!なんだ、この音は!…くそ、視界が悪くて少し先すら見えないし吹雪の音でさっきみたいなかなり大きな音じゃないと何も…!」

 

しばらくそこにとどまっていると少し吹雪が弱まってきた。そしてそれと同時にヒスイの目の前に巨大な何かが少しずつ姿を表していく。

 

「こいつは!よりによってこんな時に!」

 

ヒスイの前に現れたのは超大型の人型のドールズ、『ダイダル・ソード』。ダイダル・ソードは超巨体ながらも巨大な剣と素早い大振りの攻撃により広範囲を蹴散らすことの出来る強力なドールズ。強力なエネミーのため、基本は一対一で戦う相手ではない。だがこの状況では戦うという選択肢しかヒスイには残されていなかった。なぜなら逃げようにも吹雪のせいで約50m先すら見えないため、周りの地形を把握出来てない無い中で無闇に動き回れば他のエネミーに遭遇してしまったり、戦闘をするのに不利な地形に来てしまったりと、様々なリスクがあったからだ。

 

「クソ…どうする!?通信も吹雪とドールズの通信妨害のせいで使い物にならない…。せめてこいつが中型以下のドールズなら通信出来たかもしれないのに!うわッ!」

 

ヒスイが左へサッとステップ直後、さっきまでいた位置に巨大な一撃が振り下ろされた。そして、次々に繰り出される高威力広範囲の攻撃に対してどう1人で戦うか考え巡らしていると、どこからか声が聞こえた。

 

「ヒスイ!上に跳んで!」

 

「?!…わ、わかった!」

 

突然の指示に戸惑いながらもヒスイは言われた通りに上に大きく跳躍した。そして、ヒスイに指示した人はダイダル・ソードが振り下ろした大剣を空振りした事を確認すると、そのままツインマシンガンを装備し、ダイダル・ソードの左足を攻撃し姿勢を崩させることに成功した。

 

「よし、今だよ!ヒスイ!そのままコアを!」

 

その人物は再び、空中にいるヒスイに向かって叫んだ。それを聞いたヒスイは攻撃体制を整えた。

 

「任せろォォーーッ!ダイダル・ソード!これでも食らってくたばりやがれぇァ!粉砕、撃滅の一撃だッ!」

 

ヒスイのフォトンを纏わせた拳が勢い良くダイダル・ソードの胸部のコアに激突し、ヒスイがそのまま殴り通して完全に砕いた。

 

「いよっしゃぁぁぁぁーーッ!ぶっ倒せた!」

 

「よォぉーっし!やりましたね、ヒスイ!」

 

2人はあまりの嬉しさに飛び跳ねていた。そしてヒスイが突然現れた1人のアークスが誰なのか分からないことにふと気付いた。

 

「おぅ!…あー、その…あんた誰だっけ?」

 

「はい?いや、声でわかってくれますよね?!ほら、この前ロストセントラルで物の回収を頼んだ!」

 

「あー、えっとぉー。」

 

最初はなかなかピンと来ず、悩んでいたが名前を思い出せたようで、返事をした。

 

「ラナか!」

 

「違 い ま す ! ロナです!」

 

「あ、ごめんロナ!とにかく君のおかげで助かった!」

 

「フフン!もっと褒めてくれても良いのよ?」

 

「わーすごいなー君の指示が的確で助かったなー。」

 

「ちょっと!棒読みじゃない!しっかり心の奥底から心込めて感謝してよね!」

 

「このウザさは間違いなくロナだな、うん。」

 

「もぉーーーっ!」

 

突如として現れたダイダル・ソードの討伐に成功し、盛り上がるヒスイとロナ。そんな2人をロストセントラル付近の崖の上から監視している者たちがいた。紺色と灰色の2色に統一された服と統一された武器を持ったその者たちは静かに崖を降り、ロストセントラルにある高台の中で最も高い位置に足音一つ立てずに降り立った。そして何も気づいていない少し先のところに立っているヒスイとロナに向かって銃口を向けるのだった。

 

 

 

第17話へ続く

 

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