ファンタシースターオンライン2ニュージェネシス if 激動のハルファ 作:FY
「あれは…?一体なんなんだ?黒い要塞?城?」
僕は突然の出来事で頭がいっぱいになった。正直痛いくらいだ。黒い要塞のようなものが出た数秒後にドールズが自分たちを囲むように現れた。ガロアは戦える人達を指揮してドールズと戦い始めた。…なぜ僕はドールズって名前を知っているんだ?いや、そんな事考えている暇は無い。僕はガロア達を手伝うためにドールズへの攻撃を始めた。
「フンッ!」
僕もナックル型の武器を装着し、めいいっぱいの力を込めてドールズをぶん殴った。が、次の瞬間遠距離型のドールズからの攻撃が飛んできていた。
「避けられない!…ッ!」
攻撃が目の前まで近付いて僕は目をつぶった。…一向に攻撃が来ない。恐る恐る目を開くとそこにはネルアがいた。
「ネルア!」
「ナックルならあんな攻撃くらい殴ればかき消せるだろう?」
ネルアは僕のことを半笑いしながら言ってきた。…本当に姉貴気質だなぁ。
「不意打ちじゃなかったらやってる!」
言われたままじゃ悔しいので言い返した。不意打ちじゃなければ絶対対応出来ていた。たぶん。
「というかネルアもナックルなのかよ。」
「これが一番性に合う気がするから。というかこれしか持ってないんだもん。ほらゼノア、そんなことより今は目の前のドールズだ。」
「言われなくてもわかってる!1体も逃すなよ?ネルア!」
僕がそう言うとネルアはこっちを見てフッと笑いながらドールズに向かって行く。僕も負けてはいられない、全部倒してエアリオタウンも守ってネルアよりドールズを倒してやる!
…もう何体倒しただろうか?みんな疲弊してきている。流石に歴戦の猛者であるガロアにも動きに疲れが見える。このままではまずい。なにか打開策を考えねばならない。しかしそう上手くポンと考えなど出ない。
「…どうすれば…いいんだ?」
僕が膝に手をついて肩で息をしているとネルアが横に来た。
「…ゼノア、感じるか?」
「何を?」
「あの要塞のようなものからとてつもないエネルギーを感じるんだ。」
「それって…な」
僕が「なに」と言おうとした瞬間、要塞のようなものの中心から赤黒く、尚且つ紫色を帯びたビームが自分たちの横を通った。そしてそのビームが通ったあとは地面が抉られており、焼け焦げた大地が見える。ビームが撃たれる前まで僕ら2人の後ろにいた他のみんなが消し飛んでいた。残っているのは僕らとガロアのみである。
「どうなってんだよ!これ!」
恐ろしい光景を目にしたネルアが膝を着いた。誰だってきっとこうなるはずだ。
「くぅ……ッ!もう1発来るぞ!ネルア!」
僕はネルアの手を引っ張り移動させる。が、ビームはガロア目掛けての一撃だった。
「ガロア!」
ガロアは僕たちを見てニッと笑った。そして空へ大きく跳躍し、あの要塞のようなものへ向かって行きながら話し始めた。
「2人とも!アイナと、マノンと、ミヌを頼む!タウンの裏の洞窟に逃げてるはずだ!そしてあんたら2人ならこのデカブツをぶっ倒せる気がするからよ!頼んだぜ!」
僕とネルアは飛んでいくガロアに手を伸ばすが届くわけは無い。わかっていた。
「ネルア、3人を連れて逃げるぞ!」
「…あいよ…。」
ネルアはハリのない声で返事をした。そして僕らは3人の元へ急ぐ。
一方でガロアは命を懸けた最後の一撃を要塞のようなものへ放とうとしていた。
「おい!デカブツ、お前は負ける!あの2人や他のアークス達になぁ!」
武器を大きく振りかぶるガロア。
「ここまで色々あったが、最後は呆気ないもんなんだな…。任せたぞ2人共…!」
要塞の中心が再びさっきの光を帯びながら輝く。
「あいつらが逃げるくらいの時間は稼げるさ!ハァァァァァッ!」
ドズンッ!という思い斬撃音と共に斜めに大きな傷が要塞に付く。要塞は姿勢を崩し、斜め上へビームを放ち、エアリオタウン上空の色が暗くなった。だが、超至近距離にいたガロアはビームに巻き込まれたのだった。
一方その頃、ゼノア達はアイナ、マノン、ミヌを小さい洞窟から連れて、マノンがガロアから向かえと言われたセントラルシティの方へと向かう。そしてゼノア達は空へ放たれたビームを目撃する。
「…!これは…、ガロアがビームを逸らしてくれたの?…!」
マノンが声を震わせながらそう言った。
「ガロア…、この稼いでくれた時間を無駄にはしない!行くぞ!ミヌ、怪我して気を失ってるアイナを背負って行ってくれないか?」
「わかった、任せといて!」
要塞が姿勢を立て直す前に何とか5人はエアリオタウンのある平原へと繋がる大きい洞窟の中へ入れたが、道中に幾度となくドールズが向かってくる。
「しつこいぞ!テメェらァ!何度やっても結果は同じ!ウラァァァァッ!」
ネルアが怒りを込めて多数のドールズに向かい拳を叩き込み吹っ飛ばしていく。ゼノアも残ったドールズ達へ攻撃を叩き込んだ。
「どけっ!あんたらに構っている暇はないっ!」
ドールズ達が来ては倒し、ドールズが来ては倒しを何度も繰り返し、平原が見えてきた。そしてその奥には白く細い高い建物も見えた。
「あれがセントラルタワー?…なのか?」
「きっとそうだよネルア。急ごう、アイナの怪我が悪化しない内に!」
「ああ。」
数分後にセントラルシティへ着いていた。気が付いた頃には既に夜は明けていた。
「君たちか、エアリオタウンの人達は。救護室はこっちだ!着いてきて!」
サラッとした青髪の指揮官らしき人の誘導へついて行き、しばらくして救護室に着いた。
「まだエアリオタウンに残っている人はいるかい?」
僕はその質問に答えようとしたが声が出ない。出せない。
「いや…、すまない。不快な思いをさせてしまったね…。」
「いえ、大丈夫です…。」
やっと声が出せた。心の奥底で言いたくなかったのかもしれない。自分たち以外全滅なんて。
「その負傷してる子は医療班に任せてくれ、すぐに良くなる。無事な4人は司令室へ来てくれるかい?ついてきてくれ。」
そう言うと青髪の人が立ち上がり歩いていく。僕はついて行こうとした時にガロアに言われた事を思い出した。
「…。ガロアさんに…、ガロアに任せられたんだ。いつまでも落ち込んでいられないな。3人共、行こう。」
ネルア、ミヌ、マノンは頷き、椅子から立ち上がる。僕たちはそのまま司令室へ向かった。司令室に着くと青髪の人からこう言われた。
「アークスになって戦ってくれないか」と。
第3話へ続く
今回も頑張った。