ファンタシースターオンライン2ニュージェネシス if 激動のハルファ 作:FY
光に包まれてから数秒後、周囲から光が消え、目の前にはまぁまぁデカ目の家が建っていた。辺りを見渡すと海なので、どうやらここは孤島のようだ。
「ここがクリエイティブスペースだよ。アークス1人につき1つ支給されるんだ。…私の場合家しかないけど。」
「じゃあアタシのもある訳だ!後でなんか作ろうかな〜。」
「とりあえず入りなよ。明日は早いかもだし。」
という事でヒスイの家に入る事になったがここで問題がひとつ。家具が無いことに加えて、何故かシングルベッドが3つしかなく、ダブルベッドが1つである。2人だけ同じベッドは少々何となく気まずい。
「悪い、いつも2人なんでシングル3つ急いで用意したんだけど…。やっぱりなんかこう…気まずいな?」
「ダブルの方がシングルより少しフカフカだからこっちでいい?ヒスイ。」
ネルア…ぶっ飛んでるな。
「まぁ別にいいんだけどもう1人はどうする?」
「そうだなぁ…じゃあゼノア!一緒でいいよな?」
ネルアが曇りなき眼でこっちを見てくるせいで断りにくい…!
「わ、わかったわかった!」
こうして僕はネルアと寝ることに。他3人は普通にそれぞれ1人で寝た。
…横になっても寝れない。ベッドに入ってから30分は経ったと思う。でも寝れない。何故ならネルアの寝相があまりにも悪すぎてネルアの手足が僕に思いっきり当たっているからだ。痛い。威力があって一撃一撃重い。
「寝れないとまずいから椅子にでも座って寝るか…?」
そんな事を、考えていたらドスッという音が背中の方から聞こえた。まさかネルアがベッドから落っこちたのか?振り返ってみるとそのまさかだった。しっかりと見事なまでに全身がベッドから落っこちていた。頭から落ちているが大丈夫だろうか。
「…戻さずに寝るか。」
そうしてネルアをそのままにして、僕はぐっすりと寝た。
次の日の朝…事件は起こった。僕が目を覚ますと何やらヒスイが大騒ぎしていた。
「やばい!助けて…、誰か!お、起きて…!あ、ゼノアちょっと助けて!動けないの!」
「どうしたの?」
僕がベッドから体を起こし、フラフラしながらヒスイの方へ向かった。そして目を疑った。なんとヒスイのベッドの上に何故かアカネがうつ伏せで乗っかっている。
「ゼノア、アカネをベッドに戻してくれる?軽いはずだから。」
「軽いなら自分でどかせばいいでしょ?」
「いや、その軽すぎて私が体を起こすと転がって落ちちゃうから…。」
「まぁ、そういう事なら…。」
そういう事情があるなら仕方ないので、手伝うことにした。
「よっ、ととと。」
アカネが本当に軽い。振り回せそうなほど軽い。そのまま抱えてベッドに戻そうとした瞬間アカネが寝言を話し始めた。
「あぇ〜?ヒスイじゃな〜い〜?ゼノア〜?はへぇ〜?むにゃむにゃ…。」
寝言が終わったようなのでベッドに戻した。
「…。」
「…。」
僕とヒスイは数分くらいその場で立ちつくしていた。
「いつもこうなんですか?ヒスイ…さん…。」
「敬語…じゃなくていいよ…。うん…いつもこうだね。ただ今回はダブルの方で寝てないからこうなったのかな…。今度から私たちダブルの方で寝る事にするからネルアにシングルで寝てって言っておいて…。」
「わかった…、言っておくよ…。それと、なんかごめん…。」
「いや、いいんだ…。こうなる事を予測しておくべきだった…。そういえば、朝ごはん何がいい…?」
「じゃあ…目玉焼きで…。」
「わかった作ってくる…。」
「アレ?ゼノアとヒスイ、どうしたの?なんとも言えない顔なんかしちゃって。」
ミヌが起きてきた。寝ていたにもかかわらず全くと言っていい程に寝癖がついていないから羨ましいな。僕なんて頭のてっぺんと後ろハネまくりだし。
「…いや、なんでもないから気にしないで、ミヌ。」
ミヌに事情を聞かれ、ヒスイの顔が赤くなっているのが後ろからでもわかった。
「えー、気になるじゃない!」
「(言えるわけない…!)…ミヌ、あんまりしつこく聞かない方がいいよ。」
僕がそう言うとミヌが納得いかないような顔をしながら、頷いた。ネルアが起きてなくてよかった。絶対にアイツだけは見てたらやばい。
「いやー良いもん見たなぁー。」
「なっ!?何時から起きてたの?!」
「ゼノアがアカネをどかすところから?かな。やっぱりアカネは可愛いな!ヒスイとラブラブだし!」
「…ネルア、アンタねぇ、いい加減にし…。」
ネルアに説教をしていたミヌの顔が青ざめていく。どうしたんだろう。いや、自分の後ろから圧を感じる…。僕が後ろを振り向くと、鋭い目でこっちを見ているヒスイがいた。どう考えても怒っているとしか思えない。ネルア、自業自得だぞ…。
「ネルア…お前…ゆる…」
ゆる…?ゆる…なんだ?やっぱり許せないのか?
「ゆる…、緩くしておいてくれない!?」
「へ?」
な、なんだ、何を緩くするんだ。
「このっ…瓶がっ、瓶の蓋がキツすぎて…開けるのやっとだから開け閉めして緩くしておいて!」
「え?ヒスイの方が力あるだろ?」
「いや、手汗で滑って勢い余って瓶落として割っちゃうから…。」
「わかった、やっとくよ。」
ネルアはそう言ってヒスイから瓶を受け取り、開け閉めし始めた。ヒスイ、力んだ時の圧がおかしい。あれはもう誰かを襲う勢いだったと僕は思った。
「ふにゃ〜。圧を感じ取っちゃっておきちゃったよぉ〜。」
ミヌの横からヌッ、とアカネが出てきてミヌが驚いて壁際まで後ずさった。
「起こしちゃったのはごめんだけど、どうせもうすぐ起きる時間だし許してよアカネ。朝ごはん作ったしさ。」
「ぬぅ〜。ムムム…。へにゃぁ〜。」
アカネがベッドから気だるそうに起きた。
「……………うん、すごいマイペースだね。」
僕はあまりのマイペースさにそれしか言えなかった。でも寝起き以外はヒスイより早いんだよなぁ。そんな事より早く身支度済ましてヒスイの手伝いしないとね。あとネルアも僕が言わないとやらないだろうし言っておくか。
「ネルア!身支度済ませるぞ!」
「わかってるっての。うるさいなぁ、ゼノアは。」
「なっ!」
おいおいそっちが遅いのにそれは無いだろ、ワガママが過ぎるなネルアは。あと洗面所がどこだか分からなかったのでヒスイに聞いたら2階に行くための階段の下にあるとか。いざ行くと…
「いや、ピカピカすぎだろおい。綺麗すぎて使ってるか怪しいレベルだぞ!」
「そりゃあもう全力で掃除してるんでね!あと、目玉焼きできたよ!先食べてるから!」
「う、うん!」
全力でって。だとしても綺麗すぎる。あまりの綺麗さに僕は極限まで洗面所を汚さない様に使った。…なんだろう、歯磨きと洗顔だけで疲れた…。気を取り直して、リビングに戻って朝食の目玉焼きを食べているとガリッと口の中から音がした。
「あ、ごめん殻入ってた?確認したんだけどまだ入ってたか。卵割ってうっかり割った殻の大部分まで黄身と一緒にボウルの中に落ちちゃって。」
「いや、別に大丈夫だよ!あ、そういえばヒスイは目玉焼きは醤油派?ソース派?」
「えーっと、どっちも!」
「どっちも好きなの?」
「いや?同時にかける!」
「両方派だったぁ…。」
「ヒスイはねぇ〜なんでも混ぜるのさぁ〜。」
アカネが身支度を済ませてリビングへ戻ってきた。いつの日か歯磨き等を済ませてきたらしい。
「うーん、ジュースも混ぜてたなぁ〜。」
「例えば?」
「りんごジュースとなんかの炭酸飲料とか。基本りんごジュース+○○だねぇ。」
単品で楽しまないんのかなヒスイって。俺も今度やってみよう、ジュースミックス。
「言っておくけど、ちゃんと美味しいですからァ!よく変って言われますけどぉ!」
ヒスイが半ギレしながら言うって事は散々他の人に弄られてきたんだろうな、ジュースミックス。後でヒスイにおすすめのジュースの組み合わせでも聞こうかな。
みんなが朝食を食べ終わり、僕らはひとまずセントラルシティに戻ることにした。
こっちに来た時と同様に光に包まれ、数秒後にセントラルシティに戻ってきた。が、次の瞬間…
「キャァァァァ!」
「?!…誰かの悲鳴か!?」
「いやいや、よく見ろよあっちの方。」
ネルアが指さした方向を見ると多数の女性アークスがこっちに物凄い速度で走ってきている。
「お、おい!アタシら人気になったのかァ?!」
「バカ、んなわけないでしょう?!特にネルアなんて眼中に無いわよ。ほんっと、自信過剰ね、ネルア。そういう所直した方がいいわよ?」
「なんだとぉ!ミヌ!お前だって影薄いだろ!」
「それとこれとは関係ないでしょ!」
「2人ともしょうもない言い合いしてないで、これどうするんだよ!もうすぐそこまで集団が来てるぞ!」
「あ〜。またか…。」
僕とネルアとミヌが焦る中、やけに冷静なヒスイが額に手を当てて呆れた顔をしている。
「え?またって?何がまたなのヒスイ?」
「えっとね…あれはアカネのファンクラブね…。あ、自称だから。こちとらそんなもん作ってないし作る気ないのに毎度毎度任務終わりの疲れたアークス達がアカネを見つけるや否や捕まえて抱きしめようとするんだよね。…普通に犯罪な気がするんだけど。」
「は、はぁ…?」
「あ〜こっち来てる〜。あとは任せたヒ…」
アカネがものすごい速度で走ってくるアークス達に瞬く間に連れていかれた。なんだこれ…。
「あ、言い終わる前に大群に飲み込まれた…。」
「もう何回目なんだろうかこの光景…。ハァ…向こうも諦めが悪過ぎる…!殴ってやりたいけど同じアークスだしなぁ。」
「こうなりゃ強引に取り返すしかないなぁ?ヒスイ!」
ネルアのぶっ飛んだ発言にヒスイは「フッ」と笑い、僕たちに準備しろというのだった。
第7話へ続く
我ながらなかなかぶっ飛んだのを書いた気がする。