にじさんじクエスト!!   作:赤い髪の勇者

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今日は早く目が覚めたので執筆してみました。いつもより筆が進んだような気がします。

お待たせしました。投稿です。


第一話 不思議な悪友

『へえ、そんなことがあったんだ。それは災難だったね。』

 

「そうなんだよ。マジで最悪だったんだから!」

 

週末の昼下がり。俺はネトゲのチャットでネトゲ友達である「KAMI」に数日前にあった出来事を愚痴っていた。愚痴を垂れ流すなんて我ながらかっこ悪いと思うが、それでもこの憤りを誰かに話さずにはいられなかったのだ。

 

『あはは。てかそれってまるでギャグマンガみたいじゃん。めっちゃ笑ったんだけど。』

 

「うっせ。」

 

「KAMI」の煽りに俺はつい悪態をつく。ちなみに「NIJI」というのは俺のネットゲームでの名前だ。

 

「まあでも、こんな事を話せるのはお前だけだからな、、そこは感謝している。」

 

『はは。気にしないでいいよ。俺たち友達だろ?』

 

そう朗らかに言ってくれる「KAMI」とはもうそこそこ長い付き合いになる。このネトゲを始めたての頃右も左も分からなかった俺に話しかけてきてくれ、さらには一緒にクエストに誘ってきてくれたのだ。それからは週に数回一緒にクエストをする仲になった。最初はこいつの人を食ったような言動に振り回されることもあったが今ではすっかり悪友といった関係だ。

 

『まあ、なんもしていないのに女の子に好かれると思うのはなんというかNIJIらしいけどー。』

 

「一言余計なんだよ!」

 

まあ、本当に振り回されているのだ。

 

 

「でさ、そのラノベがめっちゃ神でさ!もう毎日のように読んでいるんだよ!あれは今期の覇権を狙えるね!」

 

『へえ、そんなに面白いんだ。』

 

「面白いなんてもんじゃねえよ!あれはマジで神っているから!KAMIもぜってえ読んだほうがいいって!」

 

『あはは、、まあ、考えておくよ、、。』

 

俺はクエストを進めながらKAMIにオススメのラノベについて熱く語っていた。俺が今読んでいるのはいわゆる「異世界モノ」で主人公が異世界に転移して無双してモテモテになっていくというオードソックスなものだった。

 

「でさ、その主人公が悪者にさらわれたヒロインのもとに駆けつけて颯爽と助け出すんだよ!そこがマジしびれてさ!本当に神ってるわ!」

 

『へー、そうなんだね。』

 

たった一人の友人に自分の趣味について延々と語るのはどうかと思われるだろうが、自分の趣味趣向について話せるのがこいつしかいないのだ。親に話すのは恥ずかしいし。

 

『それにしてもNIJIは本当に異世界モノが好きなんだね。』

 

「当然だろ!異世界モノは現代日本が産んだ最強ジャンルだぜ!」

 

俺は「異世界モノ」のラノベをよく好んで読んでいた。自分と同じようにただの高校生だった主人公が異世界に転移というビックイベントに巻き込まれチートという特別な才能を手に入れて自分に好意を寄せる美少女に囲まれるという自分が憧れてやまない立場を手に入れる。その様子が本当に憧れるのだ。

 

「あーあ、俺もあんな風になれたらな、、。」

 

『へえ、そう思っているんだ。』

 

「やべ、口に出てたか?」

 

思わず口を手で覆う。ああ、顔が赤くなってきた、、。

 

 

『ねえ、NIJI。』

 

「な、なんだよ。笑いたければ笑えよ。」

 

『NIJIはそういう立場になりたいの?』

 

「そういう立場?」

 

『とぼけないでよ。NIJIは異世界モノの主人公になりたいかってこと。」

 

「異世界モノの主人公?」

 

そう言われて俺は異世界モノの主人公になった自分を妄想する。自分を慕う仲間たちと共にチートスキルで魔王を討伐して、人々から賞賛される。このジャンルを嗜むようになってから何度も妄想した光景だった。

 

「いやいや、あれはただのフィクションだろ?現実に起こるわけねえって。」

 

そう、これはただのフィクション。現実の俺はただリア充グループに使いっぱしりにされる陰キャ高校生。チートスキルも持ってないし、自分を慕ってくれる仲間もいないのだ。

 

『もし起こるなら?』

 

「え?」

 

『実はいうとね、僕は本当の神様なんだ。』

 

「はぁ、?」

 

こいつはいきなり何を言い出すんだろうか?今まで突拍子のないことを言ったことは何度かあるが、これはとびきりだ。

 

 

『それでね。ここだけの話、神様というのは世界を一つ管理しているんだ。』

 

頭がパーになってしまったKAMIの話を俺は黙って聞く。まあたった一人の友人だしな。

 

『つまり僕も世界を一つ管理しているんだけど、その世界で困ったことが起きそうなんだよね。世界が滅亡、、まではいかないとは思うけど、かなり無視できない事態になるんじゃないかな。』

 

「その困ったことってなんだよ?」

 

『うーん、出来れば話したいんだけどね。禁則事項だから話してはいけないんだ。まだ確定で起こるわけじゃないしね。』

 

「ほーん。」

 

まあそこまで設定が煮詰まってないんだろう。それぐらい考えとけよ、、。

 

『そこで僕は自分の世界の危機を何とかしてくれそうな人を探してきた。このゲームをやり始めたのもその一環でさ。僕の世界と似ているし。』

 

「ふーん。」

 

ちなみにこのゲームはオードソックスな剣と魔法のファンタジー系MMORPGだ。まあ異世界といえばこれだよな。

 

『それで僕は君に目を付けた。君ならこの役目を果たせると思ったんだ。』

 

「お、おう。」

 

信頼してくれるのは嬉しいんだけど、妄想でこんな役目を押し付けられてもな、、。

 

『それでどう?やってくれる?』

 

「そうだな。お前の頼みだ。やれるものならやってやんよ!」

 

妄想とはいえ自分を信頼してくれるKAMIが嬉しくて俺は冗談のつもりでそう宣言した。

 

、、、そう、冗談のつもりだったんだ。

 

『良かった!君ならそう言ってくれると思ったよ。じゃあそういうことだから。』

 

「え」

 

次の瞬間、俺の視界が真っ白になった。

 

「うわ!?」

 

思わず目をつぶると、何だか様子がおかしい。俺は自分の部屋にいたはずなのにさわさわと風の感触がある。さらには草木のこすれる音や鳥のさえずりまで聞こえてくる。これは、、もしかして俺、靴を履いているのか?

 

(何が起こったんだ!?)

 

俺が目を開けるとそこは俺の部屋とは似ても似つかない、辺り一面の草原だった。

 

「マジかよ、、。」

 

俺は呆然と呟いた。

 

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