個性『幻想体収容所』:RETAKE 作:T.T小説ううぅぅ…
ホークスのキャラ合ってるかな…
「はぁ………」
「どうした、散歩でなんかあったか?」
「ピー助が俺の個性なのがバレかけました。」
「大問題だな?」
約一時間後、空巣はくったくたになりながらもスーパーに帰ってきた。ここ最近で一番疲れたと彼は思った。
「それと敵の犯罪現場にも出会しましてね…ヒーローさんのお陰で何とか事は収まりました。」
「相変わらずの豪運だな。」
少し間が開く。
「……さっきはすまんな。お前のためを思ってな。」
「いえいえ気にしてませんよ。散歩してスッキリしました。」
「そうか…なら良い。ところでお前、この先どうする?俺の店でも継ぐかい?」
「いやちょっとそれはご遠慮したいな〜」ジリジリ
「さてはテメェ俺に感謝してねえな?」ビキビキ
「ヒーローなんてどうです?売れると思うなー」
「いや俺の個性はとてもヒーロー向きでは…へ?」
「そうだぞ、こいつは俳優なんかじゃ…あ?」
皮肉混じりに語り合う二人が、その浮いた声に気づくのはすぐだった。恐る恐る振り返ると。
「どうも〜!さっきぶりだね!」
「ホークス?!」
「何だぁテメェ、ヒーローか?」
先ほど出会ったヒーローとの速すぎる再開に空巣は驚く。店長もヒートアップしているが、やって来た客人に気づかなかったことに目を見開く。そのヒーロー、ホークスは軽く挨拶して話を続ける。
「それでヒーロー活動なんだけど、良ければ君をヒーローの道に勧誘してあげたいんだ。勿論俺が面倒を見るという大きな保証付き。」
「いやいやいやいや?!何故ヒーローやる前提で話が進むんですか!?ていうか何故そんな頑なに俺をヒーローにしようとしてるんですか!?」
「いや?割と現実的な話だよ。ヒーローは何人いても困らないし、折角魅力的な輝きをヒーローの有精卵を無視する訳にはいかないからね。」
「……つまり、こいつにヒーローの素質があると?」
話をどんどん進めるホークスに、ますます困惑する空巣だが、店長は冷静沈着にホークスに質問した。
「ええ、先刻だって自分なりに敵を倒そうとしてましたからね。法律で禁じられてるにも関わらず、それでも誰かの為に戦おうとした。彼は立派ヒーローですよ!」
「…幻、本当か?」
「…………まぁ、はい。」
軽々と事の真実をホークスから伝えられた店長は、睨みつけるかの如くして空巣に確かめる。その強い眼差しに慣れてない彼はあっさりと首を縦に振った。
「そうか………ならヒーローさんよ。こいつのこと頼んだぞ。」
「ちょっ?!店長?!」
「…ちなみにご決断の理由は?」
「結婚もせずキビキビとこんな小さなスーパー営んで家族にも疎遠された俺が、家族全員が亡くなって行き場の無くなった親戚に、俺みたいに一人で死んでいくなんてことはさせたくないって、所だな。」
「…なるほど。」
「あと俺が肺がんになっちまってな…誰か俺以外にこいつを養ってくれる奴がいないか探していたんだよ。」
「………………」
そういえばタバコかなり吸っていたな店長、と少年はハッと思い出した。一人生きる老人にとって健康を害していかなければ生き続けられなかったのだろう。
「…いいでしょう。引き受け_______ 」
「る前にだ!」
「!」
フッと笑うホークスに店長が一拍する。目にはその力強い意志が漏れ出している。
「こいつの個性は自慢じゃねえがおっそろしいぞ?発現してすぐ使ったらこいつの祖母で俺の妹である子が粉微塵になって死んだ。今やあいつはビビってあの小鳥しか出さねぇ。故に奴の中にある危険物は未知数だ。そんな個性の奴でも、立派なヒーローに育てられるっちゅう確信はあるんだな?」
力強い声で店長は熱弁した。ホークスは驚愕し、後悔する。これほどまで期待を背負われた以上、後退するのはヒーローの名折れと同義と考えた。
「……勿論です!」
力強く、けれども笑顔は絶やさずホークスは了承した。
「………………」
空巣は完全に唖然としていた。何が起きたか分からない。だがそのどこかで自分が持て余した認識が崩れる音がした。
小鳥は理解しているのだろう。この先の未来に、
「おい、幻。」
「ッ!はい!」
そんな固まっている空巣に店長は声を掛けて、彼の肩に手を掛けた。
「いつまでも怖気付くなよ。壁があるなら乗り越えていけ。一人じゃダメなら仲間と共に越えていけ。お前は、一人なんかじゃねぇからな。」
「……はい!」
「…さて、俺は病院に手続きして来るか!」
(ボロボロだなぁ…)
「なんか言ったか?」
「いえ何も。」メソラシ
怪しいと思った店長はやれやれと言う感じで店を畳む準備をし始めた。
♢
「お、来た来た!」
「少し遅れましたあ"!*1…待ちました?」
「全然さ。…とは言え、時間はかなり限られる。」
数日後、空巣の住むマンションからそう離れてない、森林生い茂る山の麓。そこで二人は合流した。ここでなら人の目は心配されないと言う訳だ。
「……こんな所で個性使って良いんですかねぇ?」
「大丈夫、どっかの漫画でこんな言葉があるよ…『バレなきゃ犯罪じゃないんですよ。』ってね!」
「不安しかない?!死人が出る個性なのに?!」
あの時の覚悟は何処へ?とズッコケながら思う空巣少年であった。
「…それで、"時間は限られる"とは?」
「それね、高校入試まであと一年もないんだ。それに君の個性の底なしの可能性を加味するとね…この一年、相当ハードになる。」
「そうですか?俺はどこの高校に受験することになるんです?」
「無論、雄英さ!」
「なるほど雄英……雄英?!!」
貧しい暮らし故に情報に疎い空巣でもその名を知っている。
雄英高校。ヒーロー科、ヒーローになる為の授業を受けるクラス、を扱う高校の中でも日本教育機関の最高峰とも言える高校。数十年に渡りオールマイトを始め、フレイムヒーローエンデヴァー、ファイバーヒーローベストジーニスト、忍者ヒーローエッジショットなど、数多くのプロヒーローを生み出してきた。その人気故、入試の難易度も高い。倍率も300%を優に越え、偏差値は例年70を越えている。
少なくとも個性と勉強、どちらかに全ての時間を割いたとしても空巣少年には脳裏に"無理"の二文字が浮かんできた。
「………間に合います、これ?」
「そのために今日は君の個性を把握するのさ。というわけで呼んだ人たちがこちら!」
「ん?」
「煌めく眼でロックオン♪」
「猫の手手助けやってくる!!」
「どこからともなくやってくる……」
「キュートにキャットにスティンガー♪」
「「「「
ヒュワーー……
「……それでどう調べるんですか?」
「いや無視すんなぁ?!」
突如として現れた四人組のヒーロー、プッシーキャッツの派手な登場を不審者だと思ってスルーした空巣。メンバーであるピクシーボブはキレた。
「ちょっとピクシーボブ!人いないとはいっても荒い発言は…」
「うっさい!そもそもこんな深夜に呼ばれて渋々こっちからやって来たのに挨拶無視されるとか最悪なんだけど!?」
「誠に同感である。ヒーローなる者、名乗りにも惜しまなく努力しているのだぞ!」
「いやーすいませんね夜分遅くに。この子つい最近までヒーローを信頼してなかった者なんで。」
やんややんやしてるヒーローを見て、ヒーローってこんなんなの?と空巣は訝しんだ。だが、無視をしてしまったことは確かに良くないと思い、謝罪ついでに挨拶することにした。
「こんばんは初めまして。先ほどは失礼しました。空巣 幻です。よろしくお願いします。」
「初めまして!こっちも見苦しいところ見せちゃってごめんね。マンダレイよ、よろしくね。」
「…まぁ良いか謝ったし、それにこの子よく見ると結構美形じゃない!唾付けとこー!」ペッペッペッ
「うわっちょちょちょ汚い汚い?!」
精一杯謝罪したのに返ってきたのが異性の唾に空巣は驚愕した。
「はいはいやめなピクシーボブ。それで個性の小手調べに困ってるんだっけ?」
「あ、そうなんです!下手すりゃ死人が出るほどなんで怖いのなんの…」*2
「ならアチキの出番ね!」
ポーズを取りながら前に出たのはラグドール。彼女の個性は『サーチ』。目で見た相手の居場所、弱点などの情報を100人まで知ることができる。個性の把握はこれの応用であり、相手の個性がどんなものかも知ることが可能。また一度見たものは星形の目印が見えるようになるなどマーキング機能も搭載している。
そのシンプルかつ便利な個性に、個性の価値が余り分からない空巣もこれには怪しむくらい驚いた。
「…世の中探せば便利な個性もいるものですね。」
「君もその一つな気がするけどね。」
「……?それってどういう…」
「じゃあ早速個性を見ちゃおっか!そのままじっとしててにゃ〜!」
「あっはい。」
ホークスの言葉に引っかかりがあったので空巣は問おうとしたが、ラグドールが間に入ってきたので後でにした。
「それじゃ、いくにゃんよ〜!」
「はい。」
華麗にポーズを取ってラグドールは個性を発動。全員結果出るのを待っていたが……
「……………」プスプス
「「「「「ん?」」」」」
突如、ピタッとラグドールが止まったかと思いきや、顔が真っ赤になり始めた。耳から煙がちょっと出ている。
「え?ちょ、ちょっと大丈夫ラグド…」
ポッポオオオォォォーーー!!
バタアァーン!!
「「「「「ラグドオオォォーール?!!」」」」」
マンダレイが声を掛けた瞬間、鼻と耳から暴走機関車の如く煙を勢いよく放出したラグドールは、そのままぶっ倒れた。
「ちょちょぢょっ?!また俺やりました!?また俺やっちゃいましたか?!」
「おおお落ち着いて!多分君のせいじゃないから!6割型君のせいじゃないから!」
「4割俺悪いじゃないですか!?」
「ちょっとラグドール!?大丈夫なの?!」
「にゃんにゃんにゃんにゃん……」
「故障した機械みたいになってる?!ちょっとデコ触ってアッチャァ熱伝導?!」
「まさかラグドールがキャパオーバーとは…!?」
余りにも想定外の出来事に全員パニックである。
「と、とりあえず一旦ラグドールを病院まで連れて行くから!『サーチ』の結果は後で知らせるわ!」
「了解です、早く行きましょう!そんで空巣くんは一時帰宅!また後で呼び出すからね!」
「わ、分かりました!」
とりあえず今はラグドールの安否が最優先。プッシーキャッツとホークスはラグドールを連れて病院へ、空巣は帰宅せざるを得なかった。
(大丈夫かな…)
また自分の個性で…と自分を卑下する空巣であった。
♢
目が光っている。暗い空に無数の目が光っている。ギョロギョロと動き何かを探す。それは彼にとって大事な物。
仲間はどこだ。
ご愛読ありがとうございます!
ホークスの声優がアレなせいで、教師やってる凡夫に似てしまうんですよねー…