カイザーコーポレーション…?時代はツァーリ・コーポレーションだろ() 作:七色レインボー
「むむむ…また敗けてしまった…何故…最新式の戦車も航空戦力も投入したというのに」
あの偉大なる聖戦から1日、またツァーリコーポレーションは敗れ本拠地のあるツァーリタウンの執務室でゲンドウポーズをしながらツァーリ代表は頭を悩ませていた。
「幾ら戦力を投入した所で神秘持ちの生徒には勝てないと思うんですけどそれは…」
ツァーリの悩み事に1人の秘書官が書類を処理しながら答える。
「うるさいやいっ!な~にが神秘じゃ!神秘なんて誤差だ!誤差!」
「その誤差の神秘のせいでこっちの攻撃がほぼ通らないんですって…」
「なんなんだ!?あの神秘とやらは!?攻撃にも防御にも使えるとか神秘じゃなくてチートだろ!チートぉ!」
バンバンと机を叩き机が割れてしまう。
「あ〜あ…代表ぉ…今月で3回目ですよ!?3回目!?後何個机壊せば気が済むんですか!?」
「あの忌々しいアカ共を駆逐するまでだ!(ドヤ顔)」
「無理ですよ、幾ら倒しても湧いてくるんで」
「ゴキブリか奴等は!」
「ゴキブリは我らの方だと思います(悟り)」
と悟りを開いた秘書官を無視しながら何か閃いたのか代表は話を続ける。
「あ、そうだ。ヘイロー壊せる武器があれば良いのでは…?(名案)」
「何ですかその悪魔見たいな兵器…そもそもそんな簡単に作れるなら皆作ってますって…」
「うーん…カイザーなら神秘に詳しいから何か知ってるカモ!電話しよ」
「フットワーク軽いですね…」
秘書官を脇目にカイザーコーポレーションの運営する会社カイザーPMCの代表取締役を務める従兄弟に電話を掛ける。
「お〜い!バカイザー!元気かー!」
『…何の様だ…ツァーリ…』
電話越しから不機嫌な声が聞こえて来る。
「なに、神秘について詳しく知りたくね!」
『神秘だと…?』
ツァーリの言葉にカイザーが反応を変える。
「最近アビドスに妙に執着してるじゃん?あんな砂と砂嵐しか見るものが無い場所を。オカルト好きなカイザーの事だから何か神秘に関係してるのかと思って…」
そうツァーリが言いっている最中に受話器の向こうでカイザーがいきなり立ち上がる音が聞こえる。
『!!!』
「それでさ。ヘイロー壊せる道具とか方法知らない?」
『………』
ツァーリがそう言うが既にカイザーは通話を切っていた様で何も返事は帰って来ない。
「切られてる…ケチな奴だなぁ…」
「今のは十割代表が悪いですよ…」
「ゑ?」
ツァーリの気の抜けた声が執務室に響いた。
◆◆◆
「まさか…バレれているのか…?あの男に…?」
カイザーはアビドスにあるカイザーPMCの施設のとある部屋でドンッと机を殴り付ける。
「……あの男の事だ…嗅ぎつけて居るに違いない…」
カイザー中でツァーリと言う男は警戒しなくてはならない存在だった。
すでに傾き出していたツァーリコーポレーションを建て直し今やレッドウィンター学園最大の企業でありキヴォトスに存在する企業や団体の中でも軍隊と呼べる程巨大な軍事力を持っている
最近では各学園にも進出しておりカイザーコーポレーション程の規模は無いが相手取るとなると敗ける事は無いが勝てるとは言い切れない。
「……少し計画を早めるか…少し確実性は落ちるがあの男に邪魔されるよりは遥かにマシだ」
そうカイザーは薄暗い部屋の中で呟き受話器を手に取りとある存在に連絡をした。
◆◆◆
「ふむ…ミレニアム支社から追加予算が欲しいとな?」
「はい、ミレニアム支社から寄ると売り上げが右肩上がりで更に予算を頂ければ確実にミレニアムに根を張れると言っております。」
秘書官は淡々と報告書を読み上げツァーリは考える様に顎に手を当てる。
「だが…兵器開発と軍事費でカツカツだからな…」
「……それならば暫くの間レッドウィンターへの侵攻を止め兵器開発と軍隊の見直しを行っては?」
「……確かにな…プライドの為に会社を傾けた父と同じ道を歩み絶好の機会をみすみす見逃すのは愚か。これを気に増え過ぎた軍隊の整理と効率…いや組織全体の改革を行うべきか…」
「聡明な判断かと。急激に我が社は拡大しました。それ故の組織の脆弱さを商売敵に突かれるかも知れません。早い内に解決するに越した事はありません。」
秘書官はツァーリの言葉に同意する。
「確かに今まで我等が圧倒的な兵力を持ってしもアカ共を駆逐出来なかったのは組織が脆弱だったからだな。」
ツァーリはそう理解し秘書官に命令を下す。
「全体に伝えろ。ツァーリコーポレーションは…第二次改革を行う…とな」
◆◆◆
「……トモエ…今週は来ないな…?」
「その様ですね…」
チェリノは執務室を彷徨きながら言う。
それもその筈今週の日曜日は何時もとは違っていた。
何時もならばこの時間には忌々しい白軍が土埃ならぬ雪埃を巻き上げながら学園に攻撃してくる筈だが今日は軍隊どころか兵士の1人も見当たらない。
そのせいかレッドウィンター在校生総出で学区内の要所で迎え撃つ準備をしていた生徒達は困惑しており
「来ないな…」
「今度来たらおNEWのこのライフルで脳天かち割ってやろうって思ってたのに…」
「敵が居ないのでお昼休憩にプリンを2つも食べちゃいます!」
「2つも!?」
と雑談をしていた。
一方その頃チェリノ達は
「…まさか?」
「会長…?」
突然チェリノの震え出しそれをトモエが心配するがそれは杞憂に終わる事になる。
「遂に…遂に!勝ったのだ!あの忌々しい白軍共に!!!ハーッハーッハーァ!」
突然叫んだ為口から付け髭が落ちるがチェリノは気にしない。
「オイラを恐れたか!ツァーリの奴めぇ!!!偉大なるオイラにひれ伏すが良い!!!」
そう高らかにチェリノが勝利に浸っていると執務室の扉をバンっと開けてマリナが飛び込んで来る
「何だ!マリナ!今オイラは勝利の余韻に…」
「た、大変だ!会長!ツァーリ…ツァーリコーポレーションの奴らが軍隊の大規模な改革を行っている!」
「え?」
その報せを聞いた瞬間先程まで生気に満ち溢れていたチェリノの顔がブルーハワイの様な色になる。
「え?え?軍隊?改革?ど、どんな?」
「偵察の報せによると…」
マリナの報せでは以下の事が報告された。
・指揮統制の統一
・多様な種類の戦車の生産を取り止めありとあらゆる戦場で戦えるМBТ戦車への開発移行開始
・兵士の削減そして個々の精兵化
・装備の向上
・航空戦力の拡充及びミサイルの開発
等が報告されチェリノは更に顔が真っ青になる。
今まで向こうのガバガバ統制のお陰で何とかなっていたのに統制されより精錬された軍隊なんか来たらそれこそ学園を乗っ取られてしまうが更に悪い報せが彼女に入った。
「それと…敵が居なくなった途端に…生徒達が革命を……」
この情報を知らない生徒達は勝ったと認識し政権を転覆させるべく革命に走ったのだ。
「…ば…馬鹿か!?アイツらは!?仮初めの平穏に過ぎぬと言うのに!?」
とチェリノが執務室で咆哮を挙げるがトモエとマリナ以外に届く事は無かった。