魔法少女はいないので   作:みつは

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いち

 

 

 

 気がついたらファンタジーが混ざった現代社会に生まれた。

 前世で生きた世界とよく似ているけれど、若干違う。

 才能溢れる人は魔法が使えるし、前世のゲームで見たことのあるモンスターが人のいない土地に住み着きダンジョン化している。

 そしてたまにそのモンスターが現れて魔法が使える警察官によって捕縛される。それ以外は学校もあるし会社も存在するしで、前世と同じように生きることは可能だ。

 

 でもって、完全にファンタジーじゃないって思えたのは一般的な魔法の使い方だ。

 

 魔法って、普通は何か飛ばしたり魔方陣作ってなんかすごいの召喚したりするだろ?

 でもこの世界の魔法とは武器にちょっと力を込めて使う程度。

 つまり紙に水魔法をかけて水に強い素材にするとか、暑い日に服に氷魔法かけて歩くクーラーみたいにするとかそういう道具としてしか扱わない。

 だから近年、道具に頼った魔法に対する攻略を編み出したモンスターのせいで捕縛もうまくいかず、ダンジョンが広がっていると問題視する声が上がっていた。

 

 

 だから俺は決めたのだ。

 その世界に必要なのは魔法で戦う方法を教えるヒーローが必要なんだと。

 世間から目立つ必要があって、魔法が使える人がいい。

 

 それならば、魔法少女が妥当なんじゃないか?

 なら誰かヒーロー気質の高い子に頼んで魔法少女になってもらおう!

 俺が魔法少女を導く博士になろう!!

 

 奇跡的に俺自身に才能があり、魔法が使えると分かったその日から道具開発に勤しんだ。

 魔法ってイマジネーションだから、自分の想像力の限界まで開発すればいい。

 

 でもって、きっと初めの子は何をすればいいのか分からないだろうから最初のうちだけ仕方なく俺が導くことにした。

 

 導くというか、最初だけ俺が派手に登場して世間に名を広めつつ次代魔法少女を探して旅をするみたいな感じだな。

 魔法の使い方さえ分かれば周りも攻撃方法を知ってダンジョン攻略するかもだしな。

 

 でも魔法少女って男の俺がなるの意味分からねえじゃん。少女って名がついてるぐらいだし。いやまあ男でも魔法少女にはなれるかもだが、それでも恥ずかしい。

 

 だから自己認識を曖昧にしつつ性転換できるアイテムを開発した。そんで本来の俺の顔を見られるわけにはいかないのでロリ化することにした。

 そうして出来た最初の魔法少女たる俺の姿は黒髪ショートカットの小学生ぐらいの子になったのだった。

 

 とりあえず名前はマジカルレッドとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「警部! またあのマジカルレッドとかいう女の子が出てきてモンスターを討伐して去っていきました!」

 

「レッドを追えたか!?」

 

「いいえ、話しかけようとしましたが逃げられてしまいうまくいかず……」

 

「うむ、そうか……」

 

 

 とある警察署にて、マジカルレッドという子供について頭を抱える男達がいた。

 

 狂暴すぎて銃も大砲も効かないモンスター相手に十数人が挑み、ほぼ大半が負傷し、最悪死人が出てしまうモンスター退治。

 いや、殺す手段がないので退治というよりは捕縛するしかないモンスターだったが────それを、小学生ぐらいの少女がビームかと思える炎をぶっ放して、モンスターを炭にし殺してみせた。

 

 それはとても凶悪で、人間とは思えない力だった。

 彼女は本当に人間なのか。派手な衣装を着ていたが、実はモンスターじゃないのか?

 

 人間を守り、モンスターを狩っているから敵ではないだろう。

 しかしあの炎がこちらに向けられたらと考えると寒気がする。

 そう、刑事達は思っていた。

 

 だから少女を捕まえて話を聞く必要があるのだ。

 しかし彼女は町中に現れたモンスターを退治するだけして去っていく。

 周りの被害はゼロにして────人々がマジカルレッドの名前を救世主かのように扱って。

 

「捕まえられないのなら、見守るしかないだろう」

 

「先輩……」

 

「下手にやぶ蛇をして、あの化け物の敵意がこちらに向けられては厄介だからな」

 

 

 

 

 そうして、危険性があるかどうか見定めようとしていた矢先に、それは起きた。

 

 

「先輩! マジカルブルーとかいう女の子が増えました!!」

 

「なんだって!!?」

 

 

 

 

 




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