魔法少女はいないので   作:みつは

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 世間一般的に服をクーラー代わりに使っていた氷魔法。それを地面に向けて放ち、冷却されたことでスライムの動きが鈍る。

 そこにコンロなどで使ってる火の魔法でスライムを燃やし尽くす。

 ただ、コメントにて『流石レッドモンスターさん』『ひええ』『生きたヒト型モンスターの称号は伊達じゃねえな』と書かれていたのでこの魔法は世間的に使いにくいと判定。

 火魔法により地面の氷が水となったのを確認し、説明を加えつつ椅子に微弱な電気魔法でマッサージ代わりにしていたものを流し、新しく来たスライム達を麻痺らせる。

 

 そこをテンション高いマジカルイエローが拳に先程の電気魔法を纏わせた状態でスライムをぶん殴った。

 

 

『身体に魔法を纏わせて戦うって革命じゃね?』

『魔法はいわば物をより快適に使う為の道具って認識だからね』

『身体に魔法を使うのってリスク無かったっけ?』

『電気魔法を自らにかけたら最悪、脳麻痺になるよ』

『あれ簡単そうに見えてものすっっごい制御してる』

『やべえわイエローモンスター……』

『レッドモンスターはドラゴンが幼女化した説。ブルーモンスターは爆弾を孕ませ系邪神説。そんでイエローモンスターはゴリラ』

『ゴリラwwwwwww』

 

 

 とりあえず魔法が簡単に出来ないという常識を変えるのはなかなか難しいということがわかった。

 魔法少女ではなくモンスターと呼ばれる件については物申したい。

 

 魔法少女についての認識をより大きく広めるためにもっと世間的に活躍する必要があるか。

 物理的な魔法が多いから、もう少し可愛い系を目指すか?

 三人中二人が中身男なんだけどな。

 

 

 

「困りますねぇ。ダンジョンを攻略されるのは」

 

 

 不意に聞こえてきた声に、俺達は立ち止まる。

 洞窟のように広がるその先、薄暗闇から聞こえてくるのは軽やかな足音。

 

 黒いスーツにスタイルの良い身体。しかしその頭は人間ではないもの。

 ふわふわした白い毛が頭から生えている。人間でいう両耳にあたる部分からはクルリと異形の角が二つ。

 頭が羊の形をしたソレが、目を細めて嗤っていた。

 

「こんにちは、ダンジョンの前線で戦う勇敢な特攻隊の皆さん。ワタシはこのダンジョンを管理しております。ダンジョンマスターです」

 

『だれ?』

『えっ、なんか頭が気持ち悪い』

『あれ被り物じゃねえの????』

『しゃべるまもの?』

 

 

 ブルーが杖を身構え、イエローが冷や汗をかきつつ拳を握りしめる。

 魔法少女といえば強敵はつきもの。しかし「このダンジョンマスター」と言ったか?

 つまり他のダンジョンにも管理者がいるのか?

 

 

「貴女達のことは仲間達から聞いていますよ。戦線にて戦う特攻隊……つまり、マジカル戦隊だとねぇ」

 

「いや違う、魔法少女だ。戦隊ものじゃない」

 

 

『いや訂正すんのそこ?』

『……レッドモンスターは否定しないのな』

 

 

 

 愉快な羊が「おやおや」と目を細めた。

 

 

 

 

 

 

 

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