そして時間軸は今に戻る。あれから俺たちは手も足も出せず、完膚なきまでにやられた。実弾もビームも防がれ、かといって接近戦に持ち込んでも軽く捻られる。にもちろん機体は無事なわけがなく、あちらこちらがボロボロになっていた。
そこで紅翼のガンダムのパイロットである黒髪の青年……シン・アスカが蒼翼のガンダムのパイロットとこの島に居た青年二人と共にいきなり襲ってきた謝礼ついでに修理しているというわけだ。一応俺やゼハートも機体の整備はできるが、二人の手際は同じパイロットだというのに俺ら二人を凌駕していた。焚き火をしてるとはいえ、まだ空には微かに太陽が残っている。
「アセム、四の五の言っても仕方あるまい」
「……そうだけどさ」
俺はパイロットスーツから制服へ着替え、地面に手を付いて空を見上げる。
「そういや、何で俺らをいきなり攻撃してきたんだ?」
俺は気になってどうやら道具を取りに来たらしいシンに聞いてみた。
「見たこと無いMSと戦闘機がずっと飛んでたからだな。もしかしたら機体を捕獲されかねないし……」
シンは当たり前のように答える。まぁそれ以外にあるのかと思うが……。
「一応聞くけど、その機体は『核融合炉搭載型』なのか?」
「アセムとゼハートだっけ?二人が戦った機体、『ZGMF-X20A ストライクフリーダムガンダム』にも俺の『ZGMF-X42S デスティニーガンダム』にも搭載されてるけど、『俺らの世界』で『核搭載型』は残ってるのは全部で3機だけかな」
「それはどういうことだ?核融合炉を造り出せるなら、それを量産する事だって……」
「簡単に言えば、『フリーダム』と『デスティニー』は戦争を終結させるための抑止力だからそれなりの性能が必要だったんだ。それに、一応『核』は条約で使用と利用を禁止されてるから」
そういうとシンはさっさと自分の機体がある所へ行ってしまった。
「……で、これからどうする?みんな?」
俺はやることがないのでとりあえずここにいるメンバーに聞いてみた。
「機体が動かないからな。とりあえず寝床を確保するべきだ」と、ゼハート。
「まだ夕暮れだから食料を補充して全員分の夕食を作るとか」と、アンジュ。
「山のなか探索しよう!!何か見つかるかもしれないし♪」と、ヴィヴィアン。
三者三様に提案したが、俺にはそれ以前に気になった事があった。それは、
「……なんで二人とも水着なんだ?」
女子二人の格好である。というのもアンジュは機体と同じ白に青のラインが入ったビキニタイプの水着を着ており、同じ基地にいるピンクの髪の少女と比べる程ではないがそれでも育っている胸部は見ようとしなくても目の前ゆえどうしても目に行ってしまう。
対してヴィヴィアンはというと、こちらも機体カラーと同じ赤いワンピースタイプの水着を着ていた。あまりというかかなり派手だが、ヴィヴィアンの体型や年齢から考えるとかなり似合っている。
「だって折角海があるんだよ~泳がなきゃ損じゃん♪」
「だからって今着る必要は……」
「確かに、夜は冷えるからな。その格好では風邪を引くかもしれない」
「「ハァ……唐変木」」
俺とゼハートの意見は少女二人のがっかりしたようなため息と共に消え去った。
とりあえず食料確保の為に探索に向かったゼハートとヴィヴィアンと別れ、俺とアンジュは川らしき所に来ていた。俺は前の無人島でゼハートが作った釣竿のロープを少し短くしたそれを、餌である小エビ(食料にあった)を付けて川の中へ投げ入れた。
「私、釣りを見るのは初めてです」
「へぇ、じゃあ釣るのも?」
「全く……」
「ふぅ~ん……っと掛かった!!」
俺は竿を引くと、そこにはヤマメに似た魚が掛かっていた。俺は返しを魚から外してアンジュが持っていたバケツ(焚き火をしてたところに転がっていた)に容れる。
「凄い!!」
「これくらい普通だよ。ゼハートなんか海で鮫を釣り上げたからな」
「そんなのまで釣れるのですか!?」
「まぁ……あれは餌が異常だったからな……」
そんなことを言いながらまた餌を付けて投げ入れる。するとまたすぐに掛かって同じような魚を釣り上げた。
「まるで入れ食いですね」
「これなら人数分……七人分は軽く確保できるな」
俺はふと思い付いた。そして近くにあった太めの木の枝を手に取ると、短くするために切ったロープと予備の針をを取り付けた即席の釣竿を作ると、それをアンジュに渡した。
「これは?」
「一緒に釣ろう?その方が楽しいしさ」
俺はなんかぶっきら棒に言いながら再び釣りを始めた。アンジュはそれを見て少し微笑むと餌を付けて隣で釣り始めた。
「……なんか、いい雰囲気だね二人とも」
ヴィヴィアンは茂みに隠れながらゼハートと一緒に二人を観察していた。
「良いのか?私たちは探索しなければならないんだが」
「そんなの、アンジュとアセムを二人っきりにさせる為の口実だよ」
ゼハートはその言葉の意味が分からなかったが、二人が仲良さげにしているのが良く分かった。
「アセムも不器用だよね~。素人ってこと分かってるなら教えてあげれば良いのに」
「アセムはそれが取り柄のような物だからな。それでロマリーがどんなに苦労した事やら……」
「?誰それ?」
「アセムの元クラスメイトで幼馴染み、そして同じ軍の同じ艦に居た女の子だ。彼女もそれで結構苦労してた」
「ゼハート、もしかして好きなんだ♪」
「んな!!」
俺は大声をあげて茂みから出そうになるが、ヴィヴィアンはゼハートの足に蹴りを入れて彼を立たせない。
「大声は出さない!!二人にバレたらどうするの!!」
「す、すまない……」
「「へぇ……バレたらいけないんだ……」」
その声を聞いた瞬間、ヴィヴィアンとゼハートの二人は背筋が凍ったように感じた。そして錆びたロボットのように声の方向へ首を傾けると、そこには顔は笑っているが目は笑っていない二人が片手に釣竿を、もう片手にロックが外された拳銃を手にしていた。
「ゼハート、まさかお前に覗きの趣味があるとはな……」
「い、いやアセム、落ち着け。とりあえず落ち着け……」
「ヴィヴィアン……このあとどうなるか分かるわよね?」
「え、ええと……」
流石のヴィヴィアンとゼハートもこんな状況になるとは汁ほど思わず、少しずつ後ずさる。そして、
「「……戦略的撤退!!」」
「「逃がすか!!」」
生死をかけた鬼ごっこ(捕まったら死亡フラグ)を開始した。
アンケートですが、まだまだ期限があるのでどんどん書いてください。よろしくお願いいたします。