クロスアンジュ 転移した戦士   作:ドロイデン

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 お久しぶりです。スランプやら現実での色々で中々更新できなかったドロイデンです。まだ覚えていてくれたら幸いです。

 スランプが抜けきって無いためか、今回は若干短めです。


第十九話 日本領 

 アセムが中に入ってまず感じたのは『懐かしい』という物だった。駐屯地内は和をイメージしたような佇まいにすらりと並ぶ竹林、そして自然の景観を壊さない建物の配色、どれもどこか懐かしく感じれた。

「これが……ホントに基地なのか?」

 ゼハートも驚いて開いた口が塞がらないようだ。キラとシンも同様の反応をしている。

「元々はホントに要塞のような形にしたかったんだけど、司令官がそれを許さなかったんだよ。なんでも景観を損ねるとか言っててね」

 カザマは自嘲気味に言ってるが、全員その司令官に心の内で親指を立てていた。

「まぁだけどこれは外装なんだよね」

「「「「外装?」」」」

 カザマのその言葉に男四人は?マークを浮かべる。

「うん、この基地は地下が本当のそれだからね。しかもこの建物の開閉ボタンも完全独立式だから外部ハッキングされないんだ。まぁ中に入られたらお終いだけどね」

「つまり、上は飾りなのか?」

「いや、外装といえどもちろん兵装はされてるから、下手にやると……」

 するとカザマは何を思ったのか足元にあった石を外装に投げつけた。すると一瞬赤い光が見えたのを最後に石が一瞬にして蒸発してしまった。

「こうなるからね」

「あ、あぁ」

 俺は焦げ残った石の残骸を見てみると、それは溶けかけていると言って良いもので、焦げているような音さえ聞こえる。

「カザマ、あんまり機密を話さないでよ。一応彼らは部外者なんだし」

「シナノ、君は少し柔らかく生きてた方が良いよ。でないと司令は……」

「それを言うな!!」

 シナノは照れ隠しのようにカザマの足を踏みつけた。それに対してカザマは不意打ちということもあってか、足を抑えてかなり痛がってる

「……で、早く中に入りたいんだが?」

「ゼハート、立ち疲れるのは分かるけど少しは風景を楽しむとか無いのかよ?」

「風景以前にあんなものを見せられたら、気になるに決まってるだろ」

 どうやらゼハートは先程の赤い光にかなりご執心のようで、知識というなの煩悩に塗れている。

「ゼハート君も言ってるし、シナノよろしく」

「わかった」

 そういってシナノはICカードらしきものを取りだし、それを壁に押し当てた。すると壁の一部が奥へと動き、上開きのドアへと変わった。

 俺たちはカザマの後に従いその中へ付いていくと、あったのは二台のエレベーターだった。それの1つに俺らは乗り込むと、今度はカザマがカードを取り出して扉の近くのスイッチらしきもの近くに翳す。するとフロアボタンを押していない筈なのにエレベーターは地下へ向かって動き出した。

「……マナを使わないんだね」

 キラさんが不思議そうに呟く。言われてみれば確かに『マナ』の発光現象は見られず、それを口にした様子もない。

「日本はノーマとマナが混在するから、マナだけにするとノーマの人間には動かせなくなるんだよ」

「それって、つまりここにも女性が居るんですか?」

「……つまりアセムには目の前にいる私が女性に見えないんだ~」

 俺の不要な一言にシナノは不自然なほどに口角を吊り上げてる。これは来る前のタスクへの怒り顔と同等クラスだ。

「いや、そういう意味じゃなくて、単純にどれくらいノーマの人が居るのかな……って」

「ふーん……」

 シナノは怪しげな表情で疑っているため、俺はできるだけポーカーフェイスを貫く。が、そもそも最初に動揺している時点でポーカーフェイスもなんもありはしないのだが、シナノは深く聞こうとはしなかった。

「シナノ、幾らなんでも失礼だよ」

 ここでカザマがありがたい助け船を……

「カザマ、そういえばさっき車の中で私のフルネームを喋ったようね?」

「え、それは……」

 ……どうやら助け船は無情にも標的に晒されてしまったようだ。

「とりあえずアンタら二人とゼハート、あとタスクはあとでお仕置きが必要ね」

「異議アリだ。アセムとカザマ、ついでにタスクはまだしも「誰がついでだ!!」、なんで俺もなんだ?疚しいことはなにもしてないぞ?」

「アンタがカザマと一緒の車に乗ってたからよ。ついでにタスクはお仕置きし足りなかったし」

「「「「横暴だ!!断固控訴する!!」」」」

 俺を含めた被害者四人は口を揃えてブーイングするも、シナノが抜いた大型のコンバットナイフの前には無力だった。

「何か言った?」

「「「「いえ、なんでもありません」」」」

 その様子を見ていた黒髪少年と茶髪青年はそろって苦笑いを浮かべる。

 するといきなりポーン、と軽快な音と共にエレベーターが停まり、ゆっくりとその扉を開いた。

「「「「!!」」」」

「ここが、黒の騎士団の整備区画だよ」

 そこにあったのはディーバのMS格納庫も真っ青というほどのロボットが所狭しといった感じ並んでいた。見た目は暗い銀色のボディーに一つ目(モノアイ)、四本二対の細長い翼に昔の侍のように剣を腰に下げたそれが数十体も並んでいる様は、それが量産機だとしても壮観だった。

「これは……」

「これが日本の、黒の騎士団の主力防衛兵器『ナイトメアフレーム』だよ」

「ナイトメア……フレーム……」

「防衛なのに悪夢と称するとはな」

 ゼハートのその言葉にシナノとカザマはきょとんとしてしまう。そこへキラさんが、

「違うよ、ゼハート」

 と、待ったをかける。

「へ?そうなんですか?」

 シンは驚いたようにキラへ質問した。

「うん。多分英語の悪夢(Nightmare)じゃなくて騎士の馬(Kight Mare)なんだと思う」

「キラさんの言う通りですが……どこでそんな知識を?」

 カザマはキラのハイスペック気味に若干呆れたが、シンはシンでこれにはもう慣れっこのようだった。

「ホント、キラさんは普段は天然なのにスイッチ入ると別人ですからね」

「そんなにじゃないよ?」

 キラさんは心外そうに言っているが、シンの表情はその言葉にジト目を浮かべている。

「ま、それよりも君たちに会わせたい人が居るから、街に行くのは明日でいいかな?流石に手続きとかにも色々と時間はかかるし、それに……」

 カザマはそう言うとなぜかゼハートの方を見つめた。

「……いや、それじゃ行こうか」

 その一瞬の間に何の意味があったのかは定かではないが、それは嵐の前の静けさに近い何かのような気がした。

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