どうしてこうなった?
エインside
「どういうことだ……キサマら!!」
私は上空にいる『バッフェ』……銃口を向けてきた仲間達に怒声を響かせる。
『なぁに、邪魔者を消そうと思っただけさ』
「邪魔者……だと!!俺達はお前達と同じ理想を持ったからこそ!!」
『確かにお前達《親衛隊》は我々と同じアンジュリーゼ様をお慕いしていた者ばかりだ。それは認めよう』
だが、と奴は続ける。
『正直言ってお前達四人の考え方は古すぎる。武器を奪って皇女殿下のみを救うというのは無理無謀だ。だからこそ我々はこのミスルギ皇国ごと作り変える。ノーマ否定を訴える国民達を消してでもな!!』
「国民までだと!!そんなことをしてアンジュリーゼ皇女殿下が喜ぶと思うのか!!」
『喜ぶだろうさ、ノーマと蔑む者は存在せず、彼女が唯一無二の皇国の覇者となるのだからな!!』
「……狂ってる」
私は小さく呟いた。
「キサマ達は狂っている!!もし彼女がそうなったとして彼女自身は本当に喜ぶのか!!そしてそんな未来で、お前達は何を望むと言うのだ!!」
『すべてはアンジュリーゼ殿下と、そのお心のままに、それが我々の総意だ』
「なんだと!!」
『我々の肉体がこの世から滅しても、我らの思いがアンジュリーゼ殿下を加護する。たとえアンジュリーゼ殿下から死ねと言われても、我々の彼女を慕う思いが、殿下を守り殿下を強くする!!』
「違う!!俺達、親衛隊は彼女を時には守り、時には共に歩む、ただそれだけの為に!!」
『だからキサマの考えは古いのだ!!たとえアンジュリーゼ殿下を救えたとしても、彼女を受け入れるところはどこにある!!』
奴の言葉に私は答えられない。
『どこにもない……。例え救えたとしても、彼女を受け入れ、彼女自身が幸せに感じる、小さくても温かい場所は……この世界には無いのだ』
「違う!!」
『何が違うというのだ!!この世界の人間のほぼ全てが、ノーマを人とも思わない輩ばかりだ!!キサマも知っているだろう、アンジュリーゼ皇女殿下が各国に宛てて書かれた書面が、どこからも受け入れられずに撥ね退けられたことを!!』
「それは……!!」
『結局、奴等はノーマを世界のゴミとして見る以外無いのだ。日本領もノーマとマナの共存を唄っているが、その実ノーマに対して過度な徴税を行っている……ノーマの居場所は……彼女達が安心して住める都はこの世界には無いのだ』
『……だからどうした』
その時、今まで黙って傍観していた彼女が口を開いた。
『ごちゃごちゃと煩いねまったく。そんなにその元皇女様ってのを敬愛してるなら、普通テロリストになったりしないんだよ』
『な、なんだと!!我々はいつだってアンジュリーゼ皇女様を』
『ならアンタは連れ去られる皇女様を命を差し出してでも助けようとしたのか?助けてと懇願する皇女様の手を取ったのか?』
彼女の言葉に奴は何も言えなくなる。
『どんな御託を並べて飾ろうと、自分自身が動かなきゃ真実味に欠けるんだよ』
『何を!!キサマらこそノーマとマナとの共存を唱いながらその実ノーマへの過度な徴税を行っているだろうが!!』
『だからどうした?』
「え……」
シナノの言葉に俺はただ言葉を呟いた。
『確かに私達の日本はノーマへの徴税を行っている。だが元々、徴税を口にしたのはノーマの方だったとしたら?』
『何を……言っている』
『元から日本はノーマを差別する奴はいなかったってことだよ。差別される辛さと苦しみは、私達日本人みんなが経験してるから……』
「…………イレブン……か」
イレブン……それはかつてマナが生まれる数世紀前、KMFが全盛期を迎えていた頃のある島国の呼び名だった。その国はKMFを生み出した大国によって攻められたことにより植民地と化し、国の名を奪われ、イレブンというナンバーで呼ばれた。
私のその言葉にシナノは悲しみを含んだ表情を浮かべる。
『私達の祖先は一度、自分達の国を失い、国を取り戻すために大国と戦った。最初はお前達と同じテロリストだった。けど彼が現れてから全てが変わった。私達が進むべき道を、日本人としての誇りを、彼は取り戻させてくれた。』
「『奇跡の男』……『ゼロ』か」
『そう、彼は元々攻めてきた大国の後継者の一人だった。けど彼はその大国を憎み、自らが先陣を切って戦場に出た。そして最後に彼は、日本を、世界を、そして大事な人を守るために、自らを必要悪として死んでいった』
『ふん、自らを必要悪だと?我々は善なる行為をしているのだ!!必要悪だろうがなんだろうが、そんなものはただ死んで逃げていっただけだ』
「違う!!」
私は奴の言葉を否定した。
「聞いてなかったのか?彼は自らを必要悪としてでも、世界を愛し、大切な人を守りたかったんだ!!」
『それが逃げたと言うのだ!!エイン、キサマはアンジュリーゼ皇女殿下を助けるために我々と!!』
「確かにそうだ。だが、俺たちはただ彼女のそばに寄り添いたいと思っただけだ!!」
私はライフルをしまい、大太刀を両手上段に構える。
「キサマは世界に……アンジュリーゼ様の側に居るに相応しくない!!」
『なんだとキサマ!!我々が相応しくないだと!?』
『そんな寝言を言ってるやつには勿体無いってことだよ、子悪党!!』
そう言って彼女も剣を構えて私の機体に並び立つ。
「どういうつもりだ、私とお前は敵同士のはずだ」
『別に、ただ一対一の真剣勝負に水を差したバカ達にお灸を据えたいだけだよ』
「…………そうか」
そう言って私はレーダーを確認して、彼女の機体にあるデータを送信した。
『これは……なんのつもり?』
「なに、俺の味方してくれる奴のデータを送っただけだ。俺の部下まで落とされたらたまったもんじゃないからな」
その言葉通り、突然周囲を囲んでいた『バッフェ』の一部が爆発した。そこには黒、翠、青に塗られたパラメイル三機が浮かんでいる。
「済まない、セレン、一ノ瀬、九重!!」
俺はメイルライダーであり、部下である彼女達に通信を入れる。すると黒いパラメイルのメイルライダー、セレンが応える。
『エイン……無茶しすぎ』
『そうですよ!!いつも一人で突っ走りすぎなんですよ!!』
『私たちは貴方の部下なんです。少しは信頼してください』
続いて一ノ瀬と九重も不満たらたらの様子で応えてくる。
「済まない」
『謝るなら……アンジュリーゼ殿下を助け出す』
『いやセレン、あんたも何気に無茶言ってるから』
『隊長が隊長なら部下も部下なんですよ一ノ瀬』
戦闘中だというのに彼女達には余裕の表情が浮かんでいる。いや、実際に余裕なのだろう。数十もの『バッフェ』を前にしてここまで平常心でいられるのはとてもじゃないが普通ではない。
『全く……援軍だと思ったら内の二人は日本人か?』
「あぁ。彼女達は私が親衛隊隊長だった頃からの部下だ」
『しかも全員がパラメイルのカスタム機……よくもこんなに奪えたわね』
「それなりの組織だったからな。それに奪ったパラメイルを特殊にカスタムさせた彼女達専用のパラメイル、『疾風』の前には量産機ごときでは止められないさ」
私がそう言うと、やられてイラついたのか、リーダーであるいかにもゴツい『バッフェ』が腕部のガトリングと肩に増設されたミサイルの照準を合わせ始めた。
『たかが三機増えたところで、数の優位に変わりはない!!』
リーダーがそう叫ぶが、直後にそのリーダーの『バッフェ』の回りにいた敵機体が爆発、四散した。
『…………ほう、数の優位に変わりはないだと?』
『そりゃ俺たちが増えてもか?』
そのリーダーの後ろに居たのは、赤く塗装されたグレイブと、両手に鎌を構えたKMFだった。しかもそのKMFは、
『に、日本軍のラウンズ……ナイトオブスリー、『宣告の死神』、紅月=ロイ=ヴァインベルグと『トリスタン・ディザスター』!!』
「まさかミスルギ皇国支部の支部長自ら出撃してくるとは……」
流石にこれには驚いてしまい、俺もセレン達も顔を驚きで歪ませている。
『ぐ……だが!!』
リーダーはまだ何か言おうとしたが、それを阻むようにまたバッフェの大群の一角が爆発した。
『シナノ、ここからは僕たちも加わらせてもらうよ』
どうやら今度のは先程見かけた『ランスロット・エクセシオン』と、それに追随するように二体の機体がやったようだ。
『バカな……先程まで最低でもひゃ、百近い数の『バッフェ』で…………』
「……どうやら、驚いて腰を抜かすには早いそうだ」
俺は少しだけリーダーを哀れみながらそう言ってやった。なぜならそのリーダーのちょうど真後ろ……『暁の御柱』の方角からまた二機の機体が姿を現したからだ。
一つ目は深紅に彩られた、正しく悪魔と形容するに相応しい機体で、もう一つはパラメイルにしてはかなりの大武装で、まるで『空飛ぶ火薬庫』とでも言うようなものだった。
『あ、ああ……』
流石にリーダー自身も震え上がってしまい、最初のような高圧的な表情すら浮かばせる事が出来なくなってしまった。
「さて……数の優位が……なんだって?」
俺は試すようにそう言った。が、リーダーはもうすでに耐えきれなくなってしまっていたために答えることすらできなかった。
それから程なく、一分も経たないでリーダー達は投降した。一大テロの始まりは激しかったものの、終わりはなんともしまらないものであった。
『これで……解決したんですよね』
火薬庫パラメイルのメイルライダーらしき少年がオープン回線で声をあげる。俺はそれに答えようとしたが、その突如、異変は興った。
「!?時空間に亀裂?……まさか!!」
私はその方角に目を向けた。そこには空間が捻れるように開いていて、そこから大量の紅い生物が飛んできた。
『ドラゴン……だと!!』
新コーナー!!
ア「教えて!!機体紹介!!」
ゼ「……何をやっている?アセム」
ア「なんでもこの作品に登場するMSやKMF、モビルスーツなんかを紹介していこうって企画らしい」
ゼ「それなら機体紹介の欄があるだろう?なぜこんな……」
ア「既に版権機体やそれを諸事情で魔改造させちゃって説明しないといけない機体についてやるんだって」
ゼ「なるほどな」
分かってくださればありがたいです。あと基本的にここではぶっちゃけトーク的なギャグ回ですので悪しからず。
では今回の機体をアセム君、よろしく
ア「えっと……今回は『ガンダムAGE-2』みたいですね」
ゼ「AGE-2はアセムが乗るMSであり、いわゆる主人公機というやつだな。MSでは然程多くない可変可能型MSであり、『ダブルバレット』に換装することで高火力のMSに切り替わる、言わば変形する万能機というやつだ。メインライフルの『ハイパードッズライフル(以後HDR)』は喰らったら一溜まりもない威力を持つ」
ア「そういえばゼハートの『ゼイドラ』も『HDR』を防ごうとして直前に回避したんだっけ?」
ゼ「もし防ごうとしていたら今私はここに居ないかもしれんな……」
ア「いや、ヴェイガンのコックピットって頭部だからなんとか……最終的に頭だけで動いたり」
ゼ「なわけあるか!!どこの宇宙世紀の最終決戦だ!!」
感想など、よろしくお願いいたします。