クロスアンジュ 転移した戦士   作:ドロイデン

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ミスルギ皇国潜入―竜と蟲

  アセムside

 

「ドラゴン!?なんでここに!?」

 俺は戦闘機形態の『ブリュンヒルデ』のコックピットから思わず呟いた。

 ジル司令官やゾーラ隊長の話では、ドラゴンとは基本的に市街地で戦闘することは基本的にない。それは言い方は悪いがノーマが文字通り命がけでドラゴンと戦っているからだ。この世界にとって『ノーマはドラゴンを倒すための駒』という扱いが常識で、ドラゴンを人々が住む市街地に侵入させるということは、ノーマの存在意義を悪い意味で加速させてしまうことに繋がるからだ。

『アセム!!どうやらそれだけではないらしいぞ!!』

 ゼハートのグレイブに言われて確認すると、ドラゴンが多数出現している空間から見覚えのある黄色い蟲を確認した。

『インセクト!!忙しい時にこんな!!』

 シンは通信で悪態を付くように声をあげる。だが、その状況を見てキラさんはいつになく厳しい表情を浮かべる。

『もしインセクトとドラゴンが互いに潰しあってくれれば良いんだけど……』

『どうもそうは問屋がおろさないみたいですね』

 カザマの言う通り、ドラゴンとインセクトは互いを仲間だと認識しているのか、まるで軍隊のように攻めてきた。

「ゼハート!!」

『分かっている!!』

 俺たちはドラゴンの突撃をすぐさま回避し、またインセクトが放つレーザーやミサイルをまた回避する。

『各機、インセクトには気を付けろ!!やつらは体内でミサイルなどの質量兵器を生産する!!下手に近づけばMSやKMFの装甲でも落とされるぞ!!』

 ゼハートのその言葉を聞いた各機は回避行動を取りつつ、各々の射撃兵装で攻撃する。

『カザマ、シナノ、そちらは一般人の避難を優先してくれ!!テロでそれなりはシェルターなどに避難してるだろうが、逃げ遅れた者達もいるはずだ!!』

『既に駐屯地の『暁肆式』が避難民保護をしてる。俺とゼハート、アセムとMS部隊、ついでにそこのアンジュリーゼ親衛隊で撃退する!!』

『『了解!!』』

 ゼハートとロイさんの命令を聞いたカザマとシナノはすぐに高度を下げて迎撃の体勢を整える。

 俺はパラメイルを人形形態の状態にしようとするが、そこで気づいた。

「な、嘘だろ!!」

『どうしたアセム?』

「人形形態になれない!!」

『なんだと!?』

 そう、いくら操縦桿を動かそうとしても、全く動かず、画面には意味のわからないアルファベットの羅列が並んでいた。

『アセム、そのパラメイルについてジュリオさんから話を聞いているのか?』

「一応、この機体が『原初のパラメイル』の一つだって」

『それだけではない』

 突然回線が繋がったかと思うと、そこには若干煤などで汚れているが、無事であったジュリオさんだった。

「それだけじゃないって……どういうことですか?」

『その機体、『ブリュンヒルデ』は原初のパラメイルであり、アンジュリーゼが駆る『ヴィルキス』や他のパラメイルと一つとなることで力を発揮する』

「どういう……」

『そして普通ならできないが、そのAGEデバイスと繋げることで、パラメイルを一時的に究極の機体にまで昇華させることができる』

 するとジュリオさんは通信をしながら別のディスプレイを開き、手早く操作をする。

『今君の目の前にあるディスプレイに掛けられた封印を解除した。その状態なら君の友人のパラメイルとの換装できる!!』

 確認すると、画面には先程の羅列とは変わった文章が出現し、さらにゼハートの『グレイブ』の番号が映し出されていた。そしてさらに『YES』と『NO』という選択肢が写し出される。

 俺はゼハートの機体に近付く。

「ゼハート……」

『分かっている。状況が状況だ、すぐにやるぞ!!』

「ああ!!」

 俺は怖かったが『YES』を押した。するとゼハートのグレイブの後ろに回るように俺の『ブリュンヒルデ』が自動で移動すると、一瞬にして変形し大型の翼のような姿へと変貌し、そのままゼハートの『グレイブ』の背部と結合するように取りつき、機体の色が『グレイブ』と同じ赤へと変色する。

 さらに『ブリュンヒルデ』の装甲がグレイブのアーマーへと変化し、両手には少し長めのライフルが握られ、その姿は正しく紅の戦士というべきものであった。

「これが……『ブリュンヒルデ』の真の姿……」

『そう、『ブリュンヒルデ』はパラメイルを自身と繋げることで神にも等しい力を与える機体なのだ』

 ジュリオさんのその台詞を聞くと、ゼハートから通信が入った。

『これがお前の乗っていた機体の姿というわけだな?』

「あぁ」

『どうやらこの機体の状態になると変形が一時的に出来なくなる。アセム、お前が機体の操縦をしろ』

「え!!ゼハートは」

『俺が火器管制をする。アセム、お前が敵をロックし、俺が射つ。その方が効率が良いだろ?』

「それって、自分の方が機体を扱えるって言いたいのかよ?」

『そうではない。お前を信用してるからこそだ』

「了解!!」

 俺はそういうと一気にフットペダルを踏み込んだ。『AGE-2』に近いスピードに俺は驚くと、敵のドラゴン二体に照準を合わせる。するとゼハートは予期していたかのように両手のライフルのトリガーを弾いた。銃口から放たれた光の奔流は、自分達にとっては見慣れたものだった。

「ビームライフル!?」

『神の機体というだけはあるな。出力がヴェイガンのビームの比ではないぞ!!』

「!!後ろからインセクト三体接近!!」

 驚いている暇などなく、後ろから現れたインセクトのミサイルの嵐が機体に襲いかかる。

『アセム!!』

「分かってる!!」

 俺は機体を素早く動かし、ミサイルの群れから回避しつつ、インセクト三体にロックをかける。

「ゼハート、ミサイルを!!」

『了解した!!』

 そう言ってゼハートは背中の翼からミサイルを展開し、インセクトめがけて大量に射ち放った。当然ながらインセクトも回避をするが、『Xラウンダー』としての先読み能力をフルに使ったミサイルは一発残らず、ロックしたインセクト全てに直撃し赤い花火を打ち上げた。

「凄い……」

『呆けてる暇はないぞ、アセム!!』

「ああ!!」

 俺はゼハートの言葉に返事をすると、残りの的に機体を進めた。そして俺達は気付かなかった、換装した時、ジュリオさんの目が不敵に笑っていたことを……。




アン「教えて!!機体紹介!!」
サ「今回は私たちなのね、アンジュ」
アン「そうみたいだけど、なんでよりにもよってサリアとなのよ」
サ「文句言わない。時間が無いからさっさと始めるわよ」
アン「分かってるわよ。今回の機体は『ガンダムAGE-1』ね」
サ「フリットさんが乗る初代ガンダムね。三つの形態に変化することで格闘戦と高速戦闘に特化した機体になるわ」
アン「でもこの機体ってアセムの時ってあんまりいい扱いされてないわよね?」
サ「そうだったかしら?」
アン「そうよ。ゼハートに『ゼダスR』で切り伏せられたり、ゼハートの副官の乗った『ドラド』に自爆特効されたりだもの」
サ「確かに……不遇って言えば不遇かも」
フ「何が不遇だ!!」
アン・サ「フリットさん!?」
フ「確かに司令官になって全線から退いてたのは認める!!だがそれと機体が不遇だということがイコールではない!!だいたい…………」クドクド
 しばらくアンジュとサリアはフリット総司令の説明を長々と聞かされていたのだった。
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