クロスアンジュ 転移した戦士   作:ドロイデン

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ミスルギ皇国潜入~妹とバルキリー~

「ジュリオ兄さま…………」

 私は脱出用のシャトルの中で、祖国で別れた兄さまのことを考えていた。

 あの日……アンジュリーゼお姉さまがノーマだと発覚したあの日の夜……お兄さまは自室で重たい表情をしてました。

 ノーマだった姉を庇ったお母さまを殺してしまったとはいえ、お兄さまの表情はそれ以上に暗く、とても悲しみに包まれているようでした。

 数日が経ってお父様が処刑されてからは尚更苦しそうでした。秘書官であったリィザの前でさえも暗く悩んでることが多くなりました。

 そして私は数日前……ジュリオ兄さまに聞いてみることにしました。

『なぜそんなに苦しそうになさってるのですか?』

 その時のジュリオ兄さまの表情は驚愕に満ちておりました。そして兄さまは部屋にいたリィザを部屋から退出させると、モモカを招き入れて、ある話をしてくださいました。

 それはアンジュリーゼお姉さまやノーマ……それだけではない、この世界の価値観さえ変えてしまうお話でした。

「モモカ……」

「はい」

「モモカは……貴女は……あの話を聞いてどう思った?」

 モモカは何も言えずに黙ってしまう。

「私は……怖いです。お兄さまの話を疑いたくはありませんが、もし、もしあの話が本当なのだとしたら……」

「それは……」

「私には何も力がない。マナだから皇族だから……そんなもの、たいした力もないただの称号です」

「違います!!」

 モモカは強く否定しました。

「シルヴィア様はアンジュリーゼ様の妹です。貴女にもアンジュリーゼ様のように気高く、誇り高い」

「誇りなんて、そんなもの」

「それにシルヴィア様は……!!」

 その時、シャトルから警戒アラートが鳴りました。私は急いで『マナの力』でシャトルの回りの映像を出すと、そこには後ろから大きな蟲が空を飛んで迫っていたのです。

「モモカ!!スピードをもっと上げて!!」

「これでも限界まで出してます!!」

 モモカは必死に運転する。が、蟲達の方がかなり速く迫ってきており、ついに赤い蟲の一体に機体を掴まれてしまいました。

「!!モモカ、自衛用の装備は!?」

「チャフはありますけど、効果は無さそうです!!」

「効果あるとか無いとかの問題じゃなくて、すぐに射ってください!!」

 モモカは言う通りにチャフを射つが、やはりと言うか全然効いていない。そして蟲の尻尾のような部分がシャトルを狙って……

(すみませんアンジュリーゼお姉様……)

 私はそして身を固くし、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いきなり赤い蟲の方が爆発しました。

「キャァァ!!」

 いきなりの爆発の揺れに驚き、私は車椅子から落ちてしまいました。けど、それどころではありませんでした。

「生きてる?モモカ、私は生きてます?」

「ええ!!生きてます!!」

 モモカが急いで駆けつけて私を車椅子に戻す。そして私は何が起こったのかを確認するために再び映像を開くと、そこには蟲達と戦う赤と白に塗られたロボットがそこに居ました。

『こちらS.M.S.スカル小隊所属の早乙女アルト、そこのシャトル、無事か?』

 ロボットのパイロットらしき男の人が機体に通信を掛けてきました。ヘルメット越しでしたが、かなりのイケメンでした。

「こ、こちらミスルギ皇国第二皇女、シルヴィア・斑鳩・ミスルギです。き、救援感謝致します」

『女の子二人……そちらのシャトルのパイロットは?』

「わ、私です。モモカ・萩野目です」

『そ、そうか……。こいつらの相手は俺がする。だからそっちはできるだけ遠くへ行け』

「す、すみません。私たちには行かなければならないところがあるんです。で、できれば護衛を!!」

『了解した!!だが、そのシャトルだってさっきの爆発でかなりのダメージが入ってるんだ。今は戦闘空域を離脱して安全圏で着陸するんだ』

「わ、わかりました!!」

 モモカはアルトさんの言う通りに従って、シャトルを戦闘空域から離脱し始めます。そして映像を見た私はさらなる驚きを覚えました。

 彼の乗っていたロボットが旧世代の戦闘機みたいな姿へと変貌したのです。さらにそこからミサイルや、ミスルギ皇国でも量産開発に苦労している光学兵器をこれでもかと射っているのです。

「あの方は一体……」

 なぜか知りませんが、私は心がどうしても高鳴るのでした……。

 

 

 

 アルトside

 

「くそ、どうしてこんな!!」

 俺は『VF-29 デュランダル』の戦闘機形態でバジュラの群れを撃ち落とす。

「あいつらとは解りあえたはずなんだ……なのに」

 あの時、俺は『バトルフロンティア』と一体となった『バジュラクイーン』と共に居た。仕方がないとはいえランカやシェリルと別れフォールドしてしまい、気がついたらこの世界だった。

 別にどうしてここに居るのかというのはどうでも良かった。だが、俺はこの世界の常識というものにうんざりしまった。

 『ノーマ』、『マナ至上主義』、そんな事で人間同士が差別を行う。外見だけ平和なこの世界は、文字通り『張りぼて』の世界だと思った。俺達の世界での『ゼントラン』や『バジュラ』の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいだ。

 そして今、俺は再びバジュラと戦っている。ホントは戦いたくないという気持ちもある。あの戦いで俺達人間とバジュラは解り会えたはずだ。現にあの時は共闘してくれたりもした。

「くそ、なんなんだよ、これ!!」

 俺は人形形態に変形させ、手にガンポットを構える。そしてミサイルと共に全弾発射してバジュラを全て倒し、バジュラの痛みを感じた。

「……こちらスカル4、状況終了、これより護衛の任に入る…………」

 誰に言うでもなくそう呟き、俺はなんとも微妙な気持ちでシャトルに向かうのだった。




ゾ「教えて、機体紹介」
ヒ「今回は私たちなんですね」
ゾ「まぁいいじゃないか。こうでもないとまだ暫くは出番が無いからね」
ヒ「それは作者のせいですよね……」
ゾ「お堅い事は言いっこなしだ。今回紹介するのは『ゼイドラ』だよ」
ヒ「確かゼハートの機体で、この世界では唯一のヴェイガン側の機体ですよね?」
ゾ「そうだ。この機体はゼハートの『Xラウンダー』としての能力が量産機程度じゃ追い付かないが為に造られたんだが……まぁ正確に言えばこれでもまだ着いていけてないんだが」
ヒ「そうなんですか?」
ゾ「実際作中でも専用の『仮面』着けないと追い付けないとか言ってるぐらいだ。それだけゼハートの能力は底が知れないって事だよ」
ヒ「でも実際どれくらい高いんです?なんか仮面着けても着けなくても変わらない気が……ってこれは?」
ゾ「一応作者曰くの『AGE』の能力ランキングだ」
「ランキング(主要メンバーXラウンダー能力高い順)
 キオ〉ゼラ=イゼルカント〉ゼハート≧フリット〉〉〉フラム=ジラード=デシル=ユリン」
ヒ「なんか……高いと言えば高いんですけど……」
ゾ「まぁ微妙って言ったらそこまでなんだがな」

*ヒルダの口調はゾーラさんの前なのでこうなってます。
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