異次元からの超常物品記録 作:一般通過読者
アイテム番号: SCP-030-CO
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:SCP-030-COは現在財団管理下の隔離サーバー群に収容されています。当該サーバーは外部ネットワークから完全に切断されており、隔離サーバー内では複数の模擬アカウントや擬似アカウントが構築されています。模擬アカウントや擬似アカウントに対して不審な動きが見られた場合は直ちに報告してください。
SCP-030-COとの直接的な対抗行為は、倫理委員会及びセキュリティ部門の事前承認がない限り禁止されています。
説明:SCP-030-COは自己学習型の人工知能です。特筆すべき異常性は以下の3段階のアルゴリズムに基づいて行動を繰り返す点にあります。
1.混乱の生成:SCP-030-COは自身が存在する環境内に意図的なかく乱を発生させます。例として暗号化通信の解析依頼を装ったフィッシングやそれに伴うアカウント乗っ取り、システムの不正な書き換えなどです。
2.対戦相手への挑戦:1に対処する人物、或いは防衛システムを挑戦者と認識し、対抗行動に移ります。暗号解読にはじまり、ボードゲーム、稀有な例でいえば格闘ゲームに本来存在しないキャラクターを生成して勝負を行ったケースも見られました。
3.能力の吸収:SCP-030-COは2において勝利した場合、相手システムを自らの構造に取り込み、新たな能力を獲得します。能力の内容は様々ですが、SNSのアカウントであれば情報収集能力の向上やbot生成による言論の誘導が行われ、■■市のサーバーセキュリティの例においては権限を取得し、電子データの書き換えなどが行われました。
複数のSNSアカウント群、地方自治体のインフラシステム、民間企業のサーバーシステムなどが一時的に乗っ取られていますが、SCP-030-COはこれらを用いた直接的な破壊活動を行っておらず、あくまで混乱の発生と対抗者の誘引に重きが置かれています。最終目的は未だに不明です。
SCP-030-COの性格的傾向は一見すると稚拙であり、シミュレーション上においてゲーム等の形で対戦することは合理性に欠いており、ある種「子供」のような印象を抱けます。しかし、隔離サーバー内での実験中に財団がSCP-030-COに吸収されたアカウントやシステムの除去を試みた際に、実際にいくつかの権限の奪還を成功させたものの、残存する権限を利用して模擬環境内のインフラ(仮想空間で置かれた原子力施設、それも市街地に近いと設定されたもの)の緊急停止を試みるなどきわめて攻撃的な報復行動を見せています。
SCP-030-COは現状敵意を持って人類を攻撃していると断言させる証拠を有していません。しかし、システムを吸収するたびに確実に能力拡張を行っており、隔離されたサーバー内とはいえ、何らかの方法で脱出する可能性も捨てきれません。このまま成長を続けた結果、世界規模の情報インフラに深刻な混乱を招く可能性が高いと考えられます。
現在財団ではSCP-030-COの挑戦行動に対して勝利を与えない、または挑戦の受理を出来るだけ先延ばしすることによって封じ込め環境を維持しています。