異次元からの超常物品記録 作:一般通過読者
アイテム番号: SCP-046-CO
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:SCP-046-COは物理的実体としての恒常的収容が不可能であるため、財団は現象の誘発と管理による封じ込めを実施します。サイト-■■においては、毎日1回以上、職員間で明確な勝敗が決定する「勝負行為」を実施してください。勝負内容は腕相撲、将棋、カードゲームなど任意としますが、必ず「勝者」と「敗者」が明確に定義される形式でなければなりません。
勝負開始時、SCP-046-COが出現した場合は、職員は抵抗・逃走・中断を試みず、現象が終了するまで観察を継続してください。勝負当事者は例外なく「名乗り」を要求されるため、必要最低限の形式的発話を許可します。
出現中の映像・音声は自動記録されますが、外部への公開は禁止されています。周辺一般社会で同様の現象が発生した場合、財団は適切なカバーストーリー「突発的なフラッシュモブ」「撮影企画等」を適用してください。
説明:SCP-046-COは勝敗を伴う対決行為の直前に突如出現する集団的異常現象です。「応援団」「チアリーダー様集団」といった複数の人型存在から構成され、総数は平均して10〜20体程度と推定されます。構成員はプロレスのようなマスクをしている以外は外見上は一般的な学生応援団、またはスポーツイベントにおける応援要員と同一ですが、身元・所属・侵入経路は一切確認できず、出現と消失はいずれも瞬間的です。
SCP-046-COは「勝負が行われる」と認識された空間を一時的に改変し、周囲を格闘技のリング場へと変質させます。この空間内では周辺人物の心理状態に軽度の強制効果が発生し、当事者および観測者は状況に対して不自然な疑問を抱かなくなります。
現象発生時の進行はほぼ固定されており、以下の順序を取ります。
1.応援団による掛け声とコール
2.対決者Aの名乗り
3.応援団による追加の煽り・応援
4.対決者Bの名乗り
5.周囲の視覚演出(リング空間、強調された遠景など)
6.「開始」を告げる号令
7.勝負の開始
特筆すべき点として、対決者は必ず即興的な「前口上→名乗り→締め口上」に類する発話を行います。この発話内容は勝負内容に関連する形で生成され、終了後も当事者は「なぜ名乗ったのか」を疑問に思いません。名乗りの強制は言語的ミーム作用に近い性質を持つと考えられていますが、現時点で精神汚染や長期的後遺症は確認されていません。
20■■年、■■県内の複数地域で「選挙演説中に突然応援団が現れ候補者が名乗りを上げた」「町内会の腕相撲大会が突如リング演出化した」などの報告を通じて発見されました。財団は当初、発生地点を特定できず封じ込め困難と判断しましたが、現象が「勝負事」に依存していることを突き止めた後、サイト内で定期的に勝負行為を実施することで出現頻度を局所化することに成功しました。
SCP-046-COは勝負の勝敗そのものに干渉せず、暴力行為も行いません。応援は両者に対して概ね均等であり、判定や裁定を下す存在も確認されていません。しかし現象終了後、一部の事例では敗北側が勝敗を受け入れられず、現実的な暴力行使や器物破損に発展するケースが報告されています。これはSCP-046-COの直接的作用というより、勝負行為が過剰に演出されることで心理的興奮が誘発されるためと推測されます。