世界最強になりたくて 作:(∴)
世界最強とは何か………それはつまり世界で一番強いことだ。
漫画でよく見るだろ? 寿命で死んだけど、鬼の始祖すら逃げることを選択した剣士、受肉体だからこそやられた呪の王、生涯勝ち続けた主人公の父、巨人の群をたった一人で殺し尽くす人類最強………作中では老化により衰え全盛期の力を出せなくなった地震の化身に、巨大ロボットを素手でぶっ壊す老人や、その老人の名の元ネタである正攻法では倒せない敵。
病気、寿命、策謀、呪い…………何らかの理由で弱体化させなくてはならず、その上でも強い真正の強者達。
俺はそれに憧れた。
体を鍛えた。知識を手に入れた。実戦経験を手に入れる為に紛争地域に向かった。世界最強になりたくて!
だが、憧れの強さには届かない。
ハンドガンとナイフがなければ無傷で1個小隊を相手に出来ない。
入り組んだ森や廃墟でなければ無傷で中隊を相手出来ない。
前日に罠を張らねば無傷で大隊を殲滅出来ない。
ミサイルが振る前に敵地に侵入して将軍を殺さなくては死んでしまい、隠れて少しずつ殺さなくては街に巣食うマフィアを壊滅出来ない。
こんなものは俺が憧れた最強ではない!! 俺が欲しいのは、もっと、絶対的な力だ!
武装しているとは言え、軍人に囲まれぜえぜえ息を切らしながら辛くも勝利した俺を、誰が世界最強と認める?
もっと絶対的で超常的な力を求めた俺は、超能力とか気とか、そういうオカルト方面に手を出した。
1日1時間滝つぼの中に潜ったり、岩山に逆さ吊りになって内臓の圧迫を筋肉で抑えたり、辺りに炎を焚いて自分を燻してみたり、光が一切存在しない暗黒の洞窟の奥で十日間座禅したり………そして、尖った岩の上佇んでいた俺は、半年の断食断水に耐えられずバランスを崩し、死んだ。
そしてなんか転生した。
神様っているんだね。新しい世界には、魔力があった。人が人の身を超えた力を発揮するためのエネルギー。
魔剣士と呼ばれる、嘗ての世界に比べれば人外の強さを持つ者達。ファーストとか名乗る奴と戦ったことがあるが、魔力を使えなかった6歳の俺では勝つのはかなり難しかった。
発剄で内臓を潰してなんとか勝てた。
その戦いの中、ようやく魔力を掴んだ。基本的に魔力は血統………嘗て功績を遺した者達の子孫である貴族が高く、その貴族同士で子を作るのだから一般人とは差が開く。
俺は一般家庭の出身。魔力は貴族以下。
だが、筋肉が鍛えればつくように、魔力だって鍛えれば強くなるはず。
体内に流れる魔力を感じ取り、生成器官と循環器官を特定。
魔力とは物質に対して流れるさい抵抗がある。それは肉体でも同じこと。魔力を馴染ませ、自身を改造する。
アーティファクトというものを見つけた。本来ただ強化するだけの魔力というエネルギーに別のあり方を与える者。この世界には存在しない、魔法みたいな力を出せる訳だ。
つまり、魔力が身体強化だけと思っているのは人間の思い込み。空間に干渉も出来るし、炎だって出せる。道具を使う世界最強………ありだな。なにもかもしてこそ、最強だ。
でも道具を奪われた時の事を考えて生身でも行えるようにしておこう。
あと喋ると、魔力って1千年前に突如として現れったぽい。きっくんが教えてくれた。きっくん以外の竜は強大な力を持ち世界に深く関わっていたからこそ、世界の変異に耐えきれず亡くなったらしい。悲しいね。
それがもう一度起きないとは誰にも言い切れない。それで死ぬなんてまっぴらごめんだ。
目指すべき強さは世界の変革にも影響を受けない世界以上の存在。ワンパン………いや、神座だな!
きっくんの霧の結界の中にアーティファクト研究所を作り、学び、修練所も作り鍛えた。
因みにカカオやコーヒーがあったので紹介に売った。超儲かって、ダークマーケットで新しいアーティファクト買えた。
さて、そんな修業を続け、ディアボロス教団とかいう犯罪者を殺し、異世界に赴き教団に魔王と呼ばれる存在と戦い、殺し、時に従え再び生まれ故郷に帰ってきた。
言動のおかしい俺を捨てず、生まれてくる息子の肉体を奪った事実を話しても受け入れてくれた両親に恩返しするためだ。
父さんは最強の魔剣士になってくれたら誇らしいと言っていた。
母さんは好きなことをやって笑ってくれていたらいいと言ってくれた。
取り敢えず、魔剣士の学校通うか。
七大魔王(部下達)は………見た目が学生っぽい奴等も誘うか。彼奴等暇そうだし。
そして、俺の力を知らしめる。
七大魔王
魔王とは陰実において、異なる世界を指す「魔界」の王達。七大魔王はそんな魔王を修行のためにぶっ殺して回っていたラグナが強いだけで死を撒き散らさないし悪じゃないと判断したか、殺しまくる悪だけど許容範囲の悪党と判断した魔王達の中から厳選した修行相手にして遊び相手。星間規模での支配を行っていた者達。
魔天ラグナ・ケイン
魔王の上に立つ者で魔天。男に生まれたのなら最強を目指すという考えの下、前世から最強となるべく修行していた。実力を隠す陰の実力者になる気はないので銃弾の雨が振り、爆弾が投げ込まれるモノホンの紛争地域に飛び込んだ狂人。前世の時点でミリタリー漫画の最強キャラレベルのスペック。
実戦の中にこそ強さが宿ると魔界を練り歩き、七大魔王という修行仲間にして遊び相手を部下としている。
目指す強さは第六天波旬。
魔剣士学園に入って、騎士団に入れたらディアボロス教団をぶっ潰そうと思ってる。強くても、逃げ回るアリの群れを完全に踏み潰すのは酷だからね。やっぱ数で巣を探さなきゃ。