時とばしってアサシンの技みたいじゃね?   作:作刀

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4話 成長と真実

 

アーチャーを倒したヒットはセイバーのもとに向かう。しかしたどり着く直前にとてつもない力を感じた。恐らくセイバーの宝具だろう。だがこの距離では間に合わないと考えたヒットは無事を祈ることしかできなかった

 

 

 

 

 

 

 

「……これは」

 

 

 

たどり着いたヒットが見たのは宝具を防ぎきったマシュと立香。そして魔術を使いセイバーに攻撃するキャスターとキャスターの魔術を剣で防ぐセイバー。その戦いを見ながらヒットはマシュと立香のもとへ向かう

 

 

「マシュ、立香、よくやったな」

 

「……ヒットさん」

 

「私達、やりました」

 

「お前達は休んでいろ。後は俺とキャスターで終わらせる」

 

 

そう言ってヒットは飛び上がり、キャスターの隣に降り立つ

 

 

「お、やっと来たか。相変わらず無傷なようで」

 

「状況は?」

 

「俺一人でやるのはやっぱ骨が折れる。しかも対魔力のせいでこっちの魔術は1つも通りやしねえ。宝具ならなんとかなるだろうが……」

 

「俺がヤツの隙を作る。その間にお前は宝具を使え」

 

「おう、分かった。しっかり頼むぜ?」

 

「ああ」

 

 

キャスターの言葉に頷きセイバーの前に出るヒット。セイバーも前に出てきたヒットを見据えながら剣を構える。ヒットも同じくセイバーを見据えながら構える

 

 

「次は貴様が相手か。人間のようだがかなりの実力を持っているな。我が相手に不足なし」

 

「これも仕事だ。お前にはここで消えてもらう」

 

 

両者その場から動かずに様子を見る。そして、先に動いたのはセイバーだ。真正面からヒットに向かい剣を振るう。だがその剣がヒットに当たる前に、時飛ばしを使ったヒットの攻撃がセイバーの額を捉えていた

 

 

「──何!?」

 

「お前は俺に攻撃を当てることはできん」

 

「たかが一撃当てた程度で調子に乗るな。それに貴様の攻撃は軽い。その程度なら受けきれる。さぁ、もう一度だ!」

 

 

再びセイバーがヒットに迫る。次は真正面からではなく、驚異的な速度で後ろに回り込み剣を振るう。だが、その攻撃もヒットに当たることはなく、セイバーの腹部にヒットの蹴りが炸裂していた

 

 

「カハッ──!?」

 

「どうした、軽いんじゃなかったのか?」

 

「重い、だと……!?貴様、わざと威力を落として油断をさせたのか?」

 

「そういうことだ、お前がいくら頑丈だとしても、急所を撃ち抜かれ続ければ死に至る。お前は俺に勝てん」

 

「ふ、そうか──だがこう言ったらどうする?次の攻撃は私には通用しないと」

 

「ハッタリをかましすぎだ、この状況では強がりにしか聞こえん」

 

「ハッタリかどうか……その身で確かめるがいい!」

 

 

セイバーは最初と同じように真正面から飛び込む。ヒットは時飛ばしを使い攻撃をするが……その攻撃はセイバーの剣によって受け止められていた

 

「何?」

 

「破ったぞ?貴様の技を」

 

「……」

 

「そこだ!」

 

「な……!?」

 

 

ヒットはセイバーの攻撃を後ろに飛ぶことで回避したが、その攻撃は頬に掠り、血が流れている

 

 

「……」

 

「掠ったな。どうした?攻撃は当たらないんじゃなかったのか?」

 

「……まぐれだ」

 

「ああ、そうだろうな」

 

「何を」

 

「だが次は確実に当てる」

 

「ヒット!そいつは直感スキルを持ってやがる!ランクが高ければ未来予知と同じぐらいの効果を発揮するぞ!」

 

「そういうことか」

 

「ああ、はじめはスキルがあっても速度に対応しきれなかったが何度も受ければその速度にも慣れる」

 

「……」

 

「さて、もう一度だ!」

 

セイバーはヒットに迫り攻撃をする。ヒットは時飛ばしで対応するが、その攻撃はまたしてもセイバーに防がれる

 

 

「そこだ!」

 

「何!?」

 

 

不利だと考えたヒットは時飛ばしを使い場所を移動するが、その移動する場所を直感スキルで感じとったセイバーが蹴りを与える。ヒットはギリギリで防ぐが、その場でよろけてしまう

 

 

「そんな、ヒットさんの攻撃が通用しないなんて……」

 

「アーサー王には、ヒットさんの攻撃が見えていると言うんですか……?」

 

「嘘でしょ?ヒットでも勝てないなら誰が勝てるのよ!?」

 

 

立香もマシュもオルガマリーもヒットの攻撃が通用しなくなっている事に驚きを隠せないでいた。その間もヒットとセイバーは戦闘を続けているが、徐々にヒットが押され始めている

 

 

「く……」

 

「どうした、貴様のご自慢の技は使わないのか?」

 

「いいだろう」

 

 

ヒットは時飛ばしを使いセイバーに迫るが、カウンターを受けて吹き飛ばされてしまう

 

 

「おいおい、こりゃちょっとまずいぞ……」

 

「……」

 

「おい、どうかした──」

 

「うおおおォォォォォォ!!!」

 

「!?」

 

「おいおい、一体どうしちまったんだ」

 

「あんなヒットさんは初めて見ます……」

 

 

 

突然ヒットが叫びだし、その状況にセイバーどころかキャスターやマシュ達も驚いている

 

 

「急にどうした。気でも触れたか?」

 

「来い」

 

「……もとよりそのつもりだ!」

 

 

ヒットとセイバーは再び打ち合うが、ヒットが押されているのには変わりない、その事にセイバーは疑問を持つ

 

 

(何も変わっていない……?今の叫びは何の意味もなかったのか?やはりただ気が触れただけか……)

 

「そろそろ終わりにするぞ!」

 

「ぐああああ!?」

 

「もらったぞ!!」

 

ヒットは攻撃を受けて吹き飛ばされる。吹き飛ぶヒットに追撃を加えるセイバー。ここにいる全員、これで終わるのかと思ったその時

 

 

ズンッ!!

 

 

 

「か、はっ!?」

 

「ヒットさんの攻撃が、当たってる……?」

 

「やはり、先ほどの叫びがパワーアップのトリガーたったと言うわけか……!?」

 

「いいや、違うな。あいつはこの戦いの中で、ただただまっとうに成長したんだよ」

 

「成長だと……?」

 

「お前達サーヴァントのように、宝具やスキルを持っている訳でもなし、俺に残された道は、成長。それだけだった。成長、今まで考えたこともなかった、考える必要もなかったからな。さあ立て、お前あっての成長だ」

 

「く……!」

 

 

セイバーは後ろに飛び、ヒットと距離を取る。ヒットは構えを変えてセイバーを見る

 

 

「最新の俺のポテンシャルを最大限引き出す構えを考えると、こうなる。お前は俺の時飛ばしを超えることはできない」

 

「時飛ばしだと……?」

 

「俺の技の名前だ。0.1秒間時を止めそのうちに動き相手を攻撃する技だ……いや、今は0.2秒に拡大されているんだったな」

 

「自ら手の内を明かすとはな」

 

「明かしても問題ないと判断したからな」

 

(時飛ばしか、先ほどまでの動きには対応できていたが奴が拡大させた途端に対応できなくなった。だが後数発は耐えられる、0.2秒、届かない世界ではない)

 

「大きな読み違いだぞ、セイバー」

 

「なに?」

 

「お前は俺の攻撃を後何発かなら耐えられると考えている、そしてその何発かを耐えつつ0.2秒後の動きを読み切ろうとしている」シュン!

 

 

ドドドドドドドドドッ!

 

 

「俺は成長を続けている。お前には0.5秒に拡大された時飛ばしを超えることはできない」

 

 

ヒットの連撃を受けたセイバーは耐えられず、その場に倒れてしまった

 

 

「おいおい、まさか俺の宝具の出番はないってのかよ。やっぱめちゃくちゃだぜお前」

 

「勝ったん、だよね?」

 

「やった、やったわ!!」

 

「く……はぁ……」

 

「まだ立つか」

 

「嘘ぉ!?」

 

 

一同がセイバーを倒したと喜んだのも束の間、剣を支えにしながら立ち上がるセイバー。それを見てもう一度構えるヒットだが、セイバーはそれを止める

 

 

「私にはもう戦う力は残っていない。まさか人間1人に敗れるなど考えてもいなかった。聖杯を守り通す気でいたが、己が執着に傾いたあげく敗北してしまうとはな」

 

「結局、どう運命が変わろうと私一人では同じ末路を迎えるという事か」

 

「あ?どういう意味だそりゃあ。テメェ、何を知ってやがる?」

 

「いずれ貴方も知る。アイルランドの光の御子よ。グランドオーダー──聖杯を巡る戦いはまだ始まったばかりだという事をな」

 

「おい待て、それはどういう──おぉお!?やべぇ、ここで強制送還かよ!?チッ、納得いかねえがしょうがねぇ!ヒット、お嬢ちゃん!後は任せたぞ!」

 

「次があれば今度はランサーで呼んでくれよな。そん時はヒット、お前さんと戦いてえ」

 

「ああ、その時は相手をしてやる」

 

 

ヒットがそう言うと笑いながらキャスターは消えていった

 

 

「セイバー、キャスター、共に消滅を確認しました。私達の勝利、なんですよね?」

 

『ああ、よくやってくれたマシュに立香ちゃん。それにヒット君も!所長もさぞ喜んでくれて……あれ、所長は?』

 

「所長ならあそこで何か呟いているぞ」

 

「所長?どうかしたんですか?」

 

「え……?あ、ああ。よくやったわね、藤丸、マシュ、ヒット。不明な点は多いですが、ここでミッションは終了とします」

 

「仕事は完了した、ということか」

 

「そうね、それじゃあ後は、あの水晶体を回収するだけで。冬木がこうなった原因も恐らくあれよ」

 

「はい、至急回収──な!?」

 

 

マシュが水晶体を回収しようとした時、何者かがこの場に現れた、一同はそれに最大限の警戒をする

 

 

「いや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして、私の寛容さの許容外だ」

 

「48、49人目のマスター適性者。全く見込みのない一般人だからと、善意で見逃してあげた私の失態だよ。特にヒット、君だ」

 

「お前は……」

 

「レフ教授……!?」

 

「レフ──!?レフ教授だって!?彼がそこにいるのか!」

 

「うん?その声はロマニ君かな?君も生き残ってしまったのか。すぐに管制室に来てほしいと言ったのに、私の指示を聞かなかったんだね。全く──どいつもこいつも統率の取れていないクズばかりで吐き気が止ま──」

 

「敵の前でベラベラと、バカなのかお前は」

 

「ぐおおぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

長々と話しているレフに、ヒットは気弾を放つ。不意打ちで食らいかけたレフはギリギリで防いでいた

 

 

「貴様ァ!?まだ人が話している途中なのが見えないのか!?その目は節穴か!?」

 

「さっきも言ったが敵の前でベラベラと長い話をしているお前は死にたいようにしか見えなかったぞ?」

 

「ふ、まあいい」

 

「レフ!レフなのね!?よかった!」

 

「待て、そいつに近づくな」

 

「ヒット!?なんで止めるのよ!ねえレフ!今回も私を助けてくれるんでしょう!?」

 

「もちろんさ……まあ、それは無理だが。もう君は死んでいるからね」

 

「え?な、何を言って……」

 

「君にはレイシフト適性がない。それなのにここにいるということは、死んで魂だけが転移した状態なのだよ。故に、カルデアには戻れない。戻れば君のその意識は消滅する」

 

「そん、な……」

 

「だがそれでは───ごあぁ!?」

 

「その口を閉じろ。お前はここで消えてもらう」

 

 

ヒットはその場から一歩も動かずにレフを攻撃した。先ほどのエネルギー弾のようなものではなく不可視の衝撃波を拳から放つ。その衝撃波はレフの腹部を捉えていた

 

 

「次は心臓を狙う」

 

「……待て、どうやら今この場で戦闘を開始するには時間が足りないようだ。ならば、次に君に出会ったその時は……殺してあげよう」

 

「ふん、できるものならな」

 

「では、さらばだ。ヒット君」

 

 

 

レフはこの場から消えていった。だがそれを気にしている暇はない。この特異点はもう時期崩壊する。早くレイシフトしなければ全員死んでしまう

 

 

『まずい!もう少しで特異点が崩壊する!もうすぐレイシフトの準備が完了するから待っていてくれ!』

 

「所長」

 

「……なによ。もうすぐ私は死ぬの、慰めなら聞くつもりは……」

 

「俺は所長を生き返らせる方法を1つだけ知っている」

 

「……は?」

 

(ドラゴンボール、確かそんな名前だったはずだ。あの時脳内に浮かんだ合言葉を言えば、神の龍が現れねがいをかなえてくれると)

 

「カルデアに戻ってからになるが、それでもいいなら待っていろ」

 

「貴方は、この特異点で色々規格外なことをしてきた、ならその言葉も、嘘じゃないのよね……?」

 

「ああ」

 

『レイシフトの準備が完了した!今から飛ぶよ!』

 

 

 

ヒット達の視界は、光りに包まれる

 

 

 

 

 

 

 

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